「大塚直哉レクチャー・コンサート J.S.バッハの楽器博物館」:遺産目録は語る
すでに長く続いているこのシリーズ、さい芸が休館中なので臨時に会場を移しての開催2回目だった。(前回はこちら)
今回はなんと鍵盤4種(オルガン、チェンバロ、クラヴィコード、ヴァージナル)が出動。さらにバッハ作中に登場するオーボエ、リュート&テオルボ、ガンバに焦点を当てた企画だった。
舞台にずらりと各種楽器が並ぶ光景は確かに「博物館」に違いなくて壮観である。
最初に大塚氏が鍵盤をそれぞれ弾いて、バッハの遺品目録から楽器の項目を解説した。鍵盤と弦楽器ばかりでなぜか管は一つもなしだった。
その後にまずリュート(佐藤亜紀子)の登場。どうもバッハ先生は自分で弾かずに家ではしまいこんでいたらしいとのこと。そのせいか「前奏曲、フーガとアレグロ」のフーガは非常~に弾くのが大変そうだった(◎_◎;) 弾かないで作曲したから? なおテオルボ、バロックギターも紹介。
次は作品内ではフルートよりも多く使われているというオーボエ(尾﨑温子)である。種類が多く、リードも色々あってテーブル上をずらりと占拠した。もっとも、使われている割には独奏曲は一曲しかなく(元曲はフルート)それも推測でしかないという。
ガンバ(森川麻子)もトレブルやテノールが出ていたが、演奏に使用したのはほとんどバス・ガンバだった。受難曲では待ちの時間が長く、冬の教会でやると寒さがしみるという笑えない笑い話もあった。
ここまでが前半で、既に1時間20分経過😱
後半は声楽の部分を楽器に置き換えてのアンサンブル演奏となった。カンタータや受難曲など。歌を他の楽器に変えることによってオリジナルで使われていた楽器の活躍ぶりがよく分かるという次第だ。
その間もずっと脇で支えていた感のあるオーボエだったが、アンコールの105番で俄然存在感を発揮して拍手喝さいとなった。
尾﨑さんについては私はここ数年あまり聞くことがなくて残念よ。また機会があれば聞きたいですね(^^)
今回も満員御礼だったらしい。それも納得の好企画だった。
次回テーマは改装なったさい芸に戻って「ゴルトベルク」とのこと。埼玉会館は音はイマイチだが客席の頭かぶりがないのは良かった。少し古めの建築だと天井の照明が凝った形が多くて、ここもウイルスみたいな形(球状で突起が突き出ている)のものが吊り下げられていた。掃除はどうやるのかな(^^?なんて思ったり。
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