「ヒプノシス レコードジャケットの美学」:音楽が消えた後もデザインは残る
アントン・コービンのモノクロ画面でヒプノシス作品を見てもしょうがないだろと一瞬思った。しかし実際はアルバム・ジャケットの部分だけカラーだった(また面倒くさいことを……)。
ヒプノシスは60年代末から活躍したデザイン・チームで、特にピンク・フロイドのジャケットで一世を風靡。
バンドの周囲に集まる若者たちの中に、天才と呼ばれる男とその才能に引きつけられたカメラマン。二人の出会いから全盛期そして破綻までの経緯が描かれるのと交互に、その代表作の数々を当人やミュージシャンがエピソード(豚気球の話は爆笑)を語る--という二点だけで成り立っている。ある意味単純な構成とも言える。
ピンク・フロイド、ツェッペリン、マッカートニー、P・ガブリエルなどファンは必見だろう。
金と時間と人材をかけて幻想的・突飛な光景を生み出す手法はウケなくなり、CD→サブスクへと変化。そもそもジャケット自体が存在しなくなる時代の趨勢に、オールドなロックファンは涙を禁じ得ない。
ドキュメンタリーとしては、N・ギャラガーのような下の世代で部外者をもう一人ぐらい入れてほしかった。
自分の持っているCDを見たらアラン・パーソンズのようないかにも”らしい”もの以外に、昔散々愛聴したバッド・カンパニーのファースト(黒の背景に白いロゴ)が彼らの作品だと知って驚いた。
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