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2024年2月 3日 (土)

北とぴあ国際音楽祭2023から

240202「祝祭」
演奏:カテリーナ古楽合奏団
会場:北とぴあつつじホール
2023年11月19日

このグループ聞くのは久しぶりである。前回は2010年のBunkamuraでのミュージアム・コンサートだった。振り返れば中世ルネサンス音楽聞くこと自体も最近は少なくなっている。
なんと今年は結成50周年とのことだ。音に歴史あり。メデタイ🎊 日本の古楽演奏史とほぼ同じくらいか。ただしこの日は一人が急病(?)で調整が大変だったそうな。
で、総勢9名のところ一人欠けて8名、さらに過去にゆかりあるゲスト奏者3名が途中登場という布陣だった。

曲目で一番古いのは13世紀の写本から。そして最新はブレイドという英国の作曲家(1630年没)まで。その間の時代に伝わる様々な世俗曲・舞曲が演奏された。半分ぐらいは「作者不詳」である。
こういう時代のコンサートでは毎度のことだが、見慣れない楽器が多数登場で目も耳もビックリだった。

酒瓶みたいな短い笛「ラケット」というのは中が多層構造になっていて9倍の長さにあたる音が出るらしい(^^;
ハープの柱部分に弦を張ったような「トロンバマリーナ」は、ヴァイオリンの仲間ということらしいが弓で弾いた音は……工事現場のドリル音だーっ⚡
最も謎だったのは、カマボコ板の上面に金属板を乗せたような楽器。その角の部分を弓でこすった後に板を手で回すとさらに共鳴音みたいなのが発生する。一体なんなんですか、これは?
先日のサヴァール公演で目撃した(聞いた)白い短い棒二本によるパーカッションも登場した。この日の使い方は両手に一組ずつ指に挟んで持ってカスタネットのように鳴らしていた。

ダンスもあり。踊り手はバロックダンスの松本更紗だが、リーダーの雅隆氏と親子だったのね。知らなかった。

げに興味深い中ルネ音楽の世界。欧州にまたがる様々な音楽要素がごった煮のように存在する。目にも耳にも刺激になりました。
50周年ということもあってか満員御礼状態🈵 自由席なので開場前からかなりの熱気が発生だ。聴衆の方も様々でごった煮のようだった。

240202b
「幾たび別れても 名匠に彩られた旋律」
演奏:スティッラ・マリス
会場:北とぴあつつじホール
2023年11月23日

歌手1人を含む女性5人組によるルネサンス末に行なわれた「旋律装飾」によるコンサートである。当時の話題曲・流行歌に細かい装飾をつけて編曲するということがよく行われた。当時の編曲版だけでなく、新たにメンバーが作ったものもあった。
元ネタとなった作曲家はデ・ローレ、パレストリーナ、オルティスなど。
このグループは6月にも聞いたが、今回はさらにリュート&ギターの佐藤亜紀子が加わっていた。

リコーダーの浅井愛をはじめ皆さん聞かせどころには妙技を発揮していた。とはいえ、全員で歌を歌うなど和気あいあいとした雰囲気である。穏やかな時間が流れていきました。
ただ丁々発止とした演奏を求める分には物足りないかも、などと思ったりして。

開場時間に合わせて焦ってホールへと行ったら、なんとこの日は自由席でなくて指定席だった。またやってしまった(;^_^A


さて中世にしろルネサンスにしろ、時代が古くなるほどなぜか録音では物足りない--というか、実際にライヴで聞かないと魅力半減になってしまうのは不思議である。恐らく後から彼らのCDを聞いても別物のように思えるかもしれない。
音そのものや奏者の身体性によるものなのだろうか。

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