東京・春・音楽祭2023「憧憬の地 ブルターニュ」展記念コンサート2:異郷の音で踊り、指輪に目がくらむ
演奏:大竹奏ほか
会場:国立西洋美術館講堂
2023年4月14日
フィドルの大沢奏をリーダーとするミュージアム・コンサートである。演奏されたのはブルターニュのダンス音楽や伝統歌だ。器楽のメンバーは他にハーディガーディ&バグパイプ近藤治夫、チェロ高群輝夫である。
最初に展覧会の方の内容や、そもそも「ブルターニュといってもそりゃどこよ❗❓」みたいな人のために、美術館の研究員の人からスライドを使って事前解説があった。
コンサートの方はダンス曲では民族衣装を着けた愛好家のグループ(多分)によるダンスの実演付きだった。数人で横に手握ったり腕を組んだりして繋がってステップを踏みつつ横移動していくような形である。素朴でのんびりした印象のダンスではあるが、当地の祭りで住民みんな張り切って踊りまくるとすごい勢いになるのかもしれない。
踊ったのは女性4人男性1人で、男性は曲によってパーカッションを担当していた。
曲自体はケルト系で、ダンス曲だけでなく結婚式の定番とか国歌(ブルターニュの)も含まれていた。最近の演奏の傾向か、フィドルとチェロの組み合わせだとかなりスタイリッシュな音に聞こえる。しかし、そこに近藤治夫のバグパイプやハーディガーディが入ると俄かに「野蛮」な音になるのが面白かった。
終演後は公演チケットでそのまま美術展に入れる。同じハルサイのミュージアム・コンサートでも都美術館だとそのような恩恵はない。さすが国立であるよ(*^^)v
正直言って19世紀から20世紀初めの画家が中心で、顔ぶれ的にあまり興味がないところなのでざっと見した。
ブルターニュというのが当時の画家たちの間に流行っていて、素朴な土地柄の人々と美しい風景というのが彼らの好みに合ったようだ。留学していた日本の画家たちも題材にしている。ゴーガンの作品群が目玉のようで……むむむ苦手よ(^▽^;)
ルドンの小さな風景画が2枚だけあった。藤田嗣治の「十字架の見える風景」がちょっと陰鬱なトーンで目立っていた。
とはいえ、国内各地の美術館の所蔵品から「ブルターニュ」しばりでこれだけ集めるのは大変だったかも。担当者の方、ご苦労さんです✨
なお美術展の企画で一番楽なのは「〇×美術館展」というヤツだそうだ。改装などの時期に合わせて丸ごと借りればいいかららしい。
その後はサッと帰ろうかと思ったが、常設展の中に「指輪コレクション」展があったのでつい寄ってしまった。もちろん企画展のチケットがあれば無料で入れる。
様々な種類の指輪が美しく展示されている。数が多くて素晴らしい、ウットリしたと言いたいところだが、小さい上に薄暗い中でポイント照明を当てているので細かいところはよく見えない。それでも見ごたえはあった。
細かく石を見たければ図録を買えということなのは仕方ないか。見終わって外へ出るともはや夕方であった。
| 固定リンク | 0