「ありふれた教室」:職員室あるある
監督:イルケル・チャタク
出演:レオニー・ベネシュ
ドイツ2023年
見てる間きっとイヤな気分になるだろうなと思いつつ行ったら、やっぱりそうなった。ドイツの学校の話である。99分で最近の映画にしては短くスッパリと終わるのが唯一の救いだ。
中学校で盗難事件が続発する。一年生の担任の新人教員が自分のクラスの子どもに嫌疑がかけられた上に、勝手に対処を決められそうになったことから怒って極端な行動に走る。
怒ったとはいえいくらなんでも彼女は飛躍し過ぎ💨と思うが、そういう設定だから仕方ない。
映画の原題は「教室」ではなく「職員室」である。根本の問題は子どもたちではなく教職員そして「学校」という体制の方にある。そのすべてが周囲から容赦なく主人公を包囲してチクチクと来る。保護者・同僚・管理職・上級生……。
そういう気分が十分に味わえる映画だ。恐ろしい(>y<;)
教師にも外国からの移住者がいるという点がまた職員室内で微妙な齟齬を生んでいる。
起こった謎の解明が主眼ではないのは『落下の解剖学』と同様である。大人たちの板挟みになって一番被害を被るのもまた同じく少年だ。
仕事で余裕なく追い詰められる若い女性の視点から捉えるというのは『アシスタント』を連想した。
アカデミー賞国際長編部門候補。『関心領域』でなくこちらがドイツ代表✨よ。
それにしても全編「学校あるある」といった感じで日本でも似たことは起こりそう。生徒たちに「先生に合わせてあげてたんだよ」と言われる件りは、若い教員なら震え上がるだろう。
なお日本でも学校での盗難、特に生徒同士のものはよく起こるらしい(ーー;)
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