音楽(ロック、ポップス等)

2021年4月 5日 (月)

「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」/「ラスト・ワルツ」再見:共同幻作

210405「ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった」
監督:ダニエル・ロアー
出演:ロビー・ロバートソン
カナダ・米国2019年

ザ・バンドについては完全に門外漢だけど見に行っちゃいましたよ。
ロビー・ロバートソンが過去を振り返るドキュメンタリーである。

自らの生い立ちから始まり、ロニー・ホーキンスのバンドに参加、レヴォン・ヘルムと知り合って独立してバンドを結成し、やがてボブ・ディランのツァーでバックを担当する。
御存じの通り、このツァーはどこへ行ってもディランがブーイングでヤジり倒された。彼らにとっても本当に嫌でストレスだったのが語られる。レヴォンに至っては途中で逃走してしまった(ーー;)

アルバムを出して人気を得るものの、その間に自動車事故が起こったり、酒とドラッグでツァーが崩壊状態になったりして、ロビーはもうバンドとして続けていくことができないと思うようになる。そして解散へと心が傾いていく。
当時の映像が全て残っているわけではないが、写真などでうまく繋いでいるのでインタビュー中心でも飽きることはない。

間にホーキンス、スプリングスティーン、クラプトンなどが出てきてザ・バンドへの愛を語る。ピーター・ガブリエルが登場したのは驚いたけど、名前が出るまで誰だか分らなかったというのはヒミツだ(;^_^A
笑ったのはクラプトンで、彼らの音楽を聴いて大感動して参加させてくれと頼んだが断られたそうな。
スコセッシも数回出てくる。映画の話より、当時のザ・バンド自体についての言及が多い。

しかしこれはあくまでもロビーの語りである。今でも存命しているメンバーは他にガース・ハドソンだけで、しかも彼のインタビューはないのだ。
「兄弟」であった男たちの絆が崩壊し『ラスト・ワルツ』に至って終了する--という、ある種感傷的な流れで物語としてうまくまとまっているが、まとまり過ぎの感がある。
ファンの人はどう思うのだろうか。

『ラスト・ワルツ』からのコンサート映像も使われている。おかげでもう一度見たくなった。私が見たのは昔に一度だけで、共演してたミュージシャンのこともろくに知らなかった頃である。
ザ・バンドというのはあの時代では特殊な立ち位置で、比べられるのはリトル・フィートぐらいしか思いつかない。今だったら、ルーツ・ロックとかアメリカーナとか分類されるかもしれないが。
それと5人編成のロックバンドでキーボード2人というのも珍しくないか!?


「ラスト・ワルツ」
監督:マーティン・スコセッシ
出演:ザ・バンド
米国1978年

というわけで結局また見てしまった『ラスト・ワルツ』である。ツ〇ヤでレンタルしたらちょうどケーブルTVで放映していた。トホホ(+_+)
もっともDVDには特典のコメンタリーや映像が付いている。
前に見たのはどうもリバイバル上映で1999年らしい。それでも20年は経過しているわけだ。

今回改めて驚いたのは歌詞の字幕が付いてないことである。最近のコンサート映画は付いていることが多い(『ザ・バンド』でも同じ演奏場面にはあった)。ファンは分かっているからいいだろうけど、私のような門外漢にはキビシイ。
それどころか曲名も途中に出さない。エンドクレジットにまとめて記されているだけだ。

一度通して見てからコメンタリー付き(しかも2種類ある)で飛び飛びに見直したりして2倍以上の時間かかってしまった。何をやっているんだ(~_~;)

ゲストでまだ若くてツルピカのジョニ・ミッチェルが登場している。思わずそこは二度繰り返して見てしまった。
ニール・ダイアモンドは他の出演陣に比べると完全に「外様」で、公開当時「場違い」みたいな言い方をされてたのを思い出した。ロビーの人脈で出演したらしいが、確かに微妙な距離感である。

ヴァン・モリソンは激熱のパフォーマンスをやってみせた。なのに、あの変な衣装はなんなのよ(?_?)……と思ったら、2種類のコメンタリーともこの衣装のことを触れてたので皆同じに感じるらしい。
ボブ・ディランについては撮影しない約束で弁護士が見張っていて、撮り始めると猛抗議してきた。それを、ビル・グラハムが会場から叩き出したという話には笑った。
当時の撮影スタッフのコメントではスコセッシが相当に細かくうるさくて辟易してたらしいのがうかがえる。

以前見た時には印象に残らなかったが目を引いたのは、インタビュー場面でリック・ダンコがフィドルを小脇に挟むようにして持って弾いてみせたことである。当然弓は上下垂直に動かす。こんな弾き方があるのかとビックリした。
これじゃ、ルネサンスやバロック期のような昔に楽器をどんな持ち方してたかなんて、今では完全には分からんわなあ。

見直してみて、スコセッシはロビー・ロバートソンを主演に据えた映画(テーマは有終の美学✨)を作りたかったのだなあ、と思ってしまった。コンサートの準備段階から関与していたというのだからなおさらである。もうこれは「共作」と言っていい。ドキュメンタリーでありながら「虚構」のような。
そうしてみると『ザ・バンド』の方は、結局そのテーマをさらに後から補強する役目を果たしているようである。
問題は他のメンバーが解散を考えてなかったということだわな💥
とすれば、40年後のロビーの語りは「弁明」とも受け取れる。

後に知られるようになったことだが、ライブ場面の音はほとんど後から差し替えやタビングしてあるらしい。あちらのコンサート映画では珍しくないことだそうだ。
差し替えてないのはレヴォン・ヘルムとマディ・ウォーターズだけとのこと。
マジですか(!o!) ますます虚構味が……💦

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2021年2月24日 (水)

「メイキング・オブ・モータウン」:音楽と産業、その深い仲

210223c 監督:ベンジャミン・ターナー
出演:ベリー・ゴーディ、スモーキー・ロビンソンほか
米国・イギリス2019年

米国はデトロイトの地に発するモータウン・レーベル。創始者ベリー・ゴーディJr.がスモーキー・ロビンソンと共に爺さん漫才して笑わせつつ、その音楽とビジネスの歴史を語るドキュメンタリーだ。
ゴーディが頑固オヤジ風なのに対して、ロビンソンの喋り方がなんとなくオネエっぽいせいもあって対照的でいいコンビである。
テンポよく進み……進み過ぎて全く知識のない人には付いていけない可能性はあるけど面白かった。

基本的には「光と影」ではなく「光と光」を描いている。ヒット曲を製作する方法をデトロイトの自動車工場から学ぶという発想が語られる。
また天才少年時代のマイケル・ジャクソンやスティーヴィー・ワンダーの映像が登場し、その輝きには目がくらむ。
一方、あの悪評ふんぷんだったダイアナ・ロス主演『ビリー・ホリディ物語』は名前が出て来たと思ったら、瞬時に通過であった。

70年代以降になると駆け足になってしまったのは、いかに「産業」を目指しても時代の変転についていくことは難しかったためか。それとも発祥の地デトロイトを離れたためだろうか。
それにしてもようやく今になってマーヴィン・ゲイの「ホワッツ・ゴーイン・オン」をしぶしぶ認めるとはゴーディもとんだ頑固者である。

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2021年2月21日 (日)

「真夏の夜のジャズ」:真昼のヨットハーバーにモンクの硬質なピアノが流れるのだ

210223a 監督:バート・スターン、アラム・アヴァキアン
米国1959年

コンサート映画の名作としてよく知られるドキュメンタリー。これで4回目のリバイバル上映だそうだ。ジャズは門外漢なので今回初めて見た。
1958年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに加え、同時期に行われたヨットのレース場面、そして風光明媚な港町の光景が並行して(バラバラに)収められている。

一番驚いた点は「なぜにチャック・ベリーが出ているの?」である。当時だとまだジャンル分けが緩いのだろうか。バックのベテラン・ジャズミュージシャンたちがノリノリで共演している。特にクラリネットのソロのおじさんがド迫力の吹きまくりだ🎶

その後のチコ・ハミルトンは一転して情念と沈思渦巻く演奏を展開して、これまた引き付けられる。それから昼間の緩い時間に登場したアニタ・オデイが強烈だった。
ルイ・アームストロングやマヘリア・ジャクソンは生きてる姿を拝ませてもらっただけでもアリガタヤ(^人^)という感じ。

聴衆の場面は、明らかに仕込みや別撮りが多そう。ファッショナブルな客についてはモデルや役者に頼んだのかしらん。夜の公演で踊っている場面もアヤシイ。それだったら演奏の映像をもっと入れてくれと言いたくなった。
ヨットの試合場面も中途半端な挿入だし、オシャレな映画を目指したのかね。

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2021年2月10日 (水)

「大貫妙子 Symphonic Concert 2020」

210210 会場:昭和女子大学人見記念講堂
2020年12月20日

フルオーケストラをバックに歌うのは4年ぶりである。(前回の感想はこちら
共演は、指揮は前回同様に千住明、そしてグランドフィルハーモニックトウキョウだった。

ター坊の曲をメドレーにした序曲から開始。ルグラン風の「グランプリ」はかなり人気の高さで大ウケであった。
しかも途中で坂本龍一がゲストとして登場である(聴衆盛り上がる)。なんでもニューヨークから来日して、自主隔離期間明けということだった。彼は「タンゴ」とアンコールで共演した。千住明は後輩ということで、やたらと恐縮していたもよう。

また、後半の冒頭は千住明の「還暦&音楽活動35周年特設コーナー」もあった。本来は独立した公演を予定していたらしいのだがコロナ禍のため中止、そこで今回のコンサートに間借りしたという。ドラマ版の『砂の器』のために作曲したピアノ協奏曲(抜粋)を若いソロピアニストが登場して演奏した。
ただ、聴衆の多くはクラシックのファンではないだろうから、熱演もちょっとモッタイナイ感じであった。

ター坊は海外での人気に加えアナログ盤再発など気運上昇中につき、かなりノッていた様子である。「ベジタブル」は新しいアレンジに変えていて意欲的だった。
それにしても、教授とトークしていると漫才みたいになっちゃうのは一体何なのよ(^^?

というように全体に盛りだくさんで、ゴージャスな響きを堪能した。
終演してから帰り道で「オーケストラすごい!シンセと違う❗」と大感動してた若い人がいて、やはり実物に遭遇するのは良いことだと思った。私も普段は古楽器アンサンブルをコソコソと聞いているぐらいなので、フルオーケストラを久し振りに聞くと圧倒される。
この日は2階席には人を入れてなかったようだが、U25に安く開放するなどしたら将来のファンを増やせるかも、なんて思ってしまった。

今回の座席は市松模様形式であった。感染を考えると安心度が高くなるのはいいが、広いホールにオーケストラ付きで、採算取れるのかしらん(◎_◎;)などと余計な心配をしたくなった。
入場が比較的スムーズだったのは検温しなかったからか。

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2021年1月20日 (水)

今さらながら2020年を振り返る

210120 ますます更新が遅れまくっている当ブログだが、なんとか振り返ってみる。もう「遅くって当たり前」な心持ちである。

【映画】
順不同。大体見た順かも。
コロナ禍のために映画もメジャーどころはほとんど公開延期となるか、直接配信になってしまうという状況でありますが、結局『テネット』は見てません(;^^)

『パラサイト 半地下の家族』:地上波TVで放映されちゃったのも怪挙。
『プリズン・サークル』:ドキュメンタリー枠。雑誌「世界」での連載を読むと撮影(と準備)は本当に大変だったもよう。だがその甲斐はあった✨
『エクストリーム・ジョブ』:何も考えずに楽しめるのが吉。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』:これも何も考えずに楽しめた。悪趣味なのが好き💓
『スキャンダル』:米国TV界の話なので分かりにくかったけど『ザ・ラウデスト・ボイス』を合わせて見ると、なるほどそういうことかと納得。
『ルーベ、嘆きの光』(『ダブル・サスペクツ』):年取ってくるとこういうのがしみてくるわい。
『透明人間』:女の透明人間だったらまず最初に何をするかね。
『幸せへのまわり道』:いろいろ語りたくなる映画。コワイけど。
『マーティン・エデン』:前年選んだ『未来を乗り換えた男』と同じ系統の作品。なので選んじゃいました~。

あと一本を絞れなかったので次点ということで。
『ハスラーズ』
『シチリアーノ 裏切りの美学』


★部門賞
*監督賞:ポン・ジュノ(『パラサイト』)
 今さらではありますが、アカデミー賞での「気くばり受賞スピーチ」も含めて評価。あと伝記(?)マンガまで出ちゃったし。
*男優賞:ルカ・マリネッリ(『マーティン・エデン』)
 このキャスティングなくしてこの映画なし⚡というぐらいのはまり具合。見た後に俳優の身体における表象ということをつらつらと考えてしまった。ということで……5枚組ブロマイド売ってちょうだいっ。
*女優賞:エリザベス・モス(『透明人間』)
*ベストカップル賞:マ・ドンソク&キム・ムヨル(『悪人伝』
*最優秀悪役賞:セバスチャン・コッホ(『ある画家の数奇な運命』
 なにげに舅の圧を感じさせるのがイヤ~。
*新人賞:ラジ・リ監督(『レ・ミゼラブル』
*スッピン賞:レア・セドゥ(『ルーベ、嘆きの光』)
*姐御賞:ジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)

*長いで賞:『ある画家の数奇な運命』
 189分。いやもちろん面白ければ短く感じるはずなんですけどね。
*トンデモ賞:『バクラウ』のUFO
 よくもこんなもん平然と出したものよ。あきれました(^◇^)
*最凶邦題賞:『幸せへのまわり道』
 事前の予想では『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が確実というのを覆して選出。今後しばらく経つとうっかり「幸せの回り道」で検索して、ヒットしなくなっちゃいそう。それと『しあわせへのまわり道』という映画も既にあるのだよ。

*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『ルース・エドガー』
 この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解


★映画関係のトホホな出来事
その1-『コリーニ事件』を見る前も後もずーっと原作未読だと思い込んでいたのだが、本棚を整理したら原作本が出て来たのでビックリ(!o!) しかもちゃんと読んだ形跡があるのだ。だが未だに思い出せない。
その2-メジャーな娯楽映画が公開されないので、普段だったら絶対見ないであろうセルゲイ・ロズニツァ「群衆」三部作を完走してしまった。ちょっと寝ちゃったけど💤


【コンサート部門】
古楽系コンサート鑑賞は激減した。2019年は41件(ブログ記事にしたもの)だったが、2020年は10件のみ。しかもそのうち5件は1~2月に行ったものである。
とはいえ、演奏家の皆さんこそ大変でしょうが。その少ない中で選んでみると--
「時はたちどまり」
「ヘンデル リナルド」
「ルカ・マレンツィオ 四声のマドリガーレ」

あと厳密にはコンサートではないが
*METライブビューイング「ヘンデル アグリッピーナ」:いやー、これは本当に面白かった。話自体はどうしようもないのだが、見た後になぜか生きる活力が湧いてきた。スキップして帰った(^O^)/


【録音部門】
発売年に関係なくこの一年間に気に入ったものということで。
*「よく整えられたヴィオール合奏曲 第1巻」(ファンタズム)
*「ローマへの旅路」(リナルド・アレッサンドリーニ&コンチェルト・イタリアーノ)
*「夕べの音楽」(アンサンブル・ストラヴァガンツァ)
*「サント・コロンブと息子たち」(リチェルカール・コンソート)

*「アメリカン・スタンダード」(ジェイムス・テイラー)
*「フロム・ディス・プレイス」(パット・メセニー)
*「ハーモニー」(ビル・フリゼールほか)
*「Rated PG」(ピーター・ガブリエル)

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2020年1月13日 (月)

遅まきながら2019年を振り返る

200113a 今更ながらではあるが、一応やりました。
それにしても最近ますます記事を書くのに時間がかかってしまい(気力の問題)どうしようという感じですね。

【映画】
順序はなんとなく。完成度より好みで選んでおります。

『未来を乗り換えた男』
『あなたはまだ帰ってこない』
この二作、それぞれ裏表を成している。こういう構造の映画がつくづく好きなんだなあと自分で再認識した。
もし、今年の一作を選ぶとしたら『未来~』だろうけどそういうのに限ってロードショーをスルーしてしまい、DVDで見る羽目に……トホホ(=_=)

『ちいさな独裁者』
ほぼ全員悪人! 日本で同じような内容のものを作ったら「反日」とか「非国民」と言われるのは必至であろう。

『たちあがる女』
とにかく発想がすごい。力強いラストにも感動。

『誰もがそれを知っている』
スター俳優夫婦を迎えて甘口に、と見せかけてイヤ~ン味が5割増しになっていた。

『荒野にて』
俳優陣がみな味がある。最後に登場する人物が平凡な「普通の人」っぽいのがよかった。ハリウッド映画だとあそこにピカピカした外見の人を当ててしまうだろう。

『エンテベ空港の7日間』
『バハールの涙』
*『2人のローマ教皇』
*『家族を想うとき』
この4本の中からどれを選んでもいいかなと。

以下2本ドキュメンタリー枠。
『主戦場』
*『人生、ただいま修行中』

「トイ・ストーリー4」と「エンドゲーム」は感動的ではあるものの微妙であった。
TVシリーズでも面白いものが続々と登場。ただ、あまりに長すぎると『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハウス・オブ・カード』みたいに終わりに近くなってガタガタになってしまうので難しい。

★部門賞
*監督賞:ロベルト・シュヴェンケ(『ちいさな独裁者』)
その根性が気に入った。
*男優賞:フランツ・ロゴフスキ(『未来を乗り換えた男』『希望の灯り』)
次点=マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』『TRUE DETECTIVE 猟奇犯罪捜査』)
*女優賞:メリッサ・マッカーシー(『ある女流作家の罪と罰』『パペット大捜査線』)
*ベストカップル賞:アンソニー・ホプキンス&ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)

*最優秀悪役賞:チョ・ウジン(『国家が破産する日』)
スクリーンに向かって物を投げたくなるほどの見事な悪役ぶり。
*最驚別人賞:ブノワ・マジメル(『あなたはまだ帰ってこない』)
事前に出演していると知らなければ、見ても分からなかった。
*最強恐怖症:『リンクル・イン・タイム』の巨大化したオプラ・ウィンフリー
そのままホワイトハウスに行って中の住人もろとも踏み潰して欲しかった。
 
*最凶邦題賞:『ビリーブ 未来への大逆転』
代案は「ルース・ベイダー・ギンズバーグここに登場 文句がある奴は六法全書かざしてかかって来やがれ」。2020年は既に『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に決定と言われている。
 
*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『永遠の門 ゴッホの見た未来』
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です!
いや別に詰まらないとかではなく、見てて目が回って気分が悪くなったもんで……👀

★映画関係のトホホな出来事
その1-以前見た映画(しかも気に入らなかった)なのに、すっかり忘れてリバイバル上映見に行ってしまった。10分ぐらい見てから気付いた。
その2-シネマカリテと新宿武蔵野館を間違えて行ってしまい、ネット予約したのにチケットが出ないとスタッフのおにーさんに迷惑をかけてしまった(_ _)スマヌ
てっきり自分はもうボケてしまったかと落ち込んだが、十年以上前にもシネスイッチとシャンテシネ間違えて行ったことがあったので、これは性格だと気を取り直した💡

 【コンサート部門】
コンサートの感想も書くのが遅れ、さらに書かずに終わったものがあった。
「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」
「ルベルとルクレール」
「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」
「佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団」
「ソフィオ・アルモニコが綴る 爛熟のイタリア」
「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」
「ヘンデル リナルド」(北とぴあ国際音楽祭2019)

★コンサート関係でオドロキ(!o!)な出来事
その1-風と共に楽譜が飛びぬ事件
その2-ヴァレア・サバドゥス譜面台ずり下がり事件


【録音部門】200113b
2019年に日本で流通したものから。新譜ばかりを聴いてるわけではないので、数が少ない。
*「パリ・アルバム 初期フランスのトリオ・ソナタ集」(ヨハネス・プラムゾーラー&アンサンブル・ディドロ)
プラムゾーラー、少し前に来日したんだよね。他のコンサートとかぶって行けなかったのだが……行けばよかった💧
*ブクステフーデ、テレマン、バッハ「新たに生まれし嬰児 クリスマス・カンタータ集」(シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド)

*"HERE IF YOU LISTEN"(デビッド・クロスビー)
*「JONI75~ジョニ・ミッチェル・バースデイ・セレブレーション」

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2019年7月 5日 (金)

音楽と身体その4「トッド・ラングレン THE INDIVIDUALIST TOUR」:失われた情熱を求めて

190705 会場:すみだトリフォニーホール
2019年5月22日

トッドのコンサートはかなり前に3回(多分)行ったことがある。ただし、そのうち1回は中止になってしまった。当日知らずに(まだネットがない時代)仕事早退きして渋谷まで行ったら「中止」の張り紙があったとゆう……(=_=)
近年も彼は何回か来日しているが、今回のツアーは過去のヒット曲満載🎵らしいということで、久し振りに行ったのだった。

会場はクラシックやアコースティック系専用のホールだと思っていたのだが、最近はロックもやるようである。この規模のホールが老朽化などで、都心では数が少なくなっているせいだろうか。
客の男女比は65:35ぐらいか? ネットの感想で「男性がほとんど」というのを見かけたけどそれほどではない。

登場したトッドはさすがにかなり体重増という印象だったが、年齢を考えると(この時点では70歳)仕方ない。
曲は1970年代から80年代初頭の名曲でほとんど構成されていた。例外は休憩後1曲目の「インディヴィデュアリスト」とアンコールの「ウォント・オブ・ア・ネイル」だけ(大阪公演では曲目違ったらしいが)。
バックメンバーにはお馴染みのカシムや、元カーズの人(名前失念)などベテラン揃いだった。

途中でトッドが本がどうのこうのと話していたが英語よく理解できず(~_~; 後で調べたらどうも自伝を出したのでそれに合わせた選曲だということらしい。

驚いたのはスマホやカメラで撮り放題&録音し放題だったこと。客の年齢が高いからまだしも、これで若い人が多かったらもっとスマホ乱立がすごかったろう。
ボブ・ディランなんか会場で一人でもスマホ撮影してたら歌うのを止めてしまうらしいから、この差はスゴイ。

ステージの背景には当時のアルバムのジャケットやトッドのスナップ写真が映される。かくして懐かしのあの曲、この曲オンパレードで会場も盛り上がった。
私より年齢高そうなオジサンオバサンも熱狂し、英語で歓声をを上げる。

トッドの声は往年ほどの艶はなかったが、声量は変わらずに歌いまくり健在ぶりを見せて、息切れもなく動き回る。さすがにミック・ジャガーには負けるが、その次ぐらいには元気だったですよ(o^^o) 彼のギターの調子が良くなくて、ちょくちょく音が消失してたことぐらいしか問題はなかった。

しかし、どうしたことだろうか。あんなに元気なトッドなのに何かが違う……。以前聴いた時とはよく分らないがどこかノリ切れない。なんなのだろうか。
と、不意に私は思い至った。トッドに変わりがないのなら、変わったのは私の方だろう。
かつてあれほど彼のコンサートで感動し熱狂した私はもういないのである。もはや私は熱狂する身体を持ってはいないのだった。

もう私は昔のように音楽を楽しめないのか……。かくして私はガックリとして、ショボショボ(v_v)と錦糸町駅に向かい総武線に乗ったのであった。

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2019年6月 4日 (火)

「全ロック史」

190603 著者:西崎憲
人文書院2019年

人文書院がロックの本を(?_?) しかもその分厚さたるや510ページである。表紙がソフトカバーだからまだしも、これでハードカバーだったら重くてうかつに持ち歩けない。
しかし、読了した\(^^@)/ 読み飛ばしなし、である✨ もちろん、ちゃんと中身を理解しているかどうかは置いといて(ちょっと自信なし)。

冒頭、ブルースとカントリーの歴史から始まる。これはロック史としては当然のことだろう。その後50年代→60年代と進むが、60年代末から70年代にかけての一般にはロック勃興期とされる時期が妙に「薄く」感じた。
そしてさらに読み進めると、パンク以降の方が叙述が長かったのだ。これは意外だった。だが著者はロックの中で最も重要なのはパンクだと主張しているのである。

「ロックのジャンルのなかで一番重要なのものは何だろう。(中略)パンクであると答える人間は少なくないだろう。」

その後はジャンル別に記述が進む。80年代後半から90年代にかけてこれほどにジャンルの細分化が進んだのかと驚くほどだ。これでは同時代的に聞いてたとしても、「全ロック」をその時点で捉えるのはもはや不可能だろう。
だから読者から「あのバンドがないのはどうしたことか」と文句が出るのは(著者はあらかじめ予想しているが)致し方ないことだ。

特にハードコアパンク、ヘヴィーメタルについては極めて詳細。「こんなにたくさんサブジャンルあったの……」と驚いちゃうほど。詳細すぎてほとんどバンド名の羅列と化している部分もある。
ただ、その合間に「優れたバンドである」とか「いいデュオである」などというフレーズが出てくるけど、これは何がどういいのか不明で、あってもなくても変わらない無意味な記述ではないだろうか。

他に特徴としては英米中心、またバンド中心である。ソロミュージシャン(女性も多く含む)は数が少ない。また、バンドの後に長いソロ活動を続けているような人物は独立後の活動はあまり取り上げられてない。(例:ウォーレン・ジヴォン、ジェフ・ベック)スプリングスティーンやプリンスは「分類不能のバンド」の章にある。
非常に人気があって売れたバンドであっても、ないものはない。(例:ボストン、ジャーニー、シカゴ)

また歌詞の訳が頻出するのも意外。著者は翻訳家でもあり、そもそもこの本は訳詞集として企画されたそうだから当然のことか。「ロックが基本的に言語を必要としている」のであれば歌詞について語るのは不可欠ということになる。
となればこれは単に音楽やサウンドをたどるというよりは「全ロック精神史」なのだろう。精神を取り上げるのならば、売れたかどうかなどは関係ない。それであれほどヒットチャートを賑わしたあのバンドこのシンガーはいないのだ。

思えばロックはメビウスの輪のよう。正統と異端、メインストリームとオルタナティヴが裏返ってつながって、またひっくり返る。その精神は常に再生と死を繰り返すのであろう。

その膨大な流れを記した大部の力作、よくぞまとめたものよ。というわけで著者にはお疲れ様でしたm(_ _)mと言いたい。
とはいえ、やはり「ロック産業史」(「産業ロック史」ではない)みたいなものも読んでみたくなるのがファンというものだ。誰か書いてくれんかなー(あくまで他力本願)。プロデューサー名の羅列になりそうな気もするが……。


しかし、やはり文句言いたくなるのは仕方ないことであろう。完読した者には一カ所ケチつける権利を許してほしい。椹木野衣だって書評でマリリン・マンソンが一行しか出てこないと書いてたぞ。
U2よりデフ・レパードの記述の方が長いというのは全くもって納得いかない!(U2三行、デフ・レパード五行) せめて同じ行数にしてくれ(--#)

 

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2019年2月20日 (水)

「ホイットニー オールウェイズ・ラヴ・ユー」:成功と醜聞は表裏一体

190220a 監督:ケヴィン・マクドナルド
イギリス2018年

ホイットニー・ヒューストンといっても、活躍してた当時は歌手としてはあまり関心がなく、ラジオやMTVでよくかかっていたのを漠然と聞き流していた程度だった。
個人的には音楽面より映画『ボディガード』の出演がハマリ役で印象が強い。ただ、ケビン・コスナーの方が株の上昇度は大きかったかも(人気が決定的となった)。
従って、その後のスキャンダル(夫のB・ブラウンがらみ)や2000年代に入ってからの凋落ぶり、さらには突然の死についてもあまりよく知らない。風の噂に聞く程度であった。

そんな彼女の生涯についてのドキュメンタリーである。監督のケヴィン・マクドナルドは『ラストキング・オブ・スコットランド』で知られるようになったが、過去にドキュメンタリーもよく撮っている。実は見たのも忘れていたのだが、『敵こそ、我が友 戦犯クラウス・バルビーの3つの人生』が、今回の作品に一番近いかも知れない。

ホイットニーと言えば、モデルやっていたというぐらいの容姿で、周囲に母親や親戚のディオンヌ・ワーウィックなど歌手として活躍してる者も多いということから、てっきり音楽ファミリーのサラブレッドのような印象を持っていた。しかし実際は全く違っていた。
母親はバック・ヴォーカリストとして巡業の日々で不在、子どもの頃は兄弟と共に他の家へ預けられていたというツラいものである。

ようやくレコードデビューを果たすも、回りは猛母、金に細かい父(マネージャーをやっていたが決別)、ダメ兄とドラッグ兄に囲まれ、結婚したボビ夫はDV野郎であった。
そんな身近な人物のエピソードをインタビューによって容赦なくほじくりかえしていく。ナレーションもなく後は過去映像をかぶせるぐらい。まことドキュメンタリーのお手本のようで、その容赦ない手腕に感心する。これで遺族公認とは驚いてしまう。

いくら稼いでも周囲に金がジャブジャブと流れ出していき、父親とは訴訟騒ぎ、無二の親友とは結婚後疎遠に、タバコにドラッグ、一人娘は不安定、歌唱力も低下--と全てが悪い方向に転がっていくのであった。

2時間強の長さだが途中でだれることもなく、最後に衝撃の事実に至る。これは米国で出ている伝記本にも書かれたことがない話らしい。見終わった後なんともいえない気分になった。

『ボディガード』で彼女には輝かしい華があったのは確か。日本でも大ヒットして満員のロードショー館で見た。あのイメージが残っている。
考えてみると、ミュージカル出身以外の歌手で当時映画に出て大成功した数少ない例かも知れない。プリンスもマドンナもうまく行かなかった。音楽と映画の両方で活躍する人はいるが、どちらか片方にギャップがある。最近ではレディー・ガガくらいだろうか。
なお、あの大ヒット曲「オールウェイズ・ラヴ・ユー」は実はカントリー・ソングで、最初に作曲して歌ったのはドリー・パートンだったそうだ。小林克也の番組でD・フォスターが話しててビックリ。知らなかった

190220b

こうして見ると、彼女の生涯はほとんど「山岸凉子」案件だと気付いた。山岸マンガの登場人物に彼女はピッタリと重なる。猛母、強権父、家庭の不和、DV、児童虐待、離婚などなど、短編でもよく取り上げられた要素がテンコ盛りである。そのまま山岸凉子が彼女の伝記を描いてもおかしくないほどだ。

多くの山岸作品では、特別な能力を持つ天才や異才が共同体の中で自らの力を発揮しようとして成功する、あるいは挫折するという構造が中心となっている。その行く手を阻むのは共同体内の軋轢であり、決して同等の才能を持つライバルではない。
かつて、橋本治はそれを「主人公とその従者」という観点で分析したが、後の作品からは「従者」がいなくなってしまった。
今連載中の『レベレーション』でも主人公のジャンヌ・ダルクを支える従者はいない。これから火刑に向かって暗い坂を転がり落ちていくだけのジャンヌの姿に、ホイットニーが重なるのである。

 

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2019年1月16日 (水)

「大貫妙子 Welcome to my garden 2018」

190116
会場:キリスト品川教会グローリア・チャペル
2018年12月18・19日

二日目の19日の方に行ってきました~(^^)~ 
通常のアコースティック・コンサートでの常連、金子飛鳥率いる弦楽カルテットに加え、サックス四人組トルヴェール・クヮルテットもゲスト出演でクリスマスらしく豪華度アップであった。サックス四本というは初めて聞いたが、なかなかの迫力だった。
個人的には「幻惑」を久しぶりに聞けた(多分)のも嬉しかった

最後の曲が終わった後の拍手の中で、なんとター坊が泣きだしてしまうハプニングがあった。「えええ?どうしたの(?_?;」と当惑した空気が会場に流れた。
アンコールの拍手でステージにまた登場してきた時に、今年最終のコンサートだったので、無事に終わってホッとしたせいで涙が止まらなくなった--というような説明が彼女からあった。
ただ私見であるが、途中で歌詞を度忘れしてしまうというアクシデントがあったのが、どうも理由の一つではないかと思えた。その時、こちらも聞いててあっと驚きドキッとしてしまったというのが正直なところである。

彼女がそう話した直後に、すかさず客席の男性から「ター坊!あなたはいつだって最高だよ」みたいな掛け声(ちょっとうろ覚え)がかかったのがよかった。客席にホッとした空気が流れて拍手が起こったのだった。

個人的にはコンサート用に使用するメガネ(度が強い)を家に置いてきてしまい、ショボーン(´・ω・`)であった。
あと、コンサート途中でまたもスマホの着信音鳴らした奴がいた 曲の合間だったので、派手な着メロが長々と会場の教会に響き渡った。ター坊がすかさず「メールですか」と尋ねたりして会場爆笑。
事前にスマホケータイ停止しろというアナウンスあったのにさ。それから、なぜすぐ止めぬ? 中高年は止め方を知らない人がいるというけど本当に分からないのか。不届きものめ(~_~メ)神罰が下るぞ。

会場の教会は二十年ぶりぐらいに行った。教会とはいえ、トイレの個室が二つしかないのは勘弁してくれい

大貫妙子で、クリスマスの時期に聞くのにいいような曲を集めたアンソロジー作ってくれないかな。絶対買う&売れるぞ~。
昔、多重録音で讃美歌みたいなコーラスの曲があったと記憶している。確かマイナーなレーベルの企画ものコンピレーションで、カセットでしか出なかったはず。あれも入れて欲しいな。

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