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2020年7月29日 (水)

映画落ち穂拾い 2020年前半その2

「アップグレード」
監督:リー・ワネル
出演:ローガン・マーシャル=グリーン
米国2018年

DVD鑑賞。久々に出会った「よくできたB級SF」だった。
とある夫婦がある日何者かに突然襲われ妻は死亡、夫は首から下が麻痺してしまう。彼はAIによって体を動かし復讐を始める。元の身体よりも遥かに能力が発揮できるし、情報網にも接続できる。
近未来という設定で警察はかなり無能で役に立ってないという前提である。

意表を突く展開に目を離せない。そう来るか(!o!)という感じ。アクションシーンもよく出来ている(グロだけど)。低予算なのをアイデアで見事に克服していた。見終わった後は満足であった。

ラストが主人公にとってハッピーエンドだという意見をみかけたが、かなり微妙だろう。確か昔のTV『スター・トレック』にも似たような結末があって、それはハッピーエンド扱いだったけど……どうなんですかね。
あとお母さんのことが心配よ(*_*;

AIの「ステム」の声はかなりHALを意識していたようだった(^^;
本作の出来が良かったせいか、監督(脚本も担当)は『透明人間』をやることになったらしい。


200729a「さよならテレビ」
監督:土方宏史
日本2019年

劇場公開もされるようなドキュメンタリーをいくつも作ってきた東海テレビ、その開局60周年記念番組がオリジナルである。30分ぐらい追加シーンを付け加えて劇場版にしたとのこと。

TVの報道番組の実際をかなり赤裸々に描いている。営業がらみの取材(実際は宣伝)コーナーや、他局の視聴率を毎回チェックする様子、派遣で来た若者をリポーターにして料理を食べるのをダメ出ししながら撮影とか……。
そのような内幕を見せた最後に、さらにもう一つウラを見せる。これがドキュメンタリーのやり方なのだ!と驚かせる作りだ。

ただかなり長くて整理されてない印象の所に「これが真実だ」と言われても、ゴチャゴチャしていて衝撃が薄れるのであった。
同業者は「ここまで見せるか」と思うかもしれないけど、部外者は「はあ、そうなんですか……」という感想である。

やっぱりドキュメンタリーは編集が命なんだなあ、という印象を強くした。


200729b「ザ・バニシング 消失」
監督:ジョルジュ・シュルイツァー
出演:ベルナール・ピエール・ドナデュー
オランダ・フランス1988年

DVD鑑賞。見ている間中イライラして、見終わった後はさらにイヤ~な気分になること請け合い💥、30年前に作られたサスペンスである。
オランダ人カップルがフランスを旅行中に、突然女の方が行方不明となる。その後、早々に犯人を登場させてしまい、時間をさかのぼって彼が平凡な家庭生活を送る様子を描いたり、犯行の「予行練習」を行うところを見せるのであった(>O<)
そして事件後数年して今度は残された男の方に接近する。

主人公の男に「なぜそこで行く」と言いたくなるが、これはあまりにイヤなのに見るのを止められない観客の心境と同じなのか。
女がつたないフランス語で喋る場面にとことんゾッとした。
あと最後に男の靴下に穴が開いている場面は驚いた。普通はそんな靴下使わないだろうよ。

でも、こりゃもしかしてロマンチックな話なのかな(^^? だって結局二人の夢が実現したんだからさあ……。
同じ監督によってのちにハリウッド・リメイクされたそうだけど、そちらの方はハッピーエンドらしい。
なお監視カメラがよほどの田舎でない限りどこにでもある現在では、成立しにくい話である。

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