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2024年11月

2024年11月30日 (土)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2024年12月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

*7日(土)ヴェネツィアのクリスマス(コンチェルト・レオノルソ):国際基督教大学宗教音楽センター
*  〃  宇田川貞夫ヴィオラ・ダ・ガンバリサイタル 演奏活動60周年記念:豊洲文化センターホール
*8日(日)オルガンクリスマスコンサート J.S.バッハのクリスマス(鈴木雅明ほか):神奈川県民ホール小ホール
*  〃  ソプラノとチェンバロによる若き日のヘンデル(阿部まどか&髙野凛):松明堂音楽ホール
*10日(火)イタリアバロックを歌う(ロベルタ・マメリ&波多野睦美):ルーテル市ヶ谷ホール
*  〃   ラ・フォンテヴェルデのクリスマス2024 スペイン黄金期の巨匠たち:ハクジュホール
*12日(木)紀尾井明日への扉 井上玲:紀尾井ホール
*16日(月)鶴見de古楽 中村&後藤 清新デュオの胸弾むリコーダー(中村栄宏&後藤早恵):鶴見区民文化センターサルビアホール音楽ホール
*21日(土)クリスマス・コンサート 歌と中世楽器による古い時代の待降節とクリスマスの音楽(夏山美加恵&小野絢花):澤田写真館
*22日(日)恋する心に安らぎを フルート、テオルボ、ハープで奏でるオトテールとブリュネット(イ・フィラトーリ・ディ・ムジカ):今井館聖書講堂
*24日(火)聖夜のメサイア(バッハ・コレギウム・ジャパン):サントリーホール
*26日(水)風花に小鳥たちは春を夢見る リコーダー × バロックファゴット × チェンバロによる饗宴(大塚照道ほか):同仁キリスト教会
*28日(土)西山まりえチェンバロ・リサイタル:今井館聖書講堂
*29日(日)菅きよみ×西山まりえデュオ・リサイタル:今井館聖書講堂 ♪28日ともに新作チェンバロお披露目会

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2024年11月25日 (月)

映画落穂拾い・ツイッターX編

ブログに感想を書きそこなった映画です。たまっております。

なぜか書く気が失せちゃったやつ。
『哀れなるものたち』

『12日の殺人』

実話系。
『ダム・マネー ウォール街を狙え!』

『コール・ジェーン 女性たちの秘密の電話』

『ミセス・クルナス vs. ジョージ・W・ブッシュ』


アーティストもの。
『Shirley シャーリイ』

『画家ボナール ピエールとマルト』


まだ続きあり。

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2024年11月22日 (金)

「マドリガル・コメディ」:笑撃の動物コーラス隊

241121 愉快!!痛快!! ルネサンスのコメディ!!
北とぴあ国際音楽祭2024
演奏:ラ・フォンテヴェルデ
会場:北とぴあつつじホール
2024年11月5日

マドリガル・コメディ何か? イタリア古典仮面喜劇コメディア・デラルテの定番キャラクターが登場する音楽劇--ということでいいのかな。以前に藝大プロジェクトでやった時はそういう風に理解した。

このコンサートではバンキエリの作品を2作上演。おなじみの歌手7人がバロックハープ(伊藤美恵)と共に歌った。
「老年の乱心」は定番キャラクターによる簡単なストーリーがあるもので、老人が娘を知人の医者のヨメにやろうとするが、彼女には恋仲の青年がいて……というこれまた定番な設定である。
後半の「謝肉祭最後の木曜日、楽しい夕べの宴」はめでたい宴に集まってくる村人やら貴族やら様々な人間のバカ騒ぎを描く小曲集。さらには賑やかに動物たちまでもやってくるという次第だ。

演劇の形式を取らず、完全に多声の合唱によって歌手たちがその場面を描いていく。しかもそれはくだらなくてバカバカしい諧謔の極みである。ルネサンス期のヴェネツィアの古典芸能という、設定にしてもキャラクターにしてもある意味ローカルの極致みたいな世界であるが完璧に構築しているのはすごいと感心した。
こんなことができるのは国内ではラ・フォンテヴェルデだけに違いない💖

日本語ナレーションを担当した谷口氏は色々と笑わせてくれてご苦労さんでした。小笠原氏の「重鎮」ぶりも見もの(聞きもの)であった。
なお、アンコール最後の最後の「ミャオ」が可愛かったです(ΦωΦ)

フキダシ付き字幕+イラストが演目にピッタリで面白くて効果的だった。でもステージの壁の形状と素材のせいかぼやけた色になってしまったのは残念である。


今年の北とぴあ音楽祭は、オペラが守備範囲外のモーツァルトなので私はパス。これが唯一の鑑賞である。

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2024年11月11日 (月)

ベロッキオ監督とこだわりの誘拐事件特集

241110a「エドガルド・モルターラ ある少年の数奇な運命」

監督:マルコ・ベロッキオ
出演:パオロ・ピエロボン
イタリア・フランス・ドイツ2023年

イタリア映画祭続きでベロッキオ監督作を。これは確か昨年の映画祭で上映して、今年本邦劇場公開となった。
ついでに--2010年の映画祭でベロッキオが来日した時のエピソードをこの記事の後半に書いた。ここでは彼の返答した内容は書かなかったが、「どこの国にもそれぞれいいところと悪いところがある」(だから自国を断罪しても仕方ない)というような意味の発言だった。

1850年代半ば、ボローニャのユダヤ人家族から教会の指示を受けて6歳の少年が連れ去られる。理由は赤ん坊の時に洗礼を受けたから……。そうするとキリスト教徒になるという理屈らしい。そもそも洗礼って聖職者でなくても誰でもできるんかいっ(!o!)などと異教徒には理解不能な事案である。
誘拐事件として当時は周辺国だけでなく米国にも伝わって大騒ぎになったという。

少年は修道院に入れられ環境が激変する。社会への衝撃よりも、取り戻そうとする両親の苦闘と少年の困惑に重点が置かれて描かれる。
それから傲慢の塊のような教皇の醜態も相当なもんである。ロスチャイルド家から多額の借金をしながら、地元のユダヤ人コミュニティに対してはちまちまと脅して恫喝する……思わずムカーッ<`~´>
イタリア映画祭の『グローリア!』も合わせて見ると、イタリア社会の一部では教皇を頂点とする教会の権威主義が相当憎まれていると思えた。

役者の演技と重厚な画作りは素晴らしいが(ちょっと画面暗めだけど)、成人になってからのエドガルドの心理状態がよく分からなかった。家族から引き離され異質な世界に放り込まれたことによるアイデンティティの不安定さなのか、それともPTSDなのか。
イタリア近代史とカトリック信仰を知らないと難しい部分がある。この事件がきっかけで内戦が起きたということなのかな(?_?)

終了後、パンフレットの見本を手に取って中身を見るふりをしながらスマホで撮影しているヤツを目撃した(某評論家の論考ページだった)。
諸物価高騰の折、仕方ないとはいえるけどセコイ👊セコイ過ぎるぞっ🆖

241110b
「夜の外側 イタリアを震撼させた55日間」

監督:マルコ・ベロッキオ
出演:ファブリツィオ・ジフーニ
イタリア・フランス2022年

そもそも全6編のTVシリーズとして制作されたようなのだが、イタリアでは放映前に前後編に分けて劇場公開。日本も同様の形で公開となった。私は映画館に2回通ったが、朝から籠って通しで鑑賞した人も多かったようだ(^^;

ベロッキオ監督はモーロ元首相誘拐事件を以前にも描いている。それなのに再び、しかも今度は全6話で人物ごとのオムニバス形式で作るとはよほどのこだわりだ。それだけの大事件だったわけだが。
結果は……重量級340分を見たかいがあった\(~o~)/

前半3章はモーロ本人と解決に奔走する者たち(内相と教皇)を描き、後半は犯人の女性テロリストとモーロ夫人が主人公、そして終章を迎える。確かに配信ドラマシリーズっぽい構成ではある。
そんな中で何やら怪しい陰謀が背後にうごめいているのがちらちらと垣間見えるのであった。そして第一章冒頭の「え、これはどういうことか?」と疑問符が浮かぶ謎の場面の意味が判明する。

教会で一番偉い教皇が救おうと力の限りに祈っても神は応えない。ならば他の誰が祈っても無理だろう。さらに地位とコネを使って身代金を集め交渉しても無駄に終わるのなら、地上の権力など意味はないということだろうか。もっとも、イエスのように十字架を担いで歩いている者をもはや救えるわけはないのだが。
それなら政界の権力者はどうなのか🙄 そこには神ならぬ妖怪どもがうごめいているようだ。
狐や古狸が跋扈するイタリア政界は日本に似ている所がある。政権を取ると大臣や政務官のポジションを順に回したり。さすがにイタリア料理店でディナー食べながら密談をしたりはしないようだ(^O^)
当時の政治状況をやはり予習していくべきだったと思った時には後の祭りだった。人物の把握のためにも結局プログラムを買う羽目になった。

長丁場とはいえグイグイ引っ張っていく。既に起こったことを変えようもないが、激動の歴史を渾身のパワー(ベロッキオ85歳🌟)をもって今新たに問い直す力作といえるだろう。
映像的には照明の使い方が目を引いた。役者についてはそもそもベテラン勢ぞろいだが、元々監督は「目力の強い女」を描くのを得意技としてきたということで、モーロ夫人役のマルゲリータ・ブイが複雑な心境をを好演。


なおついでに声を大にして叫んじゃうのだが、上映館ル・シネマのオンライン・チケットのサイトやたらと使いにくいぞ~💢 嫌がらせじゃないかと思うほど。なんとかしてくれ。
241110c

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2024年11月 2日 (土)

「天使の楽器サックバット」:吹けば聞こえ過ぎそうな楽器でも

241102 華麗な響きのルネサンス教会音楽
演奏:イル・メルロ
会場:五反田文化センター音楽ホール
2024年10月14日

イル・メルロはリコーダー桐畑奈央+鍵盤上羽剛史+ソプラノ小野綾子の三人組。この日の公演ではサックバットの小野和将がゲスト参加してルネサンス時の歌曲を取り上げた。
この4つの組み合わせ、普通はあまりないものだと思うが一体どんな音になるのであろうか(^^? 回答を求めて埼玉からは遠い五反田へ向かったのである。

想像だとサックバットが音量が大きくて突出して聞こえて他を圧してしまいそう。縦笛はともかくソプラノはどうなるよ。しかし結果は--意外にもうまく溶け合ったサウンドとなった。サックバットが大き過ぎるわけでもなく、リコーダーはよく響き声はあくまで明晰であった。
そしてオルガンはその間を取り持つ接着剤兼緩衝材の役割を果たしていた。

取り上げられた作曲家はグランディ、カステッロ、マレンツィオなど。一曲だけ時代が後のシャルパンティエの歌曲が入っていた。グランディは3曲も、という大盤振る舞いである。
この時代の声楽曲・器楽曲はアンサンブルの宝庫ですね。サックバットが入って新鮮な演奏を楽しめました。
ただ、空席が目立ち過ぎだったのは残念。宣伝が足りなかったのかな💦 私以外はほとんどが身内の人のようだった。


会場の五反田文化センター、ほぼ一年ぶりで道が分かるかなと思ったけど無事たどり着けた。ただ音楽ホールの入口が分かりにくい。
音はいいのだが、前席の客の頭がかぶる度合いがひどくて参る。前に大男が座ったら何も見えなくなるだろう。「音はすれども姿は見えず」状態である👀

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2024年11月 1日 (金)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2024年11月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

*1日(金)倫理的・宗教的な森 全曲演奏シリーズ2 諸聖人の晩課(古楽アンサンブル エクス・ノーヴォ):ハクジュホール
*4日(月)古楽器と歌で奏でるバロック音楽とブルガリア民謡(氏家紗知ほか):りとるぷれいミュージック
*5日(火)北とぴあ国際音楽祭 マドリガル・コメディ(ラ・フォンテヴェルデ):北とぴあつつじホール
*  〃  木々は雨を求めて泣く カタルーニャとアンダルシアの民謡 セファルディの歌(柴山晴美&つのだたかし):杉並公会堂小ホール
*7日(木)舞曲は踊る4 舞曲・舞踏の諸相 バロック音楽とダンス(浜中康子ほか):浜離宮朝日ホール
*8日(金)コルテ・デル・トラヴェルソ特別公演 withバルトルド・クイケン:五反田文化センター音楽ホール ♪完売!配信あり
*9日(土)トン・コープマン チェンバロ&オルガン・リサイタル:すみだトリフォニーホール
*  〃  ヴィオラ・ダ・ガンバ デュオ・コンサート 森川 麻子・櫻井 茂:今井館聖書講堂
*11日(月)バッハ ミサ曲ロ短調(アントネッロ):東京オペラシティコンサートホール
*15日(金)オードの世界(パーセル・プロジェクト):五反田文化センター音楽ホール
*21日(木)晩秋に漂うトリオの余情(小野萬里ほか):鶴見区民文化センターサルビアホール
*21日(木)・22日(金)J・S・バッハの教会カンタータ全曲シリーズ1(サクリス・カンマーコーア):武蔵野市民文化会館小ホール
*26日(火)ザ・ウィッシング・トリー(ジェズアルド・シックス):東京文化会館小ホール ♪28日に武蔵野で別プログラム公演あり
*28日(木)コラールカンタータ300年4(バッハ・コレギウム・ジャパン):調布市文化会館たづくりくすのきホール
*29日(金)リコーダーとトラヴェルソの愉しみ(木村睦幸ほか):スペース415
*30日(土)ピエタ 18世紀ヴェネツィアに花開いた、ピエタ慈善院の女子合奏団(チパンゴ・コンソートほか):日本基督教団原宿教会 ♪三部制なので注意
*  〃   ドン・キホーテとその時代の音楽 音楽は歌い、語り部は紡ぐ(メディオ・レジストロ):港北公会堂

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