「《ラ・ペッレグリーナ》のインテルメディオ」:指揮者も弾かずばいられぬメデタサよ
アンサンブル・プリンチピ・ヴェネツィアーニを交えて
演奏:古楽アンサンブル・エクス・ノーヴォ
会場:台東区生涯学習センター・ミレニアムホール
2022年5月21日
福島康晴率いるエクス・ノーヴォ、コロナ禍のせいで定期公演はなんと2年半ぶり、東京文化会館での公演以来だそうだ。
当日に配られた非常に詳しくて読み応えのあるプログラムによると、『《ラ・ペッレグリーナ》のインテルメディオ』とは、メディチ家の当主フェルディナンド1世の結婚式(1589年)で上演された幕間のパフォーマンス作品である。
合唱はもちろん舞踏あり大掛かりな舞台装置ありということで、本編の芝居を超える豪華さだったという。
題材は主にギリシア神話で、音楽関係だけでも複数の作曲家が関わるという一大プロジェクトであったようだ。
この日の公演では6つのインテルメディオうち4つが演奏された。声楽12人、管弦含む器楽11人という布陣である。
実はこの曲、かつてウエルガス・アンサンブルの録音でよく聞いていた。ただ、あまりに壮麗で美し過ぎてスルスルと流れてしまい、心に引っ掛かる部分が少ないという印象だった。
しかしやはりナマで耳&目にすると全く違~う(!o!)
合唱部分は高揚感あふれ、それに対して独唱曲では個々の力量がいかんなく発揮されていた。左右に歌手が分かれてのエコー使った曲も効果抜群だ。
合間には器楽曲が挿入されて多彩な構成である。管楽器と弦楽器のアンサンブルは混然一体となって光を放っていた。特に中央でアクセントを入れる佐藤亜紀子のアーチリュートと笠原雅仁のテオルボは特筆ものだった。他の演奏者も複数の楽器を兼ねている人たちがいてご苦労さんである。
つい解説してしまう性分らしい福島氏によると、リラ・ダ・ブラッチョとリローネが共演するのは本邦初というのは驚いた。それにしてもリローネ……13本も弦があって調弦が大変ですね。
なんでも、この日の弦の総数188本とな(!o!)
さらに指揮者の斜め前にバロックギターがずっと置いてあって、どうするのかと思っていたら、ラストの「大公のバッロ」でやおら福島氏が手に取って弾き振りし始めたのだった。
久しぶりのコンサート、歌手も器楽も全体的に堂々とした高水準の演奏を聞かせてくれた。字幕が入ったのもありがたかった✨
なお次回11月は、この「インテルメディオ」を仕切ったカヴァリエーリの『魂と肉体の劇』を演出家入れてやるとのこと。
これは絶対に行かなくては、ですよ(^.^)b
会場は初めて行ったが、上野駅から歩いたらさすがに疲れた。
区の複合施設内にあって、図書館も休憩中にちょっと覗かせてもらった。キレイで使いやすそうだったが、複合施設に中央図書館を設置というのは収蔵スペースはどうなってるのかな、などと思ってしまった。まあ、23区だと土地の確保だけでもバカにならないだろうけど。
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