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2021年1月 6日 (水)

「素晴らしき世界」上・下

210106 著者:マイクル・コナリー
訳者:古沢嘉道
講談社文庫2020年

おお(!o!)2020年はコナリーが3冊も翻訳出版だ~✨
--と喜び勇んで読む。
相変わらず定年後に非常勤刑事を務めるボッシュと、『レイトショー』で初登場したLA市警深夜勤務のバラードのシリーズが合体である。
交互に二人を章立てして過去の事件に迫っていくという体裁を取っており、両者の前作(ボッシュ・シリーズは『汚名』)を読んでいるのが前提条件である。

俄かにボッシュが年齢を感じさせる年寄りモードになってしまい、長年付き合ってきたヒーローが遂に老境に(T^T)……と涙を流したいところだがそのヒマもなく展開する。

異常なまでのカンの良さと無謀なまでの行動力を持つが公職の立場に縛られるバラードに対し、彼女を補完するようにボッシュは解き放たれて(もう年金は貰っているから怖いモノなし)仕置人のようになっていくのだろうか。(ならないとは思うが)

これもカリン・クサマ監督(『ストレイ・ドッグ』)で映画またはTVドラマシリーズ化してほしいね(^^)

前作「汚名」には恒例の訳者あとがきがなくて読者の疑念を巻き起こした。しかし、今回はちゃんとあとがきがあり、理由がちゃんと明らかにされていてホッとした。一時期ファンはパニックになったもんなあ。

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