古楽

2019年9月19日 (木)

「フィンランド・リコーダー四重奏団《ブラヴァーデ》」:笛の嵐到来

190919 会場:武蔵野市民文化会館小ホール
2019年9月8日

フィンランドのリコーダー・カルテットが来日。初来日かと思ったら過去にも来ているようである。(NHK-BSで放送されたらしい。これも会場は武蔵野ですよね?)
外見はもろに北欧系おねーさま4人組という感じ。主に低音担当のメンバーは産休で、別の若手が急遽入ったとのことだった。

全体に感じたのはリコーダーのアンサンブルだけの演奏で飽きたりしないように、色々と工夫を凝らしているということ。
大抵は椅子に座って4人で演奏しているが、曲によって舞台前方で立って吹いたりソロでやったり。また曲目もフィンランドの民謡、ルネサンス、バロック、現代曲を区別付けることなくプログラムしている。

ダウランドから始まってルネサンス曲が続いたかと思ったら、いきなりソロで笛2本くわえて吹く現代曲になるという意外な展開。かすかにステレオ効果も感じられたりして。最後の気合いのような息を吐くのも指定されているのか?なんて思ってしまった。こんな曲芸のような曲があるのねー。石井眞木の作品だそうな。

かと思えば、バッハのライプツィヒ・コラールからの曲は対位法バリバリで、その響きの中にたゆたう気分になった。それからパーセルを経て、また風をイメージした現代曲となるという次第である。

後半でも、現代曲から途切れることなしにいつの間にか静かにヴィヴァルディの「夜」へと続いていたという場面があった。
「四季」もやったのだが、これが「5分で分かる四季」みたいな調子でえらい勢いで「春」から吹き始めたと思ったら、あっという間に「冬」まで行ってしまった。速い!
編曲の面白さもこの手のアンサンブルの醍醐味ですね(^_^)b

あと印象深かったのは廣瀬量平の「イディール」という曲。本当に吹いているのかというぐらいのささやくような極小音を出していた。後ろの席まで聞こえるのかと思っちゃうぐらいだ。
メンバーは色々な笛をとっかえひっかえして、様々なアンサンブルを楽しむことができた。なおアンコールは「フィンランディア」だった。

この日は夜に大型台風🌀が来ると予報が出た日。そのためかポコポコ空席があった。休憩時間に私鉄が10時で止まるという掲示が出たせいもあってか、サイン会もあまり人が並ばなかったのは残念。
私は長傘、雨靴という装備で来たけど帰宅するまでほとんど降られなくてヨカッタ。

ところで、グループの正式な名称は「ブラヴァーデ」なのかそれとも「ブラヴァデ」?
他の地域での公演では後者だったらしい。まあ、招聘元によってアーティストの名前の読み方変わってしまうのは珍しくないことだけど、なんとかしてくだせえ。

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2019年9月14日 (土)

「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」:400年目の復権

190914 演奏:ディスコルシ・ムジカーリ
会場:豊洲シビックセンターホール
2019年9月2日

生誕400年だったとは知らなかったストロッツィ。結成されたばかりのグループによって記念公演が行われた。
主催者は佐々木なおみという研究者で、そのため曲間に詳しい解説が入ってレクチャーコンサートと言っていい濃い内容になっていた。
コンサート全編ストロッツィというのはさすがに聞いたことがない。しかも日本初演というのが数曲入っている。

以前は、彼女はパッとしないまま認められず忘れられた作曲家という見方をされていた。しかし最近では全く異なるストロッツィ像が浮上している。
使用人の私生児として生まれるも実の父親の養子に入り、音楽教育を受け自作曲を歌う。当時の文化人が集うサロンを開き、貴族の愛人としてシングルマザーとなり、投資の才能を生かして大いに富を築いた。その間に七つの曲集を作ったという。
まさに公私ともに充実していたわけだ。

プログラムは主に彼女のマドリガーレ集、カンタータ集から。ほとんど世俗歌曲だが、一つだけ宗教曲も歌われた。
歌手は一声部一人(ソプラノ阿部早希子、CT村松稔之、テノール福島康晴、バス目黒知史)で曲によって組み合わせが変わる。当然ながらソプラノ独唱曲が多く、カンタータ集7からの「ラメント」、大作と言える「2台のヴァイオリン付きセレナータ」は阿部早希子の力唱熱演がとりわけ映えていて✨感銘を受けた。
曲自体はイタリア語の歌詞と密接に結びついて作られているとのこと。イタリア語は全く分からない私には、初期バロックと後期のどちらにも振り切らない「重さ」のようなものが感じられた。

ラストの「恋する場をあきらめた老年の恋人」は男声3人によるユーモラスな曲。オヤジはいつの時代もあきらめ悪くて困ったもんよ💨な内容で会場を笑わせたのだった。

合間に同時代のマリーニの作品や、レグレンツィとカッツァーティがそれぞれ作ったストロッツィの名を冠した器楽曲も演奏された。
器楽はヴァイオリン2人、通底3人の編成。最初の予定ではヴァイオリンの片方を先日亡くなった渡邉さとみが担当するはずだった(チラシには写真付きでクレジットされている)。惜しい方を亡くしました。合掌(-人-)

リキの入った内容に比例して長さも2時間以上(休憩含む)、聴き応え大いにあり。年1回ずつコンサートをやっていく予定らしい。
「関係者席」がかなり数が多くて驚いたが、それだけ業界内注目の公演だったということだろう。歌手や演奏家を何人もお見かけした。

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2019年9月 7日 (土)

「Ut/Faコンサート」:リコーダーが登場する推理小説はあるか?

190907 演奏:宇治川朝政&福間彩
会場:近江楽堂
2019年8月31日

二人組ユニットのウトファ、今回は「やりたいものをやろう」と選曲していったら、国も時代もバラバラになってしまったという。
ただ唯一の共通点はリコーダー❗である。

18世紀ベルギーのフィオッコという作曲家に始まり、17世紀のファン・エイク(リコーダー独奏)、16世紀はバード(こちらはチェンバロ独奏)。ロンドンのイタリア人バルサンティ、さらにオトテール、テレマンといった次第だ。
リコーダー曲というのが共通と書いたが、使用楽器はそれぞれ異なっている。宇治川氏が嬉しそうに「持っている全てを公開ヽ(^o^)丿」と言わんばかりにとっかえひっかえして解説しては吹くのであった。

あ、チェンバロはいつもの会場備え付けのとは違ったので、こちらの方の説明も聞きたかったですなあ。
福間氏によるとバードの曲は左右で拍子が違い、クルクル変わるのが弾いてて面白いとのことだった。

一番の聞き所はファン・エイクの「夕暮れ時に何をしよう」だったろう。9つの変奏から成る曲で最後は指が目に止まらぬほど(やや大げさに言っております💦)の強烈な早吹きであった。なお、元は歌詞が付いている曲なのだが「ヒワイな内容で(^^ゞ」と宇治川氏は若干嬉しそうに繰り返していた。
あと初めて聞いたフィオッコはいわゆる美メロ✨な曲。

なお、ファン・エイクは本業はカリヨン奏者だったとのこと(リコーダーは余技?)。
カリヨンという楽器をナマで聞いたことも見たこともないが、初めて存在を知ったのは、小栗虫太郎の『黒死館殺人事件』による。館の塔にカリヨンがあって、演奏途中で奏者が失神して倒れちゃう。物騒な楽器であるよ(~o~;)

次の木の器主催公演は恒例クリスマス・コンサートとのこと。プレゼント当たるといいなあ。

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2019年8月31日 (土)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 9月版

夏が未消化のまま、あっという間に秋に突入でしょうか。

*2日(月)バルバラ・ストロッツィ生誕400年記念コンサート(ディスコルシ・ムジカーリ):豊洲シビックセンターホール
*3日(火)丸山韶バロック・ヴァイオリンリサイタル:五反田文化センター
*8日(日)フィンランド・リコーダー四重奏団 ブラヴァーデ:武蔵野市民文化会館小ホール
*11日(水)品川治夫 古希コンサート:近江楽堂
*13日(金)ビーロック・オーケストラ:武蔵野市民文化会館
*  〃   魂の響き旋律の鼓動2 十五夜によせて(高橋美千子ほか):近江楽堂 ♪16日西荻窪公演あり
*14日(土)光の庭プロムナード・コンサート 笛の響き七変化(大塚直哉&宇治川朝政):彩の国さいたま芸術劇場情報プラザ ♪入場無料
*20日(金)クァルテット・イン・パリ2 パリジャンを魅了したエスプリの香気(アンサンブルAYAME):近江楽堂
*22日(日)狩のカンタータ(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール
*27日(金)上野学園古楽器コレクション・ミュージアムコンサート12 リュート・キタローネ・ギター(竹内太郎&櫻井茂):上野学園石橋メモリアルホール
*28日(土)コルテ・デル・トラヴェルソ3 En Trio~フランスのトリオソナタ(前田りり子ほか):スペース415
*  〃   守安功&守安雅子:近江楽堂
*30日(月)ヘンデルとその時代(ソフィー・カルトホイザー&ベルリン古楽アカデミー):武蔵野市民文化会館 ♪29日にトッパンホール公演あり
*  〃   佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団:浜離宮朝日ホール ♪29日に神奈川公演あり

NHK-BS「クラシック倶楽部」にてアンタイ×センペ、ジャン・ロンドーなど古楽系再放送多数あるようです。
これ以外は「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

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2019年8月19日 (月)

「技巧と調和」

190819 17世紀ドイツ・オーストリア珠玉の器楽作品
演奏:天野寿彦ほか
会場:近江楽堂
2019年8月1日

17世紀のドイツ・オーストリアのプログラムというと、バッハやテレマンの先輩音楽家の時代である。結構ありそうで意外と少ない。
ローゼンミュラー、シュメルツァー、ラインケンなど渋い名前が並ぶ。さらにはベッカー、フィーアダンクとなると耳にしたこともない。
そんな作曲家たちの作品がヴァイオリン天野寿彦&吉田爽子、ガンバ平尾雅子、チェンバロ辛川太一という顔ぶれで演奏された。

中でも印象大だったのは吉田氏の演奏。前半のシュメルツァーで「ヴァイオリン力(ぢから)」とでも形容したいものを大胆に発揮。
後半のラインケン、ビーバーでは天野氏と丁々発止の掛け合いを聞かせてくれた。迫力満点とはこのことだい(!o!)

渋くて地味というこの時代の器楽曲のイメージを吹き飛ばす勢いがあった。
吉田氏は文化庁による海外派遣制度で二年間留学で戻ってこないとのこと。頑張って-。行ってらっしゃ~い(@^^)/~~~

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2019年8月12日 (月)

「フォリア!」:教会揺らぐ

190812 スペイン、ポルトガル15世紀から伝わる情熱と狂喜の音楽
演奏:高橋美千子ほか
会場:日本福音ルーテル東京教会
2019年7月17日

定期的に行われていたソプラノ高橋美千子とガンバ4人の組み合わせによるコンサートである。今回はパーカッションの立岩潤三がゲスト参加して様々な時代と国の「フォリア」や関連曲を演奏、休憩無しでアンコール二曲を入れて90分というものだった。

冒頭、マレのフォリアに基づくヴィオール曲から開始。その後に登場した高橋美千子は真っ赤な口紅に黒髪を振り乱し、赤いドレスの衣装も含めて完全に「狂気の女」の出で立ちだった。

イベリア半島を股にかけたフォリアの熱は16~17世紀の宮廷に広がり、様々な楽曲を生み出した。
それらを歌う彼女の唱法は、これまで聞いたオペラやフランス歌曲などとは全く異なるもので、その多彩な声を自在に操っていた。
器楽曲の時は呆けたような表情でステージの床に座り、歌う時は取り憑かれたように思い詰めた風で、誠に鬼気迫るものがあった。
しかし、背後のガンバ群やパーカッションの演奏はあくまでもクールな熱気なのである。

さらに終盤になってサプライズあり。なんとプログラムにも載ってないゲストとしてフラメンコの男性ダンサー(奥濱春彦という人だそうな)が登場したのだ。
これには驚いた(!o!)
コレッリやマレなど数曲を踊り、その迫力に会場はやんやの大喝采となった。
全体的に、コンセプチュアルな古楽コンサートとして見応え聴き応えあり、完成度が非常に高かったと思う。

ただ、残念だったのは教会の礼拝堂なのでステージの高さがほとんどなく客席に段差もないため、高橋氏が床に座っていると前の方の席の人しか見えなかったのではないか?ということ。
しかもステージの広さも狭くて通常の礼拝に使用している説教壇(というのか?)などが残っている状態。加えて5人の奏者がいて楽譜台も置いてあるのだから、狭いスペースでダンサーの人はさぞ踊るのが大変だったろう。
彼が足を踏みならすと教会の聖堂全体がガンガンと振動して、床が抜けるとかと思ったほどである(^^; 確か、ハクジュホールではこういう時に補強板を敷いて、その上で踊っていた。
もっと広い会場で見たかったのが唯一の不満である。ハクジュホールぐらいのステージだったらちょうど良かったかも。
あ、あと、空調切ってしまったので暑くってマイッタですよ💦(冷房入ってると今度は寒いのだが💨)

なお、ガンバ4人衆と組んでやるシリーズはこれで終了とのこと。これまた残念である。

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2019年8月 3日 (土)

「ナポリのサルヴェ・レジーナ」:ナポリを聞いてから死ね

190803 演奏:阿部早希子ほか
会場:近江楽堂
2019年7月9日

ナポリ出身または縁のある作曲家の特集。……というか、チェロの懸田貴嗣が好きな曲ばかり選んだらしい。ソプラノ阿部早希子とチェンバロ渡邊孝は過去に3人で、北イタリアで録音した仲間とのことだ。この日はヴァイオリン、ヴィオラも加えて総勢6人だった。
歌曲はヴィヴァルディのモテット、ポルポラの「サルヴェ・レジーナ」、ヘンデルのモテット。その合間にチェロと鍵盤の器楽曲を挟むという構成である。

ポルポラに関しては懸田氏が「生誕333年記念」のTシャツを取り出してまず宣伝。歌手の弟子が多く、カファレッリは5年間同じペーシを歌わされたという逸話が残っているという。また、ハイドンは若い頃に弟子兼助手をして仕えていた。
「サルヴェ・レジーナ」はヴェネツィアの女性歌手のために作られた曲で、なるほど華やかで歌手の声の聞かせどころが堪能できるような作品であった。

トリの曲となったヘンデルのモテットはイタリア時代に修道院の依頼で作曲され、1707年にローマで演奏されたらしいとのこと。既に炸裂するヘンデル節、感情の盛り上がる部分と抑えた部分の対比が見事で、阿部氏の熱唱で表現された。

器楽の方は、渡邉氏が前半に弾いたチェンバロ曲「トッカータ」の作者N・ファーゴはナポリの音楽学校出身。その弟子のL・レーオが作曲したチェロ協奏曲を、今度は後半に懸田氏が演奏という繋がりだった。
チェロの演奏は熱気と汗ほとばしるといった印象のリキの入り具合で、会場もそれに巻き込まれたようになった。

このように「イタリア熱」あふるるコンサートであった。
合間に渡邉氏の解説が入ったのだが、NHK-FM「古楽の楽しみ」でのムダなく落ち着いた語り口は、実は仮の姿。その正体は、話しだしたら止まらないタイプなのである。
同じく止まらないと言えば、フルート前田りり子はつんのめるように早口で喋るが、彼の場合は全く異なり、その語り口は飄々としている。飄々と話が続き--ひょうひょう--ひょうひょう……客「ありゃ、まだ話が終わらない!?」という次第。要注意だろう。

そういや、開場時間に遅れて(この前に見ていた映画の上映が遅れたため)開演20分前に会場へ急いでいたら(自由席なので遅れるといい席にありつけない)、ドリンク片手にポロシャツ着たおにーさんが悠然と歩いている。その後ろ姿に見覚えがあるような?と思ったらやはり渡邊氏だった。
よ、余裕ですなあ……(^^; それから着替えてチェンバロの調律までしてた。

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2019年7月20日 (土)

「大塚直哉レクチャー・コンサート 2 「フーガ」の苦しみと喜び」:鍵盤を押してもダメなら弾いてみな

190720 オルガンとチェンバロで聴き比べるバッハの“平均律”
会場:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
2019年7月7日

前回は自由席でほぼ満員だったため、長蛇の列が出来てしまったレクチャー・コンサート、第2回以降は座席指定になったことで、混乱もなく粛々と入場できた。

「平均律クラヴィーア曲集第1巻」をチェンバロとオルガンで聴き比べるこの試み、前回は大幅に時間オーバーした上に、予定まで終了できなかったので、今日は11~17番と控えめな(^O^;設定であった。
チケットがお手頃価格のためかこの日もかなりの入りだった。

11番から順にナオヤ氏がそれぞれのフーガの構造など説明しては弾いていく。鍵を押すのにチェンバロは「どう始めるか」、オルガンは「どう終わらせるか」が問題、などという話も出た。

チェンバロでまず聴けば「あ、いいなあ」と思い、その後オルガンで同じ曲を聴くとまた「こちらの方がいいか」と考え直す。順番が逆になって弾いてもそれぞれ聴く度にそう感じるのだった。
ただ、チェンバロの方は全体に溶け合った音だけど、オルガンは低音がクッキリ分かれて聞こる印象だろうか。

途中でヴァイオリン若松夏美が登場。しばしナオヤ&ナツミのフーガ談義を繰り広げた。
ナオヤがフーガはどうも苦手でと辛さをしみじみ語れば、ナツミが「でも好き!(^^)!」と笑いながら返す。フーガは肉体的にも頭脳的にも大変、というのは二人とも一致してたようだ。

この後、ナツミ氏が「無伴奏」の2番を披露して、迫力ある演奏に会場の喝采を受けた。時間が足りなくてオナヤ氏の鍵盤編曲版の演奏を聞けなかったのは残念。「古楽の楽しみ」の公開演奏版で弾いたヤツだよね。

アンコールは、プログラムでは二人一緒にできなかったのでと、BWV1026の「フーガ」を。これはE・ガッティ&アレッサンドリーニの録音でラストに入っていた曲ではないですか。録音ではチェンバロだったが、こここではオルガンを使用。また異なった味わいだった。
短いながらいい曲だと思うんだけど、これって偽作の疑いがあるの(?_?)

第3回も既にチケット購入(セット券は合計で400円お得なのだ)。来年2月だが、18~24番楽しみにしてまーす。

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2019年7月12日 (金)

「G.Ph.テレマン ターフェルムジーク 食事を楽しむ音楽」:食べる前に吹け!

シリーズ「フルートの肖像」15
190712 演奏:前田りり子ほか
会場:近江楽堂
2019年7月6日

前田りり子が主催するシリーズ、過去に皆勤とは言えないが半分は行ってるかな。一日二回公演でこの日は夜の方を聞いた。
今回はタイトル通りにテレマンの「ターフェルムジーク」からフルートの入っている曲を演奏する。
この曲集は有名だが、よくよく考えるとまとめて演奏会で聞くことは滅多にない。りり子氏解説によると元々「食卓の音楽」というのは、王侯貴族の来客をおもてなしするための音楽のジャンルであって、食堂の隣室や頭上のバルコニーから演奏家たちが奏でたという。
しかし、テレマンの曲集は用途を限らず気軽に楽しめる曲を厳選したものとのこと。おかげで当時の楽譜出版の予約者が多数付いたらしい。

第1~3集まで2曲ずつの演奏だった。そのたびに編成は変わるが通底のチェロ山本徹とチェンバロ渡邊孝は不動である。
2本目のフルート(野崎真弥)、ヴァイオリン(秋葉美佳)、オーボエ(三宮正満)それぞれ色々な掛け合いの妙が堪能できた。特に第2集のトリオソナタでのフルート×オーボエはさすがの巧みさと面白さで、やはりここはベテラン同士じゃなくてはできない演奏。テレマンは楽しいだけじゃないんですう(>O<)と言いたくなった。
全員でのアンコール(序曲と終曲の編曲版)も活気あってよかった。

りり子氏は曲間に「テレマンは4回目なのでもう喋るネタがなくなった」と、秋葉氏と三宮氏にガット弦とリードについての質問コーナーを設定。その秘密に迫るため価格までしつこく聞き出そうとしていた💣
その鋭いツッコミ……探求精神大切ですよね(^^)b

オーボエのリードの材料アシは南仏某所の畑のものが世界中の奏者で奪い合いとか、曲がっているものは使えないので買っても4分の1は廃棄--とか、タメになるかどうかは不明なれど面白いお話でしたよ( ^o^)ノ

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2019年7月 7日 (日)

音楽三昧2019「ゴルトベルク変奏曲」:バッハ30変化

190706 演奏:アンサンブル『音楽三昧』
会場:近江楽堂
2019年6月2日・5日

このグループは5人の器楽アンサンブル。過去にバッハの鍵盤曲を器楽用に編曲して演奏したCDを2枚出しているが、この度「ゴルトベルク」も出したので発売記念公演をやった。過去にはこちらを聞いたことがある。

私は2日の方に行った。折しも裏番組ならぬ裏公演としてお隣のオペラシティコンサートホールではBCJをやっていた。しかしほぼ満員だった。

構成は前半で短く「イタリア協奏曲」をやった後、休憩後に「ゴルトベルク」イッキ弾きというもの。この手の演奏では編曲の巧みさがカギとなる。
フルート+チェンバロ+弦の組み合わせでまさに「変奏」の極みというか、多彩な楽器の組み合わせで表情がクルクル変わる印象。楽器もヴァイオリンとガンバ、チェロとヴィオラ持ち替えたりして大忙し。やはりここは田崎瑞博の編曲の腕前が際立っていたようである。

例えば第25変奏ではコントラバスとチェロだけでガシガシと懸命に低音を弾きまくる場面があったりして、そこだけ切り取ったら一体何を演奏しているのか(?_?)みたいな不可思議な気分になる。

オリジナルメンバーはフルートが菊池かなえだったのだが、なんと故障休場とのことで、急遽代打として中村忠が入っていた(お疲れ様です)。そのせいかプログラムに記載のバロック・ピッコロは使われなかったもよう。
しかし、6月4日に予定されていた上尾直毅の公演も中止になっちゃったし、近江楽堂何かあるのか。そのせいか?えらく冷房が効いていてマイッタ。


【追記】6月末になんと中村忠氏が急逝されたそうです。この公演ではお元気だったので衝撃……。(上で近江楽堂がどうのと書いたのはジョークです)
ご冥福をお祈りします(-人-)

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