「ハスラーズ」:女たちの悪だくみ
監督:ローリーン・スカファリア
出演:コンスタンス・ウー、ジェニファー・ロペス
米国2019年
リーマンショック後の不景気で立ち行かなくなったストリップクラブのダンサーたちが、ウォールストリートで金のありそうな男から金をかすめ取る--という「女たちの悪だくみ」(あるいは復讐)の実話である。
構成はコンスタンス・ウー演じる主人公が2007年からの出来事を2015年に記者に回想して語るというものだ。
ストリップクラブというとステージ上で踊るのを見るのかと思ったら、それだけではなく客の男の身体の上ですりつけるように踊るのである。知らなかった(!o!) さらに個室に行ったら何をしてようが店は不問、てなこともあるらしい。
新入りで入った主人公が先輩のラモーナ(ジェニファー・ロペス)のダンスに魅入られる場面はまさに圧巻としか言いようがない。御年50歳とは信じられねえ~。
その場面だけでなくロペスの豪快演が見ものである。「男が男に」ならぬ女が女に惚れるたぁこういうことか✨という冒頭から息をつかせず、見ごたえ満点だ。
主人公とラモーナは疑似姉妹関係を築くが、バーに来た男たちから財布の中身を頂く方法は完全に犯罪である。グループのメンバーを増やし荒稼ぎするうちに、女たちの連帯もグズグズと崩れ去る。背景に経済格差が断固と存在することが描かれる。
しかし敗けつつも感動を与えるのはこれまた確かだ。
ロペスがオスカー候補から漏れたのが話題になったが、確かにダンスシーンだけでも大迫力。そして後光の如く放たれる〈姐御〉オーラ\(◎o◎)/!
彼女はインタビューであのポールのダンスの練習が大変だったと語ってたが、私なんかしがみついたまま1センチたりとも動けないに違いない。(小学校の体育で登り棒が苦手なヤツであります)
ダンスシーンをはじめ当時の曲が多く流れるが、ショパンの使い方がうまかった。
客席は白髪頭の高年男性と若い女性という二層に分かれていた。明らかに見る目的が異なりますな。
それから、被害にあった男性の名前の後半にピー音が入っていたのはなぜだろう。字幕も伏字になってたし。公開された後に訴訟か何かあったのか。謎である(?_?)
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