古楽(2025年~の記事)

2025年3月18日 (火)

「コンセール・スピリチュエル パリに集った名手たち」:名演復活

250318 古楽21世紀シリーズ8
演奏:寺神戸亮ほか
会場:オペラシティリサイタルホール
2025年2月25日

昼の回に行った。18世紀パリで開かれていた人気コンサート・シリーズを再現。今、目の前に(耳の前に?)鮮やかに当時の響きが蘇る💖という趣向である。取り上げた作曲家はテレマンをはじめルベル、ギユマン、ラモー、ブラヴェという顔ぶれだった。

当時大人気だったテレマンは2曲(アンコールも)演奏。ルベルは寺神戸氏のビブラートのかけ方(?)のせいか妙にひずんで揺らいで聞こえる。そこが面白かった。ギユマンはフルートとヴァイオリンの掛け合いが蝶の如くヒラリヒラリと絡み合っていた。
個人的に気に入ったのはブラヴェのフルートソナタだった。

4人のアンサンブルは鉄壁でゆるぎなし。ベルサイユとは異なるパリの軽妙洒脱な雰囲気が伝わってきた。
曽根麻矢子のチェンバロはピカピカと光輝く陶器みたいな美しい装飾✨で目がくらんだ。曽根氏所有の特注品で愛称「白様」とのこと。

この「古楽21世紀シリーズ」は前回はラモーとルクレールでしたな。また次回もよろしく(^O^)/

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2025年3月 1日 (土)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2025年3月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

*2日(日)バグパイプ三昧 近藤治夫バグパイプ・ソロライブ:音楽茶屋奏(国立)
*8日(土)レクチャーコンサート バロック音楽の魅力(太田光子ほか):横浜市鶴見区民文化センターサルビアホール
*9日(日)宇治川朝政・芥川直子デュオリサイタル:今井館聖書講堂
*12日(水)ベーバー マルコ受難曲 ドイツ・プロテスタントの受難節(ベアータ・ムジカ・トキエンシス):日暮里サニーホールコンサートサロン
*16日(日)人はなぜデュファイの音楽を残したのか? 「ミサ断章」と3つのものがたり(プロジェクト・ムジカ・メンスラビリス):今井館聖書講堂
*  〃   コラールカンタータ300年5(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール
*20日(木)リコーダーコンチェルトの楽しみ(柿原よりこほか):東京中央教会
*21日(金)タブラトゥーラ・リターンズ:ハクジュホール
*22日(土)バッハ 種々の楽器のための協奏曲(アンサンブル山手バロッコ):横浜市神奈川区民文化センターかなっくホール
*22日(土)・23日(日)バッハからの“招待状”or“挑戦状”!?(大塚直哉、中田恵子):神奈川県民ホール小ホール
*27日(木)イタリアの香り フランス編3(向江昭雅&平井み帆):マリーコンツェルト
*29日(土)フランスバロック音楽の栄華1 ヴェルサイユ・ピッチで奏でるフランス・バロック音楽(白井美穂ほか):今井館聖書講堂
*  〃   ルソン・ド・テネブル(小林恵ほか): 日本キリスト教団聖ヶ丘教会
*30日(日)チェンバロ&ヴィオラ・ダ・ガンバ デュオリサイタル(中川岳&折口未桜):今井館聖書講堂


放映あり。NHKBS「クラシック倶楽部」14日(金)イル・ポモドーロ&フランチェスコ・コルティ、17日(月)ジュスタン・テイラー。
「プレミアムシアター」9日(日)ラモー歌劇《エベの祭典》。

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2025年2月20日 (木)

「大塚直哉レクチャー・コンサート 鍵盤の上で踊るバッハ!?」:舞曲演奏は体力勝負か

250220a 会場:彩の国さいたま芸術劇場
2025年2月9日

11回目を迎えるこの企画、今回は「イギリス組曲」を素材にバッハと舞踏の関係に深~く迫る。ゲストは西洋舞踊史・音楽史研究者の森立子。
外は寒かったが中はほぼ満員の聴衆の熱気と暖房が効き過ぎて暑いぐらいだった。

イギリス組曲……はて、大昔CDを買ってどこかにあるはずだがどこにあるか分からない。それぐらい聞いてないのである(;^_^A これは私だけでなく、バッハの鍵盤作品では一般的になじみが薄いものとされているそうな。
プレリュードとほぼ同じ舞曲の組み合わせによる6曲×6セットを、オルガンとチェンバロで交互に3曲ずつ演奏。その合間に森氏とのトークを挟むという構成だった。

そもそも実際には踊るのが難しいのになぜ舞曲のタイトルがついているのか? そして実はバッハの若い頃にあったフランスの舞踊との関りや影響。
また舞踏譜の図はよく引用されて見かけるけど、実際に何を表しているかは素人には分からず。それを実例で動きやステップを示してくれたのはありがたかった。

舞台にダンサーがいないのに舞曲を演奏したら踊っているのは誰か--そりゃ演奏者の他にはいない。合間に休憩やトークがあったとはいえ3時間鍵盤上で踊り続けた大塚氏はお疲れさまである✨
折しも同じさい芸の向かい側のホールではNOISMのダンス公演があり、あちらの公演は1時間遅く始まったのになんと終了時間は同じであった(!o!)
大塚氏は一人で一時間も余計に鍵盤上のダンスをしていたのである。こりゃすごいエネルギーだ。そしてそれを作曲したバッハはもっとすごいのかな(^^?

また次の12回目も楽しみであります。

この日は空気が乾燥して手が滑りやすいせいか、いつになくチラシやプログラムの用紙を落とす人が多かった。なんと第1部の前半だけで5、6回も落とした人がいた。大丈夫か。


さて、ちょうどこの時期さい芸ではアート集団「目」が企画展を開催中だった。光の庭とガラス屋根の通路に作品が展示してある。打ち捨てられたトウシューズみたいのも作品だろうか?

あと何かが色々と劇場内に出没するということらしいのだが、目撃者はそのレポートを所定の報告用紙に書いて投書するようになっていた。
そのレポートの過去のものはファイルに閉じられて閲覧できた。見てみると「熊の着ぐるみがいた」とか「割烹着のおばさんが疾走していた」とか……(~_~;)
本当かっ❗❗
もしかしてトウシューズがそれだったのかしらん。
250220b

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2025年1月31日 (金)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2025年2月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

1月は遂に一度もコンサートへ行けませんでした。2月は何とか頑張りたいものです。

*2日(日)輝かしい古の響き(アウレア・アンティクア):今井館聖書講堂
*9日(日)大塚直哉レクチャー・コンサート11 鍵盤の上で踊るバッハ!?:彩の国さいたま劇場
*11日(火)モンテヴェルディ マドリガーレ集第3巻(ドルチェアマーロ):松明堂音楽ホール ♪横浜公演あり
*20日(木)ボンポルティとバッハの協奏曲2(桐山健志ほか):自由学園明日館講堂
*22日(土)旅する音楽家 イタリアバロックを彩る、外国人作曲家の作品 18世紀(太田光子&平井み帆):ムジカーザ
*  〃   1690年代のローマ  マンネッリ、ミガーリ、コレッリの作品を巡って(アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア):今井館聖書講堂
*22日(土)・23日(日)歌劇オルフェオ(アントネッロ):神奈川県立音楽堂
*24日(月)もっと知りたい!もっと聴きたい!テレマン4(佐藤康太ほか):トーキョーコンサーツ・ラボ
*25日(火)コンセール・スピリチュエル パリに集った名手たち(寺神戸亮ほか):東京オペラシティリサイタルホール


19日に「クラシック倶楽部」でジェズアルド・シックス公演放映あり🎵

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2025年1月12日 (日)

今さらながら2024年を振り返る

250112a ますますブログを書く精神的余裕がなくなってきて、映画評に関してはツイッターXには短い感想を書いてから、そのまま放置というパターンが多くなってしまいました。やはり気力と共に脳力も落ちているのでありましょうか。
それでもコンサートの感想はなんとか追いついたので、2025年は映画の方も頑張りたいもんです。

【映画】
話題作・大作はかなり見てません(堂々と断言)。そのせいか昨年、一昨年同様9作品しか決められず。10作目を決められないので次点を二つ選ぶことに💦 『デューン2』は「まだ続く」状態なので保留。リンクが付いていないのは近日中に感想を書く予定です。
順番は見た順です。

『アメリカン・フィクション』:配信スルーは残念。
『美と殺戮のすべて』
『ソウルフル・ワールド』:字幕版があったらそちらで見たかった。
『人間の境界』
『関心領域』
『密輸1970』
『夜の外側』
『シビル・ウォー』
『ソウルの春』
【次点】『アイアンクロー』『HOW TO BLOW UP』

★部門賞
*監督賞 マルコ・ベロッキオ(『夜の外側』):同じ題材に歳月を経て今また再び挑戦。これを執念と言わずしてなんでありましょうか。

*俳優賞
 ザンドラ・ヒュラー(『関心領域』『落下の解剖学』
 ウィレム・デフォー(『哀れなるものたち』)

*悪役賞 ファン・ジョンミン(『ソウルの春』):トイレの場面に参りましたm(__)m

*新人賞:ドミニク・セッサ(『ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ』

*音楽賞 マルクス・ビンダー(『クラブゼロ』):グイグイ詰められます。

*動物賞 『ソウルフル・ワールド』のネコ:その正体は!?

*HOTな弁護士賞 スワン・アルロー(『落下の解剖学』):HOTです🔥

*最凶邦題賞 『こいつで、今夜もイート・イット アル・ヤンコビック物語』:無理しなくても普通に「アル・ヤンコビック物語」でいいと思いまーす。

*ちゃぶ台ひっくり返し賞 『マダム・ウェブ』:まるで消化試合のようにやる気が一つも感じられない。新人のライターがこんな脚本持って行ったら投げ返されるような内容。詰まらないとかいう以前にあきれた。
《この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です)》

★その他トピック
*今に始まったことではないが、アマプラの字幕がひどい。なんとかしろ~(`´メ)
*『インサイド・ヘッド2』の上映時間を間違えたことを発端として、猛暑&高湿度の中8月の銀座の街をさまよう羽目に……。なぜこんなことになったのか。
*『Xエックス』シリーズの3作目の日本公開はどうなったんでしょうか。米国では7月ごろにもうやっているんだよね。もしかして、すごくつまらないとか(?_?)


【コンサート】
今年は体調不振のため全体的に行った回数が少なかった。今年も復活できるか不明。

シャルパンティエ 牧歌劇「花咲ける芸術」
「Ut/Faコンサート2024 18世紀のフランス音楽」
「アルプスを越える天才たち」
BCJ秋祭り「ミサ曲ロ短調」「祝祭のオール・バッハ・プログラム」
「マドリガル・コメディ」
「イタリア・バロックを歌う」

最近、古楽系の演奏を聞いてきて思ったのは当時の精神や感覚を追及するような演奏が存在するということ。いにしえの時間線に立って遠い時代の距離を遡っていく。
それらはスター演奏家が魅力を発揮するというようなあり方とはまた異なるものだ。また、現代の要素を取り入れれば先鋭的なわけではない。(どちらかが良いという意味ではない)
……などとシミジミ感じているのであります。

事件としては新大久保から東京中央教会へ行くのに迷って変なオジサンに遭遇したこと。東京コワイよ~💥田舎モンは来ちゃいけないよ~(^◇^;)


【録音部門】
もっぱらCD沼より拾い上げて旧作を消費していた。比較的新しいものは、

ザ・スマイル『カットアウツ』
ロバート・グラスパー『イン・ディセンバー』
ホセ・ジェイムズ『1978』
ラ・ヌオヴァ・ムジカ『ヘンデルズ・アンサング・ヒーローズ』
グランドラヴォア『無より』

長年放置していたアナログ盤を遂に全て処分完了。一番高かったの『風街ろまん』(はっぴいえんど)であった。別に保存状態が良いわけではないのに(?_?)


【その他】
「三島喜美代 未来への記憶」(練馬区立美術館):歳を取るにつれて作品が巨大にパワフルになっていくのに感心した。


なお昨年一年間で一番アクセスが多かった記事はなぜか『「アンテベラム」:パニック!逆襲の奴隷農園(仮題)』でした。

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2025年1月 4日 (土)

「恋する心に安らぎを」:いにしえの心を探るには

演奏:イ・フィラトーリ・ディ・ムジカ
会場:今井館聖書講堂
2024年12月22日

フルート&リコーダー中島恵美、バロックハープ曽根田駿のコンビに、テオルボ上田朝子がゲスト参加して、オトテールの作・編曲の歌曲を器楽にて演奏するというコンサートだった。
ルイ14世~15世のフランス宮廷で人気だった牧歌的な恋愛歌(ブリュネット)が中心となっている。フルート用に編曲した作品とはいえ、原曲の情緒を理解できるようプログラムには歌詞対訳が付いていた。

大きなイベント用とか宗教作品ならば理解もしやすいが、日常と共にある恋の歌は却って現代の異国の人間には演奏が難しい--などという曽根田氏の話を聞いてそういうものかと思った。確かに遥か昔のフランス貴族の心などどうして分かろうか、ですね(^^?
また音的には似てるが実は指向性が異なるハープとチェンバロ、という解説も興味深かった。

実際聞いてみるとある意味、合奏の極みのような演奏だった。中心となるフルートやリコーダーにハープとテオルボが伴走する。そのような流れが形作られていた。。
ド・ヴィゼのテオルボ独奏曲は生でなかなか聞く機会がないので貴重。オトテールとは関係ない、ボエセ作曲のエール・ド・クールもしっとり感があってよかった。
地道なプログラムたけど充実したひと時であった。(会場は少し寒かった💧)

↓駅からの途中にあるフレーベル館もクリスマス仕様でしたよ。
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2025年1月 2日 (木)

聴かずに死ねるか! 古楽コンサート2025年1月編

個人の好みで東京周辺開催のものから適当に選んでリストアップしたものです(^^ゞ
事前に必ず実施を確認してください。ライブ配信は入っていません。
小さな会場は完売の可能性あり。ご注意ください。

*5日(日)新音楽の調べ(松本更紗ほか):ロバハウス
*8日(水)ヴィオラ・ダ・ガンバデュオコンサート5(森川麻子ほか):日暮里サニーホールコンサートサロン
*11日(土)ニコラ・マッティスの源流をたずねて(みのりてんデュオ):今井館聖書講堂
*  〃   クヴァンツのフルート奏法を読む 特別記念コンサート(前田りり子ほか):霞町音楽堂
*13日(月)永遠の思春期 ジョン・ダウランド(たまひび):東京都民教会
*15日(水)ジュスタン・テイラー バッハとイタリア:王子ホール ♪横浜でフォルテピアノ公演あり
*  〃   響きの軌跡3(ダニエレ・ブラジェッティほか):としま区民センター小ホール
*16日(木)長谷川太郎リサイタル3 ドイツのファゴットと仲間たち:ホーリネス東京中央教会
*21日(火)イル・ポモドーロwithフランチェスコ・コルティ:紀尾井ホール
*23日(木)リコーダー・トリオの愉しみ(トリオ・シークレイン):鶴見区民文化センターサルビアホール
*30日(木)鶴見de古楽 ムジカ・レセルヴァータによる「趣味の融合」フランスからバッハへ:鶴見区民文化センターサルビアホール

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