« 聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2023年11月編 | トップページ | 映画落穂拾い2023年前半編その2 »

2023年11月 5日 (日)

「小さき麦の花」:ロバは無事……かな?

231105 監督:リー・ルイジュン
出演:ハイ・チン、ウー・レンリン
中国2022年

普段あまり自分では見にいかないタイプの映画だが、予告がすごく面白そうだったので気になって行った。
中国の田舎の農村が舞台で、基本的に夫と妻そしてロバだけが主要人(動)物である。彼らが淡々と農作業をし、自分で家を作り上げる姿を追う。

冒頭で両者の家族の「余り者」同士を片づけようと結婚させられた経緯が描かれる。しかしそんな様子はみじんも見えない仲の良さである。
ただ、周囲の村人たちの多くは冷たくそっけない。あとやたらに夫の血液を貰いに来る村の有力者の息子がうっとーしいぞ💢
二人で畑の畔を作って植えたジャガイモが育った頃に運命の変転が訪れる。それらを綴る映像が美しく印象的である。最後に不在の男の悲しみが伝わってくる。

若手監督が撮った素朴な物語であるが中国の若者を中心にヒットしていたらしい。ところがなぜか突然の上映中止🆖になり、そして配信もなし--とは一体何が起こったのよ(!o!)。
政府の土地政策、農業政策を批判していると受け取られたのだろうか? 謎である。まあ実際、その後不動産バブルがはじけたわけだが。
とりあえず次作の登場を待ちたい。

中国では土地の所有は全て国になっているはずだが、地主みたいな存在がいるのはどういうことなのだろう。「借地代を代わりに払ってくれ」という村人のセリフの意味はなに(?_?)
ここら辺は非常に分かりにくい。

撮影は監督の故郷の村で撮影。実際に麦を植えて10か月かけたらしい。金がかかっております。
妻役のハイ・チンという女優さん、プロフィール画像を検索してみたら実際はあまりに美人なので眼がくらんだ。とてもこの映画からは想像つかない。
彼女は「国民の嫁」と呼ばれていた、という話に思わず日本の「お嫁さんにしたい女優ナンバーワン」を思い出したのは私だけではあるまい(^▽^;) 古いな~。
なお夫役は、演技には完全素人で実際の農民(監督の親類)だそうな。キャスティングしていた男優が来られなくなった代役とか……。

ロバも名演技を見せている。最後は結局また戻って来ちゃったのか、それとも😑

| |

« 聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2023年11月編 | トップページ | 映画落穂拾い2023年前半編その2 »