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2026年3月

2026年3月28日 (土)

「センチメンタル・バリュー」:ア・ハウス・イズ・ノット・ア・ホーム

監督:ヨアキム・トリアー
出演:レナーテ・レインスヴェ 、ステラン・スカルスガルド
ノルウェー・ドイツ・デンマーク・フランス・スウェーデン・イギリス2025年

結論から言ってしまおう。私のような俗っぽい人間には高踏過ぎた😑 まあ見る前から予想はできたことだけど……。
過去に妻子を捨てた映画監督の父親、演劇の道を歩む姉娘、堅実に穏やかな家庭を築く妹。しかし、母親の葬儀に父が顔を見せたことから日常の小さな波紋が大きな波へと変わる。

姉は才能ある舞台俳優として主役を務めているが、開演直前に逃走しようとして皆が必死で止める。こういうのはコンサート関係では聞いたことがあるけど、演劇でも同じなんですかね(^^? 代役置いといたりしないの?
かつて巨匠と呼ばれた父親が十数年ぶりに映画を撮ろうとして娘に声をかけるのは、才能の枯渇を補うためとしか思えない。しかも映画の内容は自分の母親についてなのだ。当然、娘は断固拒否する。

演劇や映画好きにはハマる題材である。役者たちの好演、慈しむような映像、時折挿入される騙しカット。家から綴られる家族の歴史。既成曲の使い方も印象的だ。
この作中映画がネトフリ作品という設定なのが面白い。よくロゴの使用を許したものよ。

だが、この手の話では年老いた父親と娘が登場して「娘」の方が折れる(父を理解してやる)というパターンが多いのはどうしたことだろうか。そもそも父親と息子とか、母親と娘というのはあまり記憶がない。
偉大な映画監督の母親が突然現れて疎遠な息子に向かって「あんた映画に出て」とか言ったら、どうなるだろうかね。
ということでどうにも気に入らなかったのだった。主要な俳優4人がアカデミー賞候補になったけど、それほどのものかとも感じた。「家」は美しかったけどさ。

アカデミー賞国際長編映画賞獲得、8部門ノミネート。カンヌ映画祭グランプリ。


映画のモデルと俳優という点では互いに食うか食われるかという関係で、非常にバカバカしくて毒々しい『メイ・ディセンバー』みたいなのが気に入っている(感想は書いてない)。

また横暴な父と子ども(きょうだい)の関係を描いたものでは『白い刻印』というのがあった。もう20年近く前に見た映画なので詳しくは覚えてないのだが。
顔ぶれはジェームズ・コバーン、ニック・ノルティ、ウィレム・デフォーという恐ろしいもの。コバーンのコワい親父の重圧に、互いには正反対(長じて警官と大学教授になる)ながら手を取り合って耐え忍ぶ兄弟。その子ども時代が間接的に描かれる。もはやトラウマである。
本作が物足りなかった人には上記2作をオススメしたい。

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2026年3月20日 (金)

「クライム101」:不器用なヤツ

260320 監督:バート・レイトン
出演:クリス・ヘムズワース
米国・イギリス2026年

内容はクライム・サスペンスに分類されるか。しかしこのジャンル、今はそれほど客が入るものではないと思われるが……。
とはいえ役者の顔ぶれが無駄に豪華すぎたためだろう、大規模なロードショー展開がされた。実際にはそんな派手な内容ではないので、私が見た時の客は5人でした~😇

見た人の意見が賛否両論であまり期待してなかったのが逆に幸いしたか、結構気に入った。
派手な銃撃戦はないが、カーアクションは結構ある。かなり派手に暴走してるのにパトカーが全く来ないのはどうしたことよ。LA市警大丈夫か。埼玉県警だってもうちょいマシなんでは?などと思ってしまった。

強盗稼業にはげむ主人公は『ヒート』よろしく、生活の痕跡を残さず殺風景な部屋に孤独に暮らしている。もっともあの話では常に逃走を考え一種の信念としてそんな方針を取っているのだが、こちらは単にいい加減なのか不器用なのか、そんな風に見える。

一方冒頭から登場し、並行して描かれるハル・ベリー演じる高額保険の勧誘員はどうかかわってくるかが見どころ。
彼女が53歳という女の年齢の焦りを忌憚なく見せているのがよかった。53歳!今ここでステップアップできなければ、もはや最後までどん底を這わなければならぬ。どうするべきか。ジワジワと来る。
もっともご当人は60歳らしい。信じられねえ(>O<) ぜひ若さの秘訣を教えていただきたいもんだ。

もう一人、主人公にストーカーの如く引っ付いてくる暴走小僧(バリー・キオガン)は行動が雑過ぎて何をしたかったのか不明。
捜査に熱心過ぎて敬遠されてしまう刑事のマーク・ラファロはヨレヨレしたところが魅力だろう。

4人がそれぞれに動いていく。このジャンルとしては久々に満足な出来だった。
印象的な場面は幾つかあって、特に同じ車内で刑事と主人公が会話をする場面に緊張感あり。ただ、終盤の展開はあれで口裏合わせられるのかなどと疑問に思った。
観客の若いカップルで男の方が「最後がよく分からなかった。だから洋画ってイヤなんだよー」とかごねてて、まあそこが分かりにくいのは確かではあるな……💥

ところでマッチング・アプリ(?)の質問で、「手錠」のところは設問の意図と主人公の回答が完全にズレていると考えてよろしいかな(^^?

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2026年3月 7日 (土)

「大塚直哉レクチャー・コンサート第13回 音の建築 インヴェンションとシンフォニア」:時間を描き音を建てる

260307 出演:大塚直哉、中山英之
会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
2026年2月8日

半年前の前回は最高気温36℃の日だったわけだが今回は一転、雪が降った直後で寒さに震えあがりながら行く破目になった。
この日は建築家の中山英之をゲストに、建築とバッハについてということだった。取り上げる作品は前半インヴェンション、後半シンフォニアである。なおどうして「シンフォニア」と名付けたのかは不明だそうだ。

トークタイムではバッハは年齢ごとにどんな建築の中で演奏し、そして家で暮らしてきたのかということを図版で紹介。
ゲストの中山氏については知らなかったが、曲線を使った建築でホールや図書館から個人住宅まで設計したとのこと。東京近辺の映画ファンならご存じ「ル・シネマ 渋谷宮下」のロビー設計も担当したそうな。
音楽と建築の共通事項とは何かとか、図面を書くということは時間を描くこと、バッハは建築の断面図的思考を持っているといった話などは音楽家とは全く異なった見方で興味深かった。


次回は7月……またも酷暑か~🌞
4月と10月、あたりに設定し直してもらえませんかね(^o^;)

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2026年3月 1日 (日)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2026年3月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

*4日(水)・5日(木)ベルリン古楽アカデミー:トッパンホール
*7日(土)イタリア古楽花伝7 辻文栄チェンバロリサイタル 伊太利節:今井聖書館講堂
*8日(日)リュート・デュオで奏でるダウランドの世界(ルネ・ジェニス=フォルジャ&佐藤亜紀子):カトリック山手教会 ♪21日に東京公演あり
*13日(金)・15日(日)二つの受難曲 ゲジウスの「マタイ」と「ヨハネ」(ベアータ・ムジカ・トキエンシス):番町教会・東京中央教会 ♪開演前レクチャーあり
*14日(土)カウンターテナーの饗宴(青木洋也ほか):聖ヶ丘教会礼拝堂
*15日(日)ヴァイマール時代のカンタータ2(プロムジカ使節団):トッパンホール
*20日(金)大塚直哉が誘うバロックの世界5 コンチェルトとソナタ:横浜みなとみらいホール小ホール
*22日(日)松本記念音楽迎賓館で聴く ルソン・ド・テネブル(村上雅英ほか)
*25日(水)ジャン・ロンドー チェンバロ・リサイタル:東京文化会館小ホール ♪28日に三鷹公演あり
*28日(土)洋館で親しむバロック音楽 17,18世紀 フランスの音楽(大山有里子ほか):横浜市イギリス館
*29日(日)イタリアの香り(向江昭雅ほか):マリーコンツェルト

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