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2024年6月29日 (土)

ヘンデル「デイダミーア」:最後のオペラ、その時何が!?

240629 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
指揮:鈴木秀美
演出・振付:中村蓉
会場:めぐろパーシモンホール
2024年5月25日・26日

恒例の二期会+ヒデミ氏のヘンデル、26日の方に行った。
本作はヘンデルのオペラとしては最後の作品で、上演回数はなんと3回で終了というサビシイものである。もっとも早々に終わってしまった理由は諸説あるらしい。

演出は前回(2021年)の『セルセ』同様に中村蓉が担当。登場人物は6人、ダンサー6人が加わって衣装、装置、照明も極めてモダンな味わいである。幾つか曲を省略とのことで展開も早かった。
休憩は1回だけとか歌手も踊るとか酒場が劇中に登場するというようなところも、前回の形式を踏襲していたもよう。

あらゆる場面で支えるダンサーの方々は大活躍、ご苦労さんですと言いたくなった。負けずに一緒に踊った歌手たちも同じくである👍
オーケストラは前半ややおとなしめだったが後半はジワジワくるヘンデル節を体現していた。コンマスは戸田薫。鍵盤担当は上尾直毅と福間彩だったが、私の座席からは完全に「音はすれども姿は見えず」状態だった。

ヘンデル最後のオペラ作品のせいと言っていいのか(?)ヒロインにとってはこれまでとは異なる掟破りのアンハッピーエンドである。男の身勝手に振り回されつつも、ラストではがっちり幸福をつかむというのがこれまでの定番だったはず。
必ず一人はいたもろにコメディ担当のキャラクターもいない。なげやり気分で作った……わけじゃないよね(^^?

それと演出方法について。強力なコンセプトで舞台を作るという手法は、歌手やオーケストラがそれに飲み込まれてコマの一つになってしまうような気がした。見ている分には面白いのだが、肝心の音楽の方は気もそぞろになってしまうところがある。
もっともオペラは総合芸術だという観点から見ればそれで構わないのかもしれない。

なお、この『デイダミーア』については過去にヘンデル協会が上演している。感想はこちら。ヘンデル当時の上演形式を復元していて今回とは対照的だ。

このバロックオペラシリーズは三年に一度ということで、また次回もお願いします。でも会場で寄付金を募っていていずこも大変だ(-_-;)
余談だが無料配布のパンフのインクが薄い緑で印刷されていて、見にくいという意見を見かけたけど、確かにそうだった💢
年寄りの眼にはキビシイのう((+_+))ショボ ユニバーサルデザインの配慮お願いしたい。

 

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