ヘンデル「セルセ」:酒と泪と王と女
二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
指揮:鈴木秀美
演出:中村蓉
会場:めぐろパーシモンホール
2021年5月22・23日
昨年は多くのオペラ公演が中止・延期を余儀なくされた。しかし、今年はめでたく無事に上演された二期会のヘンデル。恒例のダブルキャストで私は23日の方に行った。
ペルシャの王様セルセは婚約者がいるのに、弟アルサメーネの恋人にして歌手のロミルダに横恋慕。一方、ロミルダの妹もやはりアルサメーネを虎視眈々と狙っているのであった……という五角関係の話だ。元はと言えばセルセが二股かけるのが悪い👊と断言したいけど王様だから無理が通って道理が引っ込んじゃう。
これを、植物フェチの王が人気アイドル歌手に夢中になっていきなりの「押し」認定をするというような設定にしている。
セットは簡略で壁や階段を組み合わせたものが基本。王は身の丈に合わない大きな赤いマントをいつも引きずっている。
ヘンデル作品でヒロインをアイドルに設定というと、昨年のBCJの『リナルド』を思い出しちゃうが、あっちは仮想アイドルだから別物かな(^^;)
そのためステージには6人のダンサーが常に登場、歌手も一緒にアイドル風振り付けで踊ったりする。歌って踊って大変だ~。
さらにはバー「庭」が突然出現。壁にはなぜかヒデミ氏のレコードジャケットが飾ってあったりして💡 登場人物が酒場でクダまくのはMET版『アグリッピーナ』でもあったなーと思い出す。
ヘンデルには酔っ払いが良く似合う、ですかね(^◇^)
コロナ禍という時節柄ゆえ、長時間の公演は避けた方が無難という判断だろうか。途中幾つかアリア端折って勢いよく進行した。三幕ものだが休憩は1回のみ。
笑える場面が多くてライトな雰囲気。そのため濃厚さは欠けてアッサリ味だった。
ただしその代わりに、ヘンデル先生大ヒット曲(?)「オンブラ・マイ・フ」は3回も登場というサービス🎶があった。
儲け役はやはりロミルダの妹アタランタかな。これまた笑わせてくれました。ただ、セルセがテノールになっていたのは残念だった。
ダンサーの方々はほぼ出ずっぱりで大活躍で、しかもダブルキャストでなく二日間とも出演。ご苦労さんです。演出の中村蓉という人、自分もダンサーで振付もやっているそうで、このダンサー重用の演出は吉と出たようである。
一部の楽器はマイクを使用していたもよう。まあ、そうでなければテオルボなんかとても聞こえないわな。
とりあえず、延期や中止になったりせずに開催出来てヨカッタ。秋の北とぴあ音楽祭も期待していいかな~(ΦωΦ)
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