古楽

2020年2月 1日 (土)

「朝吹園子 初ソロCD発売記念リサイタル」:日本発世界初

200201b 会場:近江楽堂
2020年1月5日

先日のリクレアツィオン・ダルカディア公演ではヴィオラを弾いていた朝吹園子、今日はヴァイオリンを携えて登場した。普段はスイスのバーゼルで活動しているとのこと。
初期バロック用の弓を使って演奏するはヴィヴィアーニ……初めて聞きました。17世紀後半に活躍したこの作曲家、フィレンツェ生まれだがインスブルックの宮廷にヴァイオリン奏者として仕え、のちに宮廷学長になったという。

この日演奏されたのは、CD発売に先駆けて「教会と室内のためのカプリッチョ・アルモニコ 作品4」から。日本人で録音したのは初めてらしいし、さらに彼の作品だけの公演は世界初になるとのこと(!o!)。

ヴィヴァルディの生まれた年に出版されたこの曲集、イタリア風とオーストリア味が交錯するものだった。また同時にコレッリ以前と以後の弦楽アンサンブル曲の変容をなんとなく考えたりもした。
朝吹氏は豪胆さと繊細さの双方を駆使してそれを弾きまくっていた。西山まりえ&懸田貴嗣もグッドアシスト✨である。
昼夜2回公演のうち夜の方に行ったが、客は同業者が多くいたもよう。

後で昔聞いたCDの棚を掘り起こしたら、E・ガッティ&アンサンブル・アウローラが1990年に出した「L’ARTE DEL VIOLINO VOL.1」にヴィヴィアーニの作品が2曲入っていた。すっかり忘れてました(^^ゞ
200201c

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「フランチェスコ・ドゥランテ ナポリ、対位法の魔術師」:ナポリ愛が止まらない

200201a 演奏:アンサンブル・リクレアツィオン・ダルカディア
会場:近江楽堂
2020年1月5日

今年の聞き初めはこのコンサートでした~🎵

フランチェスコ・ドゥランテとは聞きなじみのない名前の作曲家であるが、ナポリで生涯を過ごし18世紀前半から中頃に活躍した人物で、音楽院の学長を歴任したという。そのコンチェルト集から7曲が演奏された。

私が以前聞きに行ってた頃は4人だったが、この日はヴィオラで朝吹園子が参加していた。
後期バロック成分が純度100な世界を迫力ある演奏で繰り広げた。

渡邊孝は熱を込めてこの作曲家や当時のナポリの音楽シーンについての話をはさんだ。その「話し出したら止まらない力(りょく)」を思う存分に発揮したため、後方の女性陣が「まだ続くの」と若干引いてしまう場面もあり。
プログラムの解説文も読みごたえたっぷりのものだった。

最後の第2番はある意味、アクの強さを感じるほどに印象的な作品。どこかで聞いたなーと思ったら、R・アレッサンドリーニがしばらく前に出した『1700』にこの曲だけ入っていた。今回の演奏はさらにメリハリの効いて引き締まったものだった。


この日もまた開場前にコンサートホールの客が数人間違えて並んでいた。でも、後でポスター見るとその人たちは向こうの開場時間(開演じゃないよ)よりもさらに30分早く来ていたのだった。早すぎだいっ(◎_◎;)

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2020年1月31日 (金)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 2月版

あっという間に正月も過ぎていきました。

*2日(日)大塚直哉レクチャー・コンサート:彩の国さいたま芸術劇場音楽ホール
*10日(月)ディドンの死 艶やかなフランス音楽の世界(野々下由香里ほか):近江楽堂
*  〃   バッハ ケーテン候のための葬送音楽(大塚直哉ほか):浜離宮朝日ホール
*14日(金)ヴァレンタインの日にヴァレンタインのソナタ(木村睦幸ほか):近江楽堂
*16日(日)祈りのモテット(バッハ・コレギウム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール
*  〃   アンドレア・マルコン オルガン・リサイタル:東京藝術大学奏楽堂
*24日(月)夕べの賛歌 リュートと一体化する17世紀歌唱の妙技(加藤加代子&櫻田亨):近江楽堂
*28日(金)リコーダーで奏でるナポリと南イタリアの原風景(桐畑奈央ほか):近江楽堂
*29日(土)時はたちどまり パルドンレーベル30周年記念コンサート(つのだたかしほか):ハクジュホール
*  〃  &3月1日(日)ヘンデル シッラ:神奈川県立音楽堂

21日にNHK-FM「オペラ・ファンタスティカ」で藤原歌劇団のスカルラッティ「貞節の勝利」やります。
また、14日の「ベスト・オブ・クラシック」ではオリーブ・コンソートが!必聴。
これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

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2020年1月28日 (火)

「鈴木秀美チェロ・ピッコロリサイタル」:旋律弾いてもスゴイんです

200128 会場:近江楽堂
2019年12月27日

鈴木秀美が全編チェロ・ピッコロのコンサートをやるというので、こりゃ珍しい⚡聞きにいかずばなるまいと、暮れも押し迫ったころの近江楽堂に行った。人もまばらなオペラシティだったが(地下の居酒屋だけは忘年会で人がいっぱいだった)、さすがに満員御礼だったようだ。同じ業界の人もかなり来ていたもよう。
共演の鍵盤は上尾直毅で、小さな会場にチェンバロに加えフォルテピアノまで並べてあった。

ヒデミ氏のチェロ・ピッコロはビルスマから譲られた楽器とのこと。リラックスした様子でピッコロ話と演奏をした。チェリストにはバッハの無伴奏チェロ曲でしか使われないこの楽器、謎が多い。
近江楽堂は静まり返り聴衆の集中度は非常に高かった。

前半はヘンデルのそれぞれガンバ、フルートのソナタから1曲ずつとテレマンのチェロ・ソナタより。
休憩をはさんで、独奏でバッハの無伴奏フルートのためのパルティータ。普段は一小節に音符が3つぐらいしかないのを弾いているので12個もあるとビックリ❗と笑いを取っていた。

その後はフォルテピアノと共にC・P・E・バッハのヴァイオリン・ソナタから。近江楽堂でフォルテピアノを聞いたのは初めてだと思うが、普通のホールで聞くのとはかなり違う響きが感じられた。
むむむ(*_*;何と言ったらいいのか、チェンバロでもなくピアノでもない不思議な音である。

アンコールはシューベルトのアルペジオーネ・ソナタだった。
終演後はミドリ氏が楽譜を片付ける姿を目撃するなど。

それにしても何故バッハは無伴奏チェロで一曲だけ特別な楽器を指定したのかねえ(?_?)

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2020年1月24日 (金)

「オリーブ・コンソート」:巨匠が来りて超絶笛を吹く

Photo_20200124205701 会場:東京文化会館
2019年12月15日

ケース・ブッケ、W・ファンハウヴェの超ベテラン組と田中せい子&D・ブラジェッティによるリコーダー・カルテットである。
「ヘンリー8世の手写本」、フェスタ「ラ・スパーニャによる125のコントラプンティ」、「ロイヤル手写本」という3種のルネサンス曲集からの曲を演奏し、その間にブッケ、ファンハウヴェがそれぞれベリオの「ジェスティ」を独演するという興味深い構成だった。

曲集の方はポリフォニー豊かで巧みなアンサンブルが楽しめた。特にフェスタの12曲が心地よい。

ベリオの曲はリコーダーやっている人には有名なのだろうか。田中せい子によると「特殊奏法は非常に難度が高いため、練習半ばで挫折する奏者の方が多い」そうな。ヒエ~ッ💥
実際にベテラン二人の演奏をそれぞれ聞いてみると、確かに超絶技巧に口アングリ状態だった。ただ、シロートとしてはうめき声とか鼻息などはどういう風に楽譜に書いてあるのかしらん、なんてことを考えたりして。

休憩無し約80分でアンコール2曲。大変に密度が高く、聞きがいのあったコンサートだった。終演後はサイン会に長蛇の列が出来ていた。
収録があって、そのうちNHK-FMで放送される予定らしい。「ベスト・オブ・クラシック」枠だと多分時間が余りそうだ。

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2020年1月13日 (月)

遅まきながら2019年を振り返る

200113a 今更ながらではあるが、一応やりました。
それにしても最近ますます記事を書くのに時間がかかってしまい(気力の問題)どうしようという感じですね。

【映画】
順序はなんとなく。完成度より好みで選んでおります。

『未来を乗り換えた男』
『あなたはまだ帰ってこない』
この二作、それぞれ裏表を成している。こういう構造の映画がつくづく好きなんだなあと自分で再認識した。
もし、今年の一作を選ぶとしたら『未来~』だろうけどそういうのに限ってロードショーをスルーしてしまい、DVDで見る羽目に……トホホ(=_=)

『ちいさな独裁者』
ほぼ全員悪人! 日本で同じような内容のものを作ったら「反日」とか「非国民」と言われるのは必至であろう。

『たちあがる女』
とにかく発想がすごい。力強いラストにも感動。

『誰もがそれを知っている』
スター俳優夫婦を迎えて甘口に、と見せかけてイヤ~ン味が5割増しになっていた。

『荒野にて』
俳優陣がみな味がある。最後に登場する人物が平凡な「普通の人」っぽいのがよかった。ハリウッド映画だとあそこにピカピカした外見の人を当ててしまうだろう。

『エンテベ空港の7日間』
『バハールの涙』
*『2人のローマ教皇』
*『家族を想うとき』
この4本の中からどれを選んでもいいかなと。

以下2本ドキュメンタリー枠。
『主戦場』
*『人生、ただいま修行中』

「トイ・ストーリー4」と「エンドゲーム」は感動的ではあるものの微妙であった。
TVシリーズでも面白いものが続々と登場。ただ、あまりに長すぎると『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハウス・オブ・カード』みたいに終わりに近くなってガタガタになってしまうので難しい。

★部門賞
*監督賞:ロベルト・シュヴェンケ(『ちいさな独裁者』)
その根性が気に入った。
*男優賞:フランツ・ロゴフスキ(『未来を乗り換えた男』『希望の灯り』)
次点=マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』『TRUE DETECTIVE 猟奇犯罪捜査』)
*女優賞:メリッサ・マッカーシー(『ある女流作家の罪と罰』『パペット大捜査線』)
*ベストカップル賞:アンソニー・ホプキンス&ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)

*最優秀悪役賞:チョ・ウジン(『国家が破産する日』)
スクリーンに向かって物を投げたくなるほどの見事な悪役ぶり。
*最驚別人賞:ブノワ・マジメル(『あなたはまだ帰ってこない』)
事前に出演していると知らなければ、見ても分からなかった。
*最強恐怖症:『リンクル・イン・タイム』の巨大化したオプラ・ウィンフリー
そのままホワイトハウスに行って中の住人もろとも踏み潰して欲しかった。
 
*最凶邦題賞:『ビリーブ 未来への大逆転』
代案は「ルース・ベイダー・ギンズバーグここに登場 文句がある奴は六法全書かざしてかかって来やがれ」。2020年は既に『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に決定と言われている。
 
*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『永遠の門 ゴッホの見た未来』
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です!
いや別に詰まらないとかではなく、見てて目が回って気分が悪くなったもんで……👀

★映画関係のトホホな出来事
その1-以前見た映画(しかも気に入らなかった)なのに、すっかり忘れてリバイバル上映見に行ってしまった。10分ぐらい見てから気付いた。
その2-シネマカリテと新宿武蔵野館を間違えて行ってしまい、ネット予約したのにチケットが出ないとスタッフのおにーさんに迷惑をかけてしまった(_ _)スマヌ
てっきり自分はもうボケてしまったかと落ち込んだが、十年以上前にもシネスイッチとシャンテシネ間違えて行ったことがあったので、これは性格だと気を取り直した💡

 【コンサート部門】
コンサートの感想も書くのが遅れ、さらに書かずに終わったものがあった。
「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」
「ルベルとルクレール」
「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」
「佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団」
「ソフィオ・アルモニコが綴る 爛熟のイタリア」
「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」
「ヘンデル リナルド」(北とぴあ国際音楽祭2019)

★コンサート関係でオドロキ(!o!)な出来事
その1-風と共に楽譜が飛びぬ事件
その2-ヴァレア・サバドゥス譜面台ずり下がり事件


【録音部門】200113b
2019年に日本で流通したものから。新譜ばかりを聴いてるわけではないので、数が少ない。
*「パリ・アルバム 初期フランスのトリオ・ソナタ集」(ヨハネス・プラムゾーラー&アンサンブル・ディドロ)
プラムゾーラー、少し前に来日したんだよね。他のコンサートとかぶって行けなかったのだが……行けばよかった💧
*ブクステフーデ、テレマン、バッハ「新たに生まれし嬰児 クリスマス・カンタータ集」(シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド)

*"HERE IF YOU LISTEN"(デビッド・クロスビー)
*「JONI75~ジョニ・ミッチェル・バースデイ・セレブレーション」

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2020年1月 9日 (木)

ヘンデル「リナルド」:こいつばかりがなぜモテる?

200109a 北とぴあ国際音楽祭2019
演出:佐藤美晴
演奏:寺神戸亮&ラ・ボレアード
会場:北とぴあ
2019年11月29日・12月1日

『リナルド』というと、何年か前にNHK-BSで放映されたのを見たことがある。R・カーセン演出でグラインドボーン音楽祭で上演されたものだ。その時は登場人物がハリー・ポッターみたいな制服を着ているファンタジー学園ものを模していた。確か『ET』みたいに自転車が飛んだのを記憶している。

今回は舞台上に演奏者がいるセミステージ形式とは言え、背後に巨大な割れた鏡が置かれていて、全体にも鏡(=魔法か)のモチーフが頻繁に使用されていた。

主役はBCJでもお馴染みCTのクリント・ファン・デア・リンデで、衣装やカツラで純朴青年風のイメージとなっている。ヒロインのアルミレーナ扮するフランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリは小柄でカワイイ感じ。
純粋無垢な二人に立ちはだかるのが魔女アルミーダだが、派手な出で立ちで登場するのが去年は貞淑な妻を演じていた湯川亜也子だ。全く正反対の役だが身長があるので迫力ある魔女にもピッタリだった。相手役のフルヴィオ・ベッティーニはマフィアの首領みたいに登場して笑わせてくれた。二人合わせると、ギャングとその情婦にも見える。
全体には純朴な少年少女を、大人の(倦怠期?)男女がちょっかい出して邪魔をしておびやかすという図式っぽい。

私は二日目の方に行ったのだが、初日の後に「湯川亜也子よかった」というネットの書き込みが相次ぎ、実際見てみたら本当に歌も演技もなるほど納得の出来だった。
彼女のアリアでオーケストラの通奏低音の面々の顔を撫でて回る場面があって、日頃縁の下の力持ちでスポットライトを浴びることの少ない通底諸氏をニヤニヤと喜ばせたのである。

このように、オケが舞台に乗っているので曲自体にある歌手との掛け合いの部分も目に見えてよく分かった。トランペット隊が軍隊の役割を果たす演出も面白い。ただ、戦争の場面はあっさりし過ぎていたかな。
上尾直毅は昨年同様に奥に座っていたので、ヘンデルが当時弾いたであろう華麗なるチェンバロソロの時も「音はすれども姿は見えず」状態だったのは残念である💨

十字軍の司令官ゴッフレード役の布施奈緒子とその弟・中島俊晴の身長差は30センチぐらいか(^^? わざとデコボココンビにしてるのだろう。

このように、演奏・演出など全体に大満足できた公演だった。次回はリュリの『アルミード』が予定とのこと。しかもクレール・ルフィリアートルが出演予定なので今から大いに期待である。
県民だけど、北区民の皆様のありがたい税金で楽しませていただきまーす(@^^)/~~~

ネットで200109bラモーをやって欲しいという意見を見かけた。しかしラモーはこの音楽祭の最初の頃にもう5作やっちゃってるんだよね……。当時はまだ景気のいい頃だったので、バレエを大々的に導入して大がかりな美しい舞台だった。
クリストフ・ルセが指揮した年があって、自分のコンサートがその「裏番組」になってしまった某チェンバロ奏者が公然と罵ったという逸話あり(あくまでも噂ですよ(^^;)。
なお、今年の秋に神奈川県立音楽堂でBCJがやはり『リナルド』やるそうな。ええー❗そこまでのリナルド人気なぜ? まさかコンマスはこちらも寺神戸氏じゃないよね。
 

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2019年12月30日 (月)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 1月版

年末年始は意味もなくアセアセ(;^_^Aしています。

*5日(日)フランチェスコ・ドゥランテ ナポリ・対位法の魔術師(リクレアツィオン・ダルカディア):近江楽堂
*8日(水)鈴木雅明×若松夏美デュオ・リサイタル:紀尾井ホール
*10日(金)G.B.ヴィヴィアーニ 朝吹園子バロックヴァイオリンリサイタル:近江楽堂
*14日(火)チェンバロ競演 ヘンデルとスカルラッティ(中川岳):近江楽堂 ♪入場無料
*22日(水)深淵なるバロックの響き2 サクバットを中心に17世紀初期のウィーンの響きを(青木洋也ほか):日本福音ルーテル東京教会
*25日(土)ヘンデル ヨシュア(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン):浜離宮朝日ホール
*29日(水)上尾直毅チェンバロリサイタル ルイ・クープランの世界:近江楽堂

これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

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2019年12月18日 (水)

「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」:上野にあの大聖堂出現

191218 演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団
会場:東京文化会館小ホール
2019年11月11日

ガブリエーリ(ジョヴァンニ)とシュッツ、日本ではなかなかナマで聞ける機会は少ない作曲家である。
この二人、なんか関係があるの(^^?なんてシロートは思ってしまうが、若きシュッツはヴェネツィアに留学して晩年時のガブリエーリに学んだそうである。そして十数年後に再びヴェネツィアを訪れたシュッツは、大規模な合唱からオペラや小編成のものに流行が変わっていて驚いたそうだ。シュッツの作品自体も作曲年によって大きな変化が起こる。
なんて話が開演前に福島康晴から解説あって本番突入である。

総勢合唱が9人、器楽11人が曲によって頻繁に入れ替わる。特にコルネット×2、トロンボーン×4という布陣は豪華。往年のヴェネツィアの輝かしい響き、そしてその後に移り変わっていった変遷(シュッツが目の当たりにした)を二人の作品から聞かせてくれた。

コーラス総出の華やかな曲があれば、マドリガーレの影響を受け情念を前に押し出して表現したものもある。
そんな中で非常に印象が強かったのは、シュッツの「我が息子アブサロムよ」。珍しくも歌手がバス一人でトロンボーンは4人という編成に、亡くなった息子を悼む内容である。サウンド的にはかなり風変わりではあるが心に迫ってくるものがあった。

その他、様々な組み合わせで楽器と声の響きを楽しめた。例えば、ガブリエーリの「会衆の中で主をたたえよ」はコーラスの第2グループはほとんど「ハレルヤ」しか歌わない。さらに楽器のグループも別にあって、その掛け合いが見事で華やかだった。

ラストのガブリエーリ「マニフィカト」は17声で4グループに分かれ、その半分以上は作曲者が器楽か声楽か指定してなくて、演奏者が決めることになっているそうだ。
今回は、扇状に広がる会場の座席後方に二つのグループを左右一つずつ配置するという大胆なものだった。しかもそこに入る楽器が管楽器ばかりなので、エコーを大胆に伴うド迫力なサウンドである。
かくして東京文化会館の小ホールがサン・マルコ大聖堂に変身。往年の輝かしい分割合唱の響きとはこのようなものであったか……と古楽ファンとしては感動の涙であった(T^T)クーッ

なお、休憩後の最初には本来このコンサートに出演予定だった故・渡邊さとみ氏への追悼演奏があった。ビクトリア「わたしの竪琴の音は哀しみとなり」で管楽器も全員参加。これにも泣けました。
福島氏によると、彼女はスペイン留学中にW・クリスティに才能を見込まれてスカウトされたとのこと(すごい✨)。亡くなる直前までメールでコンサートについて連絡を取っていたけど、健康上のことには全く気付かなかったそうである。合掌(-人-)

盛りだくさんで内容充実、事前解説付きでチケット4500円とは超得公演だった。
次回は5月にA・スカルラッティ、12月にモンテヴェルディ聖母の晩課とのことだ。

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2019年12月 7日 (土)

「エマ・カークビー ソプラノ・リサイタル」:降りるは簡単、上るは苦難、ステージへの道

191207 北とぴあ国際音楽祭2019
会場:北とぴあ さくらホール
2019年11月7日

今年も来ました恒例の北とぴあ。北区民のありがた~い税金による音楽祭であります。
この音楽祭とエマといえば数年前の『妖精の女王』が思い出される。今年はオペラの参加はなくて単独コンサートだ。

前半はつのだたかしのリュート共に英国ルネサンス歌曲。後半は寺神戸亮率いるアンサンブル(総勢9人)との共演でバロック名曲選、という盛りだくさんな超お得プログラムだった。

ルネサンスものの方はダウランド中心で、他にキャンピオン、J・ダニエルも。会場は多目的で1300人収容という広さで、この手の音楽には向いていない。でも、か弱そうなエマの声は驚くほど鮮明に大きく届いた。歳は取ってもやっぱりエマ✨であった
ただ、さすがにリュートの音については苦しいものがあった。

バロックの方はヘンデルの信奉者だったというW・ヘイズの声楽曲で開始。歌詞の中に登場するホルンが実際に加わって演奏した。
英国ものなら定番パーセルの後は、なぜかその後バッハ。やはりバッハを入れないとダメなのかしらん。
しかし、事前のチラシでは最後の演奏が「コーヒー・カンタータ」からになっていたのを変更して、「やはり今年のオペラはヘンデルなんで」ということで結局ヘンデルに差し替えられたとのこと。
ということで、バッハはロ短調ミサからの1曲だけで、ヘンデルが「メサイア」と「アルチェステ」からとなったのだった。

エマの歌唱はパーセルやバッハよりもヘンデルの方が冴え渡っていて、この変更は吉と出たのである。
器楽曲ではバッハの「オルガン小曲集」をアンサンブル用に編曲したのがよかった。対位法の心地よさが満ちあふれるように感じられる~(^^)~

アンコールは「結婚カンタータ」より。
カーテンコールでエマと寺神戸亮が手を目の上にかざしてしきりに客席を見ている。何かと思ったら前半のつのだたかしが客席にいるはずなので、探していたらしい。
そして、手招きされてつのだ氏が客席から立ち上がり、ステージ上へ……行くはずが、なんと客席のフロアから壇上へと上がる階段がないのだった(!o!) かくしてステージの下にいるまま彼は会釈するという羽目に。
階段ないのは、興奮して上ってくる客を防止するためでしょうかね⚡

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