「その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」
著者:ジョディ・カンター&ミーガン・トゥーイー
新潮社2020年
数々のヒット作(と良作)を放った映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラと性暴力を報じたNYタイムズ記者によるノンフィクションである。事件そのものだけでなく、いかに取材したかがかなり詳細に描かれている。
匿名でしか話せないという被害者に連絡し、他の被害者を知っていたら紹介してもらい、実名で取材に応じられる者を探し、情報提供者に会うために飛行機に乗り--と大変な努力と周到な準備で記事が準備されたことが分かる。
しかも記事が完成したら、最後にはワインスタイン側に事前に記事の内容を明らかにし、反論を併記する準備もしなくてはならない。もちろん両社とも弁護士が控えている。
確認に確認を重ね、上司のGOサインを得て、あらゆる事態を想定しての弁護士との打ち合わせは必須。その間も取材に応じた被害者が気を変えないかハラハラして時を待つ。
当然ながら社のバックアップがなくてはできない。調査報道とはこれだけ大変なのかということがよーく分かった。
ところで、この事件の被害者だったアシュレイ・ジャッドは若い頃日本で働いていて性暴力にあったというエピソードが出てくる。
キャメロン・ディアスも同じく十代の時に日本でバイトしててイヤな目にあったとか。
日本の評判は既に地に落ちているようである(ーー;)
難点を一つ上げると、ページを開くと行間が狭くて非常に読みにくい印象を受けることだ。実際に読むと文章自体はそんなことはないのだが、本を開いてパッと見たところでそう感じてしまう。
読みやすいレイアウトにする(ページ当たりの行数を減らす)とその分ページ数が増えてしまうから苦肉の策だと思うけど……難しいですな💨
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