ヘンデル「王宮の花火の音楽」:群衆と管楽器と混乱と
管楽器の祭典
演奏:レ・ヴァン・ロマンティーク・トウキョウ
会場:北とぴあさくらホール
2022年10月9日
曲が有名で録音がたくさん出ているにも関わらず、実演で聞く機会がほとんどないという作品がある。この『王宮の花火の音楽』もその一つだろう。当時のままに演奏しようとすると大編成過ぎて難しいためだろうか。
とっころが!1749年の初演ヴァージョンで古楽器使用の復活演奏というコンサートが行われた。これは日本初ということである。
管楽器オンリー弦楽器皆無の編成はオーボエ24、ファゴット(&コントラファゴット)13、トランペット9、ホルン9、ティンパニー3……集めるだけでも大変だ~💥
いやあ、すごいモンを見せて&聞かせてもらいましたと言いたくなる。
加えて朝岡聡の司会付きで、プログラムは管楽器演奏の歴史をたどっていく。ここでは編成は色々で、皆さんその都度出たり引っ込んだりした。
冒頭、ルネサンス期の作者不詳の曲では4人登場し、吹いてるうちになんだかラグタイム風の曲調に……(^^;
その後フランスに飛んでルイ13&14世の治世下での音楽になる。特に14世は軍隊や日常生活にも様々な場面で細かく使用法が決められていて思わず感心してしまう。
狩猟の時のホルン9本(乗馬して片手で吹くそうな)というだけでも怒涛の迫力である。
葬儀用の行進曲ではタイコに黒い布をかぶせて叩いていた。そういうものなのかー、初めて知った。
後半ラストに遂に『王宮~』を演奏。全奏者が大集合だ\(-o-)/
なんでもヘンデルは弦楽器を入れたかったが、国王が望んだということで初演は管楽器だけの編成となった。で、押し寄せたのがなんとロンドン市民1万人⚡
実際に聞いてみるとまさにホールを揺るがす大音響だった。ド迫力である。夏に屋外で花火をバックにして聞いたら、さぞ盛り上がることだろう。
また、よくぞバラけずアンサンブルを維持できたなあとも感心した。(ヘンデルはその時には指揮していたのかな?)
とりあえず、グループ主宰者の三宮正満氏と福川伸陽氏は貴重な演奏をありがとう&お疲れさまでした。
ただ、アクシデントが二つばかりあった。曲が始まったはいいが、ホルンから音が出なくてまた最初からやり直し❌……というのは笑い話レベルだからいいだろう。
もう一つは、開場前に入口の外のスペースに待つ人が大勢溜まってしまい押し合いへし合い状態になってしまった事である。エスカレーターを上がっていくと人が詰まっていて、列らしきものが一応あるのだが何重にもとぐろを巻いてどこが最後尾なのかも不明である。
開催側の人はいなくて、指示も掲示も一切なかった。後日の韓国ソウルで起こった事故を考えると笑い事にもならない。
原因は開場が6時45分なのを6時30分からと勘違いして、みんな早く来てしまったためらしい。だが、そもそも開演時間を7時15分という中途半端な時間に設定したのはなぜなんだろう? 不明である。リハーサルや搬入の関係ですかね。
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