映画落穂拾い・映画に続編はあるが人生にはない
続編を見るということは当然第一作目を見ていることが前提でしょう。しかし前作が面白くなくても続きを見るかというと、面白かったからこそ見る気になるものです。しかし、たまに詰まらなくても「今度こそ面白いに違いない!」とあえて意気込んで見ることがあります。そしてまたガッカリするという(-_-;)
こうなると賭けですな。チケット代返せ👊と叫ぶより「また詰まらぬものを見てしまった……」嘆くことになるかもしれません。
とはいえ、前作があるからこそ続編がある。何もないところからいきなり「続き」を作ることはできぬ。
★「マッドマックス:フュリオサ」
監督:ジョージ・ミラー
出演:アニャ・テイラー=ジョイ、クリス・ヘムズワース
オーストラリア・米国2024年
前作『いかデス』からはや9年(!o!) 私もそれだけ歳を取りました。監督は元気なようだけどな。
時間を遡って子ども時代からいかにフュリオサが片手を失い警護隊長にまで成り上がったのか--という疑問に答えてくれるのかと思ったら、どうも主人公は名前が同じでも似て非なる人物のようだ。
それどころか、中心は滅亡世界の覇権を争って狂気vs狂気の闘い。よもやイモータン・ジョーの方がまだまともに思えるようなヤツが登場するとは想像もしなかった。
新登場のディメンタスはバイクつなげてローマ時代の戦士を気取り、スクリーン占有率はほぼ7割(当社推定比)。その内の1割は彼が腰にぶら下げてるクマちゃんである。観客の理解の埒外へと転がっていき、あまりに理解を超えているのでフュリオサの復讐譚を無化してしまうほどだ。一体何を見せられているのでありましょうか。
荒野を突っ走るタンクローリーやバイクのアクションは迫力&お見事。とはいえ前作は色んなシチュエーションで様々なアクションが繰り広げられたが、それに比べると変化と興奮度は少ないと思えた。
結局、フュリオサがどうやって成り上がったのかは分からずじまいだった。
米国では期待されていたほどのヒットにならず、第3作が作られるのか雲行きが怪しいらしい。がんばれ~\(-o-)/
★「インサイド・ヘッド2」(字幕版)
監督:ケルシー・マン
声の出演:エイミー・ポーラー
米国2024年
地上波放映の「1」を復習して鑑賞に臨む(かなり忘れてしまったため)。
前作では小学生だった少女ライリーもはや高校進学を考える年齢になっている。しかし思春期って色々ムズカシイ。もはや親の出る幕なし、彼女の脳内にあったお子ちゃま時代の素直な感情たちはお払い箱の憂き目にあう。そして新しい感情グループのリーダーは「シンパイ」である。(正確には「不安」らしい)
進路の悩みを発端に複雑・混乱・矛盾の嵐が襲い、友情か憧れの先輩かで引き裂かれる。もはやいい子じゃいられないのだ😑
思春期はすでに遠く、今や老後の「シンパイ」の方が大きな顔をしている私だが、最後は泣かされた(T^T)。よく出来ている。
脳内で繰り広げられるアクションと共に、現実のアイスホッケーの場面もお見事だった。特に氷の感触が鮮やか。で……結局キャンプの結果はどうなったのかな👀
ところで「1」の再見は吹替版だったが、やはり分かりやすかった(^^; 字幕で見た時にはよく分からなかった部分がよく理解できた。でも、これからは全て吹替で見ようという気にはならないのよなー。
★「グラディエーター2 英雄を呼ぶ声」
監督:リドリー・スコット
出演:ポール・メスカル
米国2024年
これこそ直前に「1」の再見が必須❗ というのも、完全に連続ドラマの「次週に続く」並みに直に話が繋がっているのである。前作公開から25年近く経過、それなのにこれはいかに。
前作をよく見ていればこの展開はありえないだろう😦なんて感慨を吹っ飛ばし、登場するはサメ、サル、サイ……と前作より手数が多い。しかしバラエティに富んでいるからといって面白くなったかというと難しいところだ。
さらに主人公ルシアスや清廉な将軍アカシウスよりも目立っているのがデンゼル・ワシントン扮するマクリヌスである。目的・意図も明らかにしないまま彼は勝手に動き、策略をめぐらしているようだが手当たり次第でもある。あたかもトリックスターのよう。それによって物語は動いていくから彼が主人公に見えても仕方がない。
おまけに服装は皇帝たちよりファッショナブルだ(^^; ローマ市民のみならず映画の観客の目を引き付けまくっている。
結局、私には彼が何をしようとしていたのかよく分からなかった。
折角のポール・メスカルやペドロ・パスカルはパッとせず損な役回りだったようだ。
D・ジャコビは折角長生きして再度出演したのに、見せどころが全くなくて残念だった。前作とあまり変わっていないC・ニールセンにはぜひ美容法を教えてほしい。
なお、劇中には色々と変わった形(と音)の管楽器が登場。これは当時の絵や図版から復元したのだろうか。詳しい人に聞きたいもんである。
劇伴奏者のクレジットが流れるのを必死で見ていたら「ヴィオール・コンソート フレットワーク」というのがあった。これってあのフレットワークだよね?
★「デッドプール&ウルヴァリン」
監督:ショーン・レヴィ
出演:ライアン・レイノルズ、ヒュー・ジャックマン
米国2024年
ウルヴァリンて狼男から来ているのかと思ったらどうも違うらしい。その程度の知識で二大ヒットシリーズ合体作を見た。
なるほど、レイティングがR15+だけのことはある血しぶき連発とお下品なギャグが満載だ。その展開に業界内輪ネタをまぶしていちいち突っ込むデッドプールである。
一見さんお断りの、熱心なファンのための熱心な作品だった。過去作を見たけど記憶が薄らいでいる私にはなかなかハードルが高かった。さらに加えて若い人は知らんだろう、このヒーロー(^^? みたいな過去のキャラクターたちが登場する。
細かいエピソードは忘れたまま気にしないで笑うところは大いに笑えた。ただそれだと同時に数少ない感動場面も効果が半減になってしまう。
コアなファンはともかく、MCUの将来がどうなろうとあまり気にしない人間にとってはそこまで言及されてもなーという面もあった。
ある意味これまでのシリーズを清算するような映画作って、また新しいシリーズ始めるつもりなのか。過去を一掃して心機一転で開始するのかもしれず、素直に大口開けて笑っていられない感じで終始したのであった。
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