映画(その他の話題)

2022年3月19日 (土)

「巨大映画館の記憶」

著者:青木圭一郎
ワイズ出版2021年
https://www.honyaclub.com/shop/g/g20475818/

新聞書評欄で短く紹介されたのを見かけたのだが、たまたま検索したら意外にも地元の図書館に入っていた。それでとりあえず借りてみた。

東京にかつてあった巨大映画館をもれなく詳しく紹介。歴史・変遷から写真、座席表まで載っている。全体の半分以上のページを主要劇場の全上映作品リスト(もちろん戦前から)が占めているということで、読むというより資料としての要素が高い。
映画自体の研究だけでなく、昭和時代を舞台に小説とかシナリオ書く人にも役立ちそうな内容だ。

戦前は芝居・音楽の実演と映画上映を並行してやっていたのが普通だったらしい。二千席以上の劇場も珍しくなく館数も多かったが、現在ではゼロになってしまった💨
新宿コマ劇場も昔は映画をやっていたと初めて知った。

専門家でもない私は単純に昔行った映画館をチェックしてみた。よく行ったのはやはり新宿プラザやミラノ座あたりかな。
ミラノ座一日最大入場者数は1986年『ロッキー4』の22323人だって(◎_◎;) 当時の座席数1500弱だから立ち見を入れてギュウギュウだったはずだ。新宿プラザは『スター・ウォーズ』のえぴ4~6ロードショーでは必ず行った。

というわけで、資料としての用途以外は昔を懐かしむ映画ファン向けだろう。著者は5年ぐらい前に東京の名画座についての本を出している。

大昔、ケン・ラッセル『アルタード・ステーツ』のロードショーを日比谷(多分)の大映画館で見た時、恐ろしいほどの不入りだった。外は連休で人が大勢さざめき歩いているのに館内はニ、三十人しかいなくて冷気が漂っていた💦のを記憶している。

それがどの映画館だったか確認したくて、当該年月日の上映作品リストを眺めたのだが出ていない。他の地区のリストも探したがそもそも『アルタード~』自体見つからないのだ。
もしかして闇歴史として葬られたかしらん(^^?

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2022年1月12日 (水)

いつまでもあると思うな!親と岩波ホール

昨日1月11日の午前、岩波ホールの「2022年7月29日(金)を以て営業終了のお知らせ」がSNSで広がり映画ファンを震撼させた。
昨年初めに改装工事をしたばかりで(ついでに1階のチケット売り場もなくなったが)予想だにしなかったことである。

物理的には神田神保町にある200席ぐらいの単館ロードショーのホールであるが、他所では絶対に取り上げないような製作国や内容の作品を公開した(初期だとサタジット・レイやワイダなど)。ここで上映された後に各地のミニシアターに回っていくので、一地域の映画館ということだけでなく影響は甚大だろう。
近年ではワイズマンの『ニューヨーク公共図書館』が結構なヒットをしたはず。その後地元のミニシアターでも上映されて客がかなり入っていた。

ただ問題は観客の年齢層の高さ。40・50歳代はまだ若手✨みたいな感じである。どの映画か忘れだが、見まわしたら40代ぐらいの人が二人ぐらいいるだけで、あとは年寄りばかりということがあった。
それと最前列以外は必ず前の客の頭がかぶってくるという座席の構造もツラい。元は多目的ホールだというから仕方ないとはいえ。従って最前列はいつも早い者勝ちの争奪戦であった。

高齢者が多いといっても、渋谷のル・シネマあたりとはいささか客層が異なるという印象だった。じゃあどこと同じかというとウムム……ポレポレ東中野か? いや、あそこは若いお客さんも多いですが(^▽^;)
そういやル・シネマも長期休館に入る予定……。

なお最初に私が行ったのは1977年『惑星ソラリス』である。その後あまり縁がなかったのだが(B級アクションやSFものが好きだったので)、2010年代に入ってからは行くことが多くなった。
『ヴィオレット』『静かなる情熱 エミリ・ディキンスン』『女の一生』あたりはよくぞ上映してくれたという印象だ。
ここは客の入りに関係なく最初に決めた期間は上映し続けるという方針らしいが、『ヴィオレット』なんか上映が始まったばかりの頃に行ったのに客が少なくて「大丈夫か!?」とドキドキしてしまった(;^_^A
『女の一生』に至っては見せてくれただけでオンの字だ。同じステファヌ・ブリゼ監督の次作『アット・ウォー』は某Kフィルムが買って数回特集上映しただけ。その後お蔵入りという状況だもんなー。(折角字幕付けたのなら見せてくれよっ👊)

終了の原因はコロナ禍で高齢者が来なくなったということである。でも確かにコロナ禍もあるだろうけど、ここ数年の傾向として中高年以上の客層が大きくなってきたため、岩波ホール以外でもその世代向けの作品上映に力を入れてきてパイを取られてしまったという可能性もあるのではないか。(あくまでも勝手な推測) もっとも、映画館の経営とは全く別の方面から閉館が決められたという一部報道がある。
『ナポリの隣人』(2019年上映)なんかモロに高齢者向けの親子感動もので別に他の映画館でかかっても不思議ではない内容だし、しかも出来があまりよくなかった。

220112b 私が最後に行った『ペトルーニャに祝福を』(昨年6月)は北マケドニア映画という点では他館ではやってくれそうにない。しかし実際見てみると『ブックスマート』を支持するような若い女子にウケそうな話だった。どう見てもシニア向けとは違う。
でもいくら若い世代向けに宣伝しても岩波ホールじゃ見に来ないだろう。難しいもんである。

というわけで最後の10年ぐらいしかお世話になってないけど、閉館は残念の一言であります(+_+)ゝ

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2022年1月 9日 (日)

今さらながら2021年を振り返る

220109a 振り返ったからどうということもないですが、一応振り返ってみるのであります。
最近はブログの更新は完全に追いつかず、ほとんど書かずに飛ばしてしまうという情けない状況になりました。

【映画】
以下に選んだ10本は大体見た順。完成度より個人的好み優先。ドキュメンタリーが豊作年のため多くなってしまった。なお大作ものはレンタルかTVで見ようと思ってほとんど見ていない。
それと老人脳のため1~3月ぐらいに見た作品はだいぶ内容忘れちゃったんで、候補に入れられなかったですよ(+o+)トホホ

「アメリカン・ユートピア」:映画としてというより、そもそも元のパフォーマンスの出来がすごい。
「ライトハウス」:監督は子どもの頃「ブルー・ベルベット」と「時計じかけのオレンジ」を見たそうである。三つ子の魂百までも。恐ろしいね~( ̄д ̄)
「サマー・オブ・ソウル(あるいは、革命がテレビ放映されなかった時)」:洋楽ファン必見。
「ユダ&ブラック・メシア 裏切りの代償」:DVDスルーはあんまりだいっ。
「コレクティブ 国家の嘘」:あっと驚く展開。実際に起こった事件とはとても思えねえ。
「ほんとうのピノッキオ」:「ピノキオ」って子どもの頃絵本で読んだけど、こんな話じゃなかったはず。
「パワー・オブ・ザ・ドッグ」:ここ数か月の賞レースに絡むのは必至。
「フリー・ガイ」:このご時勢の中でもポジティブなのが身にしみたです。
「ダ・ヴィンチは誰に微笑む」:こういうウサン臭い人間がいっぱい登場するドキュメンタリー大好きだーヽ(^o^)丿
「レイジング・ファイア」:年の最後にキタ~ッ💥

★部門賞
*監督賞:今年は該当者なし(> <;)……と思ったけどやっぱりジェーン・カンピオン(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)にしよう。
*男優賞:ベネディクト・カンバーバッチ(「パワー・オブ・ザ・ドッグ」)
 今年は大活躍。「モーリタニアン 黒塗りの記録」の助演も入れたい。(「クーリエ 
最高機密の運び屋」も見たい)
*女優賞:ジョディ・フォスター(「モーリタニアン 黒塗りの記録」)
 もはや貫禄。

*ベスト・カップル:ウィレム・デフォー&ロバート・パティンソン(「ライトハウス」)
*ベスト・アンサンブル:キングズリー・ベン=アディル、イーライ・ゴリー、オルディス・ホッジ、レスリー・オドム・Jr(「あの夜、マイアミで」)
 屋上の場面が男子中学生たちがジャレているようで笑った。

*最優秀悪役賞:ニコラス・ツェー(「レイジング・ファイア」)
*最優秀妹賞:フローレンス・ピュー(「ブラック・ウィドウ」
*最驚キャラクター賞:「ほんとうのピノッキオ」のカタツムリ侍女
*最長脚部賞:ガル・ガドット(「ワンダーウーマン1984」)
 私に3センチぐらい長さを分けてほしい。
 
*最凶邦題賞:「ホロコーストの罪人」
 「最凶」というほどでもないが、原題と似ているようで意味が異なるのでかえって誤解を招く--ということで。

*ちゃぶ台ひっくり返し賞:「プロミシング・ヤング・ウーマン」
 この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解)
これも「ちゃぶ台ひっくり返す」というほどでもないが、全編なんだかなあという内容のため。

★トホホな出来事
入場する時に検温(手首で測るヤツ)したらなんと37.7度❗ ビックリした。とりあえずニ、三分後に測りなおすということで、コート脱いで(暖かい日だった)待ってて再度検温したら、今度は36.5度だった。
……なんなんだよ(--〆)


【コンサート部門】
コロナ禍で外国人演奏家の来日公演は中止になったものが多かった。それでも行った回数は一昨年よりは増えた。
「Vanitas vanitatum 空即是色」
「イタリア~狂熱のバロック歴遊」
「大塚直哉レクチャー・コンサート 6 聴くバッハ、そして観るバッハ」
「フルートとハープ 600年の変遷」
「ソフィオ・アルモニコで綴るアン・ブーリンの音楽帖」

コンサートではないけど
*「一行の詩のために~つのだたかしと望月通陽の世界」
 NHK-BSP「クラシック倶楽部」で放映された番組。音楽、アート、文学の世界が完璧に融合した完成度高い内容だった。また再放送されたら見てくだせえ(^^)

★古楽関係の出来事
*近江楽堂休止
 改修工事とのことで、なるべく早い復活を願っております。
近江楽堂で聴くチェンバロの音は格別のものがあった。最初に楽器から直に発するシンッとした音が届き、それから円形の壁を伝わってボヤボヤと広がるうちに、聞く者の内側で甘美な響きへと変わる。こんな場所は他に知らない。

*訃報・江崎浩司
 年の瀬に流れてきて驚いた。タブラトゥーラでも一番の「若手」だったので全く予想だにせず……💦 このような過去の記事を発見した。この時、ご当人も含めて「2031年」が普通に来ることを誰一人として疑わなかっただろう(T^T)


【録音部門】
発売年に関係なくこの一年間に気に入ったものということで。
*「ラメント」(ダミアン・ギヨン&カフェ・ツィマーマン)
*「ルクレール トリオ・ソナタ集」(ヨハネス・プラムゾーラー&アンサンブル・ディドロ)
*「ジョスカン・デプレ 世俗歌曲集」(クレマン・ジャヌカン・アンサンブル)
*「パレストリーナ 教皇マルチェルスのミサ」(ビューティー・ファーム)
*「ヴェネツィアの鏡」(ル・コンソート)

220109b *「フォー・フリー」(デヴィッド・クロスビー)
*「ワールド・オン・ザ・グラウンド」(サラ・ジャローズ)
*「ゴーン、ジャスト・ライク・ア・トレイン」(ビル・フリーゼル)
 二十数年前のアルバムだけど、あまりに変なジャケット絵に正気が保てず中古盤で買ってしまった(先に音は聞いていた)。ところで「フリーゼル」と「フリゼール」の二種類の読みがあるが、どちらが正しいのかな(?_?)


【その他部門】
「一度きりの大泉の話」(萩尾望都)
 昨年最大の衝撃の書であった。その後も過去の話が流れてきて衝撃冷めやらぬ、である。

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2021年1月20日 (水)

今さらながら2020年を振り返る

210120 ますます更新が遅れまくっている当ブログだが、なんとか振り返ってみる。もう「遅くって当たり前」な心持ちである。

【映画】
順不同。大体見た順かも。
コロナ禍のために映画もメジャーどころはほとんど公開延期となるか、直接配信になってしまうという状況でありますが、結局『テネット』は見てません(;^^)

『パラサイト 半地下の家族』:地上波TVで放映されちゃったのも怪挙。
『プリズン・サークル』:ドキュメンタリー枠。雑誌「世界」での連載を読むと撮影(と準備)は本当に大変だったもよう。だがその甲斐はあった✨
『エクストリーム・ジョブ』:何も考えずに楽しめるのが吉。
『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒』:これも何も考えずに楽しめた。悪趣味なのが好き💓
『スキャンダル』:米国TV界の話なので分かりにくかったけど『ザ・ラウデスト・ボイス』を合わせて見ると、なるほどそういうことかと納得。
『ルーベ、嘆きの光』(『ダブル・サスペクツ』):年取ってくるとこういうのがしみてくるわい。
『透明人間』:女の透明人間だったらまず最初に何をするかね。
『幸せへのまわり道』:いろいろ語りたくなる映画。コワイけど。
『マーティン・エデン』:前年選んだ『未来を乗り換えた男』と同じ系統の作品。なので選んじゃいました~。

あと一本を絞れなかったので次点ということで。
『ハスラーズ』
『シチリアーノ 裏切りの美学』


★部門賞
*監督賞:ポン・ジュノ(『パラサイト』)
 今さらではありますが、アカデミー賞での「気くばり受賞スピーチ」も含めて評価。あと伝記(?)マンガまで出ちゃったし。
*男優賞:ルカ・マリネッリ(『マーティン・エデン』)
 このキャスティングなくしてこの映画なし⚡というぐらいのはまり具合。見た後に俳優の身体における表象ということをつらつらと考えてしまった。ということで……5枚組ブロマイド売ってちょうだいっ。
*女優賞:エリザベス・モス(『透明人間』)
*ベストカップル賞:マ・ドンソク&キム・ムヨル(『悪人伝』
*最優秀悪役賞:セバスチャン・コッホ(『ある画家の数奇な運命』
 なにげに舅の圧を感じさせるのがイヤ~。
*新人賞:ラジ・リ監督(『レ・ミゼラブル』
*スッピン賞:レア・セドゥ(『ルーベ、嘆きの光』)
*姐御賞:ジェニファー・ロペス(『ハスラーズ』)

*長いで賞:『ある画家の数奇な運命』
 189分。いやもちろん面白ければ短く感じるはずなんですけどね。
*トンデモ賞:『バクラウ』のUFO
 よくもこんなもん平然と出したものよ。あきれました(^◇^)
*最凶邦題賞:『幸せへのまわり道』
 事前の予想では『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』が確実というのを覆して選出。今後しばらく経つとうっかり「幸せの回り道」で検索して、ヒットしなくなっちゃいそう。それと『しあわせへのまわり道』という映画も既にあるのだよ。

*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『ルース・エドガー』
 この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解


★映画関係のトホホな出来事
その1-『コリーニ事件』を見る前も後もずーっと原作未読だと思い込んでいたのだが、本棚を整理したら原作本が出て来たのでビックリ(!o!) しかもちゃんと読んだ形跡があるのだ。だが未だに思い出せない。
その2-メジャーな娯楽映画が公開されないので、普段だったら絶対見ないであろうセルゲイ・ロズニツァ「群衆」三部作を完走してしまった。ちょっと寝ちゃったけど💤


【コンサート部門】
古楽系コンサート鑑賞は激減した。2019年は41件(ブログ記事にしたもの)だったが、2020年は10件のみ。しかもそのうち5件は1~2月に行ったものである。
とはいえ、演奏家の皆さんこそ大変でしょうが。その少ない中で選んでみると--
「時はたちどまり」
「ヘンデル リナルド」
「ルカ・マレンツィオ 四声のマドリガーレ」

あと厳密にはコンサートではないが
*METライブビューイング「ヘンデル アグリッピーナ」:いやー、これは本当に面白かった。話自体はどうしようもないのだが、見た後になぜか生きる活力が湧いてきた。スキップして帰った(^O^)/


【録音部門】
発売年に関係なくこの一年間に気に入ったものということで。
*「よく整えられたヴィオール合奏曲 第1巻」(ファンタズム)
*「ローマへの旅路」(リナルド・アレッサンドリーニ&コンチェルト・イタリアーノ)
*「夕べの音楽」(アンサンブル・ストラヴァガンツァ)
*「サント・コロンブと息子たち」(リチェルカール・コンソート)

*「アメリカン・スタンダード」(ジェイムス・テイラー)
*「フロム・ディス・プレイス」(パット・メセニー)
*「ハーモニー」(ビル・フリゼールほか)
*「Rated PG」(ピーター・ガブリエル)

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2020年12月24日 (木)

「その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い」

201224 著者:ジョディ・カンター&ミーガン・トゥーイー
新潮社2020年

数々のヒット作(と良作)を放った映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラと性暴力を報じたNYタイムズ記者によるノンフィクションである。事件そのものだけでなく、いかに取材したかがかなり詳細に描かれている。

匿名でしか話せないという被害者に連絡し、他の被害者を知っていたら紹介してもらい、実名で取材に応じられる者を探し、情報提供者に会うために飛行機に乗り--と大変な努力と周到な準備で記事が準備されたことが分かる。
しかも記事が完成したら、最後にはワインスタイン側に事前に記事の内容を明らかにし、反論を併記する準備もしなくてはならない。もちろん両社とも弁護士が控えている。

確認に確認を重ね、上司のGOサインを得て、あらゆる事態を想定しての弁護士との打ち合わせは必須。その間も取材に応じた被害者が気を変えないかハラハラして時を待つ。
当然ながら社のバックアップがなくてはできない。調査報道とはこれだけ大変なのかということがよーく分かった。

ところで、この事件の被害者だったアシュレイ・ジャッドは若い頃日本で働いていて性暴力にあったというエピソードが出てくる。
キャメロン・ディアスも同じく十代の時に日本でバイトしててイヤな目にあったとか。
日本の評判は既に地に落ちているようである(ーー;)

難点を一つ上げると、ページを開くと行間が狭くて非常に読みにくい印象を受けることだ。実際に読むと文章自体はそんなことはないのだが、本を開いてパッと見たところでそう感じてしまう。
読みやすいレイアウトにする(ページ当たりの行数を減らす)とその分ページ数が増えてしまうから苦肉の策だと思うけど……難しいですな💨

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2020年12月 1日 (火)

「アメリカン・セレブリティーズ」

201201 著者:辰巳JUNK
スモール出版2020年

おおっ、私のようなゴシップ大好き人間のための一冊ではないか(*^^)v
そう思って読み始めたのだが、最近の米国音楽事情にうとい人間にはちょっと無理があった。登場する名前がレディー・ガガとかマイケル・ジャクソン以外は、多くがよく知らない名前ばかりなんである。
最近のR&Bアーティストやラッパーはもとより、キム・カーダシアンみたいにTV番組から有名になったような人については完全お手上げだった。誰?それ(^^?みたいな感じだ。

とはいえ個人についてよくは知らなくても面白いのは確か。ゴシップやスキャンダルの類いでさえも勲章代わりにして自らそれを宣伝して競い、さらには武器にする。そこまでやるかと思ってしまう。日本とはあまりに異なり過ぎて驚くのみだ。

終わりの数章は映画関係なのでさすがに知っている名前ばかりだった。
中でも、苛烈なアカデミー賞レースを取り上げた部分を読むと、どうして性格悪かったり愛想の悪い俳優は賞が取れないのかよく理解できた。事前キャンペーンで業界人たちに愛想を振りまくのも獲得に大事なことなのだ。(だからワインスタインみたいにその戦略に熱心だと「優秀」とされる)

終章は米国での「コンマリ」ブームの分析。ここでも日米の差異が明らかにされている。大統領選だけでなくこういう部分も興味深い国である。

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2020年10月30日 (金)

「日本の映画産業を殺すクールジャパンマネー」

201030 経産官僚の暴走と歪められる公文書管理
著者:ヒロ・マスダ
光文社新書2020年

「クールジャパン」の美名(?)の下に、映画・アニメに税金をつぎ込んで企画された事業を複数取り上げ検証している。その総額1000億円超……(!o!)
ただし民間が関わっているためにちゃんとした情報公開はなされていないという。

税金から出された予算がことごとく怪しい人物や団体(それらは互いにお仲間同士)へと流されていき、結局制作現場には益なく一銭も渡らずに終わるのが明らかにされるのであった。
なにせ作品の企画段階だけで数億円の金が支出され、しかも結局作られないままに終わろうと関係ないというのだ。
読んだ後は呆れるだろう。

ここ数か月のコロナ禍における給付金やアベノマスク発注を巡る騒動を体験するより以前に、この本を読んだら「ええっ、こんなことが(!o!)」と驚いたに違いない。しかし、今となっては「やっぱりこの業界でも同じだったか」としか思えないのが実に嘆かわしいことである。

また、どうして日本が舞台である『沈黙』や『水俣』が日本で撮影されなかったのかという事情も知ることができた。
それから映画の見本市であるカンヌに「くまモン」が出現した経緯も(^▽^;)

ただ、シロートには長くて詳細過ぎるのが難点である。
それと個人的には「この映画の企画時のウラ話」的なのがあまりないのが残念だった。

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2020年1月13日 (月)

遅まきながら2019年を振り返る

200113a 今更ながらではあるが、一応やりました。
それにしても最近ますます記事を書くのに時間がかかってしまい(気力の問題)どうしようという感じですね。

【映画】
順序はなんとなく。完成度より好みで選んでおります。

『未来を乗り換えた男』
『あなたはまだ帰ってこない』
この二作、それぞれ裏表を成している。こういう構造の映画がつくづく好きなんだなあと自分で再認識した。
もし、今年の一作を選ぶとしたら『未来~』だろうけどそういうのに限ってロードショーをスルーしてしまい、DVDで見る羽目に……トホホ(=_=)

『ちいさな独裁者』
ほぼ全員悪人! 日本で同じような内容のものを作ったら「反日」とか「非国民」と言われるのは必至であろう。

『たちあがる女』
とにかく発想がすごい。力強いラストにも感動。

『誰もがそれを知っている』
スター俳優夫婦を迎えて甘口に、と見せかけてイヤ~ン味が5割増しになっていた。

『荒野にて』
俳優陣がみな味がある。最後に登場する人物が平凡な「普通の人」っぽいのがよかった。ハリウッド映画だとあそこにピカピカした外見の人を当ててしまうだろう。

『エンテベ空港の7日間』
『バハールの涙』
*『2人のローマ教皇』
*『家族を想うとき』
この4本の中からどれを選んでもいいかなと。

以下2本ドキュメンタリー枠。
『主戦場』
*『人生、ただいま修行中』

「トイ・ストーリー4」と「エンドゲーム」は感動的ではあるものの微妙であった。
TVシリーズでも面白いものが続々と登場。ただ、あまりに長すぎると『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハウス・オブ・カード』みたいに終わりに近くなってガタガタになってしまうので難しい。

★部門賞
*監督賞:ロベルト・シュヴェンケ(『ちいさな独裁者』)
その根性が気に入った。
*男優賞:フランツ・ロゴフスキ(『未来を乗り換えた男』『希望の灯り』)
次点=マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』『TRUE DETECTIVE 猟奇犯罪捜査』)
*女優賞:メリッサ・マッカーシー(『ある女流作家の罪と罰』『パペット大捜査線』)
*ベストカップル賞:アンソニー・ホプキンス&ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)

*最優秀悪役賞:チョ・ウジン(『国家が破産する日』)
スクリーンに向かって物を投げたくなるほどの見事な悪役ぶり。
*最驚別人賞:ブノワ・マジメル(『あなたはまだ帰ってこない』)
事前に出演していると知らなければ、見ても分からなかった。
*最強恐怖症:『リンクル・イン・タイム』の巨大化したオプラ・ウィンフリー
そのままホワイトハウスに行って中の住人もろとも踏み潰して欲しかった。
 
*最凶邦題賞:『ビリーブ 未来への大逆転』
代案は「ルース・ベイダー・ギンズバーグここに登場 文句がある奴は六法全書かざしてかかって来やがれ」。2020年は既に『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に決定と言われている。
 
*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『永遠の門 ゴッホの見た未来』
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です!
いや別に詰まらないとかではなく、見てて目が回って気分が悪くなったもんで……👀

★映画関係のトホホな出来事
その1-以前見た映画(しかも気に入らなかった)なのに、すっかり忘れてリバイバル上映見に行ってしまった。10分ぐらい見てから気付いた。
その2-シネマカリテと新宿武蔵野館を間違えて行ってしまい、ネット予約したのにチケットが出ないとスタッフのおにーさんに迷惑をかけてしまった(_ _)スマヌ
てっきり自分はもうボケてしまったかと落ち込んだが、十年以上前にもシネスイッチとシャンテシネ間違えて行ったことがあったので、これは性格だと気を取り直した💡

 【コンサート部門】
コンサートの感想も書くのが遅れ、さらに書かずに終わったものがあった。
「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」
「ルベルとルクレール」
「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」
「佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団」
「ソフィオ・アルモニコが綴る 爛熟のイタリア」
「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」
「ヘンデル リナルド」(北とぴあ国際音楽祭2019)

★コンサート関係でオドロキ(!o!)な出来事
その1-風と共に楽譜が飛びぬ事件
その2-ヴァレア・サバドゥス譜面台ずり下がり事件


【録音部門】200113b
2019年に日本で流通したものから。新譜ばかりを聴いてるわけではないので、数が少ない。
*「パリ・アルバム 初期フランスのトリオ・ソナタ集」(ヨハネス・プラムゾーラー&アンサンブル・ディドロ)
プラムゾーラー、少し前に来日したんだよね。他のコンサートとかぶって行けなかったのだが……行けばよかった💧
*ブクステフーデ、テレマン、バッハ「新たに生まれし嬰児 クリスマス・カンタータ集」(シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド)

*"HERE IF YOU LISTEN"(デビッド・クロスビー)
*「JONI75~ジョニ・ミッチェル・バースデイ・セレブレーション」

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2018年12月31日 (月)

後悔と停滞の2018年

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2018年は暇(&気力)がなくて映画の3割ぐらいとコンサートの一部はブログに書けなかった。困ったもんであるよ。
ブログといえば、よく読みに行ってた他の人のブログが幾つも突然消えてしまう案件が続いて驚いた。長いこと更新なしというわけでもなく、何の前触れもなく消滅というパターンである。(最悪、死亡という可能性もあるが、そんな何件も起こらないよね)
アクセス数が低下という理由だろうか。それだったらこちらのブログなんて超低空飛行過ぎて、果たして読んでる人がいるのか(?_?)というぐらい……


【映画部門】(見た順)
他の人が絶賛している作品で、期待して見たらどうにも気に入らなかったというのが何本もあった。やっぱりひねくれ者かしらん。

『女の一生』
公開は2017年末だけど、大目に見てやってくだせえ。

『ブラックパンサー』

『ハッピーエンド』
ハネケにしてはユルイ感じ。年齢ですかね。

『ラブレス』
どこの国もそれぞれに不幸なのは変わらず。ズビャギンツェフ快調です。一本選ぶならこれだろう。

『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』

『私はあなたのニグロではない』
今年はドキュメンタリーも結構見た。その中で一番迫力あり。字幕だと内容に追いつけねえ~。

*『恐怖の報酬 オリジナル完全版』

《次点》
『ザ・ビッグハウス』
『インクレディブル・ファミリー』

これ以外にも「アルドリッチ祭り」や「2001年宇宙の旅」再上映があって誠にメデタイ限り。

*男優賞:ウィレム・デフォー(『フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法』
2019年はゴッホもあります
*女優賞:イザベル・ユペール(『エル ELLE』、『ハッピーエンド』)
この手の役柄やらせたら第一人者。ジェシカ・チャスティンが追撃中。
*ベスト・カップル賞:マルクスとエンゲルス(『マルクス・エンゲルス』
萌えます萌えます
*監督賞:ラウル・ペック(『私はあなたのニグロではない』『マルクス・エンゲルス』)
ほぼ同時に日本で2作いっぺんに公開されたからには、やはり監督賞に値するだろう。
*最優秀姐御賞:オコエ姐さん(『ブラックパンサー』『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』)
*最凶悪役賞:ショーン(『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』
羊の……ぢゃなくて「自称元諜報員。実際はニートで童貞」の人物。『アベンジャーズ』のサノスを退けて堂々の悪役ぶりである。
*髪型賞:フランシス・マクドーマンドの後ろ頭(『スリー・ビルボード』
*最凶邦題賞:『女は二度決断する』
2019年分は既に『ビリーブ 未来への大逆転』に決定済みである。
*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『スリー・ビルボード』
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です!


【コンサート部門】
「サイモン・スタンデイジと仲間たち」
「ジュリアン・マルタン氏を迎えて」(木の器)
LFJ「中世の伝統歌 1」「 〃 2」(アンサンブル・オブシディエンヌ)
「秘めたる悲しみ ド・ラ・リューの世俗音楽」
「フライブルク・バロック・オーケストラ mit キャロリン・サンプソン」
「ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI」
「ウリッセの帰還」(北とぴあ国際音楽祭)

古楽以外ではブルース・コバーンのライヴでドタバタしてしまった。台風さえ来なければ、JRが電車止めなければ……後悔の嵐 このあおりを食ってKATTでのウースター・グループの来日公演「タウンホール事件」を見損なってしまってクヤシサ百倍増し。この後しばらくウツウツとして過ごした。


【録音部門】
*アンタイ兄弟「バッハ フルート・ソナタ集」
*ガッティ&アレッサンドリーニ「クロスドレッシング・バッハ」

*ミシェル・ンデゲオチェロ「カヴァーズ」
*アルタン「ザ・ギャップ・オブ・ドリームス」


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2018年1月28日 (日)

現代アート二題

また感想を書く機会を逃してしまいそうなので、とりあえず写真だけでも乗せとく。

★ザ・ユージーン・スタジオ「1/2 Century later」
会場:資生堂ギャラリー
2018年11月21日~12月24日
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全くのノーチェックだったが、こちらのブログに紹介されていたので、最終日(クリスマス・イヴですな)に駆けつけた。地下に降りる入口に行列が(!o!)と驚いたが、実は上階のパーラーの順番待ちの客だった。

「善悪の荒野」と名付けられた、『2001』のホテルの部屋(の廃墟)を復元した巨大インスタレーションは迫力あり過ぎ。実際に部屋を作ってから燃やしたらしい。
周囲に数点の作品があって、それらがまとまって一つのコンセプトを表わしているようなのだが、部屋のインスタが物体としてあまりに突出してしまっているので、コンセプトをかき消してしまっている。

なお、ちょうどベッドの正面にあたる方向に隣室のモノリス(風の展示壁)があって、その点でも映画にのっとっているようだ。

入場した時から、女性の監視員兼スタッフの人にものすごい不審な目つきで睨まれてしまった。そりゃ確かに周囲はアート系の若いモンばかりで、年齢高いのは私だけだったが、野暮なオバハンでも現代アートを見たいんだよ。
まあ無料だから文句も言えんが。
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★ゲルハルト・リヒター「ペインティング1992-2017」
会場:ワコウ・ワークス・オブ・アート
2017年12月16日~2018年1月31日

六本木のギャラリーが多く入ったビルの中の一つでリヒター展をやっていた。割と近年の作品を展示しているとのことである。
ほとんどは絵画だが、1点だけ銀色の球みたいな謎の物体(直径20センチぐらい)があった。とても気になったが、直接床に転がしてあるのでしげしげ見るには床に這いつくばらねばならない。むむむ、這いつくばって見ればよかったかしらん(^_^;)

写真をぼかしたような作風のものもあったが、抽象的な作品はかすれ具合とかにじみ具合とか絵具を削った部分とか、かなり見ていて脳ミソに直接来るものがあった。
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