「コレクティブ 国家の嘘」:オールド・アンド・ホープレス
監督:アレクサンダー・ナナウ
ルーマニア・ルクセンブルク・ドイツ2019年
ルーマニアのライブハウスでバンドが公演中に火災が発生、客が逃げ場を失って死傷者200人超の大惨事になる(2015年)。問題はそこで終わらず病院で次々に火傷の症状が悪化し、亡くなる人が倍増したという。一体何が起こったのか--その問題を追及するドキュメンタリーである。
冒頭、バンドの頭上で炎が燃え上がるスマホ映像が怖い。その後、前半は事件を徹底追及するスポーツ紙の取材班に密着する。「スポーツ紙」といっても東スポみたいなのじゃなくて、紙面は日本の雑誌「ナンバー」風でスポーツ界関連で社会問題を取り上げるような感じである。
それによって発覚したアヤシイ事案の数々、病院の不正と行政の責任。死人まで出てマフィアの関与も浮かび上がったのであった。
並行して、怪我から立ち直ろうとする被害者の姿も描かれる。
一転、後半は事件のため辞職してしまった保健大臣の代わりにピンチヒッターとして民間から登用された人物に許可を得て密着。
しかしスポーツ紙の記者には脅迫が来て、大臣には妨害と論点ずらしの攻撃が襲う。マスメディアもグルである。ん(?_?)こりゃどこかの国でも見たような。
カメラはひたすら追いかけていく。
結末は救いがない。
選挙は超低投票率(特に若い人)、結局「古くさい国」「希望のない国」なのをあからさまにしてに終わるのだった。
やっぱり日本と同じだ~(>O<)イヤーッ
でも、逆に「日本だけじゃないんだ🆗」ってホッとしたりして……。
そういう実情をあくまでも忖度なく、直截に描き切ったドキュメンタリーであった。
と思ったら--最近の監督のインタビューによると、その後若い人たちの意識も変化し改革を求める動きが出て来たという。
やっぱり日本だけなのか(´・ω・`)ショボ
アカデミー賞国際長編映画賞ノミネート→結果『アナザーラウンド』が獲得。
同じくドキュメンタリー長編賞ノミネート→結果『オクトパス』。
残念でした💧
なお「コレクティヴ」とは火事になったクラブの名前。分かりにくい。
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