「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル トラヴェリン・バンド」:音楽は永遠に若い
CCRについてはしばらく前に1970年4月英国での(幻の)公演のテープが50年ぶりに発見されたということが話題になった。それはディスクでは既に発売になっていて、私はすぐに買って聞いていた。
ところがなんと映像も残っていたというのである。BBCが収録放送したとのことだ。
このドキュメンタリーで初めの3分の1ぐらいはまずバンドの成り立ちが語られる。「中学時代に同じクラスになって--」だそうな。そこにヨーロッパ・ツァーでの映像・インタビューが織り交ぜられている。
強行スケジュールで観光する余裕もなかったということもあり、4人揃っている映像はあまりなかった。フランスの庭園を歩いてる場面ぐらいかな。ジョン・フォガティだけホテルに籠ってたりとか。
彼らの当時の立ち位置について、ビートルズにことさら結び付けようとしていたのは若い人向けの説明だろうか? まあ確かに4人組なのは同じだけどさ。
当時はあまりそういう印象はなかったと思う。
その後は全12曲のコンサート記録を丸ごと投入だ。演奏曲目やアンコールをやらなかったのはツァーの全公演で同じだったらしい。
映像で改めて接するとジョン・フォガティの揺るぎなき才人ぶりをまざまざと見せつけられたという印象だ。全曲パワー溢れるボーカルを取り常にギターの強烈なリフを繰り出してバンドをリードし、さらに全てオリジナル曲では作詞作曲を担当なのだから相当な才能である。思わず興奮っ\(◎o◎)/!
もっとも実際にバンドを支えていたのはドラムのダグだというのが定説らしい。確かに的確にして力強い演奏、そしてジョンを常に注視している。
この一年後ぐらいにはバンドは空中分解状態になってしまうから、既にこの頃はガタガタしていたはずだがそんな事はとても信じられないほどの演奏である。
傑出したワンマンバンドの常である不協和音、加えて兄弟バンドという不吉にして不和な要素、解散そして訴訟……といったその後のトラブルには踏み込まず、ライブの高揚した終了と共に映画もスッパリ終わっちゃうのであった🈚
思えば傑出した天才であってもその才能が発揮されるのは、バンドのアンサンブルがあってこその話かもしれない。その相互作用がどのように働くのかは全く推測もできぬ。
独立して生き生きと活動する者がいれば、その同数ぐらいバンド時代ほどにパッとしないままになってしまう者もいる。難しいもんである。
作曲担当とそれ以外のメンバーの対立という点ではザ・バンドに似ているように思えた。年齢はザ・バンドの方が数年年上だが大体同じ頃にアルバムを出してスポットライトを浴びるようになった。CCRが若いといっても(まだ25歳ぐらい?ジョンはヒゲもはやしてなくてツルリンとしている)中学の頃から不動のメンバーでやってきたというから、この時は既に十年選手なのだった。
アンディ・ウィリアムズ・ショーに出演した映像があって驚いた。
全曲訳詞が付いていてヨカッタ。あらためてジョンの歌詞は意味深だなあと感じる。
「♪いい知らせを聞くといつも影が後ろから忍び寄る」
| 固定リンク | 1