「1690年代のローマ」:根に持つタイプ
マンネッリ、ミガーリ、コレッリの作品を巡って
演奏:アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア
会場:今井館聖書講堂
2025年2月22日
4人のうち3人が海外在住のグループゆえ、コンサートは年に一回になってしまうのか。昨年2月に続き、今年もやってきました。
夕方の回はやや寂しい客の入りだった。2回公演なので昼間の方に皆行ったのか。それとも神奈川の『オルフェオ』と重なってしまったのが悪かったか。
前回はナポリの作曲家マルキテッリを日本初演し、そして今回はローマへ向かう。1690年代にローマでトリオ・ソナタ集を発表した3人の作曲家兼演奏家--すなわちコレッリ、マンネッリ、ミガーリを取り上げた。
とはいえコレッリ以外の二人は名前も聞いたことがない(;^_^A その二人を3曲ずつ、コレッリを2曲というプログラムだった。
全体的に緩急のアクセントを強くつけた演奏で、目が覚めるような鋭角的な響きが特徴的だった。当時のローマの生き生きとした音楽シーンが蘇るようだ。
曲はマンネッリ、ミガーリ共にコレッリと遜色ないものだが、断固とした硬質さを持っているのに対し、それに比べるとコレッリはなんとなく愛嬌があるなあという印象。そういうところが長年生き残ってきた理由だろうか。
渡邊孝はマンネッリ押しということでラストは彼の作品だった。しかしここで驚きの事実が明らかにされたのである❗
配布されたプログラムでは3人の作曲家の解説が載っているが、ちょうど見開き2ページの相対する位置にマンネッリとコレッリの肖像画が印字されている。な、なんとその2ページ分の「ネ」の字が全て強調文字になって黒く浮き上がっているのだ(!o!)
作成した渡邊氏の語るところによるとなぜそうなったのか全く分からないとのこと。
しかし二人には因縁があった。当時のローマにおいて開催された演奏会において、当初は第一ヴァイオリンはマンネッリで、若い後進のコレッリは第二を務めたという。それが途中から逆転--つまりマンネッリは首席奏者の地位を奪われたのである💥
「おのれ、若造め~(~_~メ)」彼の恨みは数世紀後の演奏会にまで及んだのであろうか。二ページいっぱいに広がる「ネ」の強調文字がその証左である。まさに根に持つタイプ。演奏家の恨み恐ろしや。
ん? よくよく見ればなんとこのブログ記事まで全ての「ネ」が黒くなっているではないか⚡ で、出たーっ👻祟りじゃ~~(>O<)ギャー
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