「私立探偵マニー・ムーン」
著者:リチャード・デミング(田口俊樹 訳)
新潮文庫2025年
1948~51年に米国のミステリ雑誌に掲載された7編の短編が収録されている。主人公は大戦帰りで片足を失った義足の私立探偵。若い頃の乱闘で鼻が曲がるなどして自他ともに認める「醜男」であるが、不思議なことに美女にモテモテ✨である(美女はもれなく毎回登場)。
不可解な殺人事件、頭をぶん殴られて気絶、銃を突きつけられて絶体絶命、謎の女に怪しいカジノの経営者--などなどハードボイルドの定番がこれでもかと揃っている。しかし、起こる殺人事件は密室だったり、第一容疑者に鉄壁のアリバイありとか凶器が行方不明になったり一筋縄ではいかない。
そしてなぜか最後は探偵が一同を集めて必ず事件の謎解きをするという本格ミステリ・モードになるのだった。これは驚きである。
主人公をひいきにしてるんだか嫌いなんだかよく分からないデイ警視を初め、レギュラー陣も充実。古さを全く感じさせない(これは訳者の功績もあるだろうが)。隅から隅まで楽しめる一冊である。
作者はE・クイーンのゴーストライターをはじめTVドラマ小説版、ノンフィクションまで幅広く作品数も多くて、こんな人がいたのかとこれまたビックリだった。
ところでIMEの日本語変換で「ぶおとこ」が変換できなかった。否定的な意味の単語だからかな(?_?)
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