古楽

2018年10月 5日 (金)

「謎解きバロック 1 ヘンデル」:上から目線にも負けず

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主催:木の器
会場:近江楽堂
2018年9月14日

宇治川朝政と福間彩コンビの新企画はレクチャーコンサートである。講師は藤原一弘、ゲスト演奏者はヴァイオリンの廣美史帆。
昼夜2回の開催で、私は昼の方に行った。

まずは「リナルド」の序曲から開始。その後は曲の前にレクチャー、という形式で進んだ。曲はそれぞれの楽器と通底によるソナタ、チェンバロ独奏、ラストは全員でトリオソナタだった。

レクチャーは楽譜を壁に投影させて詳しく解説するという本格的なもの。曲ごとに音階や調性、和音など注目点をピックアップし、ヘンデルの技巧をこれでもかと示してくれたのであった。
なお、演奏中は現在残されているヘンデルの肖像画の幾つかを壁に投影。そのうちの一つが、真下にあるチェンバロあたりを睨みつけていて、福間彩が「目がコワイ(>y<;)」と悲鳴を上げたのであった。
もちろん、その視線にも負けず皆さん闊達な演奏を聞かせてくれました(^^♪

日頃、ヘンデルというとオペラやオラトリオの声楽曲が中心に取り上げられるが、器楽も負けずに魅力あるのを実感できた。
ただ、講師がやたらと楽譜を示しては「バッハはこんなことはしない」と強調するのはどうかと思った。バッハばかりが偉大とか言われるのが遺憾なのだろうが、でも普通バッハほめるのに「テレマンなんぞ逆立ちしてもできない、バッハ先生\(^o^)/」とか言わないよね。
次回以降の改善を望む。

この日、私は夜に用があって昼間にしたのだが、客が非常に少なかった。これじゃ夜に一回だけにした方がいいのではと思ったけど、昼しか来られない高齢の奥様方のための開催なのかしらん。


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2018年10月 1日 (月)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 10月版

大荒れの台風typhoonで開幕です。

*6日(土)上村かおり無伴奏リサイタル:石橋メモリアルホール
*7日(日)ナイトミュージアム バロックチェロの魅力(懸田貴嗣):菊池寛実記念 智美術館
*12日(金)バッハ 音楽の捧げもの(寺神戸亮ほか):所沢市民文化センターミューズ キューブホール ♪13日にヤマハホール公演あり
*14日(日)スペインバロックの舞曲と歌(マリア・クリスティーナ・キール&クリシュナソル・ヒメネス):聖グレゴリオの家
*17日(水)クピドのまなざし C・モンテヴェルディの系譜をたどって(村田淳子ほか):日本福音ルーテル東京教会
*20日(土)光の庭プロムナード・コンサート イタリア・バロックのひびき(吉村怜子):彩の国さいたま芸術劇場 ♪入場無料
*  〃   クープラン賛(廣江理枝ほか):東京藝術大学奏楽堂
*22日(月)フライブルク・バロック・オーケストラ&キャロリン・サンプソン:トッパンホール ♪21日に三鷹公演あり
*24日(水)バロックリュート WeissとBaronの世界(水戸茂雄):日本福音ルーテル東京教会
*31日(水)マハのまなざし(ロベルタ・マメリ&つのだたかし):ハクジュホール

これ以外にはサイドバーの古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)もご覧ください。

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2018年9月27日 (木)

「秘めたる悲しみ ド・ラ・リューの世俗音楽」:美しき非モテな歌

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ピエール・ド・ラ・リュー没後500年記念コンサート
演奏:相川郁子ほか
会場:近江楽堂
2018年9月7日

今年はクープラン祭りfujiと思っていたら、なんとルネサンス期のピエール・ド・ラ・リューも没後500年ということだった。
この作曲家は2枚ぐらいCD持ってたかなー、などと思いつつ夜の回の方へ行った。

編成は歌手4人はいいとしても、ルネサンスフルート4、コルネット(ツィンク)、サックバット(トロンボーン)、ガンバ各1という珍しい……というか、今まで聞いたことのない組合せだった。

タイトルはド・ラ・リューとなっているが、もう一人の主人公はネーデルランド総督マルグリット・ドートリッシュ(1480~1530年)という人物。彼女は仏王や領主と三回結婚しては死別という波乱万丈の人生で、大河ドラマのネタが尽きたらぜひ(^.^)bとNHKに推薦したいぐらい。
ド・ラ・リューは晩年に彼女に仕えた。で、彼女が編纂した豪華楽譜集の中からこの作曲家の作品を演奏するという趣向である。
曲の合間には彼よりもドートリッシュの生涯の方を詳しく解説するという熱の入り方。もしかしてみなさん歴女(^^?)

演奏の方は声楽に器楽オンリーの曲もあり。編成も様々である。
歌手とフルートそれぞれ3にガンバ、ツィンク、コルネットという曲でも、滑らかに溶け合い、聞いててウットリheart01する。鏑木綾を始めとする歌手陣も充実。しかし、楽器によって音量の差があるのはアンサンブルとして大変そうだった。
意図的に世俗曲を選んだということなのだが、恋愛曲というより何やら暗~く世をはかなむような内容が多い。

「でも、ああ、私は逃れられない 悲しみに破壊されてしまう」
「見捨てられ、ひとり、喜びもなく いずれ私は死ぬのだから」
「恋人というものが語られる時 私はそこに含まれておらず」

といった具合で、息も絶え絶えな様子。三番目なんか500年前にも非モテを嘆く歌があったのかい(!o!)と思っちゃう。
しかし、そんな内容にもかかわらずいずれも華麗にして美しい曲なのであった。

楽器の解説も合間にあった。サクバットはオルガンが普及する前は教会で中心的に使われていたとか、ガンバはこの時代に存在していたかは怪しいなど。

なかなかルネサンス時の音楽を聞ける機会は多くないので、聞けて満足full 今年の末までクープランだけでなくド・ラ・リュー押しでお願いします。


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2018年9月17日 (月)

「大塚直哉レクチャー・コンサート J.S.バッハ”平均律クラヴィーア”の魅力」:素人からマニアまでビックリの弾き比べ大会

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ポジティフ・オルガンvsチェンバロその1
会場:彩の国さいたま芸術劇場
2018年9月2日

近年、チェンバロやオルガンの普及活動に励む大塚直哉、さいたま劇場でレクコンサートがあるというので行ってきました。
自由席なんで、開場時間に行ったら長い行列ができててビックリ(!o!) いくらチケット代2000円とはいえ、こんなに人気があるとは意外である。日曜の昼間だから?
なんと配布のプログラムの数が足りなくなってしまうという事案も発生だ。

ポジティフ・オルガンは劇場所有のもので、それを活用しながら講座やレクコンサートなどやって来たのだが、今回は「平均律クラヴィーア曲集1」をオルガンとチェンバロで弾き比べで聞くという趣旨だった。プログラムには第1番からプレリュード、フーガそれぞれ冒頭部分の楽譜が載っている。
で、大塚氏によると本来はオルガン、チェンバロ、交互に曲を弾いていくはずだったのが、どちらも捨てがたいということで、全ての曲を双方で弾くnotesということになったそうだ。
で、時間が足りなくなるので11・12番は次回回しにするとか(@_@;)

最初に曲集の表紙のコピーを見ながら、成立の過程や書かれた背景などの解説。さらには「平均律」は良い訳ではなく「ご機嫌なgoodチェンバロ」(←大塚氏の友人による)というのがふさわしいなんて話も。
音大の学生さんあたりから素人な方々まで対象とした話をするから大変だ。さすがに「チェンバロとは」なんて基礎知識の説明は省略である。

で、曲ごとに解説を加えつつそれぞれ2種の鍵盤で弾いてゆく。
全く同じ曲ながらやはり風合いが完全に異なる印象だ。特に低音の響き方は別の曲のよう。この曲集はチェンバロで演奏するのが普通なので、オルガンの方は特に目新しい響きである。

しかし、当然解説付きで繰り返して弾くから時間がかかる。結局、休憩含んで3時間たっぷりとかかったのだった。これはやはりチケット代を考えると超お得演奏会dollarといえよう。
これだけ一人で奮闘した大塚氏の鍵盤普及活動には頭が下がりますm(__)m
で、11・12番は片方ずつでしか弾けなかったので、「その2」で復活戦やるんでしょうか(^^?)
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←大塚氏所有のチェンバロだそうな。

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2018年9月 8日 (土)

「ジャン=フィリップ・ラモー」:フランス・バロック最後の光芒

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演奏:アンサンブル・レ・フィギュール
会場:近江楽堂
2018年8月31日

パリ在住の日本人演奏家4人によるグループ、前回はベルニエとクレランボーのカンタータだったが、今回はラモーである。他はどこもクープラン祭りなのに何故sign02珍しいsign03と思ったが、過去にやったからですかね。
昼夜2回公演で、私は夜の方を聞いた。

ゲストはテノールのブノワ・ラモーとヴィオローネのブノワ・ベネットである。このぐらいの小編成でヴィオローネって珍しい気が……。

前半の中心はカンタータ「オルフェ」、後半はオペラ・バレの「ピグマリオン」によって構成されていた。
加えて「コンセールによるクラヴサン曲集」などから合奏曲も演奏。

テノールのラモー(!)氏は声量がかなりあってドーム型の小ホールではガンガンと響き渡ってしまったきらいあり。もう少し大きめの会場の方が良かったかも。

ラモーの声楽曲はあくまでも明晰な印象。抒情的な要素も極めて統制が取れていて感傷に走ることはない。
器楽曲についてはこれまでややとっつきにくい--なんか晦渋さを感じていたが、その裏にあるウィットに富んだ部分を感じ取れたのが新鮮であった。

なお前回の公演でバロックザール賞というのを受賞したそうで、また同じカウンターテナーと共に記念コンサートをやるそうである。メデタイfuji


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2018年9月 1日 (土)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 9月版

長い夏も終わりですね(^^♪

*2日(日)シャルパンティエの宗教音楽(コントラポント&フォンス・フローリス):上野学園石橋メモリアルホール
*  〃  バッハ”平均律クラヴィーア”の魅力 ポジティフ・オルガンVSチェンバロ(大塚直哉):彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
*7日(金)秘めたる悲しみ ド・ラ・リューの世俗音楽(鏑木綾ほか):近江楽堂
*8日(土)フランスの色彩 クープラン生誕350年に寄せて(石橋輝樹ほか):近江楽堂
*14日(金)レクチャーコンサート 謎解きバロック1 ヘンデル(木の器):近江楽堂
*17日(月)海を渡ったメロディ(高橋美千子ほか):求道会館
*21日(金)大江戸バロック(桐山建志&大塚直哉):近江楽堂
*28日(金)ミュージアム・コンサート11 リコーダー(山岡重治ほか):上野学園石橋メモリアルホール
*30日(日)英国に渡ったサクソン人 ヘンデルのファンタジー(有田正広&千代子):自由学園明日館

今月は13日のNHK-BS「クラシック倶楽部」でアンタイ&センペ@目黒雅叙園の再放送がありますよ。
これ以外の公演についてはサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

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「音楽と美術の幸せな結婚 2」:音は人なり

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大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズ
肖像を刻む-視覚と聴覚によるポートレート:「ルーヴル美術館展」の名画と音楽
会場:よみうり大手町ホール
2018年8月6日

美術展にちなんだ大塚直哉のレクチャーコンサート、2回目はルーヴル美術館展である。(1回目はこちら
ゲストはなんとマンガ家ヤマザキマリですよ(!o!)

今回は主にフランスのチェンバロ独奏曲から人物を描いたものを演奏し、その合間に二人がトークをするという構成である。
実際の展覧会と同じ区分けで、男の肖像、芸術家、女……というようになっている。
冒頭はクープランで、クラヴサン曲集より「ラファエル」(ラファエロのことだと推測されている)が演奏されると、ヤマザキマリがラファエロについてここぞとばかり熱弁を振るうという次第。
ラファエロ自身もすぐれた肖像画家であり、一方クープランは様々な人々の肖像を音楽で描いた(大塚氏談)という共通点があった。

続いては、フォルクレとクープランがそれぞれに描いて作曲したオルレアン公(ただし曲調は正反対)と絵画における彼を比べる。
また、肖像には死者の思い出や記録という面もあるということで、フローベルガーが捧げたフェルディナント4世とブランロシェ氏(例の階段転落down事件の人)への哀悼曲も。

当然、トークではヤマザキマリは猛烈に喋り倒していた。これに対抗するにはチェンバロ一台では到底足りぬ。バロックトランペット3本呼べ~thunderと言いたいぐらい。
話題は時間が足りないぐらいにあちこち飛び、大塚氏も日頃の上品さからは想像できぬギャハハハ笑い(^O^)を連発していた。

ラストは人間ならぬ神様の「ジュピター」(フォルクレ作)で、これが驚くほどに速い演奏bullettrainだった。それまでのギャハハハ笑いを返上、ビシッと決めたのてある。

肖像画を描かせる時は強調したいものを一緒に描くとのこと。例えば、指輪とか衣服とか……ということでアンコールはクープランの肖像画で彼が持っている楽譜の曲だった。

ヤマザキマリは舞台向け風(?)のドレスを着て現われたのだが、一時間ぐらい前に初めて顔合わせした時とあまりに差があったそうで(かなりカジュアルな格好をしていたらしい)、大塚氏がマジに驚いている様子が伝わってきた。そんなにスゴイ落差だったんかいdash

この日の使用チェンバロはなんと1月に近江楽堂で聞いたモンキー・チェンバロであった。レクチャー・コンサートの趣旨にピッタリである。ただ、音はやはり近江楽堂で聞いた方がずっといいけど……。
休憩時に黄金色の脚をよくよく観察したら、ヒヅメが割れてなかったんで馬の脚らしい。

それから、大塚氏がコソッと言ったので目立たなかったが、女性像のところで弾いたクープランの「フランスのフォリア、または色とりどりのドミノ」は全12曲並べるとタイトルが女性の特徴を年齢ごとを順番に表わしているらしい。それで、鈴木雅明は「これは女の一生だな」と言って、コンサートの時に全く原タイトルにはそんなことは入っていないのに、プログラムに「女の一生」と書いてしまったそうである。こりゃ、タイトル詐称じゃないの\(◎o◎)/!
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さて、ヤマザキマリがゲストにも関わらず、後ろの方の座席は結構空いていたとのこと。勿体ない。第3回目は是非満杯にしてほしい。
でも「ブリューゲル展」がテーマだから、そうするとルネサンス音楽になるのかな? ゲストは山田五郎が予定されているらしい。(あくまでも予定)

追記:次回のゲスト、山田五郎に決定したようです。演奏家の方は西谷尚己とR・ダンクザークミュラー。


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2018年8月29日 (水)

「甘き歌声、天使の響き」:曲より長い解説禁止!

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演奏:中原智子ほか
会場:近江楽堂
2018年8月3日

サブタイトルは「ソプラノ、リコーダーと通奏低音によるバロックアンサンブル」となっていて、楽器の方の編成はリコーダー二本(D・ブラジェッティ、田中せい子)、チェロ(懸田貴嗣)、チェンバロ(松岡友子)である。

ブクステフーデの宗教歌曲に始まり、取り上げた曲は独仏伊の作曲家のもの。他にボノンチーノ、バッハ、ラモーなど。ボノンチーノのカンタータのアリアはリコーダーが鳥の声のようで流麗さにウットリchick
ソプラノ担当の中原智子の歌はどちらかというと清楚な印象で、各国の曲を歌いわけてましたな。

バッハはリコーダー2本あるならこれでしょう(^^)bという定番「狩りのカンタータ」から。
器楽曲では、コレッリの合奏協奏曲をリコーダー2本用のトリオソナタへとシックハルトが編曲したものや、リコーダー2本だけのテレマンのソナタを演奏した。

各曲の合間に交代に演奏者が解説を入れるのだが、おかしかったのはチェロの懸田氏によるA・スカルラッティのソナタの話)^o^( 「短い曲なので、解説していると曲よりも長くなってしまう」などと言いつつ、それでも喋っちゃうという……sweat01

アンコールはブクステフーデのカンタータだった。
開演前に入口のあたりで小さい子を遊ばせている若いお母さんがいたなあと思ってたら、始まるとその人がドレスに着替えてチェンバロの前に座ってたんで驚いた。子育て中の演奏会、お疲れ様ですm(__)m

あと一つ謎だったのは、ブラジェッティ氏が日本語で挨拶したり解説しようとしたら笑い声が起こって、結局彼は日本語で話すの止めちゃったこと。なんで笑うの?
確かに流暢な日本語ではなかったけど、ワハハと笑ういわれはないだろう。海外の演奏会で日本人が同じような目にあったらどう思うかね。


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2018年8月25日 (土)

「彼女が泣いているのを見た、そして 愛は朽ちていった。」:女王陛下のイタリア

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アルプスを越えた音楽 イギリスとイタリアに昇華するルネサンスのハーモニー
演奏:高橋美千子ほか
会場:日本福音ルーテル教会
2018年7月27日

テーマはルネサンス期英国におけるイタリア音楽の受容、ということでいいのかな。
英国で流行ったイタリアの曲や、フェラボスコのように作曲家自身が渡英して活動していた、また、イタリアの影響を受けた英国人の曲などが演奏された。
声楽曲は高橋美千子担当、合間に挟まれる器楽曲が品川聖など4人によるガンバ合奏である。

アッツァイオロとかヴェッキとか初めて聞くイタリア人作曲家や、トマス・ルポ(イタリア系英国人)、コプラリオ(イタリア人ではないのにそれ風の名前を自称)なんてのもあって、全16曲色とりどりに様々だった。しかし、結局はイギリス風メランコリーに吸収されていくのである。

そのような観点を元に、高橋美千子は従来の英国風でもなく独自の融合された世界を歌って作り上げていた。
プログラムの歌詞の古めかしい文語調の訳も、なんとなくそれ風の雰囲気を盛り上げていてよかった。
公演のタイトルが長過ぎなんで、チラシを見た時宣伝コピーかと思っちゃったのはヒミツsecretである。

会場の教会は近江楽堂ほどではないが、夏はエアコンの冷風が直撃するんでマイッタですよ(@_@;)
しかし、新大久保はまたいろんな店がやたらと増えて人出もすごいねえ。一時期、人が減ったんだけど(ヘイト騒動の頃?)、以前より盛り返したようだ。

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2018年8月21日 (火)

「フェードルとイポリト」:しばしの別れ

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”フレンチ・カンタータの時代”の音楽 3
演奏:横町あゆみほか
会場:近江楽堂
2018年7月25日

休憩なしの1時間コンサート、昼夜2回公演で昼の方に行った。
このシリーズは、ルイ14世の死後イタリア様式が入ってきて影響を与えた形の一つであるフレンチ・カンタータを演奏するものだとのこと。

まずはクープランとルクレールの器楽(4人)で導入編。
クープランの「夜鳴き鳥」は結構知られている曲だが、「シテール島のカリヨン」というのは、チェンバロ独奏でまさにカリヨンを真似た音を出していて面白かった。
ルクレールは佐藤駿太&根本卓也によるヴァイオリン・ソナタ4-11だった。後で解説読み返したら、「第2楽章のコレンテはあまりに強烈で変態的な性格のため」省略したとあって、思わずたじろいだ。ルクレール……お前は何者(@∀@)

いよいよメインのカンタータはトマ=ルイ・ブルジョワ(←初めて聞いた人かも)の「フェードルとイポリト」である。ラシーヌの戯曲『フェードル』の後半部分を楽曲化したもので、プレリュードに続きレチとアリア3曲ずつで構成されている。歌手は横町あゆみだった。

普段の近江楽堂のセッティングと違って、客席は壁に沿って円を描くように並べられ、歌手がドーム型の天井の真下に来て歌っていた。これだと声がよく響くのはいいけど、響き過ぎのきらいがあったようだ。難しいねtyphoon
内容はギリシャ神話に登場する悲恋と詩の物語である。とはいえ、あくまでも優雅にして甘美。この抑制された感情表出がフレンチ・カンタータの醍醐味と言えるかもしれない。
アンコールは同じ題材の、ラモーの「イポリトとアリシー」より。

なお、ヴァイオリンの佐藤駿太は、秋からフランスはヴェルサイユ地方音楽院へ留学するとのことである。やはり若い優秀な人たちはみんな行っちゃうのね。
頑張ってくだせえ(^^)/~~~


余談だが、私がラシーヌの『フェードル』って存在を初めて知ったのは、森川久美のマンガ『シメール』だった。それまではラシーヌのラの字も聞いたことなかった。
パリのサロンで「マルセイユで田舎芝居やってた」などと陰口を叩かれた役者の主人公が、『フェードル』を完璧に暗唱してみせて周囲を黙らせるのである。

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