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2022年8月

2022年8月11日 (木)

「ヘンデルのいたロンドン」:テムズ河と青い空

220811 バロック室内楽の愉しみ
演奏:鈴木秀美ほか
会場:としま区民センター小ホール
2022年7月21日

鈴木秀美を筆頭とする4人が「古楽の原点ともいえる昔懐かしいトリオ・ソナタなどを楽しむプログラム」を演奏するという内容である。(今後も続く?)
今回のテーマはヘンデルとロンドン--同時期にかの地に出没し活躍していた作曲家(主にイタリア出身)たちの作品も共に紹介された。

ヘンデル作品の中心はトリオ・ソナタとはいえ、上尾直毅による「調子の良い鍛冶屋」の調子の良い💫独奏もあった。調子が良すぎて鼻歌が出そう(*^▽^*)
同時代のライバルやヘンデルと共演した音楽家としてはペプシュ、ヴェラチーニなどが取り上げられた。ヒデミ氏はジェミニアーニのチェロ・ソナタを選択した。

それぞれ曲によって編成を変えての演奏だったが、一貫して若松夏美の力強いヴァイオリンの音色には驚くばかりであった。もう一人のヴァイオリン担当、廣見史帆はニコラ・マッテイスの短い独奏曲を弾いたけど、ナツミ氏はアンサンブルで常に剛腕を発揮してみせていた。
なお、歌曲ではゲストの鈴木美登里も登場して2曲+アンコールを歌った。オルガンが置いたままになっていて、ずっと「いつ使うんだろう」と思っていたけど、最後のヘンデル「サルヴェ・レジーナ」でようやく音が聞けた。
全体としてベテランならではの安定感ありのコンサートだった。

この会場は初めてだった。池袋駅を出て徒歩数分というのはかなりの利点だが、使われたスペースはイベント用という印象である。同じフロアは企業向けの貸し研修室風の部屋が通路沿いに並んでいて通路も狭かった。
余計な残響がなくて音がダイレクトに伝わってくる一方で、少し潤いに欠ける音だという印象も受けた。難しいね💦

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2022年8月 6日 (土)

「FLEE フリー」:真実からの逃走

監督:ヨナス・ポヘール・ラスムセン
デンマーク・スウェーデン・ノルウェー・フランス2021年

アフガニスタンで生まれ育った少年が政変を逃れ、共産主義体制が崩壊したばかりのロシアに家族と共に亡命する。そんな過酷な半生を語るドキュメンタリーである。
その手法が全編アニメーションで描くというものだ(実写は当時のニュース映像が時折入るぐらい)。過去に起こった出来事は後から撮影はできないからアニメで再現するのは「あり」だが、現在の生活やインタビューの姿も恐らく一度実写で撮影したものを描きなおしている。
個人を守るためにそのような形にしたのだという。

カブールでの子ども時代、父は不在でも楽しかったけどすぐに終わりを告げる。逃亡先のロシアでの生活も恐怖と一体だ。
苦難の末、結局彼は家族と離れたった一人で異国の地に立つことになる。危険なので自分のこと家族のことの真実は話せない。虚偽で固めた「自分」を守るしかない。

あまりにつらい話が続くので見ているだけでも段々とへこんでくる気分だ。
そのような体験は大人になった彼の精神の中に暗く影を落としているのが、段々と明らかになっていくのだった。
さらに自分がゲイであることが分かったら、唯一のよりどころである家族からさえも拒否されるのではないか--この煩悶は苦しい。ウウウ(=_=)

鬱屈を抱える彼へ、最後の最後に救いが出現する。俄かにこの場面こそドキュメンタリー+アニメという手法が最も有効な瞬間となる。
いざ、過去の影より抜け出て明るい日々へ--✨


なお、誰でも鑑賞後に「おにーちゃん、疑ってすまなかった。あんたはエエ人や」m(__)mガバッと土下座したくなるのは確実であろう。

それにしても、モスクワのマクドナルド第一号店開店のお祝い騒ぎの横であんなことが行われていたとは(>y<;)

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