「大塚直哉レクチャー・コンサート 5 フーガの身体性」:同じバッハなら踊らにゃソンソン
オルガンとチェンバロで聴き比べるバッハの”平均律”
出演:大塚直哉、小尻健太
会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
2021年2月14日
ついに5回目となったこのシリーズ、今回は平均律第2巻の7~12番である。
今年度は異なるジャンルのゲストを呼ぶという趣向で、ダンサー小尻健太が共演だった。この人のことを全く知らなかったが、少し後にさい芸で公演を行うとのこと。
これまでのこのシリーズよりも客席に女性や若い人が多かったのは、彼のファンが来ているからのようだった。(なお客席は市松模様でなく普通に入れていた)
平均律の第11・12・9番をいつも通り解説と共にチェンバロとオルガンで弾いた後に、小尻氏が登場してトーク・タイム。
ここで面白かったのは、本日の曲のテーマが音楽というより体の動き、ジェスチャーのようなものがあるという大塚氏に対して、小尻氏は逆に「歌」であると言ったこと。これはダンスにおいては「動き」こそが感情の発露だからではないかと思った。
そして、なんと大塚氏は前半に弾いたフーガのテーマで即興で踊るように頼むという無茶ぶりを発揮したのであった(!o!)
ナオヤ、語り口は穏やかながら実はコワい子💥 鬼ですか~っ(>O<)と言いたくなるが、小尻氏は実際踊っちゃったのだから大したもんである。
後半ではいよいよ第8・10番のフーガでダンス&オルガンのがっぷり四つ共演。
8番はテンポが速くてひねくれた曲。どう踊るかと思ったら、照明を使って三声を影で表し4声目をダンスするという荒業だった。
実はどうにも踊りにくい曲なので照明を使ったとのこと。
10番は逆にテンポゆったりで、それぞれ4声に引っ張られるような感じで楽譜が進んでいくように踊った。
フーガの中のバッハのエネルギーを引き出していた、とはナオヤ談であった。
さらにアンコールではゴルトベルクでダンス🎶という大盤振る舞い。チェンバロを使ってかなりロマンチックな演奏でそれにふさわしく抒情的なダンスであった。場内は拍手大喝采だ。
これがレオンハルトみたいな演奏だったらラジオ体操になっちゃうかも(^-^;;;;などと思ったのはナイショである。
実に興味深く面白いコラボレーションだった。これでチケット2000円(セット価だけど)とは安過ぎだいっ。
次回のテーマは映像とバッハとのこと。楽しみであーる。
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