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2020年9月 7日 (月)

「ナイチンゲール」:地と人心の果てで

監督:ジェニファー・ケント
出演:アシュリン・フランチオージ
オーストラリア・カナダ・米国2018年

19世紀イギリスが囚人流刑の地としていたタスマニア。彼らを植民地の労働力として使役するのである。そこに送られたアイルランド女性の悲惨な物語だ。
彼女は監獄を出してもらいその地で伴侶を得たが、同時に流刑地を管理している英国軍の将校に「愛人」扱いされている。
とあるきっかけで将校たちにレ●プされた上に夫と子どもを殺される--というのが発端。
復讐に燃える彼女は先住民の若者をガイドとして雇い、将校たちを追跡する。

と、まるで西部劇そのままの展開である。西部劇といってもマカロニ・ウエスタン仕様。繰り広げられる陰惨な暴力、あまりにも残酷な場面ばかりなので見ていて消耗してしまった。また出会う白人のほとんどが凶悪で残酷な奴ばかりなんだよねー。
追跡の過程で、最初は差別意識と嫌悪丸出しだったヒロインが先住民の若者と理解しあっていくのもやはり西部劇の定番といえる。

後半の展開はやや迷走気味か? 観客の方はテンションを保持して見続けるのにかなり気力が必要だ。
主人公が歌うアイルランド民謡(タイトルはその曲名)と先住民の踊りと歌が並行して扱われ、幻想的な光景が描かれる。現実がどうしようもない時に幻想(ファンタジー)へと行きつくしかないのがつらい。

悪役である将校は二枚目でルックスはよい(これまた最近の映画の傾向)、かつどうしようもなく差別的で卑劣な男権主義者。そのような役柄を熱演⚡とホメたくなる。
あとレ●プシーンはこれからの時代、何か別の描き方が欲しい。監督が女性であるならなおさらである。これも定番と言えばそれまでだが。

アイリッシュ・トラッドの歌が美しくて悲しい。エンドシークレットでチーフタンズの名前を見かけたような(^^?

 

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