古楽

2017年7月22日 (土)

「ネーデルランドのリュート音楽」:踊る国歌

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演奏:佐藤豊彦、櫻田亨、櫻田美紀
会場:近江楽堂
2017年6月14日

佐藤豊彦が弟子と娘と共にCDを出し、同じタイトルのコンサートを行った。
リュートだけのアンサンブルで、彼はアルトリュート、櫻田氏はバスリュート、佐藤美紀は珍しくもトレブルリュートを主に担当した。
トレブルはマンドリンと同じくらいの大きさで、これより小さくなると一つの弦を指で押さえることが出来なくなってしまうらしい。

ネーデルランドったらオランダと思ってしまいがちだが、ベルギー、さらにはフランスの一部も指していたとのこと。
演奏されたのはほとんどが知らない作曲家だが、中にはスウェーリンクやダウランドの曲もあった。1600年前後、アムステルダムやユトレヒトなど主要都市で出版されたリュート音楽の曲集によるものである。
中には「オレンジ公のアルマンド」つまり現在のオランダ国歌なんてのもあった。
それらが、曲によって3重奏から独奏まで、またある時は楽器も変えて様々な組合せで演奏された。

ガンバの合奏とは違って、リュートだけだとなんとなく牧歌的というか素朴な響きになってしまうのが面白い。
また曲間には豊彦氏の、結構長いオランダうんちく話が入った。鎖国時代もオランダとは貿易が続き、外国語と言えばオランダ語なので、ペリーの黒船が来た時も英語ではなくて、船内にいたオランダ語を喋れる者を介してコミュニケーションを行ったとかsign03 また一つ賢くなりました(^^♪

なかなか滅多に聞けない内容のコンサートだったが、客が少ないのが残念無念であったよ。


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2017年7月 9日 (日)

コンチェルト・イタリアーノ来日公演

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*「聖母マリアの夕べの祈り」
会場:神奈川県立音楽堂
2017年6月3日

リナルド・アレッサンドリーニ率いるコンチェルト・イタリアーノがモンテヴェルディ生誕450年ということで来日した。誠にメデタイことである。
こういう記念イヤーでもないと、有名な古楽団体でもなかなか来日してくれないものだ。

一方で、モンテヴェルディはあまり好きな作曲家ではない--と書くと、不快に思う人もいるだろうが、こればっかりは相性の問題だからどうしようもない。
音楽史的に重要な作曲家であることは重々承知しているが、聞いてみてもどうにも「優れている」とは思っても「好きheart01」という心境にはなれないのが事実である。
この「聖母マリアの晩課」も美しく、よく出来ていて完成度が高いが、それが高過ぎてどうも親しみにくいという印象だ。とはいえ、コンチェルト・イタリアーノが来るなら聞きに行かずばいられないだろう。

ということで、横浜まで足を運んだ。三鷹でも公演があったが、平日だと行きにくいので土曜の横浜公演を選んだのだ。
とはいえ、残響が少な過ぎるこの県立音楽堂はあまり古楽向きではないので(おまけに座席が超狭い)、できれば他の所で聞きたかった。
もっとも、逆に残響あり過ぎる東京カテドラル聖マリア大聖堂みたいな会場もいただけない。何事もほどほどがよろしいのよ(^^♪

さて、舞台に上ってきたメンバーの数がかなり少ないのに驚いた。過去に数回この曲の生演奏を聞いたことがあるが、これまでで一番小規模である。器楽13人、歌手10人。ヴァイオリンなんか二人しかいない。
だが、音は立体感にあふれてまるで音の建築のようだった。しかも自在に形を変化させる。さらに、比較的前の方の座席だったので、ダイレクトに生々しくこちらを直撃した。後ろの方の座席だとどう聞こえたかは不明だが。

その起伏ある音作りが、この曲を生き生きとよみがえらせているようだった。ソプラノ2人は最初、いまひとつ調子が出ていなかったようだったが、テノールの片方の朗々とした歌唱が場を牽引した印象がある。

どの曲も「あれっ?こんな曲だったっけ」と感じてしまうような新鮮さあり。
特に後半の11番「聖なるマリアよ、私たちのために祈ってください」はソプラノと器楽が交互に歌い交わす曲で、いつも「完璧に構成されたキレイな曲だなー」という感想で終わっていたが、この日の演奏ではなんだか踊り出したくなるようなリズムを持つ曲になっていたんで驚いた(!o!)

その後、ラストのマニフィカトでさらに華麗に盛り上がり、最後の最後にはコルネットとそしてトロンボーンの強力な音が奔流のように座席の間を駆け抜けて会場を満たしたのであった。正にこの時私は感動したっ。
そして、感動のあまり「モンテヴェルディ先生、正直言ってすまんかった。今まで誤解していた」と土下座体勢でm(__)m謝りたくなったのである。

歌手の何人かはLFJやバロックオペラの上演で過去に来日してた人もいたようだ。声楽のアンサンブルは文句なし。ただ、エコーの部分は、舞台の端で後ろ向いて歌うという方法はあまりいただけないと思った。会場の関係なのか? 三鷹ではどうだったのだろうか。
管楽器の演奏もまた素晴らしいものだったが、コルネットが一人来日中止になったらしく、代わりに上野訓子が入っていた。
面白かったのはテオルボの二人。真ん中で指揮するアレッサンドリーニのよりも前面、左右に配置されて半ば向かい合うように座っていた。それが、休憩明けの9番「天よ、聴いてください」では半円状に並ぶ歌手たちの両端に座って完全に歌手の方に向かって弾き、客席には背中を見せていたのだった。

久方ぶりに古楽魂を色々刺激されたコンサートだった。横浜まで行ってヨカッタ(*^^)v
フォーチュンクッキーを買って帰ったですよ。
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*イタリアバロックMazzo di Madrigale(世俗歌曲の花束)
会場:ヤマハホール
2017年6月8日

「コンチェルト・イタリアーノ・スペシャル・アンサンブル」と銘打たれて、アレッサンドリーニ御大がチェンバロで、さらにテオルボ2人、ソプラノ2人の残留組によるコンサートがあった。
モンテヴェルディの世俗歌曲を歌うものでどうせだったら、他の男声歌手も残ってくれたらよかったのに~……というのは我儘過ぎかね。

曲目はソプラノのデュオ、ソロのそれぞれ定番有名曲だった。「苦しみが甘美なものなら」もしっかりありましたよnotes 歌手の声質のせいもあるだろうが、ラ・ヴェネシアーナあたりの官能や濃厚さとは異なり、かなりアッサリめな印象だった。
それにも関わらず、私の後ろに座っていた中年夫婦は前半で落ち着きなくガサガサ雑音を出していた揚句、休憩時間になると「なんかよく分からないや」と帰ってしまったのであるsign03 イタリアオペラの名曲選みたいのを期待していたのだろうか(?_?)

予期せず良かったのは、テオルボ二重奏によるカプスベルガーだった。流れる水のように美しく、ミニマリズムにも通ずるものがあった。今度、録音を探してみよう。

ヤマハホールでは今回が初めての古楽コンサートとのことである。ビルの上階にあり、あまり横幅はなく、天井が高く段差をかなり取っている。音響も悪くなく、室内楽あたりにはちょうどよさそう。ただ、エレベーター乗るのに行列したり、さらにホールの入り口にたどり着くまで階段昇ったりと、客にはあまり優しくないようだ。
今後の公演ラインナップを見たが、古楽は入ってないようで……(+_+)


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2017年7月 2日 (日)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 7月版

早くも一年が半分経過(ーー;)

*7日(金)タブラトゥーラたなばたライブ:ハクジュホール
*9日(日)太田光子&平井み帆デュオ第30回記念コンサート前夜祭:近江楽堂
*17日(月)海に語る愛~中世ガリシアとポルトガルのファド(藤沢エリカほか):ミューザ川崎音楽工房
この日はBCJ定期もあり、コンサートラッシュの日ですかね。
*20日(木)真夏の夜のパーセルの夢(高橋美千子ほか):日本福音ルーテル東京教会*26日(水)愛と情熱のスカルラッティ(gmt):近江楽堂
*30日(日)ヴェルサイユのグラン・モテ(コントラポント&フォンス・フローリス):渋谷区文化総合センター大和田

これ以外にはサイドバーの「古楽系コンサート情報」もご覧ください。

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2017年6月24日 (土)

「Ut/Faコンサート」:リコーダーは汗と涙と鼻○か

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演奏:宇治川朝政&福間彩
会場:近江楽堂
2017年5月30日

リコーダー宇治川・チェンバロ福間の二人だけのユニット「Ut/Fa」、ウトファと読むらしい。
テレマンの記念イヤーということで、てっきりテレマン関係かと思ったらさにあらず、フランスとイタリアの作曲家を取り上げた公演だった。

宇治川氏は5本ものリコーダーを並べてとっかえひっかえ吹いていた。フィリドール、デュパール、オトテールというフランス勢は牧歌的だったり優雅な響きだったりするが、後半のマンチーニ、バルサンティなどは溌剌としてさわやかな印象。それぞれに楽しめた。
また、福間女史のラモーも夢見るような「優しい嘆き」と技巧的な「一つ目巨人たち」、対照的な組合せでよかった。

5本のリコーダーの中には製作してもらってから初めてコンサートで吹くというものもあり、宇治川氏は極めて嬉しそうfullだった。
そんな中でのハプニンク発生! マンチーニのソナタを演奏中になんと彼が興奮し過ぎて鼻血を出してしまうという事案が起こったのであるdanger
別に客がダラダラ流れるのを目撃という訳でなく、彼が自己申告して曲を中断して楽屋に一旦引っ込んだのだった。
その後は何事もなく進行したが、それにしてもあの「涙のオーボエ事件」を髣髴とさせる出来事だった。

コンサート中に鼻血なんて初めて(!o!)と言いたいところだが、実は過去にも遭遇したことがある。かなり以前に、タブラトゥーラが若手の津軽三味線奏者と共演した時のことである。(もちろん流したのはオヤジたちではなく、若手の方)

それからもう一つ問題事案、吹いたリコーダーに付いた汗をシャツの裾で拭くのは止めて欲しい(`´メ) タオルかなんか楽譜台に引っかけておいては? 或いはタオルを首にかけた作業スタイルで演奏するか、それよりも衣装をタオル地で拭きやすいように裾を長くダラーンとしたヤツにするとか……spa
とにかく何とかして欲しい。

なお、次回はガンバのチータム氏notesを含む5人のアンサンブルでフランスもの。そして10月はテレマン没後250年記念、来ましたね。テレマンファンは参集よ。


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2017年6月10日 (土)

「ダンツァ!」:スペインの幻像

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演奏:ル・ポエム・アルモニーク
会場:王子ホール
2017年5月23日

王子ホールでは何回かチケット争奪戦に敗退したことがある。確かル・ポエム・アルモニークも以前取れなかったような記憶が……。
ということで、頑張って真ん中寄りの席をゲットしたですよ(*^^)v 成せば成る。

テーマはフランスの宮廷でブームとなったスペイン趣味。スペイン人作曲家が人気を博せば、フランス人も負けじと真似て作曲。その数々は哀愁を帯びた世俗歌曲、というよりは「小唄」に近い俗っぽさを持っている。
それをクレール・ルフィリアートルが歌い、その合間に古楽界が誇るエエ男ヴァンサン・デュメストル他、計5人の奏者が器楽曲を演奏する。

……ん?なんかこれは前にも聞いたような(?_?) と思ったら、なんと前回来日時の所沢公演が同じ趣旨のプログラムだったのだdanger 曲目は若干異なるようだが。
その時のタイトルは「パリの街角、恋の歌」であった。王子ホールでは「ルソン・ド・テネブル」をやったのだ。
すっかり忘れてました(^^ゞ

それも併せて考えると、今回公演の「ダンツァ!」というタイトルはちょっと外しているという印象。踊りだしたくなるような曲は少ない。あくまでも宮廷で流行ったスペイン趣味の曲なのである。

ヴァイオリンは前回とは違う人だが、やはり若い女性で、卑俗と悲哀の境界ギリギリのところを渡っていくような演奏だった。本場には才能ある人が大勢いるんですなあ。

ということで、また次回の来日をお待ちしておりま~す(^o^)/~ いつかバロックオペラの上演見たいな。無理だろうけど。

こちらのブログにデュメストル氏の息子さんの写真が(!o!) イケメンの遺伝子……fuji


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2017年6月 5日 (月)

バッハ・コレギウム・ジャパン第123回定期演奏会

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教会カンタータ全曲シリーズ72 ルタ500ープロジェクト4
会場:東京オペラシティ コンサートホール
2017年5月21日

バッハ名曲選みたいなプログラムであった。
冒頭のオルガン独奏はコラールを元にした3曲。うち2曲は後に登場するカンタータにも使われている。

本編前半は先輩パッヘルベルのカンタータと、同一コラールを使用したバッハのカンタータ(BWV100)との聞き比べだった。どちらも歌詞を忠実に全節使用している。
パッヘルベルの曲は聞き覚えあるなと思ったら、この二人の作品を聴き比べするという趣旨でバッハ・プレイヤーズが出した二枚組CDの中に入っていたのだった。
ただ、この録音で比較されているのはBWV99の方である。

パッヘルベル曲の方は歌手はソリストだけで、器楽も小編成で演奏された。というと地味なイメージだが、楽章ごとに色々と変化があり、退屈ではない。
一方BWV100はホルンやティンパニも入って華やかで祝祭風。全く同じコラールの歌詞使ってこれほどに違うんかいsign03と驚いてしまう。(99番の方は歌詞が途中から変えられているし、派手さはない曲調だった)

後半は180番&140番と名曲の畳み掛けである。
前者、2番目のテノール・アリアでのやたらと難しそうなフルートは常連の菅・前田女史のいずれでもなく鶴田洋子という人が吹いた。とはいえ、この曲の主役はやはりソプラノか。歌ったジョアン・ランは黒いお衣装もよくお似合いで、美声を聞かせたのである。

140番ではソプラノ&バスのアリアが二度登場して、やはりランたんとシュテファン・フォック(初登場だっけ?)の二人が主人公という感じだった。
「魂」とイエスの結婚というテーマに合わせ、最初は指揮するマサアキ氏を挟んで離れて歌うが、二度目は仲良く並んで歌うのである。フォック氏は安定感ある歌声でランたとのコンビネーションもピッタリであったよ。

コンマスは寺神戸亮と若松夏美の双頭体制で、曲によって交替して担当していた。180番のチェロ・ピッコロの部分を寺神戸氏がヴィオロンチェロ・ダ・スパラで演奏。スパ(ッ)ラ見た&聞いたのは久し振りだった。

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2017年6月 1日 (木)

聞かずに死ねるか:マイナー・コンサート編 6月版

まさにモンテヴェルディ公演ラッシュともいうべき今日この頃、テレマン先生没後250年もお忘れなく~fuji

*3日(土)聖母マリアの夕べの祈り(コンチェルト・イタリアーノ):神奈川県立音楽堂
*7日(水)クラウディオ・モンテヴェルディの肖像(ラ・ヴォーチェ・オルフィカ&アントネッロ):東京カテドラル聖マリア大聖堂
*8日(木):コンチェルト・イタリアーノ スペシャル・アンサンブル:ヤマハホール
*11日(日)伝ライハルト・カイザー「マルコ受難曲」(鈴木美登里、コーヒーカップ・コンソートほか):保谷こもれびホール
*11日(日)~18日(日)調布国際音楽祭
*14日(水)ネーデルランドのリュート音楽(佐藤豊彦ほか):近江楽堂
*28日(水)聖母マリアの夕べの祈り(ラ・フォンテヴェルデ&アントネッロ):東京カテドラル聖マリア大聖堂

NHK-BSでは1日より古楽ウィークか(?)。FMの「ベスト・オブ・クラシック」が12日からやはり古楽特集ぽいです。

これ以外には「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧くだせえ。

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2017年5月27日 (土)

「フランソワ・クープラン 趣味の融合への道筋」:頭からシッポまで

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演奏:天野寿彦ほか
会場:近江楽堂
2017年5月8日

クープランのイタリア趣味のソナタを中心にしたプログラム。ヴァイオリン天野寿彦&堀内由紀、チェンバロ水永牧子にガンバは平尾雅子、福澤宏という布陣である。

平尾女史が最初一曲弾いたがその後引っ込んでしまい、代わりに福澤氏が登場したので、どうなったのかsign02と思ってたら、また数曲後に交代。ラストの2曲を二人で共演した。
「スタインケルク」「スルタン」など有名曲に加え「趣味の融合」の中からも演奏。頭からシッポまでクープランの世界がタイ焼きのあんこの如くぎっしりと詰まっているコンサートだった。

ガンバという楽器が残る限り、クープランの曲もまた愛され弾かれ続けるのであろう--と納得するようなこの作曲家の魅力を全開にした内容であった。

末永女史、花粉病? 開演前に会場の外を公演衣装でマスクして歩いているのをお見かけした。演奏中はマスクするわけいかないから大変ですな。
いっそ演奏者全員がマスクしたら(^o^)b……不気味かsweat01


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2017年5月20日 (土)

ラ・フォル・ジュルネ・オ・ジャポン 2017

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会場:東京国際フォーラム
2017年5月4日~6日

今年のLFJのテーマは「ラ・ダンス 舞曲の祭典」ということで、古楽系の公演も多いのではないかと期待したが、あっさりと裏切られた。
ガイジン勢が2組、国内組が鈴木秀美と中野振一郎だけというお寒い状況だった。これでは、もうテーマの如何に関わらずLFJには期待できないなと思ってしまった。

★「ファンダンゴ・バロック」(No.333)
演奏:テンベンベ
会場:ホールB5
5月6日

メキシコのバロック&民族音楽を演奏するグループで、器楽演奏者4人と女性歌手1人という編成である。もっとも、バロック・ギターを弾いていた輝かしいflair頭の人以外は歌も担当していたもよう。

「ラテン・バロック炸裂impact」というような形容詞は、まこと彼らにこそふさわしい。
スペインの宮廷音楽家だったムルシアの作品やコレッリのラ・フォリアと、メキシコの民謡を全く違和感なくつなげて演奏してしまうのだ。実際、バロック曲が海を渡って当地の音楽に影響を与えたらしい。

そのパフォーマンスは躍動的で力強い。最後の曲では向かい合った男女の求愛ダンスと歌が始まったかと思うと、男性の方が這いつくばってイグアナダンスを踊るのだった。これは会場でウケていた。
さらにアンコールでは、女性歌手が客席にいた若いメキシコ人(?)の関係者を引っ張ってきて、ステージで踊ったりもした。

楽器も珍しいものが登場。リーダーのレオナルド氏が座っている巨大な木箱みたいな楽器の側面には、薄い鉄琴みたいなのが付いていて、これを叩いて演奏する。
また、動物の顎の骨を使ってるらしいリズム楽器やちっこいモスキート・ヴァイオリンなどもあった。

やはりラテン物はご当地の人にかないませんと、ヒシと感じた。もし、再度来日することがあればぜひタブトゥーラとガチンコ対決共演してほしい。もちろん、イグアナダンスに対抗する踊りも用意して、だ(^o^)丿


★「大衆音楽から宮廷音楽へ:パッサカリア、シャコンヌ、フォリア、ミュゼット、タンブラン」
演奏:フィリップ・ピエルロ&リチェルカール・コンソート
会場:ホールB5
5月6日

テンベンベと同じ会場、次の公演は常連のリチェルカール・コンソートだった。
メンバーは4人でピエルロ(ガンバ)以外はR・ツィッペルリング(ガンバ、「ツィパーリング」じゃないの?)、E・エグエス(テオルボ、「エグウス」じゃないの?)、F・ゲリエ(チェンバロ)という顔ぶれだった。

曲目はテンベンベでも登場したムルシア、オルティス、サント・コロンブ、そしてマレとラモーが二曲ずつだったが、その中に様々な舞曲が登場する。
聞きごたえがあったのは、ガンバ・デュオによるサント・コロンブ、そしてマレの「スペインのフォリア」。後者はピエルロの熱演で場内を圧倒した。

同じプログラムの4日の公演はNHK-FMで生中継されたので、聞いた人も多いと思うが、実際に目の前で見、耳の前で聴いてみると、今回のプログラムはピエルロのワンマンバンド、ならぬワンマングループ的な性格が強いものだった。ちと驚いたです(^^ゞ

ゲリエなんかあまり活躍するところが少なくて、勿体ないと思えてしまった。ゲリエ個人のファンもいるだろうから、夜遅くの時間帯でもいいので独演会やって欲しかったな~。

拍手は鳴りやまず、ただでさえ時間オーバーだったが、短いアンコール(フォリアの最終部分)もやってくれたですよshine
曲順がプログラムの記述と変わっていたのに、ハッキリとした案内がなかったのは不親切。一言アナウンスしてくれればいいのに(掲示してあったらしいが分かりにくい場所)。

5日は別プログラムで、さらに奏者が2人増えて、ピエルロはトレブル・ガンバを弾いたらしい。こちらも聞きたかったが、チケット獲得に出遅れて無念であった(;_:)


テンベンベの後に少し時間があったので、無料のエリアコンサートというのに行ってみた。弥勒忠史と佐藤亜紀子による初期バロックの歌曲集である。
同じ時間帯に地下のホールで「栄華のバロックダンス」というのもやっていたのだが、使用楽器がピアノになってるので敬遠した。
プログラムには場所が「新東京ビル」になっているが、当日に国際ビルに変更された。サイトでは修正されてなくて、私は弥勒氏のツイッターで知った。

ビルの一階は高級ショップが並んで入っているような場所で(ほとんど休店日だったもよう)弥勒氏の高音のみが天井にガンガンと反響し、リュートはよく聞こえない状態だった。おまけにロープが張られた正面のみだけしか立てず、横から見ることは許されないので、チビの私はほとんど何も見えないのである。
加えて、背後の自動ドアから人が出入りする度に湿気のある熱風が吹いてくるので(リュートの調弦は大変だったろう)早々に退散した。
やはりタダほど高いものはない、とはよく言ったものよ。


そのうち中止になるのではないかという噂もあるLFJだが、来年は「エグザイル」(亡命)というテーマで無事開催するとのこと。
亡命というか放浪というか、あちこち渡り歩いた音楽家も含むらしいので、ヘンデル先生はピッタリと適合かpass あとダウランドなんかも? バッハがないことは確かだろう。
まあ、期待しないでおく方が精神衛生上よろしいようである。


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2017年5月13日 (土)

「大塚直哉チェンバロリサイタル」:文化の曙光

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ミュージックラボはじめてのチェンバロ むかしの楽器と音楽を楽しむ
会場:ウェスタ川越 リハーサル室
2017年5月3日

これは、NHK-FMの「古楽の楽しみ」でもお馴染み大塚直哉が各地で精力的に行っている、チェンバロ普及活動(多分)の一つのようである。この日の会場は文化果つる地、埼玉は川越であった。

コンサート自体は2時半からなのだが、その前に「チェンバロ解体新書」というレクチャーを45分間やり、コンサート後には「チェンバロを弾いてみよう」という初心者向け公開レッスンを行なったのであるsign01(コンサートのチケットで前後とも聞ける) さらにコンサート直後にはサイン会までやっていたsign03
休憩時間があるとはいえ、午後1時から6時までご苦労さんですm(__)m

私はレクチャーはパスしてコンサートから参加である。
冒頭、カベソンとバードをヴァージナルで演奏した。ヴァージナルって形は小さくともかなり大きな音が出るんですな。
そのまま前半はヨーロッパ諸国巡りといった感じで、各国の作曲家の作品が続いた。前半のシメはヘンデル。一番良かったのはやはり華麗なるクープラン。ウットリと聞いてしまったですよshine

後半は「バッハ家の音楽帖から」ということで小曲をいくつか。そしてイタリア協奏曲へ。
曲ごとに大塚氏は丁寧に客席へ解説をしていた。なんとあまり大きくない会場とはいえほぼ満員だった(!o!) 会場は確かにリハーサル室というそっけない作りだっだが、残響がかなりあり、話す声の方が聞き取りにくいくらいだった。

私は公開レッスンというのを見たことがないので、その後も残ることにした。客は関係者以外はほとんど帰ってしまったようだ。
チラシには定員8名とあったが最終的には受講者は10名であった。年齢順らしく小学生の女の子から開始した。後の方ではピアノを学んでいるらしい学生人や、さらには中年の方も登場した。

ほぼ全員チェンバロは初めてにようで、やはりピアノ譜を使っていくらピアノで練習してきても、いきなりチェンバロに向かうとかなり混乱してしまうようだ。途中で止まっちゃう生徒さんは結構いたし、そもそも鍵盤の位置がよく分からないらしい子もいた。
それと、なぜ難しい曲を選んだ(?_?)と思ってしまう人も。

大塚先生は弾く横で歌を歌いつつなどして熱心に指導。さらには楽譜からオリジナルの楽譜を持ってきて見せたり。もう熱意に頭が下がっちゃうんであります。
また、「バッハは隙間恐怖症」(スキあらば音符を詰め込まないではいられない)とか(うかつにバッハを弾くと)「曲にはじき飛ばされてしまう」などという至言(?)も聞くことができた。

できれば、将来この受講者の中から文化果つる地の埼玉に輝くチェンバロの星fujiが出現することを切に願うぞ!(^^)!
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