「わたしの涙 愛を綴るイタリアの古歌」:嫉妬から諦念まで
演奏:クレール・ルフィリアートル、上村かおり、西山まりえ
会場:今井館聖書講堂
2025年5月10日
先日の王子ホール公演ではフランスものだった西山まりえとC・ルフィリアートルのコンサート、今回は上村かおりを迎えてイタリア作品プログラムである。
上から見て長方形の会場、いつもなら短辺の方にステージを設定して椅子を並べるのだが、この日は横長に使っていたのが珍しかった。そのせいかなんとなくサロンっぽい雰囲気になっていた。
カッチーニ、フレスコバルディなど定番曲あれば初めて聞くものもあった。
曲ごとに西山氏が入れる歌詞のツボを押さえた解説(というより訳詞か)が面白い。カスタルディの曲はその訳がどうしようもないカップルのイチャつき話になっていて、いくらなんでもこりゃ大げさでやり過ぎなのでは?と思ったら、実際に曲を聞いてみるとまさにそのまんまであった。それをクレールはさささっと歌いこなすのであった。
恋人同士のトラブルやら嫉妬の歌から始まって、やがて徐々に人生を思う曲へと向かう。アンコールはモンテヴェルディの「苦しみが甘美なものならば」であった。
クレールの歌を間近で堪能できて満足である。西山氏と上村氏は休憩なしで弾きっぱなしサポートでご苦労様です。
今井館の道路を渡った向かい側方向に、美しい青紫と白の花が咲き誇りしかも甘くていい香りがしていた。家へ帰って調べたらニオイバンマツリというらしい。来年の同じ時期に行くことがあったら忘れずにチェックしたい。
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