「ザ・バイクライダーズ」:男と男と女とバイクと
監督:ジェフ・ニコルズ
出演:ジョディ・カマー、オースティン・バトラー、トム・ハーディ
米国2023年
原作はシカゴのバイカー集団をエスノグラフィーの手法で捉えた写真集とのことである。バイクには全く縁がないけど見てきた。
カメラマンの前でメンバーの妻が回想する形式で、1960年代から70年代初めにかけてクラブの結成・拡大・変質の過程を描いていく。
そもそもは町のクラブの一つに陣取る一団が徐々に大きくなっていき、やがて評判を聞きつけた外部の者が加わって来て変質を遂げる。もはや元のままではいられない。その背景にはより暴力的なるものへと向かっていく時代の変化もあるだろう。
リーダーと一人の若い子分とその妻の関係から集団の「栄枯盛衰」が浮かび上がってくる。その描写は地道で着実だ。
ただ鉄拳👊&ナイフ🔪の切った張ったはやっぱり苦手じゃ~(>O<)
事前に「リーダー役トム・ハーディと若い子分の妻ジョディ・カマーがオースティン・バトラー(子分役)を取り合う話」と耳にして「そんなバカな」と思ったが、見てみると実際その通りであった💥
ハーディとカマーは演技で見せるが、バトラーは完全に美しい「お姫様」役。まさに色男、金も力もやる気もなかりけり、なのだった。そしてこの三角関係の勝者は……😶
中心はもっぱら人間の集団力学と三角関係で、バイクへのマテリアルな偏愛描写はほとんどない。そこら辺はマシン好きの人はどう思うだろうか。
思えば、同じ監督の『ラビング 愛という名前のふたり』でも白人と黒人が融和して暮らす町のあり様がテーマの一つだった。多分、人間の集団に興味があるのであってバイクというモノには視線が行かないのだろう。
マイケル・シャノンやはりここでも変な役。ノーマン・リーダス特出。彼がカリフォルニアから転がり込んできて仁義を切る場面は「日本のヤーさんと同じだ(!o!)」と思っちゃった。
バトラーに加え期待の若手・中堅男優たちが大挙出演ということで女性観客も多いかと思ったら、ほとんどが中高年男性だった。
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