古楽(2021年~の記事)

2021年9月15日 (水)

【旧盤紹介】「イングランド、マイ・イングランド」

210910b 最近音楽ネタ記事が激減しているので自宅のCDの沼をさらって紹介します(^^;

これはヘンリー・パーセルの伝記映画のサントラ(1995年)である。ジョン・エリオット・ガーディナー&イングリッシュ・バロック・ソロイスツ、モンテヴェルディ合唱団が音楽担当している。

ナンシー・アージェンタ、マイケル・チャンスなど歌手が多数参加しているが、映画自体は見たことがない(日本未公開)ので、彼らがスクリーンに登場するのかは不明。
サントラには器楽曲や歌劇など色々と入っていて、パーセル作品のショーケースとして気に入っている。

監督のトニー・パルマーは過去にフランク・ザッパのミュージカル❗やワグナーの伝記映画を作ってる人らしい。(ケン・ラッセルっぽい?)
脚本を劇作家のジョン・オズボーンが担当しているのに驚いた。一度見てみたいと思うが未だかなわずで残念無念である。

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2021年8月19日 (木)

「ヴァージナルと歌で聴くイギリスの音楽」:女王陛下の鍵盤弾き

210818a 演奏:西野成一朗&大森彩加
会場:松明堂音楽ホール
2021年7月31日

過去には大塚直哉氏がコンサートで弾いたのを何回か聞いたことがあるヴァージナル、ナリは小さいが結構大きめの音が出る箱型の鍵盤である。
大陸から伝わり英国ではエリザベス女王にも愛されたとか。
この日のコンサートでは、本来はリュートと共に歌われるような英国の歌曲および独奏曲が演奏された。

ジョン・ブル、バード、ダウランドといった英国ルネサンス定番作曲家から、パーセル、アーンまで。
曲の解説は弾き手の西野氏がとつとつと語ると、その後を大森氏がスッキリまとめるという印象だった。

ヴァージナルは上から見ると普通は台形(?)みたいな形が多いが、こういうのはイタリア式。この日使用したのは長方形でフェルメールの絵に出てくるのと同じで、フランドル様式なのだという。こちらは低温が「若いブタの鳴き声」❗のようだと評されたらしい。
そ、そうなんですか(;^_^A
実際、演奏はストレートでやや武骨な響きのヴァージナルに、表情豊かな歌唱という組み合わせで楽しめた。

ただ、会場の冷房が想像を絶する寒さ(近江楽堂も負ける)で鑑賞に集中できなかった。気温30度以上あった暑い日だったが、終演後は日なたで体を温める羽目に……(+o+)トホホ
坐骨神経痛が再発してしまったですよ💨

210818b

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2021年8月 8日 (日)

「フルートとハープ 600年の変遷」:時代と楽器の共奏

210808 フルートの肖像16
演奏:前田りり子ほか
会場:近江楽堂
2021年7月17日

この「フルートの肖像」シリーズは調べたら2年ぶりの開催であった。(15回目の感想

前回のテレマンから打って変わって、今回は西山まりえのハープと共演。フルートとハープ両方の歴史を中世からたどり、600年に渡る西洋音楽史をほじくり返すという攻めた内容である。
昼の回は売り切れということで夜の方に行ってきた。

使用楽器はフルート10本(12本?)、ハープは5台(←単位は「台」でいいのかな?)という豪華布陣である。古くはヒルデガルド・フォン・ビンゲン、新しくはモーツァルトまで、合間にりり子のウンチク話が冴えわたる!
西山氏も負けてはならじと、ライブ配信があった昼の回には話せなかった秘話を披露してくれたのだった。

プログラムは中世→ルネサンス→バロックと三部構成で時代順に進んだ。(中世フィドル坂本卓也、ガンバ福澤宏も共演)やはり中世フルートはあまり聞く機会がないので珍しい。マショーやランディーニの歌曲を演奏。
全曲、笛をとっかえひっかえして演奏である。ロバート・カーという人の曲が哀愁味があってよかった。16世紀のオーケストラは管楽器中心だったが、ヴァイオリンが登場してフルートの人気が下がってしまった。しかし、18世紀にまた浮上したとか。
笛は世につれ歌につれ--と言いたくなるくらいの多様さだった。

一方、ハープは構造が簡素で大きさも小さ目な中世のものから、モーツァルト時代のシングルアクション・ハープまで。西山氏がこのハープのペダルを踏んでいるのは素足なのを目撃。会場が小さくて距離が近い近江楽堂ならではのことだが、真冬も素足なのかしらん。地下足袋👣だったら滑らなくてよいのでは(^^;

それにつけてもフルートならまとめてケースに入れて運べそうだが、ハープ5台だと運送料だけでも大変そう。思わず軽トラの荷台に縛り付けて運ぶ光景が頭に浮かんでしまうのであった💥

正味2時間ビッチリで質量ともに満足できた内容だった。また次の17回目も期待しております。
相変わらず近江楽堂は寒かったですよ( -o-) sigh...

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2021年7月29日 (木)

「大塚直哉レクチャー・コンサート 6 聴くバッハ、そして観るバッハ」:転がる音像

210729a
オルガンとチェンバロで聴き比べるバッハの”平均律”
出演:大塚直哉、大西景太
会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
2021年7月11日

オルガンとチェンバロ聞き比べの平均律もはや6回目。前回は「身体性」でダンスだったが、今回は視覚性ということで映像によるバッハを見る試みとのこと。
共演の映像作家大西景太はNHKの「名曲アルバムプラス」という番組でバッハの「14のカノン」を取り上げたそうである。

この日の演奏は第2集の13番から18番まで。最初に第17番やったけど、このフーガって終わりに変な展開出てこないか(^^?
それはともかく曲の合間に「オルガンはどうやって音を切るか、チェンバロはどうやって音を重ねるか」という両者の違いの話も出た。

210729b 前半の演奏が終わってから大西氏が登場してスクリーンを使って自作紹介や、バッハを題材にした過去の絵画を取り上げた。
「14のカノン」の映像はエッシャーみたいな階段の上を、曲に合わせて小さな球体が飛び回るというもの。バッハの曲の構造を目で見て取れる。

後半の14番フーガでいよいよナオヤ氏のオルガンと共演開始。あらかじめ作ったものを流すのではなくて、曲に合わせて幾何学的な構造を示す映像をその場で展開していくというものだった。
降りているのに上昇していくような感覚とか、3つのテーマが絡み合う様子などが描き出され、完全に映像による「演奏」なのだった。
ほぼ満員の会場は喝さいを声を出さずに送った✨(ブラボー禁止なので)。

アンコールでは逆に大西氏の映像を見ながらナオヤ氏が即興で曲を付けていくという、立場逆転の共演をやった。ナオヤ、恐ろしい子(!o!)とマスクをしたまま叫びたい。
目と耳、共に大いに満足できた企画だった。
なお、次回2月で第2集は終了とのことである。無事に開催できますように(^人^)


この日は非常に暑くて、思い出すと前回はひどく寒かったなあと毎回なぜか厳しい天候のさい芸である。
しかも公演の最中に雷雨があったらしく(東京ほどはひどくなかったようだが)、終演後は気温が一転して半袖では寒いくらいになってしまった。降られなかったのはよかったけど。

天気雨だったので、帰りの電車の窓からは二重の虹が見えた。でも、みんなスマホを見てるかうたた寝してるかで気付いてなかったな(~o~)

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2021年7月 1日 (木)

「知られざる名曲を求めて」:スキャンダル!五輪不正出場と二股愛

210701 アントニオ・カルダーラ生誕350年記念コンサート
歌劇《オリンピーアデ》と器楽作品
演奏:細岡ゆきほか
会場:ハクジュホール
2021年6月16日

カルダーラはイタリアで活動した後にウィーンの宮廷へ移って活躍した演奏家兼作曲家。昨年が生誕350年の記念イヤーだったそうで、細岡ゆきが企画して本当は去年の秋にやるはずだったのにコロナ禍で延期になったという。

重ねてオリンピック開催ということもあって、そのプログラムはまさに彼のオリンピックがらみのオペラ『オリンピーアデ』を中心にしたものである。
五輪開催期間はこれからという今の時節柄グッドタイミングということでしょうか。

長いオペラなので抜粋して演奏し、他の器楽作品を挟んで演奏するという趣向である。
器楽陣は総勢8人、歌手はソプラノ阿部早希子、カウンターテナー村松稔之だった。
器楽はソナタあり、シンフォニアあり、と様々な編成で多面的なところを聞かせ、オペラ部分は包容力豊かなソプラノ阿部に対し、強力な高音発揮のCT村松という対比が際立った。
あらすじはヘンデルでもおなじみ横恋慕の二股愛が発覚してというもの。当時の流行ストーリーだったのかな(^^? 加えてギリシャが舞台で五輪に身代わり出場という不正行為も発覚で、さあ大変💥だ。
アリア5曲でもう少し他のも聞きたかったなーという気もしたが、このぐらいがちょうどよかったのかな。

細岡氏の話だと今回のコンサートも実施するか迷ったそうだが、滅多に聞けない作曲家を取り上げてもらってありがとうございまーす(^O^)/
7月に有料動画配信があるそうなので、行けなかった方はぜひどうぞ。

なお座席は自由席だったけど1時間前から開場して、みな自然とソーシャル・ディスタンスを意識して一つ空けで座っていた。ところが、開演直前の客電消えた頃ににやってきて無視して隣に座るヤツは何なのよ~💢
前の方の列は空いていたのにさ。以上、グチである👊

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2021年6月 8日 (火)

ヘンデル「セルセ」:酒と泪と王と女

210608 二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
指揮:鈴木秀美
演出:中村蓉
会場:めぐろパーシモンホール
2021年5月22・23日

昨年は多くのオペラ公演が中止・延期を余儀なくされた。しかし、今年はめでたく無事に上演された二期会のヘンデル。恒例のダブルキャストで私は23日の方に行った。

ペルシャの王様セルセは婚約者がいるのに、弟アルサメーネの恋人にして歌手のロミルダに横恋慕。一方、ロミルダの妹もやはりアルサメーネを虎視眈々と狙っているのであった……という五角関係の話だ。元はと言えばセルセが二股かけるのが悪い👊と断言したいけど王様だから無理が通って道理が引っ込んじゃう。

これを、植物フェチの王が人気アイドル歌手に夢中になっていきなりの「押し」認定をするというような設定にしている。
セットは簡略で壁や階段を組み合わせたものが基本。王は身の丈に合わない大きな赤いマントをいつも引きずっている。
ヘンデル作品でヒロインをアイドルに設定というと、昨年のBCJの『リナルド』を思い出しちゃうが、あっちは仮想アイドルだから別物かな(^^;)

そのためステージには6人のダンサーが常に登場、歌手も一緒にアイドル風振り付けで踊ったりする。歌って踊って大変だ~。

さらにはバー「庭」が突然出現。壁にはなぜかヒデミ氏のレコードジャケットが飾ってあったりして💡 登場人物が酒場でクダまくのはMET版『アグリッピーナ』でもあったなーと思い出す。
ヘンデルには酔っ払いが良く似合う、ですかね(^◇^)

コロナ禍という時節柄ゆえ、長時間の公演は避けた方が無難という判断だろうか。途中幾つかアリア端折って勢いよく進行した。三幕ものだが休憩は1回のみ。
笑える場面が多くてライトな雰囲気。そのため濃厚さは欠けてアッサリ味だった。
ただしその代わりに、ヘンデル先生大ヒット曲(?)「オンブラ・マイ・フ」は3回も登場というサービス🎶があった。

儲け役はやはりロミルダの妹アタランタかな。これまた笑わせてくれました。ただ、セルセがテノールになっていたのは残念だった。
ダンサーの方々はほぼ出ずっぱりで大活躍で、しかもダブルキャストでなく二日間とも出演。ご苦労さんです。演出の中村蓉という人、自分もダンサーで振付もやっているそうで、このダンサー重用の演出は吉と出たようである。

一部の楽器はマイクを使用していたもよう。まあ、そうでなければテオルボなんかとても聞こえないわな。

とりあえず、延期や中止になったりせずに開催出来てヨカッタ。秋の北とぴあ音楽祭も期待していいかな~(ΦωΦ)

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2021年6月 3日 (木)

「レベレーション 啓示」/「王妃マルゴ」

「レベレーション 啓示」全6巻
著者:山岸凉子
小学館(モーニングKC)2015年~2020年

「王妃マルゴ」全8巻
著者:萩尾望都
集英社2013年~2020年

210603a フランスを舞台にした歴史マンガ二作について、いつか感想を書こうと思いつつここまで、引き延ばしてしまった。なんとか書いてみたい。

まずはジャンヌ・ダルクを主人公にした『レベレーション』である。
元々は「神がかった人間はどういうものなのか」を描きたいという動機があったとのことだ。候補は3人いたが「モーニング」連載の話があって、男性読者にウケるならジャンヌ・ダルクがいいかと選んだそうな。すると候補の他の二人は男ということになる。一体誰だったのか知りたくなる。

さらに毎月はキツイという理由で隔月連載にしてもらったら、同時期に『王妃マルゴ』を毎月連載中の萩尾望都から「隔月って、残りの一か月は一体何をしているの」と言われたとか(^▽^;)

山岸の長編作品の特徴として、社会や共同体の中で特異な能力を持った人物がその能力を発揮して成功する、あるいは失敗する過程を描くものが多い。この作品でもそれは同様である。
神の声を聞くという力に目覚めた「羊飼いの娘」ジャンヌは父親が持ってきた結婚話を拒否して、声に突き動かされ自ら複雑な政治的・宗教的対立の中に分け入っていく。女・農民・若年--とすべての面で当時の体制からは外れている存在であり、本来なら相手にされなくて当然だ。さらに男装しているとあれば異端でしかない。

その幻視能力、嫌がらせに近い審問や試練にも耐える機転、権威や権力を恐れず、そしてなにより強い信念により、軍隊を率いるまでになる。
しかし、その後に複数の勢力の思惑の中で孤立するのもまた信念の強さのためである。

フランスの領土を取り戻しシャルル7世の戴冠に大きく貢献したとあれば救国の英雄だろう。しかし、その彼女を最後に待ち構えていたのは44人のオヤジ(若い者もまざっているが)による異端審問であった……💣
それすなわち身分も地位もある高僧が字も読めぬ娘っ子をいぢめるという図に他ならない。

ジャンヌは回想の中で、故郷に帰り「羊飼いの娘」に戻る機会があったのに戻らなかったと認める。「正直今はパンをこねたり糸を紡ぐ自分は考えられない」と突き進んだのだと……。
「女に男の服を着られるだけで侮辱を感じる」という時代となれば、素朴な農民の娘から逸脱、どころか侵犯してきた男装の女戦士を社会は許すはずもなく、魔女と認定され火刑に処せられるしかない。
それでも、信念を貫き通した彼女にとっては悲劇ではなかった--と結末は訴える。そして、そこに中世からルネサンス期の狭間という大昔に生きた少女が今現在においても、生々しく立ち上がってくるのだった。

それにしても第1巻あたりの神の啓示場面は限りなくホラーに近い。夜中に見たら心臓に悪いぐらいである。さすが霊感を持つという山岸凉子💦と言いたくなるぐらいだ。


210603b さて『レベレーション』冒頭は1425年に始まり、1431年に終わる。当時の英仏絡んだ歴史的背景は複雑だが、カトリック×プロテスタントの宗教対立まで絡んでくる『王妃マルゴ』の背景も極めて複雑である。
こちらは130年ほど後、マルゴことマルグリット・ド・ヴァロワが6歳の時から始まる。ジャンヌが貧しい農民の娘なら、一方マルゴはフランス国王の美しい娘である。天と地ぐらいの差だ。
加えて政争と戦乱の中で62歳まで長生きしたというのもジャンヌと対照的である。

「一番ステキな夢は美しい王子様と結婚すること」と愛を夢見る少女のマルゴだったが、残念ながら王族の一人であるからそんな自由はない。初恋の相手とは引き離され、国家と宗教の間で政略結婚をさせられるのみ。
しかも肝心の結婚相手のアンリ(4世)はあらゆる意味で信頼できない男であった💢

さらに、その背後には恐ろしい猛母たるカトリーヌ・ド・メディチが存在する。息子たちを次々に王位につける中で隠然たる支配力を奮う。それは敵どころか自分の子どもでさえ暗殺することも辞さない、非常に恐ろしい母親である。読んでいてコワ過ぎて泣きそうなぐらいだ。
マルゴも自分の母親に殺されるのではないかと常に戦々恐々とする。この恐るべき母を描く萩尾望都の筆致は実に容赦がない。まさに真骨頂と言えるだろう。

その血で血を洗う複雑な勢力関係の荒波の中で、夢見る少女はやがて自らの美貌と肉体を武器にすることを辞さぬまでになる。
後世に彼女は「華麗なる恋愛遍歴」、別の言い方をすれば「淫乱」などと評されたようだ。しかしそのような人物像ではなく、作者は天寿を全うするまでただ一人の男への愛を貫いた純粋な女としての一代記を描いたのである。

この作品は驚いたことに萩尾望都の初の歴史ものだという。「ポー」シリーズなどで様々な時代を風俗にこだわって描いているので、てっきり歴史ものも描いていると思ったのだが違ったのね(;^ω^)
しかも最初の掲載誌が休刊になり、別の雑誌に引っ越し連載という災難にあった。そのせいか終盤が駆け足っぽくなってしまったのはちと残念である。


ベテランのマンガ家が二人揃ってフランス史に残る女性(しかし極めて対照的な)を描いたことは奇遇としか言いようがないが、その背後に存在するテーマは若い頃からこだわってきたものと不変であり、「三つ子の魂百までも」なのが読み取れる。
そして、自らの信仰と意志を貫き逸脱したジャンヌが二十歳前に早世し、身分と政治の境界の中で流されてサバイブしたマルゴが長生きしたというのも、何やらいつの世であっても変わらぬ女の行く末を描いているようだ。


210603c 【オマケ】
ついでに関連した音楽を紹介しよう。
ジャック・リヴェットが1994年に作った『ジャンヌ・ダルク』前・後編のサウンドトラック。音楽担当はジョルディ・サヴァールで、「ロム・アルメ」(武装した人)をモチーフに使い、当時の写本の曲、デュファイの作品、そしてサヴァールのオリジナル曲から構成されている。
公開当時、サンドリーヌ・ボヌールのジャンヌがナウシカみたいだと話題になった。ここにもハヤオの影響が(!o!)

210603d ルネサンス期作品をレパートリーとするデュース・メモワールによる、デュ・コーロワの作品集。彼はアンリ4世(マルゴの元夫)の宮廷楽団の音楽監督だった。
2枚組の片方に、暗殺にあったアンリ4世の葬儀で演奏された「国王のためのレクイエム」を収録している。(司祭の説教まで付いている)
演奏の水準は高く極めて美しく、何度でも聞きたくなる。
付属のブックレットには、暗殺時に乗っていたものとおぼしき国王の馬車の写真が載っている。実物が残ってるんでしょうか。

210603e

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「古楽系コンサート情報」更新

「古楽系コンサート情報」6月分更新しました。
左のサイドバーにリンクあります。
ライヴ配信などは入っていません。

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2021年4月29日 (木)

「イタリア~狂熱のバロック歴遊」:上野の森にナポリ弁が朗々と響くのだ

210429 東京・春・音楽祭2021
演奏:西山まりえほか
会場:旧東京音楽学校奏楽堂
2021年4月17日

昨年は中止の憂き目にあったが、今年はコロナ禍でもなんとか開催となったハルサイ。都知事からは都・県境またいで移動することへの自粛要請出てたけど、聞きに行っちゃいました~(^▽^;)

西山まりえが企画構成、解説、さらにチェンバロとバロック・ハープを演奏--と大活躍のプログラムである。17世紀初頭のイタリアバロックが中心でディンディア、モンテヴェルディ、A・スカルラッティの歌曲と共に同時期の独奏曲・器楽曲を挟むという構成だ。

声楽担当は藝大教授の櫻田亮で、熱ーい⚡イタリア魂を感じさせる歌唱だった。
モンテヴェルディ定番「これほどに甘い苦しみが」をチェロ懸田貴嗣サポートで歌った後には、器楽も勢ぞろいで「オルフェオ」の抜粋あり。

そして白眉の一曲はラストのスカルラッティ「愛の神、このろくでなしめ!」だろう。西山氏が演奏前に曲の内容を解説したのだが、いちいち「櫻田教授の解釈によると~」と付けて責任転嫁(?)するので場内爆笑💥
なんでも超が付くぐらいのバリバリのナポリ弁で、漁師が野菜売りの娘に恋をして口説こうとするも無駄な努力に終わるという歌らしい(最後に娘からの返答付き)。当時の宮廷では大笑いして聞かれたとのこと。
イタリア語もナポリ弁も分からないので、櫻田教授の熱唱が完全には理解できないのが残念無念であった。
次に歌う機会があったら是非字幕を出してほしい(^^;

さて、実は「旧」が付く方の奏楽堂は初めて行った。内装のデザインは凝った装飾が付いていている。結構残響は少ないようだ。市松模様配置の座席なので快適だった。
上野公園内の植え込みにはちょうど白いシャガの花がいっぱい咲いていて、とてもきれいだったですよ。


ところで「ナポリの漁師」といえば--思い出すのは映画『マーティン・エデン』の主人公である。彼が恋するのは野菜売りどころではない、ブルジョワの令嬢である。まあ、周囲からどんな風に思われていたことか……。実際、彼は「君は笑いものになっていたぞ」と忠告されるのだ。

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2021年4月 9日 (金)

「音楽の夜会」:正体不明でも満員御礼

210409 演奏:アンサンブル・クォドリベット
会場:近江楽堂
2021年3月31日

内容やメンバーについてよく分からないままとりあえず聞きに行ってみた。
当日渡されたプログラム見ても詳しいことはほとんど掲載されてない。総勢9人のメンバー名もアルファベットでだけ記されているのみで経歴などもない。わざと最低限のことしか載せなかったとのことである。

テノール兼解説役の話で開始。まずはバッハ作品でチェンバロ、チェロの独奏から始まって段々と人数を増やして器楽アンサンブルへ。そして歌手が加わってヘンデルの名アリア集となった。

バロック音楽の様式に沿って演奏者の紹介していくという意図があったようで面白いやり方だと思ったが、順番に独奏独唱が続くとなるとちょっと「発表会」ぽくなってしまったのは仕方ないか(^^;

最後は後半プログラムのコーヒーカンタータで9人勢ぞろいという趣向である。若手ばかりで工夫を凝らした楽しいコンサートであった。
アンコールがバッハの受難曲のコーラスで歌手の人数が足りない!ということで、急遽会場からアルト女性を引っ張り出した(もちろん仕込み💨)のには笑った。
ただ、近江楽堂で9人となるとちょっと響き過ぎだったような。特に歌手の方には会場の特性を考えて歌ってほしかった。

会場は定員の80%入れていたようだ。椅子は以前のような密着配置に戻っていた。それでも満員(!o!)で席が足りず予備の椅子まで出すという大盛況だった。スゴイね。

家へ帰ってネット検索してみたが、やはり出演者のことはよく分からなかった。藝大OBのグループということでいいのかな(^^?

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