「漫画家の自画像」
本を開くまでは「ふむふむ、よくマンガ家が描いている自画像を見比べた本ね」と簡単に思っていた。しかし実際読んでみたらそんな単純なもんではなかった。
正確にはマンガで描かれたマンガ家について様々な角度から論じた書である。その多くは作品内で個性あるキャラクターとして活躍している。それをジャンル分けし、歴史をさかのぼり他作品と比較・分析する。
まずご本人が自分を描いたものがあれば、同じ人物を他のマンガ家から見たものもある。手塚治虫のように自作のフィクション内に登場させたり、ノンフィクションとしての自伝や評伝マンガの場合もある。私小説ならぬ私マンガ、埋め草的な近況報告、さらには独自ジャンルを形成するエッセーマンガも忘れてはならない。
小説だとここまでキャラクター化して作品内に出てくるのは珍しい。マンガの特性ゆえだろうか。
一方で、連載雑誌の目次や巻末コーナーに登場するワンカットの自画像、さらに過去にはスター・アイドルさながら本人が顔出しするリアル写真もあった。(当時は住所も平然と載ってましたな(^▽^;)
加えて、実在人物が登場するのではないが業界マンガにマンガ家マンガ、さらにマンガ家入門マンガなどなど、ネタは尽きず面白い。
おまけに年譜、系譜図、索引付きまで付いているではないか(!o!) 読み応えあり&資料としても役立つ。
ここまで広範囲に資料をさかのぼり調べるのは非常な苦労だっただろう。頭が下がっちゃうm(__)m
早速、とり・みきからSNSで「エッセーマンガを始めた時期は自分の方が早いのではないか」という意見が流れてきた。チェックが大変だ~👀
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