「ペーパーシティ 東京大空襲の記憶」:燃える歴史
東京在住のオーストラリア人監督によるドキュメンタリー。東京大空襲で家・財産や家族を失ったサバイバー3人を中心にその記憶をたどり、慰霊碑建立や補償を国に求める運動を続ける姿を取材したもの。ただし3人のうち2人はすでに亡くなっているらしい。
私の実家は東京の下町にあって近隣の地域が空襲にやられたが、広い国道があってそこで火は止まった。もし火勢が道を越していたらすべては燃えて消え失せていただろう。まさに運命の変転を生み出した根源である。
取材時期は2015年頃で、やはり直接の体験者の言葉は迫力がある。しかし国は慰霊碑どころか被害者の調査さえ行っていないという。
そしてラスボスのようにあのAbe氏の影が背後に見え隠れするのであった。
厚労省(?国会だったかな)前でアピールを行なっていると街宣車がやって来て「文句があるなら空襲やったアメリカに言え~」と叫んでいたけど、その理屈だと徴用工とか慰安婦問題は日本に跳ね返ってくるんじゃないの❗❓
それから、立派で大きな防空壕を作ったが中に入った人たちはみんな窒息したという話が怖かった。
テーマや取材対象は文句を付けようがないのだけど、一方素材をそのまま投げ出したままのような粗っぽさを感じた。もう少し構成や編集を考えてくだせえ。
マイナーなドキュメンタリーの割には結構客が多かった。ただし年齢が上過ぎて白髪頭どころかハゲ頭の方々も……。
と思ったら、なんと私の行った当日の朝にNHKの番組で紹介されたかららしい。……じゃなくて朝日新聞の「天声人語」で紹介されたからのようだ。
おかげでイメージフォーラムのスタッフは普段映画館に来慣れていない高齢の方々への対応に追われていたもよう(;^_^A
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