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2026年8月30日 (日)

「オールド・オーク」:炭鉱旗の下に

260830 監督:ケン・ローチ
出演:デイヴ・ターナー
イギリス・フランス・ベルギー2023年

高齢のケン・ローチが最終作宣言して作った本作、彼らしい誠実さに溢れた映画だといえるだろう。
舞台は2016年のイングランドの古い炭鉱町。不景気もあって、長年に渡る鬱憤が吹き淀んでいる。政府の政策で空き家に難民が送り込まれていきつつある。
バスに乗ってやってくる難民に地元住民たちが不審も露わに差別的言辞を投げつける。これは今や日本でも似たような事が起こっている。

周囲の住人の憩いの場所(というか酒を飲んでグダグダしている)であるパブの店主は旧友の常連客たちと、新たに知り合った難民たちとの板挟み状態である。そもそもパブというのは地域の公共スペースでもあったという。それを難民たちに使わせて、旧住民は断るとなるとひと悶着起こるのは避けられないだろう。

自らを顧みると、正直言って職場の同僚やご近所の隣人が明白なヘイト発言や行為をした時に注意したり止めたりする勇気はない。
そのような人間に対し、正攻法として監督は一つの理想形を提示してみせたと言える。「やればできる」「望めばそうなる」……願わくばそうなってほしい。でも無理かも。そういうことを考えさせる映画である。
最後に満席の客席から拍手が起こったのはちと驚いた。

ただ、ワンコ関係のエピソードはちょっとどうなのよと思ってしまったですよ😑

なんでも本作と『わたしは、ダニエル・ブレイク』『家族を想うとき』を合わせて「イングランド北東部三部作」というらしい。
三作のうちで一番前向きなのが本作と言えるだろう。基本的に悪人は登場しない。ただ正直なところ、前向き過ぎて見ていて勢いで180度回転して後ろ向きの気分になってしまうのであった。困ったもんである。

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