「復活の歩み リンカーン弁護士」上・下
著者:マイクル・コナリー(古沢嘉通 訳)
講談社文庫2024年
リンカーン弁護士シリーズもはや7作目である。
刑事ボッシュシリーズの方は遂に終了し、そのまま主人公も永久消滅か(T^T)とファンを涙目にさせたたあの日から一年経った。しかし、なんと彼は異母弟のリンカーン弁護士の新作で復活しているじゃありませんかっ。
前回の事件の絡みでハラーの下には冤罪事件の依頼が殺到、ボッシュは取り上げるかどうか検討する調査をもっぱら担当することになる。警察に所属していた頃は使えていたツールが使えず四苦八苦。ボッシュの章は三人称、ハラーの章は一人称で交互に描かれる。
選ばれたのは夫を殺害したとされる妻の事件。既に事件の裁定は受け入れて服役中なので、再審ではなく人身保護を請求するという仕組みである。素人にはなかなか難しい。
腐敗した警官、金もうけ第一のチンピラ弁護士……冤罪が起こった闇が明らかになると共に、裁判の方も山あり谷ありの展開。その手際は相変わらず見事である。
なによりもファンにとっては、ハラーの車の運転席にボッシュが座っているということ自体が嬉しいのであった。
ただ、聖書を踏まえた書名の邦題はもう少し何とかしてほしかった。いくらなんでもそのまんま過ぎだろう。
なお米国では既に出ているコナリーの次作は女性刑事バラードのシリーズらしい。これまた楽しみで待ちきれない~(#^.^#)
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