「プロミシング・ヤング・ウーマン」:少女老いやすく復讐なり難し
監督:エメラルド・フェネル
出演:キャリー・マリガン
イギリス・米国2020年
今年のオスカーで5部門候補になり脚本賞獲得。キャリー・マリガンも主演女優賞の下馬評高かったが取れずに終わったものの、話題の一作である。
正直、理解に苦しむ映画だった。登場人物のほとんどが何を考えているのかよく分からないのだ。
例えば『ライトハウス』はホラーだか幻想ものだか、話自体はぶっ飛んでいて訳ワカランものであった。だが、少なくとも登場人物がその時どういう精神状態でそういう行動をするのかは大体理解できた。
しかし、こちらはその点がさっぱり理解できない。
事前の情報では友人をレイプして死に追いやった不埒な野郎たちに鉄槌を下すというような内容とのことだった。でも全く違った。
ヒロインは事件に衝撃を受け、夜な夜な町へ繰り出してわざとそのたぐいの男をおびき寄せ「お仕置き」をする(あくまでも「お仕置き」程度の教育普及活動)。危なっかしい橋を渡っている。逆ギレされたらどーするの、などと心配しちゃう。
だがなぜそこまで友人の死にのめり込んでいるのか、理由は描かれていない。長年に渡って自分を捨てて投げやりな日常を送り、自暴自棄としか思えない行動を続けているのにだ。親友だからなのか、それとも友人以上の関係だったのか?
それから小児科医の男も謎である。付き合いたいというのは分かるが、いきなり××入りのコーヒー出されて飲むか(?_?) フツー飲まないだろう。(そんなコーヒー出す方も出す方だが)
また一度、彼に腹を立てたのにまた彼女が戻ってきた理由も不明だ。唐突に元に戻っちゃう。理由は観客が勝手に推測するしかない。
終盤の「突入」の意図についても同様。
巷の感想見ると、最初から戻るつもりはないと覚悟していたという解釈を幾つも見かけたが、だとするとあまりにも無意味な行動では(?_?)
さらに最初の設定では、最後のシークエンスはなかったという……ええー(+o+;) それじゃますます無意味じゃないの。
現実に起こっている種類の犯罪をモデルにして作っているのだから、できればもっとサバイブの方向に導くものにしてほしかった。
シュシュでくくったかわいいノートに「教育指導」した奴(男に限らず)を執拗に記録していくことが、女の子っぽいやり方というのであろうか。力ある男にひねりつぶされても仕方ないというのなら、無力感にとらわれること甚だしい。
あと、映画作りの基本的なミスが見受けられたのも気になった。カットによって服の乱れが統一されてないとか、狭い場所でのカメラの位置が変とか……。シロートの私が気づくんだから専門家が見たらもっとあるのでは?と疑っちゃう。
それと「枕」のシーンだが、スタントを使わずにマリガン本人がやってたというのを聞いてびっくりした。あれこそスタントを使うところでは💦 実際、事故になりそうだったらしい。
あと使われてる曲の歌詞は訳してほしかった。オバサンは最近の流行の音楽にはうといので(^^;ゞ
というわけで、期待していたのにガッカリであった。
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