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2020年11月 8日 (日)

映画落ち穂拾い 2020年後半その1

「悪の偶像」
監督:イ・スジン
出演:ハン・ソッキュ
韓国2019年

政治家が息子のひき逃げ事件の隠ぺいをはかる(;一_一)……というのなら、政争サスペンスだろうと思って見に行った私が悪かった。

登場人物が全員モンスター化するという斜め上どころか異次元突入の展開である。暴力てんこ盛りの終盤に至って、これは社会派ものではなくて『コクソン』と同系統だと判明したのだった。
「全員怪物」って「全員善人」と同じくらい詰まらない状況だと理解していただきたい。
またやたら長いんだよなー。見終わってガックリしてしまった_| ̄|○

素朴な疑問→一人の人物の怪物度が後半に突出して明らかになってくるのだが、そんなだったら最初から逃亡しないで凶暴さを発揮してたらいいんじゃないの?


201108「グッドライアー 偽りのゲーム」
監督:ビル・コンドン
出演:ヘレン・ミレン、イアン・マッケラン
米国2019年
DVD鑑賞。

騙されるミレン×騙すマッケラン……💥 名優二人が丁々発止のコンゲームを繰り広げるのかと思ったら、実際は全然違った。
前半はともかく、後半はにわかに重苦しい内容になっていく。見ていてこんなはずではなかった感が押し寄せるのであった。

ネタバレするわけにもいかないが、色んな要素を詰め込み過ぎな印象だった。一つのアイデアから全体を構築する力業の技術がないからこうなっちゃうのかね。
役者の「それらしさ」に頼りすぎなのもどうかと思う。
まあ、ロードショー料金払って見なくてよかったな、というのが最終的な結論である。


「SKIN/スキン」
監督:ガイ・ナティーヴ
出演:ジェイミー・ベル
米国2019年

白人至上主義者の若者の実話だそうである。今なおBLM問題密かに進行中、差別する側に焦点を合わせ密着して描いた本作はまことに時節に合っているといえよう。

冒頭に同じタイトルの短編(アカデミー賞獲得)が併映になってて、先にそれを見ただけでもう倒れそうになってしまった。内容は本編とは異なるのだがあまりにも驚異的な描写である。

その後にさらにプラスして本編2時間弱はヘヴィ過ぎだった。
少年の頃に白人至上主義グループのリーダー夫婦に拾われ、親代わりと思って活動してきた主人公。その身体には差別的なシンボルのタトゥーだらけだが、しかし心の方は段々と疑問を抱くようになっていた。

重苦しくて耐えられなくてつらい--このつらさを見続けるのは限度を越える。結末が前向きだからかろうじて救われるが、正直もう少しテンポよく短くしてほしかった(=_=)
それと、どうして主人公がグループを受け入れがたく思うようになったのかが描かれていない。(シングルマザーと出会う前から既に兆候があった)
差別主義グループを描いた映画としては『帰ってきたヒトラー』の監督の過去作『女闘士』の方が完成度は高かったかなあ。
ただタトゥー除去の場面は……絶句としかいいようがない⚡

ヴェラ・ファーミガが暖かくて冷たい矛盾した存在の「ママ」を好演。メアリー・スチュアート・マスターソンが出ていたのに全く分からず、後になって知ってようやくFBIか(!o!)と気付いた。
なおワンコ🐶が好きな人は見ないことをオススメする。


「悪人伝」
監督:イ・ウォンテ
出演:マ・ドンソク
韓国2019年

原題通り(「極道、警官、悪魔」)にヤクザと刑事と殺人鬼の三つ巴の闘いである。
シリアルキラーを捕まえるために暴走刑事とヤクザの組長が協力するという発想はよし!と言いたいところだが、暴力の三乗で刺激が強すぎて私などは胃もたれが(^^ゞ
わんこそばならぬ「わんこから揚げ」のように、食べても食べてもシツコイから揚げが上から降ってくるようだ。

マ・ドンソク組長が超人過ぎて、比べると殺人鬼が小物にしか思えないのが問題。もっとも、あの組長の車をブチ当ててさらに狙おうとする神経自体が、イカレている証明と言えなくもない。私だったら地球の果てに逃走しちゃうよ。
終盤の、狭い路地でのカーチェイスはお見事であった。

謎なのは二人の私生活の描写が全くないことである。普通、組長にはケバい愛人が3人ぐらいいて日替わりで巡回。刑事には給料の安さを愚痴る悪妻がいるのがお約束ではないだろうか。
そういうのは一切出てこない。二人の相合傘💓のシーンはファンへのサービスですかね。

ともあれマ・ドンソクのファンは見て損なし🆗--と言いたいところだったが、平日の昼間で観客が少ないとはいえ、その中で女は私一人だった。
なんで(^^?

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