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2023年2月13日 (月)

「ダーク・アワーズ」上・下

230213 著者:マイクル・コナリー
講談社文庫2022年

M・コナリーはLAを舞台にした警察小説を長年書いてきて、『レイトショー』(2017年)からは新しい主人公を登場させた。
そのハリウッド署で深夜シフト勤務するタフな女刑事バラードは、この時は単独出演(?)だった。続く作品の『素晴らしき世界』『鬼火』などで、お馴染みハリー・ボッシュと「共演」となる。内容も章のタイトルに二人の名前がそれぞれ付けられ、交互に視点を変えて同じ事件を追ってストーリーが進んでいく形式を取っている。

しかし今作は完全にバラード中心になっており、とっくに引退しているボッシュは脇役程度の扱いである。何か心配があった時に手伝ってくれるおじさんぽい(^^;ゞ
背景としてはBLM運動の余燼冷めやらぬ頃で、さらに終盤では議事堂襲撃事件が報じられるという時期だ。
BLMによって警官たちのやる気は消失、署内には無気力感と投げやりさが充満している。しかも暴動の警備費用が余計にかかるのに予算が減らされるというダブルパンチ👊 主人公もいつ警察を辞めようかなどと考える毎日だ。
--そんな警察の内部事情が冒頭に描かれる。

そこで複数の事件が起こり、そしてさらに過去の事件も絡み合っていく。そこで驚くのはバラードのやけっぱちともいうべき、事件への強引な食い込み方。正直そこまでやるかーっ❗❗と思ってしまった。もはや後のことなど何も考えていないようだ。辞職・転職が頭にチラついているとはいえ。
で、そんな彼女の周囲をボッシュが心配そうにウロウロしているという図である。

しかし最後の最後に至って驚きの展開が(!o!) さらに「訳者あとがき」には本国で出たばかりの次作が「その衝撃的な内容に、しばし茫然とした」とあってハラハラしちゃう。次はどうなるのか待つしかない。(待てないよ~💨)

ところで、下巻にボッシュについて「LAで最高齢の刑事なんですよ」(←もちろんウソ)というセリフあり。これって爆笑するところですよね(≧▽≦)彡☆バンバン

さて、ボッシュのシリーズはアマプラでドラマ・シリーズとなっている。昔の作品から近作までストーリーをうまく絡み合わせて展開。特におすすめは第2シーズンだ。汚職警官グループの話でラストに向かって三つ巴の銃撃戦、そして驚きの爆破シーンがあって大満足💯である。

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