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2023年9月13日 (水)

見たら今イチだった! 世評は当てにならない映画その1:「aftersun/アフターサン」

230913 監督:シャーロット・ウェルズ
出演:ポール・メスカル
イギリス・米国アメリカ2022年

事前に伝わって来た評判がよくても実際見てみたら、自分にはどうもなあ~という案件を連続投稿します。

見たいような見ない方がいいような、そもそもどういう映画なのか不明だしな--と迷っていたけど激賞のツイートが次々とネットを流れてくるので行ってみた。
しかも主役のポール・メスカルはオスカーの主演男優賞にノミネートされたではないか。一見の価値はあるだろう。

結果⚡「いくらみんな誉めていてもダメなものはダメ(><)」というしごく当たり前の結論となった。

普段は離れて暮らしているらしい若い父親とローティーンの娘が観光旅行へ。しかもそれを大人になった娘が後年振り返っているという構成になっている。今や父親と同じぐらいの年齢になった娘が、その時撮ったビデオを見て回想するという設定だ。
余白が多いように切り取られた世界はとても美しく見える。ビデオカメラ、モニターの表面、ガラス戸、鏡に映る映像は複雑で謎めいたものを醸し出す。

しかし(;一_一)フラッシュを使った映像が頻繁に出てきて頭がクラクラする。長い時間ではないがビデオの手振れ画面も苦手だーっ。
わざと設定しているのだろうけど二人の会話がベタッとした音なのもつらい。背景の音響も一部ガンガン来る。

この父親が常に鬱屈を抱えていて、成長した娘がそれに自らを同一化しているらしいのは分かるが、作品中の最もキモとなる場面に既存の有名曲を使って代弁させてしまうのはいかがなものか。ある種の手抜きじゃね?
しかもその鬱屈が何なのかは最後まで明らかにならないのである。それどころか画面のどの部分が実際に起こったことなのか、二人のどちらかの幻想なのかもはっきりしないのだ。

そういうことが気にならない人はこの映画を受け入れられるだろう。私はダメだったが。

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