「神は銃弾」:弾丸の数より死人が多い
監督:ニック・カサヴェテス
出演:ニコライ・コスター=ワルドー、マイカ・モンロー
米国2023年
原作は過去に「このミス」海外編第1位(2002年だから結構昔)に輝いたミステリである。一巻本とはいえなかなかの厚さ、そのせいか映画も156分の長尺だ。未読で挑戦した。
妻を殺され娘を誘拐された男の豪快な追跡アクションものかと思ったら、暴力に血みどろ残酷が念入りに描写されていて、さらに神について自問自答するなど、どうもこれはノワール系ではありませぬか(ちょっと苦手)。
暴力描写にやたらにリキが入って死人が山のように出る代わりに、それ以外は展開が遅くて脚本は不明な部分が多い。犯人と思しきカルト集団から過去に逃走したという若い女が、主人公に協力する意図は何なのか? 保安官とはいえデスクワーク専門の彼を最初バカにしていたらしいのに、いつの間にか「コヨーテ💓」とか呼ぶようになってるし。どのようにしてそんなに親しくなったのか見ていても不明だ。
それと宗教カルト集団というとマンソン一家みたいのを思い浮かべるのだけど、今一つ違うようなのだ。あと、重要な登場人物である妻の父親の職業は何なのか?
終盤の大アクションは見どころではあるが、あんなに娘を奪還しようとして頑張っていたのにその後の話が全く出てこないのはモヤモヤする。
残念ながら私の個人的な好みとは合わなかった作品だったようだ。
J・フォックスが製作総指揮に入っていて脇役も演じている。ヒロイン役の女優さんは力演だった。主人公は『ゲースロ』のラニスター家のジェイミーですな。
| 固定リンク | 1