「モガディシュ 脱出までの14日間」:ここまでやるか!てんこ盛り
監督:リュ・スンワン
出演:キム・ユンソク
韓国2021年
映画のありとあらゆる要素を全部乗せして余さずに差し出してきて、しかも実話を元にしているという。これ一本で満腹間違いなし!の力作である。
ごっつぁんでした~(^^)/
舞台は1990年のソマリア、韓国の国連加盟案件を控えて首都のモガディシュで南北それぞれの大使館が互いに暗躍し工作を繰り返すという状況が続いていた。当地の権力者に対しては金品とヨイショ攻勢は欠かせない。
しかしクーデターが起こり、内戦が勃発する。南と北の大使館の対立さえも吹き飛ばす、巨大な暴力が市中で巻き起こるのだった。
当時こんな状況だったとは全く知らなかった。路上では死屍累々、少年兵の無邪気な狂気が怖い。それと、死体の上を車がボコッと走っていく音には冷汗が流れる(>y<;)
しかし、そのような国を利用しようとしていたのがそれまでの実情なのだ。
遂に北朝鮮の大使館にも暴徒襲撃の危機が迫ってくる。助けを求める先は……。
このような内容とはいえ、マジメ一本やりの社会派作品というわけではない。導入はお笑いモードから始まり油断させておいて、途中には敵対反目→相互理解に至る感動と涙を織り込み、さらに終盤では壮絶な銃撃&カーチェイスの組み合わせへと至る。そこまでやるかと絶句してしまう。あまりの迫力に思わずギャーッ(>O<)と叫びそうだった。
あ、さすがに恋愛要素は入る余地なし。ただし男同士のひそかな熱い友情はあるけどな。燃えて⚡燃えて🔥萌えまくれ~💖
そしてラストには涙が--(T^T)
南北それぞれの大使役のキム・ユンソクとホ・ジュノの渋い熱演が光る。
製作面ではモロッコのロケ地に再現した町並みにアフリカ系キャストを多数投入している。「暴徒襲撃」といっても実際には画面にニ、三人しか映ってないよ💦というショボさはB~X級作品ではあるあるだが、本作についてはそんなことはなしっ。群衆シーンもCGで割増などということもなく(多分)実際に動員して迫力ありだ。
お金のかけ方が全く違う印象である。やはり韓国映画恐るべし。もう永遠に勝てそうにない。
チケット代の元は完全に取れたと言いたい。
ところでどうでもいいことだけど、日本と箸の使い方が違うのだろうか。みんなで夕食の場面、日本だったらマナー違反になりそうなところありでは?
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