「コカイン・ベア」:シングルマザー強し
監督:エリザベス・バンクス
出演:ケリー・ラッセル
米国2022年
ある日~森の中クマさんに♪
時は1985年、密売人が飛ばしていたセスナ機から山中にコカインが投下された。地元のギャングが回収するはずだったのが、なんとクマが食べてしまったという。このような実話に基づいて作られた映画であります。
しかし実話ベースなのは「食べた」までで、その後はテキトーな方向へ暴走します。
そもそも事件解説の出典がウィキだと堂々と記されているいうところから笑わせてくれちゃいますね。
コカインでラリったのは子連れの母グマ、人間が近寄ろうものなら容赦なし⚡ 襲撃する描写はかなりエグくリキが入っております。はっきり言って襲われるのは善人悪党関係ない💀
一方人間同士も殺し合いに余念がありません。ブツを回収しようとする男たち、売人のボス、ギャング逮捕に執念を燃やす刑事、森林公園の管理官など。
その間をウロウロしてしまうのが迷子を探す母親であります。
そして最後はパワハラ・ボス親父と子連れ母の闘いに収斂していく。ここで母グマと人間の母親が相似的に対置されているのは言うまでもないでしょう。母の強さと恐ろしさが伝わってきます。
かなり死人が出まくるとはいえ、それぞれ「殺されるには訳がある」的な描写をしっかり入れているので後味はスッキリ--とまではいかずも、悪くはないという配慮がなされております(^O^)
B級映画っぽいクサみもありますが、何といってもクマの迫力と毛並みの描写はA級並み。ぜひ上映環境の良い鑑賞をオススメしたい。
それからなんとボス役のレイ・リオッタについては遺作とのこと。ご本人は「しつこい悪役」を楽しんでやっているようなので、ファンは必見ですね(^^)b
それから彼にこき使われる黒人の手下役はアイス・キューブの息子だそうで……あまりにソックリなので「クローン❓❗」とか思っちゃった。
日本でもクマの被害が続出しておりますが、それはひとまず置いといて、別ものとしてゆるく気を抜いて楽しめる一編と言えましょう。
なお念のため、ワンコは無事です🐶
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