「影の軍隊」:地上波の罠
監督:ジャン=ピエール・メルヴィル
出演:リノ・ヴァンチュラ
フランス・イタリア1969年
この映画を見るのは5回目ぐらいだろうか? ギャングものはどうも好きじゃないのでこれ以外のメルヴィル作品は見たことがない。
若い頃、というか子どもの頃、地上波TV放送で数回見たが2時間枠だと実質70~80分間ぐらいか。当然編集しまくりになり「ボス」についてのエピソードが丸々カットされていた。
それを知ったのは後にレンタルビデオで初めて全編(140分)を見た時である。個々のエピソードが団子状に連なっているようだったのも、こちらでは滑らかに繋がっている。
今回数年前にハードディスクに録画したままだったのをまた見直してみた。
舞台はナチス占領下のフランス、レジスタンス組織に属する者たちを描く。同志の裏切り、密告、命がけの逃走、逮捕されれば拷問か死か。
考えてみればレジスタンスとギャングは似ていなくもない。限定された人間関係の中で、裏切り者は理由を問わず淡々と粛清するのみである。
映像は常に沈鬱を伝える。
途中の山場と言えるエピソード。シモーヌ・シニョレ扮する活動家が逮捕された仲間の救出計画を実行する。ドイツ軍の厳重警備の施設に堂々と軍関係者として乗り込むのである。幾重ものゲートを通る恐ろしい緊張感--その結果がどうなったかを含めて、全くもって派手なドラマ性を排しているといえるだろう。
しかしそのように有能かつ豪胆なリーターである彼女も、後に最も肝心なところでミスを犯す。これもまた皮肉である。
リノ・ヴァンチュラの主人公の「ボス」への崇拝は思慕としか言いようのない域に達している。これにはちと戸惑う。もっともヴァンチュラはメルヴィルが嫌いで何年も出演を渋っていたそうな。ええー(・・?
シニョレは貫禄の一言だ。
ラストの「走らなかった」が非常にかつ非情に効いている。ハードボイルド……。
| 固定リンク | 1









