「時空を超えて届くヨーロッパからの手紙」:現代からの返事
演奏:鷲見明香ほか
会場:日暮里サニーホールコンサートサロン
2023年4月18日
ヴァイオリン鷲見明香・ガンバ小池香織・ハープ曽根田駿の三人組による器楽曲のコンサート。曲は16世紀の終わりのルネサンスからバロックへの転換をくっきりと表す作品が選ばれている。
ルネサンス期は多声の歌曲に分割装飾して楽器も演奏していたが、17世紀になって「それぞれの特性と技巧を生かした器楽曲」が発展したということだ。ドラマティックかつ直接的に訴える表現に変わっていったそうだ。
前半はイタリア、スペイン編でハープによるルッツァスキから始まりオルティス、フレスコバルディ、マリーニ……と独奏、合奏織り交ぜて続いた。
ラストはイ・コルという鍵盤奏者によるオルガン版「ラ・フォリア」をさらにガンバとハープに編曲しなおしたものという複雑な(?)由来の曲だった。ただ、鍵盤曲を他の楽器に編曲するのは当時よくあったらしい。小池氏のガンバがなかなかの迫力であった。
後半はもっと北寄りの国々から。ダウランドあれば、シェンク、シュメルツァーもあり。
曽根田氏のハープによるフローベルガーの「フェルディナンド4世に捧げる哀歌」は、通常はチェンバロで演奏されるものだろうが、比べると澄んだ浮遊感があり「この透明な悲しみを😢聞いて~」的に聞こえた(^^;)
使用のハープはアルバ・ドッピアというイタリア発祥のもので、弦が三列並んでいるらしい(遠目にはよく分からない)。なんだかとても弾きにくそうな……( 一一)
シュメルツァーのヴァイオリン・ソナタとなるとコンサートの終曲にふさわしい展開で、特に鷲見氏のヴァイオリンは怒涛の激演とでも呼びたくなるものだった。
拍手(*^^)//""パチパチ
全体に、編成を色々と取り換えて各楽器だけでなく演奏者の「特性と技巧」を見事に引き出していた。人数は3人でも聞きごたえは非常に大きかった🌟
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