映画(最近見た作品)

2018年12月 3日 (月)

「バッド・ジーニアス 危険な天才たち」:ノー・モア・チャンス 試験戦線異状あり

監督:ナタウット・プーンピリヤ
出演:チュティモン・ジョンジャルーンスックジン
タイ2017年

珍しやタイ製映画である。もっともこの少し前に、象を連れて歩く男の映画(やはりタイ作品)をやっていたので、そんなに珍しくないのか。(本作で父親役をやっている人が主演)
しかも、あらすじだけ聞いたらどこの国の映画でもおかしくはない内容である。それどころか一見しただけではどこかも分からない無国籍ぶりになっている。

頭は非常に良いが家は裕福ではない少女が、特待生となって金持ちの師弟ばかりの進学校に入る。ここで良い成績を取れば海外留学できる資格を得られるのだ。
なんたる皮肉なことかsign01金がなければ頭が良くて勉強がいくらできようと、学問の道には進めない。一方で、財力もあり親から「勉強して良い大学へ行け」と言われる子どもは学問にも自分の未来にも全く興味はない。 

主人公は出来の悪い同級生やボーイフレンドに試験中に答えを教えてやり、さらに他の成績不良の生徒相手にビジネスとして逆カンニングすることになる。
そこにもう一人やはり同じく貧しい特待生の男子が登場する。

真に貧富や階級の差を背景に、持つ者と持たざる者をシビアに描いた作品である。しかも、着想やカンニング場面のハラドキ具合はサスペンスものとしてもかなりな出来だ。

ただ、この逆カンニングは最前列に座った者には使えないのではないかという疑問が頭から離れなかった。それと留学試験の監視員がまるでターミネーターみたいにコワくて思わず笑ってしまった。
その後半のカンニングのシステムはかなり大掛かりでよく考えられている。それを考えたのは友人とBFなんだけど、そんな知恵があるなら別に進学しなくても起業家としてやっていけるんじゃないの(^^?)なんて思っちゃった。

中心となる4人を演じる若い役者たちがルックスも良ければ演技も良しgood 特にヒロインのチュティモン・ジョンジャルーンスックジンはモデルもやってるそうで、柳のような長身。しかもキリッとしている。街を歩いていたら思わず振り返っちゃう。
それと友人役の女の子も、若い頃の薬師丸ひろ子っぽい可愛さ。作中では私、頭悪いし~happy02とか言ってる役柄だが、こちらも勉強よりアイドル養成学校に行ってスタアshineを目指せ、と言いたくなるぐらいだ。

お見それしましたタイ映画(^^ゞ 世の中が不公平なのは万国共通、沈む者は永遠に沈みっぱなしで這い上がれないというのが身にしみた。
ラストの「校歌」には爆笑してしまった。
欠点は、音がデカ過ぎること。音楽や打ち込みの効果音みたいなノイズ自体はいいんだけど、ちとうるさかったですよ。あともう少し短く編集してくれればよかったんだけどねえ……。

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2018年11月28日 (水)

「1987、ある闘いの真実」:倒れざる死者

監督:チャン・ジュナン
出演:キム・ユンソク、ハ・ジョンウ
韓国2017年

軍事政権時代の韓国で起こった事件に基づくゴリゴリの社会派映画。民主化運動に関わっていた学生が逮捕されて拷問死する。捕えた側の対共捜査所長は隠蔽しようとするが、徐々に真相が明らかにされる。
制作は前政権下で密かに始動したそうだが、役者は大物やスターが出演している。非常に見ごたえあり。

完全に群像劇で、検事、所長、捜査員、看守、その姪の学生、記者……など、その事件に巻き込まれていく人々の動きを並行して描いている。
執念といってもいいほどの意志で真相を明らかにしようとする検事や記者がいれば、その正反対の極には脱北してきて、共産主義者を決して許さない所長のような人物もいる。たった数十年前にこれほどの憎悪があったのに、南北和解なんて可能なのかと思ってしまうほどだ。

一方、その両極の間で翻弄される人々もいる。「実行犯」として収監される捜査員もある意味そうである。一方、揺れ動く状況の中で民主化運動へと向かっていく者を象徴するように描かれているのが、女子学生のヨニだ。
彼女について、映画評論家のM山氏が「イケメンの学生運動家に釣られて運動に参加した」という意味の発言したそうだが、映画をちゃんと見ていればそれが完全に間違っていることは明らかだろう。こんないい加減なこと言うと、他の映画についての解釈も疑わしくなっちゃうね。

念のため監督の発言を引用しておく。
「彼女は多くの葛藤を経て変化していくのですが、他の人によって変えられたのではなく、自分で考え、変わっていった。それが重要なのだと思います」(「ビッグイシュー」誌341号より)

ラストまで見ると、その力技に思わず感動の涙が流れるのであった(T_T)
なお、恐ろしい拷問場面が複数回出てくるのでその手の映像が苦手な人は避けた方がいいかも。あと、作中にはないが女子に対してはもっと恐ろしい拷問をやったらしい(>O<)ウギャー

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2018年11月18日 (日)

「ボルグ/マッケンロー 氷の男と炎の男」:愛と友情のオンザライン

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監督:ヤヌス・メッツ
出演:スヴェリル・グドナソン、シャイア・ラブーフ
スウェーデン・デンマーク・フィンランド2017年

テニスが題材の映画というと、つい最近は『バトル・オブ・ザ・セクシーズ』があった。スポーツものがブーム?のせいか、テニス以外でも『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』がやはり今年公開された。
格別プロテニスに興味がなくともみんな名前は知っているこの二人を題材にしたこの作品、しかし一番似ているのは『ラッシュ/プライドと友情』だという事前の下馬評が流れていて、実際見てみるとなるほどそうだった。

片や冷静沈着派のボルグ、片やキレやすい悪童のマッケンロー--と、性格も生育環境も正反対ながら、実は根っこの所ではよく似ているというのが交互に描かれる。それを最後にウィンブルドン決勝の死闘へと持って行き、二人の選手の存在と関係を浮かび上がらせるという次第である。
延長戦に次ぐ延長戦でなかなか決着が付かない試合の場面は圧巻といえるだろう。結果が分かっていても、見ててハラドキheart01してしまう。主役の二人ともお見事である。

ただしこの映画の製作国を見ればわかるように、対等に描かれていても主人公はあくまでもボルグの方だ。
冷淡な父親に代わるコーチの存在、試合の前に行う過剰なまでのゲン担ぎなどなど「天才はつらいよ」状態が描かれる。この時、スヴェリル・グドナソン演じる主人公は、重圧のためにまるでふるふる震えている薄い影のように見える。
グドナソンはボルグにソックリな超二枚目で、「ミレニアム」シリーズ新作に出てるというからこれからの活躍に期待ですね(^^)b

彼らは大人になってからは対称的でも子どもの頃は似ているというのがこの映画では描かれるが、父子関係については完全に異なっているように思えた。(あまりそこは明確に描かれていない)
どうでもいいことだが、ボルグの父親役の人は西田敏行にクリソツだった。本当にどーでもいいですね(^^ゞ
なお、ボルグの少年時代をやってるのはご当人の本物の息子だそうな。テニスうまいのも当然か……。

監督は秀作ドキュメンタリー『アルマジロ』を撮った人で、劇映画でも軽く及第点越えだろう。ただ、音楽が仰々しいのも同じだった。なんとかしてくれ。

さて、ボルグとマッケンローが偶然顔を合わせて親交を温めあい二人だけの世界に突入--という光景をボルグの奥さんが複雑な表情で眺める場面がある。
となると、『マルクス・エンゲルス』同様に、フ女子ならずとも「で、どっちが攻めでどっちが受けなんですか~(^^?)」と聞きたくなってしまうのであった。


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2018年11月 7日 (水)

「アントマン&ワスプ」:スモール・オア・ラージ 値段は同じ

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監督:ペイトン・リード
出演:ポール・ラッド
米国2018年

第1作目「アントマン」は未見だった。ところが、この続編が米国で公開されるとエラい人気で、しかも予告(の断片)を見ると面白そう。
しかし1作目を見てないんでは話にならないということで、急きょレンタルで借りて見たのである。そしたら実際面白いではないですかヽ(^o^)丿
で予習もバッチリgood 意気込んで映画館に行った……が。

バツイチで娘とは別居中のスコットはヒョンなことから身の丈1.5センチのアントマンになって大活躍。その仕組みはナノ粒子とか量子世界がなんたらとか説明あったようなのだが、徹底した文系脳の私には理解不能なので省略する。
ところが前作の後に『シビル・ウォー/キャプテン・アメリカ』が勃発して参戦し、とばっちりを受けてFBIにより自宅軟禁状態となるのであった。

そこに新たな敵が現れトラブル発生thunderになり、いかにFBIの目をかわして大きくなったり小さくなったりしつつ戦って暴れられるかが見どころ。
その間にも、M・ペーニャのギャグ攻撃あり、特出M・ファイファー驚愕の若さの秘密問題など発生。
しかし、アクション場面の一番面白い所はほとんど予告で見ちゃったような気が……。それと個々のギャグや要素が単独では面白いんだけど、全体として見ると詰め込み過ぎ?と思わざるを得ない。
折角のローレンス・フィッシュバーンもあまり生かされてなくて、もったいない印象である。

見終わって振り返ると、前作は世界の運命を決する闘いが繰り広げられるのが子ども部屋の中とか、巨大で暴走する「きかんしゃトーマス」がコテッとなったりというギャップが面白かったのだが、今回はあまりそういうのがない。
いや、キティちゃんや表の騒ぎに気付かないカフェの中の客というのはあったものの今一つなのだった。
前回では大きかった主人公の家庭関係の部分も、問題なしになっちゃったしな。
理由は何かというと、脚本家(エドガー・ライト)交代のせいなのかね(?_?)

このように個人的には盛り上がれなかったのだが、エンドロールが始まってすぐに挿入されたシーンは……ええっ、よもやの『アベンジャーズ』に繋がるのかsign03
こりゃ大変だ~\(-o-)/
というわけで続く大活躍が期待されるのであった。正直『シビル・ウォー』では小者感(いや実際「小者」なんだけど)強かったからな。

ところで、小さくなった時って質量はどうなるの?大きさに比例するのか。ということは悪漢を投げ飛ばすのは普通サイズで、その次の瞬間に小さくなってるってことですな。


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2018年10月30日 (火)

「沖縄スパイ戦史」:ホラーか現実か

181030
監督:三上智恵、大矢英代
日本2018年

離島の村に学校の先生がやって来た。若い男性でカッコ良くて優しく人気者となった。ある日突然、隠し持っていた軍刀を抜くまでは……。
これ、怖くないですか(>O<;) ホラー映画のネタになりそう。

戦争中の波照間島、若い男は皆戦争に行ってるから、いるのは年寄りと女子どもばかり。彼の命令通りに島を出ていくしかなかった。移住先はマラリアが蔓延する島で、多くの人がバタバタと亡くなっていったのだった。
その男の正体は陸軍中野学校(当時スパイを養成していた)の工作員だったのであるdanger

一方、沖縄本島では中野学校から正式に若い将校が派遣され、ミドルティーンの少年たちを集めてゲリラ戦やスパイ戦の訓練をした。米軍が上陸して来た時に狙撃したり、わざと投降して潜入し、食料庫や弾薬庫を爆破したという。
その少年兵の部隊を作ったのは降伏の一年前。そんな時から、上陸してくる米軍へのゲリラ戦を予測していた作戦を練ったのかのかというのにまた驚く。

さらに別の地域では、山に隠れた敗残兵が米軍のスパイと思われる人物のリストを作成して殺していく。地元の有力者や教師が「国士隊」を作り協力。かくして住民同士で監視・密告・殺害が起こる。
しかし、このような事実は最近まで協力者が生き残っていたので明らかに出来なかったという。

以上のように3本のTVドキュメンタリーをつなげたような作りになっているが、全て事実というインパクトは十分すぎるほどである。こんな恐怖映画のような話を取材できた二人の監督には感心する。(やはりTV界の人らしいが)

これらの作戦は沖縄の後の「本土決戦」に向けての予行実践であった。決して住民を救うためのものではない。いざとなれば使い捨てだ。映画は、そこから現在の沖縄での自衛隊基地配備への是非へと繋がっていくのであった。
映画のタイトルはもうちょっとなんとかしてほしかった。内容に合っていないし、見る気が減退しそうdown


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2018年10月23日 (火)

「スターリンの葬送狂騒曲」:バトル・フィールド 継ぐのは誰か

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監督:アーマンド・イアヌッチ
出演:スティーヴ・ブシェミ
フランス・イギリス・ベルギー・カナダ2017年

「ヒトラー」の次は「スターリン」映画ブーム来たるsign03というわけではないだろうが、近現代ヨーロッパ史における最悪独裁者一、二の座を争う人物といえる。その彼の死をめぐるドタバタ劇である。コメディ仕様となっているが、シリアスな調子でやったらとても正視できぬ陰惨な史実だ。

強権を振るう彼が別荘で倒れるが、優秀な医者はみんな粛清してしまったんでロクな治療も受けられない--ってマジですか(^^?)と疑いたくなるようなエピソードが続く。
死後は別荘の使用人や警護の兵士は連行&殺害。スターリンの息子は挙動が変で、周囲の後継者争いは熾烈を極める。
その騒ぎの中でフルシチョフは虎視眈々と策謀をめぐらすのであった。

フルシチョフ役のS・ブシェミ他、芸達者な面々がドタバタと権力闘争を繰り広げ、笑い声も随所に上がった。個人的にはもっとブラックな感じが好きだが、事が事だけに調子に乗ってあまり事実と異なることも描けないだろうとは思う。
でも、国葬の棺の横でブシェミが横歩きする場面は、思い出すたびに笑ってしまうのであったよ(^◇^)
監督は英国人でTVシリーズの監督などやっていたらしい。いかにも英国流のユーモアである。

事前にこのあたりのソ連戦後史を予習しておけばよかったと後悔。なお、映画館は満員御礼状態fullであった。


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2018年10月16日 (火)

「秋のソナタ」:マザー・アンド・ドーター 恩讐のかなた

181016
監督:イングマール・ベルイマン
出演:イングリッド・バーグマン、リヴ・ウルマン
スウェーデン1978年

「ベルイマン生誕100年映画祭」の上映作品の一つ。イングリッド・バーグマンの遺作としても有名である。
早い話が母娘激突の物語である。しかし、どうも不自然な部分が幾つか見受けられる。監督はあまり整合性とか気にしないで脚本書いたのだろうか(?_?)と思ってしまった。

田舎町に夫と共に暮らすリヴ・ウルマン扮する娘が、有名なピアニストである母親(バーグマン)を自分の家に招く。しかし、自ら招いておきながら娘は夫に「なんで平気な顔して来られるのかしら、信じられないわ」などとグチる。
かようにねじくれた母娘関係は再会した最初は波風も立たぬように取り繕っているが、早々に崩れてきて、その深夜に激突する。

この激突場面が「ついにキターッ━(゚∀゚)━!!」みたいに、両者ともに待ち構えていたようでわざとらしいし、部屋で母親が状況説明みたいな独り言を言うのも変である。そういや、別の場面で娘が神秘主義にはまっているような様子を見せるのも唐突過ぎやしないか?
そもそも、ピアニストとしてのキャリアを何より重視する母親が二人も子どもを作るかというのもかなり疑問だった。

両者が言いたい放題で全て言い合い、過去の記憶やら葛藤やら素顔をさらけ出して罵り合った後は、登場人物だけでなく見ている観客もまたバッタリと床に倒れ伏したい気分になっただろう。それほどに「疲れる~dash」場面である。

もっとも一番の見どころはそれよりも前、まだ表面上の仲の良さを取り繕っている時点での、二人がそれぞれショパンの曲をピアノで弾く場面だろう。
娘の演奏を聞く間に母の顔に様々な思いがモザイク状に交錯する。拒否と肯定、好感といら立ち。一方、娘が聞く側に回った時に浮かび上がる心からの畏敬の表情--お見事としか言いようがない。これだけでも一見の価値はある。そういや、ハネケはこういうところに影響受けたのか、というのも感じた。
このピアノといさかいの場面、誠に理解しがたい母と娘の関係の表裏を表わしているといえよう。

冒頭にヘンデルのリコーダーによるソナタが流れる。これは意外(!o!) あと、バッハの無伴奏チェロも劇中に使われていた。ベルイマンはバロック好きだったのかしらん。

終演後に「こんな映画、金出して見るもんじゃないな」とか文句付けてるオヤジがいて、うっせー、だったら見にくんな(*`ε´*)ノ☆と言いたくなった。

ベルイマン祭りでは他に『魔術師』を見た。あともう一本ぐらい見たかったが、映画館内があまりに寒くてtyphoon(注-真夏である)行くのがイヤになってしまった。
スクリーンは作品のサイズに関係なく横長のままで、その真ん中に上映していた。両サイドにいわゆるマスクというのは下がっていない。
今までこういうのを気にする人の意見を読んでもピンと来ず「別にいいんでは(^^?)」と思っていた。しかし、このやり方でモノクロ作品の夜の場面を上映すると、どこからどこまでが映画の画面なのか、地のスクリーンと区別が全く区別が付かないのであった。なんとかしてくれい……(+o+)トホホ


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2018年10月 7日 (日)

「インクレディブル・ファミリー」:男女ヒーロー活躍機会均等法

181007
『Mr.インクレディブル』は当時見たものの、あまり積極的に面白いと思わなかった。何でだろう(?_?) この度続編をやるというので、レンタルで見直してみた。そうしたら、前よりも面白く感じたじゃあないですか。
ということで14年ぶりの新作を見に行ったのだった。

多くの人が同様の感想を述べているように、冒頭がなんと前作の終わりからそのまま続いているのには驚いた。街中で暴れまくってヒンシュクを買い、結局「ヒーロー暮らしはつらいよ」状態で、こそこそとモーテル暮らしに。

しかし、捨てる神あれば助ける神ありflair 裕福な支援者が現れたのであった。ヒーローの沙汰も金次第ってことか。まったくもって世知辛い。
そこでヒーロー推進の新プロジェクトとして、亭主のボブことMr.インクレでなくて妻ヘレンことイラスティガールを前面に押し出すということになったのだった。

ボブは家事や育児でてんてこ舞い、しかしヘレンの方はこれまでそれらを完璧にこなし、さらにヒーローとしても優秀さを発揮しまくっている。えーと、てことはボブは別に表に出なくていいんじゃないの。
ボブはそれを自覚せずに調子こいたことを発言したりして、妻に睨みつけられる場面もある。こりゃあ、夫婦間の不均衡問題はどうなるよ。
だが結局、夫婦よりも子どもたちが活躍することで、この問題はうやむやになってしまうのであった。

一方、悪役の方はヒーローにこだわりがあったようなのだが、結局何をしたかったのか見ててよく分からなかった。
もちろん、派手なアクションシーンとか赤鬼状態の赤ん坊の暴れ具合など、見てて楽しくて文句はない。

それからジャズっぽい音楽も、背景設定の50年代風にピッタリはまっていた。とりわけエンドロール終盤に、コーラスでそれぞれのキャラクターのテーマが歌われるところはゴージャスですごい迫力。是非最後まで聞き(見)ましょう(^.^)b

このシリーズはそもそもヒーローとその愛好者がヒーローの存在について自己言及する物語であり、私のようにそれに思い入れがない人間にはあまりのめり込めないのではないかと思う。前作が最初気に入らなかったのはそういう理由かも。

冒頭の短編はご時勢か中国もの。中国系監督による家族再生の話である。最初、中華料理がテーマかと思ったけど違った)^o^( 肉まんより小龍包が食べたくなりましたrestaurant


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2018年10月 3日 (水)

「バトル・オブ・ザ・セクシーズ」:男と女の間には山より高いネットがある

181003
監督:ヴァレリー・ファリス、ジョナサン・デイトン
出演:エマ・ストーン、スティーヴ・カレル
イギリス・米国2017年

テニスに縁のない私は「キング夫人」の名前に記憶はあっても、こんな「男女対決」あったとは知らず。
時は1973年、現役女子テニス・トッププレイヤーと、昔は有名でした感あふれる元男子チャンピオン(55歳)の対決。この二人のスポーツ・ネタでグイグイ攻めていくのかと思っていたら、予想に反してそうではなかった。

前段として、女子選手の報酬額が非常に低いのに抗議して、キングが独自に女子だけの団体を結成するというエピソードが登場する。(背景に70年代初めの女性運動の機運がある)
さらに彼女が世に隠れて同性の恋人と付き合い始める。こちらの問題へかなり重きが置かれているのは意外だった。

栄光は過去に遠のき公私ともに下り坂で追い詰められているリッグスの、女子選手にイチャモンを付けることで注目を集めようとする様子が、かなり同情的に描かれている。観客はこの人物に同情しても、あまり反感は抱くことはないだろう。
キングは対決試合の申し出を無視していたが、あまりの彼の悪目立ちぶりに怒り、遂に挑戦を受ける。さらにマスコミのバカ騒ぎも容赦ない。その間に「忍ぶ恋」が絡むという次第。

悪役は全米テニス協会の会長(ビル・プルマン)が一手に引き受けている。悪の黒幕、ラスボスshadowみたいな印象。
あと、キングのライバルで対照的な「良妻賢母」のマーガレット・コート。悪役というほどではないが、かなりワリをくっている。実際はどうだったんだろうね。
終盤、ヒロインが一人で試合に赴く後姿の孤独には、思わず涙が出た(T_T)

タイトルには「男女間」だけでなく当時の性的マイノリティーの葛藤も含まれているように思えた。
ただ、もっとスポーツ界の内幕を見たかったという人もいるかも。対決自体はこの映画のチラシの写真みたいにアッサリした感触である。

正直言って、エマ・ストーンがここまで達者な役者だとは思っていなかった。おみそれしましたm(__)m
S・カレルはもう何をやらせても完璧ですshine


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2018年9月30日 (日)

「スパイナル・タップ」:バンドあるある

監督:ロブ・ライナー
出演:クリストファー・ゲスト
米国1984年

あの伝説のロック映画が今、初の正式公開!ということで見てきた。もっともソフトでは出ていたらしい。
今でいう「モキュメンタリー」、疑似ドキュメンタリーの走りで、英国のバンドの米国ツァーを取材するという体裁を取っている。もっともらしく、バンドの歴史やインタビューも登場。
監督のロブ・ライナーも実際に監督役で顔を出している。

元々は地元の友人同士のフォーク系(?)デュオが、時代に即して姿を変え、その後ビートルズ風→サイケデリック・ロック→ハードロック/ヘビメタ*今ココflairという変遷を遂げて、晴れてツァー開始\(^o^)/という状況から始まりだ。
バンドを見ていて(聞いて)思い浮かぶは、チープ・トリック、キッス、ヴァン・ヘイレン、AC/DC……まあ、特定のバンドではなくそれらのイメージを混ぜ合わせたものと言っていいだろう。
音楽自体も、いかにも当時はやっていたサウンドや曲である。そして歌詞はものすごくバカバカしくて笑える。これが全部オリジナルで作ったというから大したもの。

そしてバンドを次々と襲うトラブルdanger
歴代ドラマー謎の連続死。アルバム・ジャケットのデザインでもめて発売中止。メンバーの女が音楽に口を出す。
ツァー中に、主要メンバー仲たがい(そういや、実際に来日中にメンバーの一人が帰っちゃったバンドありましたな)。大規模豪華セットを作ったはずが使えず。ホテルの部屋撮り損ない。
マネージャー辞職。人気がなくなって音楽性の方向を変える。軍の基地にドサ回り。

と畳み掛けられれば気付く。なるほどこれは「バンドあるある」だっ(!o!) バンドにまつわるどこにでも起こる事案を笑いと共に積み重ねているのである。
しかし、楽屋を出て迷子になってステージにたどり着けず--なんて本当にあるの?

さらにトラブルで解散寸前のバンドが日本経由で復活fujiって、なんかどっかで聞いたことがあるような……と思ったら「アンヴィル!」だった。でも向こうはもっと後に作られた実際のドキュメンタリーなんだけど??

ロックファンなら必見の笑いと感動の一作に間違いない。
この、バンドであるスパイナル・タップは実際にバンドとしてコンサートにも出てたとか。まさに虚実の間をすり抜ける奴らであろう。
しかし、あの恥ずかしい歌詞を歌ってたのか。まあ、どこのバンドも似たようなもんですかねdash

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