「キングメーカー 大統領を作った男」:光の一寸先は闇
監督:ピョン・ソンヒョン
出演:ソル・ギョング、イ・ソンギュン
韓国2021年
限りなく実話に近い韓国政治サスペンスである。
モデルは後に大統領となった金大中とその選挙参謀、ただ人物の名前などは少し変えてあるそうだ。
理想主義の政治家と現実主義者の手法の差と対立みたいなのを想像して行ったら若干違った。むしろ『ユダ&ブラック・メシア』に近い。つまり光の側に立つ人間と常に影である人間の愛憎入り混じった相克である。
主人公は自分を政治家に売り込むが、彼がどんな人間かは冒頭のニワトリの話と、手紙の中の薬草で早々に示される。その後、前半はユーモアまじりで展開する。なにせ最初にやるのは「自作自演ネガティブキャンペーン」だ(^▽^;)
しかし彼は功績を挙げても脱北者ということで表舞台には出られないのであった。そして同時に操作されやすい大衆に内心怒りを抱いている。
まさに理想主義者の政治家は陽、表に出られない主人公はその陰から出られない。彼らの心中を暗示する照明の使い方がうまい。そして二人の役者の演技も、である。
後半は暗転して政治の暗い領域へと突入していく。ラストシーンの微かな幻想味が心を揺さぶる。
この手の史実が絡んだ政治劇はもはや韓国映画の十八番と言っていいだろう。恐れ入りました~💫
それにしても主人公の手法が政敵になぞり返されてしまう件りはコワイ(>y<;) 「政界の一寸先は闇」は日韓共通であるよ。
なお、問題の爆破事件の犯人の件だが……他にいるんだよねっ(?_?)
| 固定リンク | 0