【旧盤紹介】カヴァッリ「聖母マリアの夕べの祈り」
17世紀半ばヴェネツィア、サン・マルコ大聖堂の楽長を務め、一方で人気オペラ作曲家だったカヴァッリ。残っている彼の作品としては数少ない宗教曲だ。
当時、大聖堂で演奏されたそうで、その壮麗さと美しさを十二分に味わうことができる録音である。
コルネットとトロンボーンのアンサンブルはブルース・ディッキー、シャルル・トートを始めとする10人。バーバラ・ボーデン、マーク・パドモア、ゲルト・テュルクなど歌手は8人、他にヴァイオリンはエンリコ・ガッティ✨(聞けばすぐ分かる)、テオルボはスティーヴン・スタッブスという強力布陣だ。
特に3人の男声を美しくフィーチャーした「めでたき海の星」、続いて管弦声が入れ子のように組み合わされた3声の「マグニフィカト」にかけての流れが非常に素晴らしい。
また合間に配置された管の器楽曲の輝かしい響きは言葉に表せないほどである。
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