古楽

2019年3月22日 (金)

「ルベルとルクレール」:31年分の変遷

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趣味の融合の申し子たち
演奏:天野寿彦ほか
会場:近江楽堂
2019年2月26日

タイトルになっているこの二人、フランスバロックのコンサートでは付け合せみたいな感じで登場することが多く、なかなか単独で主役を張る機会はない。かなり珍しいプログラムと言えるだろう。
編成はヴァイオリン2(もう一人は吉田爽子)、ガンバ(平尾雅子)、チェンバロ(辛川太一)である。

ルベルはクープランとほぼ同年代で、ルクレールはその31歳年下、もはやバロックのどん詰まりの世代という差がある。
二人の曲を年代順でなく、前半ルベル1曲ルクレール2曲、後半はその逆という配分の構成だった。

ルベルの作品はクープラン、マレなど同世代の作曲家同様にタイトルがついている。イタリアの影響をそことなく受けているとはいえ、やはり全体に落ち着いた感触。
ただ「輝き」というタイトルのソナタはその名の通りに躍動感に満ちていた。

ルクレールのソナタの方は2台のヴァイオリンの弦が闊達に絡み合い、刃飛び散る白熱が感じられる作品だった。時代的なこともあるせいか、バロックという定型を超えて飛び出していく勢いがある。
天野・吉田両人の切れ味よく勢いのある演奏に思わず拍手~(^^)//
ドイツともイタリアとも違う、フランス特有の弦のつややかさと活きの良さがくっきりと浮かび上がったコンサートだった。

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2019年3月10日 (日)

「ビュークルズ・アンサンブル」:ハプニングとチョコレート付き

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会場:武蔵野市民文化会館小ホール
2019年2月14日
→こちらはマスタークラスのチラシです。

前日の近江楽堂に続きまたも笛2本登場する公演に行った。--というより、たまたま連チャンで行ったらここにもダブル笛がという感じだった。

主役のパトリック・ビュークルスは30年間に渡りコレギウム・ヴォカーレ・ゲントの首席フルート奏者を務めているというベテランである。
そのアンサンブルは同じくベテランのチェンバロ奏者エリザベート・ジョワイエ、ガンバのロミナ・リュシカを加えた3人が中心で、あと日本人のフルート奏者柴田俊幸が2曲、L・ヴァン・デル・ヴォールトという若い女性ヴァイオリニストが1曲参加した。

ただ、アンサンブルと言っても全員で演奏するというより、個々の芸をそれぞれの曲で披露するという性格が強かった。
テレマンのターフェルムジークを4人で演奏したかと思えば、サント・コロンブのガンバ・ソロ、その次はクープランのチェンバロ曲といった具合である。
前半最後、バッハのフルートソナタはなんと前日のハルモニア・レニスでもやった曲だった。編成同じだと演目も重なっちゃうのかね。

迫力だったのは、バッハ息子・ヴィルヘルム・フリーデマンのフルート二重奏曲。息もつかせぬというか、息継ぎ大変そうな曲を、聞いてる方まで息苦しくなりそうになりながら、柴田氏と二人でぴったりと吹き通した。以前聞いたコンサートで、有田正広が「W・F・バッハは天才」と言っていたが、なるほどと思わせる。
ただ他の曲についてもそうだが、このぐらいの編成の古楽公演だとやはりはちょっとこちらの会場ではちょっと厳しいものがあった。もうちょっと狭い所がいいだろう。

この2日前のヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルンに続き、この日もハプニング発生した。最後のバッハのトリオ・ソナタ開始直前になって、突然ジョワイエの具合が悪くなってステージで鼻血を出してしまったのだ
それまで、ベテランの鍵盤奏者なのになんかちょっとおかしい所あったような(?_?)それとも私の気のせいか、などと首をひねっていたのだけど、やはり体調が悪かったようだ。結局、彼女は退場して通底をガンバだけでやることになった。(アンコールで復活して第1楽章をまた4人でやれたのでヨカッタ)

ガンバのリシュカは地味だけど技術あり。逆にヴァン・デル・ヴォールトはいかにも若々しくて元気ありの演奏だった。1曲だけの登場が残念に思えた。
柴田俊幸はプロフィールを見ると「大阪大学外国語学部中退、渡米」という珍しい経歴。一体この時何があったのかと、聴衆の好奇心をかきたてたのである。

なお、この日はバレンタインデーということで、ベルギーの「日本未出店の超有名ショコラティエ」(The Chocolate Lineという所らしい)のチョコレートのプレゼントが客全員にもれなくあった\(◎o◎)/!
どうも「訳あり品」らしかったけど、形がなんだというのだ 味は超が付くぐらいおいしかったですう またよろしくお願いしまーす。

チラシの方も「恋するバロック」とか「音楽も、恋も本気だ!」と煽っていたが、こちらはいくらなんでも誇大広告だったんじゃないの……。


↓チェンバロは日本の製作者のもの。美しい絵は有元利夫っぽいけど違うよね。
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2019年3月 6日 (水)

「縦と横のファンタジア」:縦横笛尽の大活躍

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演奏:ジャック・アントワーヌ・ブレッシュほか
会場:近江楽堂
2019年2月13日

ハルモニア・レニスはリコーダー水内謙一、チェンバロ村上暁美の二人組ユニットで、過去に彼らが参加したコンサートは「コレッリへのオマージュ」「シェイクスピアの春夏秋冬」を聞いたことがある。いずれもひと工夫ふた工夫した面白い内容だった。

今回はヨーロッパで活躍中のブレッシュを招いてのコンサート。彼はフルートとリコーダー両方をこなす、そう、両笛使いの演奏家だったのだ
彼は6回も来日しているという親日家で、なんと銭湯好きだそうな(昨日も入ったとのこと)

取り上げた作曲家はテレマン、オトテール、ドルネル、バッハ、クヴァンツだった。基本はリコーダー(ボイスフルート)とフルート(とチェンバロ)の組み合わせである。
オトテールについてはブレッシュ氏が持ち替えて純粋にリコーダーのみの二重奏。しかも会場の横の特設コーナーで照明を絞って雰囲気たっぷりの演出による演奏だった。会場に染み入る、対話するような笛の音--だだ私が行ったのは昼公演で明るかった(天井に窓がある)ので、夜の方がもっと効果的だったかも。

バッハではブレッシュ氏単独のフルート芸を堪能。ラストのクヴァンツは「フルートとリコーダー、通奏低音」と極めて珍しい笛の組合せが指定されている作品だった。
かと思えば、ドルネルの曲は二種の笛が同じように聞こえるように吹いたとのことで、縦も横も大いに楽しめたプログラムであった(^O^)/
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チェンバロ独奏は、あのバッハと演奏対決直前に敵前逃亡したという(あくまでも伝説だが)マルシャンのプレリュードだった。
このチェンバロがシノワズリーの陶器のような極めて美しいもので、オリジナルの楽器はバッハが特注して使用したものと推測される。終演後は人だかりがしていた。
以前のコンサートでも説明していたが、このチェンバロの爪は村上氏が実物の鳥の羽を削って作成している。鳥はハクチョウと、なんとハゲタカ(!o!) ハゲタカの方がしっかりした強めの音が出るそうだ。
ハゲタカは日本にいないので海外に行った時に入手するとのこと。他の鳥だったらどうだろうなどと考えてしまった(^^ゞ 大きさが同じくらいだから、フラミンゴ、ダチョウ、とか

次回の公演は驚きの「英独仏伊バロックユーロカップ」だって 前半に4カ国の曲をやって客に投票してもらい、後半に上位2カ国で決勝……聞いてみたいですう(^◇^)
でも場所が鶴見というのはビミョーな位置なんで、検討中


↓こういうアンケート用紙が配られたのだが、来たきっかけの選択肢が「強要されて」というのは初めて見た。何人がマルを付けたのかぜひ知りたいところである。
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2019年3月 1日 (金)

「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」:譜面台下がるも熱気は落ちず

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会場:武蔵野市民文化会館
2019年2月13日
→こちらは紀尾井ホール公演のチラシです。

今人気上昇中カウンターテナーのヴァレア・サバドゥス……といっても、実は全然知りませんでした(^^ゞ なのに、何故このコンサート行く気になったかというとコンチェルト・ケルンを聞きたかったから。以前、ギエルミ・アンサンブルの公演に出て目立っていた平崎真弓がコンミスなのである。
しかも、もう一人いるコンマスが急病(インフルエンザらしい)で来日できず、彼女一人で仕切るということに。

録音でも聞いたことのない歌手がメインのコンサートに行くというのはかなりな賭けであったわけだが、今回の賭けは勝てた!

プログラムは器楽だけがダッラーバコ(←知らない作曲家)、ヘンデル、ヴィヴァルディなど。前半はまだ大人しい様子だったが、後半に至ると平崎真弓が乗ってきたきたせいか装飾音入れまくり。怒涛のような演奏となった。「調和の霊感」なんかもう押せ押せの勢いだった。

歌曲の方はヘンデルとポルポラが中心で、主役のサバドゥスは登場時から聴衆の耳目を引き寄せ、緩急自在に声を操って圧倒した。歌っている時は当然だが、声を出していない瞬間も支配しているかのようだった。まだ若いせいもあるだろうけど、会場の隅々まで押し寄せるパワーが感じられた。

もちろん客はどの曲についても拍手喝采だった。隣のカップルは「ファジョーリとはまた違う歌い方だね」などと興奮気味。近くの奥さんは友達に誘われてよく知らないまま来たらしく、始まる前は「あら、歌が結構あるのね」などとプログラム見てたのが、最後は立って拍手するに至ったのであった。

一番良かったのは、他の人の感想でも上がっていたけど、やはりカルダーラの「アベルの死」からのアリアだろう。激情を表現するような歌曲とは正反対、羊飼いが日々の暮らしを歌った静かで悲しげなものである。それをしみじみと歌い上げ、聞く者の心に沁み込んでくるよう。
コンチェルト・ケルンの演奏もまた哀愁味があってジワジワと煽ってくるという趣である。このダブルしみじみ攻撃には参りましたm(__)m
コンマス急病の穴を埋め尽くして、さらに上に山を築くくらいに平崎真弓は大活躍だったのは間違いない。

ハプニングは譜面台ずり下がり案件があった。サバドゥスが使っている譜面台が歌っている最中に段々とずり下がっていき、最後には一番下まで落ちてしまったのである(譜面使って歌うのとそうでない曲があったのだが、どういう違いか?) その前にヘンデルの「リナルド」のアリアをやった時既に、歌と競い合うように独奏するファゴットの譜面台がやはり下がり気味(上に動かない)。長身の奏者が身を折るようにして吹いていたのだった。
さらには別のヴァイオリン奏者のも壊れていたらしく、遂に交換する羽目に。もう買い替えの時期が来たのでは(^^;

アンコールは他の公演同様三曲。二曲目はなんと石川啄木の詩による「初恋」という日本歌曲だったらしいのだが、日本語には全く聞こえなかった イタリアの曲かと思った。コンチェルト・ケルンの演奏も完全バロック仕様になってたせいもあるだろう。私は元々この曲を聞いたことがないのだが、声楽やってる人には有名なのだろうか。
「京都ではもっと日本語に聞こえなかった」などと話している人がいて、やはり追っかけの人がいるのだなあと感心した。

京都公演ではサイン会やったらしいが、こちらではなかった(紀尾井公演でも同様とのこと)。やったら長蛇の列になったことだろう。

↓武蔵野公演のチラシ。なぜかコンチェルト・ケルンが大きく出ていてサバドゥスの方は小さい。
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2019年2月28日 (木)

聞かなきゃ損々!古楽コンサート 3月版

またも面白そうなコンサートがバッティング多数。何とかしてくれい。

*3日(日)祈りのカンタータ(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール
*  〃  ひまな日曜日4 リュートデュオの楽しみ(つのだたかし&瀧井レオナルド):松明堂音楽ホール
*6日(水)謎解きバロック2 テレマン(宇治川朝政ほか):近江楽堂
*14日(木)レオナルド・ダ・ヴィンチと音楽(アントネッロ):豊洲シビックセンターホール ♪レクチャーあり
*16日(土)涙のきらめき 17世紀ザルツブルク・祈りの宮廷音楽(アンジェリコ):淀橋教会小原記念チャペル
*17日(日)「奇想の系譜展」記念コンサート1 ザ・バロック(江崎浩司ほか):東京都美術館講堂
*19日(日)レオナルド・ダ・ヴィンチ没後500年記念コンサート(なかやまはるみほか) ♪金沢正剛によるトークあり
*23日(土)宮廷人の優雅なたしなみ(ソフィオ・アルモニコ):トーキョーコンサーツ・ラボ
*  〃   リチャード・エガー:東京文化会館小ホール
*29日(金)フランスバロックの粋 美の陰影(高橋奈緒ほか):近江楽堂
*30日(土)ゼフィール 春の風(アンサンブル・レ・フィギュール):JTアートホールアフィニス

これ以外にはサイドバーの「古楽系コンサート情報」(東京近辺、随時更新)をご覧ください。

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2019年2月15日 (金)

「J.S.バッハ その音楽と歓び」:フルート、叱られる

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18世紀音楽祭協会ファイナルコンサート
演奏:アンネリース・ファン・グランベーレン
会場:東京文化会館小ホール
2019年2月10日

18世紀音楽祭協会は福岡で「福岡18世紀音楽祭」から始まり「おぐに古楽音楽祭」「福岡古楽音楽祭」を開催してきたという団体。この度、三十年もの活動を終了することになり、その最終公演が東京、翌日に福岡で行われた。

内容はバッハ特集。ほぼ満員だった。自由席だったので開演30分以上前から長蛇の列となり、大ホールの方の開演時刻も重なってごった返していた。

奏者は寺神戸亮・若松夏美のツートップを中心に前田りり子、上尾直毅などおなじみの面々が参加だ。
器楽曲はバッハ作品の定番といっていい「管弦楽組曲」2番と「2つのヴァイオリンのための協奏曲」である。普段はなかなかこのヴァイオリン二人揃っての定番曲は聞けそうで聞けない。ゆるぎない演奏に満足した。

間にベルギー(?)のソプラノ歌手ファン・グランベーレンによるカンタータBWV100からアリアを1曲。前田りり子のフルートが速くて細かいパッセージで活躍し、歌を彩った。

後半はBWV210「おお、やさしき日、待ち望みし時」、もう一つの「結婚カンタータ」である(バッハは全部で3曲作ったらしいが)。ここで器楽陣もオーボエ三宮正満を始め全員(10人)登場した。

この曲、昔バッハ・コレギウム・ジャパンの定期公演で聞いたはずだが、完全に存在自体も忘れていた(^^ゞ
後で調べると、夫婦ともにバッハの親しい知り合いの結婚式用と推定されているらしい。夫の方は裁判官、奥さんは裕福な商家の娘だそうな。

歌詞に特徴あって、「愛」は当然だがそれに「音楽」が絡んでくることだ。弦を褒めたたえたり、オーボエと心地よく共演するアリアがあり、それに続いてフルートが登場。しかしなぜかフルートに対しては「黙りなさい!」とキビシク歌い、声と笛が互いに旋律を追いかけ合うように進む。またもやりり子氏の見せ場(聞かせ場)となった。
その前のレチにも「音楽は全ての人の心へと忍び込み、身分の上下を問わず、人々のところに来ることが出来るのです」とあり、感動がいや増すのであった。

アンサンブルは申し分なし。ファン・グランベーレンは澄んだ清楚な美声の持ち主で、いかにもバッハのカンタータにうってつけ。ただ、押しがもう一つ足りないのであった。残念無念ですう(+o+)

個人的には福岡の音楽祭に行ったこともなく、この団体もあまりよく知らない。さすが会場は白髪頭の人が目立ち、長い歴史を感じさせた。
……と思ってたんですが、終演後に老年カップルが「あれはバロック・ヴァイオリンっていうのか。音が違うねえ」などと話していて、そういう訳でもなかったようで(^^;ゞ

なお、会場で音楽祭の過去のポスターを無料で配っていたのですかさずゲット。有元利夫のポスターなんて滅多に手に入るもんじゃありませぬ
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2019年2月 4日 (月)

「音楽と美術の幸せな結婚 3」:チェンバロの裏も金次第

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大塚直哉レクチャー・コンサート・シリーズ
絵の中にとらえられた響き--ブリューゲルが描いた《聴覚》:「ブリューゲル展」の名画と音楽
会場:よみうり大手町ホール
2019年1月25

このシリーズも3回目、今回はトークのゲストは山田五郎、演奏者はオーストリア出身でリコーダーのラファエラ・ダンクザークミュラー、ガンバ西谷尚己であった。

テーマのブリューゲル展は郡山の美術館で開催されているとのこと。ブリューゲル一族の特集--といっても、一番有名なピーテル1世の絵画の出品はないそうである。
で、「長男はつらいよ」というテーマでピーテルの長男2世は画風は継いだが、出来は今一つ。却って次男のヤンの方が新たな境地を開いた、てな話で始まった。

また「一族」ということでは美術(画家)と音楽(演奏家、楽器製作者)共通で、長く続く家系で引き継がれ、先代のヒット作を真似し、ギルドに加入していた、というような共通点があるそうだ。

また、音楽を題材としたヤン2世の「聴覚の寓意」では山田五郎が遠近法や人体の描写がメチャクチャとクサしながらも、ただ細部だけはやたらとこだわりがあると述べると、大塚直哉の解説と共にこの絵の中に実際に描かれているとおぼしき縦笛を、ダンクザークミュラーに吹いてもらったのだった。
そのうちの一つはアルメニアのドゥドゥクという珍しいもの なんとアプリコットの木で作られていて、長さはソプラノリコーダーぐらいなのだが、音は結構太くて渋いのであった。

それから、チェンバロの蓋の裏側の絵は羊皮紙に書いて貼り付けた--って、知らなかったですう(!o!) で、お金持ちは有名な画家に絵を依頼し、金がない人はラテン語の格言などを書いたそうである。
な、なるほどそうだったのか……また一つ賢くなりましたヽ(^o^)丿

音楽面ではまずスウェーリンクやファン・エイクなどを演奏。大塚・西谷ご両人の独奏もあったが、やはりダンクザークミュラーのタテ笛の妙技が中心に置かれていたもよう。うまく言葉に出来ないが、何か独特の情緒がその音色に流れていた。

後半は「メランコリー」がテーマで、このメランコリーというのも「暗い」だけでなく正反対の意味もあるとのこと。こちらは英国が中心でパーセル、ダウランドの暗い所から徐々に明るい曲調(マシュー・ロック、トーマス・トレットなど)の作品へと変化していった。

話題が尽きずに最後は駆け足状態になってしまったが、盛りだくさんで今回もまたもやチケット代の元は十分に取れたのだった

この3人は10年ぐらい前にCDを出しており、会場でも販売していた。後になって買えばよかったと後悔したがもう遅い

なお、このレクチャー・コンサート・シリーズは3回で終了のはずだったが、好評につき第4回ウィーン、第5回ロンドンが追加決定。メデタイ!\(~o~)/
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2019年2月 1日 (金)

聞いて損なし!古楽コンサート 2月版

聞いて損なし!古楽コンサート 2月版

矢のように1月は過ぎて行ってしまいました

*3日(日)迷宮 ヴィオラダガンバとチェンバロとチューバと踊り(平尾雅子ほか):ロバハウス
*6日(水)生と死の傍らに(コンティヌオ・ギルド):日本福音ルーテル教会
*10日(日)J.S.バッハ その音楽と歓び(18世紀音楽祭協会):東京文化会館小ホール
*13日(水)ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン:紀尾井ホール ♪11日に武蔵野公演あり
*  〃   縦と横のファンタジア(ハルモニア・レニス):近江楽堂
*14日(木)ビュークルズ・アンサンブル:武蔵野市民文化会館
*16日(土)ヨーロッパの古い歌(レ・キャトル・ヴォワ):山手イタリア山庭園内・外交官の家
*23日(土)鈴木秀美 18世紀イタリアのチェロ作品を弾く:パルテノン多摩
*25日(月)大江戸バロック:近江楽堂
*26日(火)ルベルとルクレール 趣味の融合の申し子たち(天野寿彦ほか)

これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報」(東京近辺、随時更新)をご覧ください。

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2019年1月22日 (火)

「諸国の人々」:ワンオペ受付出現

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演奏:石橋輝樹ほか
会場:近江楽堂
2019年1月6日

今年最初のコンサートはこれだった。
タイトルだけ見ると「今年もまだまた続くよクープラン」みたいな印象だったが、実際のプログラムを見ると、クープランは最後に一曲のみ(といっても長いけど)で、マラン・マレを3曲に他はリュリ、ボワモルティエなどフランスバロック名曲選といった趣だった。

演奏者は4人、フルートの石橋輝樹、野崎真野の若手組とガンバ品川聖、リュート佐野健二のベテラン組の合体アンサンブルという感じだった。
ボワモルティエでフルート・デュオすれば、マレはガンバ&リュートで応戦する。全員で一体の世界を奏でるというより、それぞれの組が互いに技を繰り出し、その後にラスト「諸国の人々」で協力して盛り上げていた。

珍しかったのはJ・C・ノードという作曲家のトリオソナタ。なんとハーディ・ガーディが中心となって活躍する曲である。野崎氏がこの楽器のソロを担当し、その音はひなびた印象だが、マレみたいな曲調の中で果敢に弾きまくるのでビックリした。ハーディ・ガーディは登場した最初期には教会で使われていたというのも意外だった。
場内好評につき急きょアンコールで再登場したのであるよ(^^)b

他にはリュリの「アルミード」からのパッサカリアは、元々チェンバロのヴァージョンで引かれることが多いらしいけど、リュート独奏で珍しい。雅な響きがよかった。
タイトルとなっているクープランの組曲を全員で演奏して終了。普段聞いている録音だと鍵盤が入っていることが多いので、またちょっと違った味わいであった。

さて、開場の時に受付担当が一人しかいなくて、なんとお客がもぎり役をかって出るという珍事が発生した。(知り合いの人らしいけど) メール予約や当日購入の人もいるから、ワンオペ受付はちょっと無理でしょう(^^;


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2019年1月13日 (日)

モンテヴェルディ「ウリッセの帰還」:神々の長ーい時間

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北とぴあ国際音楽祭2018
指揮:寺神戸亮
演出:小野寺修二
会場:北とぴあ さくらホール
2018年11月23・25日

モンテヴェルディのオペラ、『ポッペア』や『オルフェオ』は生で過去に何回か観たがこの演目は初めてである。

セミ・ステージ方式ということで、オーケストラは舞台の上に乗っている。もっともその配置はかなり変わっていて、基本、弦と管が分かれて左右奥に不均衡に並んでいる。その間を縫うように歌手が現われて前方で歌と演技をするという次第(第2幕では配置が変わる)。一番奥にいた鍵盤担当の上尾直毅は、あまりに奥にいたので上演中姿が全く見えなかった。
簡単な装置があって、男女二人のダンサーが動かして場面を作っていた。左右の袖にモニターが舞台に向けて置いてあって何かと思ったら、前方に歌手が出てくると指揮が見えないので、寺神戸亮の方を映していたのであった。

物語はいわゆる英雄ユリシーズの話で、長い冒険の果てに故郷に戻ってくるが何やら周囲をウロウロとしてすっきり帰れない。神々が背後で関与しているとはいえ、妻は妻でしまいには名乗った夫をニセ物だと頑なに拒否る始末。これはもしかして長年の恨みと復讐なのか(?_?)
日本人としては、やはり最後には印籠を取り出して「ええい、この方を誰と心得る。ウリッセ様であるぞ」「へへーっm(__)m」(一同土下座)ぐらいやってくれんと、スッキリしないのであった。

演出は押しつけがましいところや大げさなところがなく、ちょうどいい具合だった。女神ミネルヴァが自転車乗って現れたり、求婚者たちが弓を射る場面では影を使ったりして、チョコチョコと笑わせてくれるのもよい。
それと王宮に居座る求婚者たちが完全にセクハラモードになっているのが面白かった。妻のペネローペをニヤニヤ笑いしながら卑猥な目つきでジロジロ見たり、ペタペタ触ったりもう
キ モ い っ
の一言である。

ペネーロペ役の湯川亜也子は長丁場を堂々と見事に歌い切りました ミネルヴァのクリスティーナ・ファネッリという人は初来日らしいが、若々しくて元気さを振りまく。北とぴあ常連のフルヴィオ・ベッティーニは完全にコメディ・リリーフで大いに笑わせた。
忘れてならないのは、セクハラ求婚者軍団のリーダー格を演じた小笠原美敬。キモい上に厚かましい、もうイヤ~~っ(>O<)と叫びたくなるほどの悪役振りだった。お疲れ様でした

それにしてもモンテヴェルディのオペラ他二作比べて、なんだかやたらと長さを感じさせる作りなのはどういうことか。特に第一幕が長い。最初の方で男女がイチャイチャと愛の歌を歌い交わすのが、良く呑み込めなくて、長い歌の終わりにようやくペネーロペの侍女とその恋人だと判明するのはどうなのよ。

上演が少ないのも分かるような気が……。過去には二期会が短縮版をやったらしい。今回はあえて完全版上演にこだわったとのこと。
何せ休憩2回入って4時間15分ぐらい。隣にいた夫婦は、終演予定時刻を見て第3幕見ないで帰ってしまった。

唯一の難は会場の北とぴあが完全に多目的ホール仕様で残響が少ないので、古楽向けではないこと。ムムム、無念である(T^T)
がしかし、これもすべて北区民の皆様のありがたーい税金によるものであります。文句など付けられないのである。
もう、マジに北区に足を向けて寝ていませんっ

次回はヘンデル「リナルド」とのこと。誰が演出やるかなあ。北区民の皆さん、またよろしゅうお願いしま~す(@^^)/~~~
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