「ウィキッド 永遠の約束」(字幕版):魔法と詐欺の区別はつかぬ
監督:ジョン・M・チュウ
出演:シンシア・エリヴォ、アリアナ・グランデ
米国2025年
一作目(というか前編)と『オズの魔法使い』を直前復習して見に行った。もう忘れかけてた。
結果は「前作の方が面白かったなー」派に一票であった。キャッチーな曲がなかったし、長くて盛り上がり損ねているような印象。グリンダが鏡を幾重にも通り抜ける場面は新曲らしいが、映像に気を取られてしまいよく覚えていない💦
さて、幕を開けてみればグリンダはオズの光り輝く広告塔、エルファバはオズの体制に立ち向かうテロリストとなって嫌われ者となっている。さらに某王子が絡んで三角関係も勃発しているじゃありませんか。
それほどにビックリな展開なのに、後半は『オズの魔法使い』とのつじつま合わせに汲々としているようなところがある。特にカカシについてはかなり無理があるんじゃないの?などと思ったり。
またエルファバの妹の顛末についても、「えー😕そんなんありか」的な感想を抱いてしまった。グリンダはやっぱりひどいヤツではないか。
前編のきっちりした起承転結の盛り上がりぶりに比べ、今回はそれを持続できずに残念であった。舞台版はもっと短いんだって? 確かに長けりゃいいってものではないわな。
そもそも舞台のミュージカルというものでは前半に盛り上がるのが定番らしい。それを映画に持ってこられてもなー。
というわけで、グダグダ感をぬぐえぬままに終了した。残念である。
ご近所のシネコンで夕方の回の字幕版に入ったら、一番大きなシアターなのに客が3人しかいなかった(ーー;) 吹替版もあるとはいえ……。洋画の未来は暗いのか。
しかも設備が古いところなので、画面が暗くて参った。やはり都心の新しめの映画館に行かないとダメなのかな。
ところで、最近になって斎藤美奈子の『挑発する少女小説』を読んだ。すると『ウィキッド』は往年の少女小説(『若草物語』『赤毛のアン』など)の要素をかなり引き継いでいるように思えた。
その要素とはまず、
(1)主人公の多くは「みなしご」である。
→エルファバは親に見捨てられて孤児同然。グリンダも寮制の学校に入ることで親から切り離される。
(2)友情(同性愛)が恋愛(異性愛)を凌駕する。
→これは一致度が高い。
(3)少女期からの「卒業」(成長)が用意されている。
→そのまま。
(4)主人公は皆「おてんば」な少女である。
→これは当てはまりそうにない。
かつての少女小説は昔のジェンダー規範を飛び越えようとした少女たちを描いてきた。しかし「ウィキッド」の二人は違う……のか? よく分からない。
とはいえ、19世紀後半から20世紀前半を最盛期とする少女小説というジャンルを今に引き継いでいるのは確かなようだ。
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