古楽

2020年1月24日 (金)

「オリーブ・コンソート」:巨匠が来りて超絶笛を吹く

Photo_20200124205701 会場:東京文化会館
2019年12月15日

ケース・ブッケ、W・ファンハウヴェの超ベテラン組と田中せい子&D・ブラジェッティによるリコーダー・カルテットである。
「ヘンリー8世の手写本」、フェスタ「ラ・スパーニャによる125のコントラプンティ」、「ロイヤル手写本」という3種のルネサンス曲集からの曲を演奏し、その間にブッケ、ファンハウヴェがそれぞれベリオの「ジェスティ」を独演するという興味深い構成だった。

曲集の方はポリフォニー豊かで巧みなアンサンブルが楽しめた。特にフェスタの12曲が心地よい。

ベリオの曲はリコーダーやっている人には有名なのだろうか。田中せい子によると「特殊奏法は非常に難度が高いため、練習半ばで挫折する奏者の方が多い」そうな。ヒエ~ッ💥
実際にベテラン二人の演奏をそれぞれ聞いてみると、確かに超絶技巧に口アングリ状態だった。ただ、シロートとしてはうめき声とか鼻息などはどういう風に楽譜に書いてあるのかしらん、なんてことを考えたりして。

休憩無し約80分でアンコール2曲。大変に密度が高く、聞きがいのあったコンサートだった。終演後はサイン会に長蛇の列が出来ていた。
収録があって、そのうちNHK-FMで放送される予定らしい。「ベスト・オブ・クラシック」枠だと多分時間が余りそうだ。

|

2020年1月13日 (月)

遅まきながら2019年を振り返る

200113a 今更ながらではあるが、一応やりました。
それにしても最近ますます記事を書くのに時間がかかってしまい(気力の問題)どうしようという感じですね。

【映画】
順序はなんとなく。完成度より好みで選んでおります。

『未来を乗り換えた男』
『あなたはまだ帰ってこない』
この二作、それぞれ裏表を成している。こういう構造の映画がつくづく好きなんだなあと自分で再認識した。
もし、今年の一作を選ぶとしたら『未来~』だろうけどそういうのに限ってロードショーをスルーしてしまい、DVDで見る羽目に……トホホ(=_=)

『ちいさな独裁者』
ほぼ全員悪人! 日本で同じような内容のものを作ったら「反日」とか「非国民」と言われるのは必至であろう。

『たちあがる女』
とにかく発想がすごい。力強いラストにも感動。

『誰もがそれを知っている』
スター俳優夫婦を迎えて甘口に、と見せかけてイヤ~ン味が5割増しになっていた。

『荒野にて』
俳優陣がみな味がある。最後に登場する人物が平凡な「普通の人」っぽいのがよかった。ハリウッド映画だとあそこにピカピカした外見の人を当ててしまうだろう。

『エンテベ空港の7日間』
『バハールの涙』
*『2人のローマ教皇』
*『家族を想うとき』
この4本の中からどれを選んでもいいかなと。

以下2本ドキュメンタリー枠。
『主戦場』
*『人生、ただいま修行中』

「トイ・ストーリー4」と「エンドゲーム」は感動的ではあるものの微妙であった。
TVシリーズでも面白いものが続々と登場。ただ、あまりに長すぎると『ゲーム・オブ・スローンズ』や『ハウス・オブ・カード』みたいに終わりに近くなってガタガタになってしまうので難しい。

★部門賞
*監督賞:ロベルト・シュヴェンケ(『ちいさな独裁者』)
その根性が気に入った。
*男優賞:フランツ・ロゴフスキ(『未来を乗り換えた男』『希望の灯り』)
次点=マハーシャラ・アリ(『グリーンブック』『TRUE DETECTIVE 猟奇犯罪捜査』)
*女優賞:メリッサ・マッカーシー(『ある女流作家の罪と罰』『パペット大捜査線』)
*ベストカップル賞:アンソニー・ホプキンス&ジョナサン・プライス(『2人のローマ教皇』)

*最優秀悪役賞:チョ・ウジン(『国家が破産する日』)
スクリーンに向かって物を投げたくなるほどの見事な悪役ぶり。
*最驚別人賞:ブノワ・マジメル(『あなたはまだ帰ってこない』)
事前に出演していると知らなければ、見ても分からなかった。
*最強恐怖症:『リンクル・イン・タイム』の巨大化したオプラ・ウィンフリー
そのままホワイトハウスに行って中の住人もろとも踏み潰して欲しかった。
 
*最凶邦題賞:『ビリーブ 未来への大逆転』
代案は「ルース・ベイダー・ギンズバーグここに登場 文句がある奴は六法全書かざしてかかって来やがれ」。2020年は既に『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』に決定と言われている。
 
*ちゃぶ台ひっくり返し賞:『永遠の門 ゴッホの見た未来』
この賞は、見終ってあまりの内容に思わず「なんじゃ、こりゃ~。観客をなめとんのか!」(ノ-o-)ノ ~┻━┻ガシャーン と、ちゃぶ台をひっくり返したくなる気分になった映画に与えられる栄光ある賞である。(あくまでも個人的見解です!
いや別に詰まらないとかではなく、見てて目が回って気分が悪くなったもんで……👀

★映画関係のトホホな出来事
その1-以前見た映画(しかも気に入らなかった)なのに、すっかり忘れてリバイバル上映見に行ってしまった。10分ぐらい見てから気付いた。
その2-シネマカリテと新宿武蔵野館を間違えて行ってしまい、ネット予約したのにチケットが出ないとスタッフのおにーさんに迷惑をかけてしまった(_ _)スマヌ
てっきり自分はもうボケてしまったかと落ち込んだが、十年以上前にもシネスイッチとシャンテシネ間違えて行ったことがあったので、これは性格だと気を取り直した💡

 【コンサート部門】
コンサートの感想も書くのが遅れ、さらに書かずに終わったものがあった。
「ヴァレア・サバドゥス&コンチェルト・ケルン」
「ルベルとルクレール」
「バルバラ・ストロッツィ 生誕400年記念コンサート」
「佐藤俊介とオランダ・バッハ協会管弦楽団」
「ソフィオ・アルモニコが綴る 爛熟のイタリア」
「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」
「ヘンデル リナルド」(北とぴあ国際音楽祭2019)

★コンサート関係でオドロキ(!o!)な出来事
その1-風と共に楽譜が飛びぬ事件
その2-ヴァレア・サバドゥス譜面台ずり下がり事件


【録音部門】200113b
2019年に日本で流通したものから。新譜ばかりを聴いてるわけではないので、数が少ない。
*「パリ・アルバム 初期フランスのトリオ・ソナタ集」(ヨハネス・プラムゾーラー&アンサンブル・ディドロ)
プラムゾーラー、少し前に来日したんだよね。他のコンサートとかぶって行けなかったのだが……行けばよかった💧
*ブクステフーデ、テレマン、バッハ「新たに生まれし嬰児 クリスマス・カンタータ集」(シギスヴァルト・クイケン&ラ・プティット・バンド)

*"HERE IF YOU LISTEN"(デビッド・クロスビー)
*「JONI75~ジョニ・ミッチェル・バースデイ・セレブレーション」

|

2020年1月 9日 (木)

ヘンデル「リナルド」:こいつばかりがなぜモテる?

200109a 北とぴあ国際音楽祭2019
演出:佐藤美晴
演奏:寺神戸亮&ラ・ボレアード
会場:北とぴあ
2019年11月29日・12月1日

『リナルド』というと、何年か前にNHK-BSで放映されたのを見たことがある。R・カーセン演出でグラインドボーン音楽祭で上演されたものだ。その時は登場人物がハリー・ポッターみたいな制服を着ているファンタジー学園ものを模していた。確か『ET』みたいに自転車が飛んだのを記憶している。

今回は舞台上に演奏者がいるセミステージ形式とは言え、背後に巨大な割れた鏡が置かれていて、全体にも鏡(=魔法か)のモチーフが頻繁に使用されていた。

主役はBCJでもお馴染みCTのクリント・ファン・デア・リンデで、衣装やカツラで純朴青年風のイメージとなっている。ヒロインのアルミレーナ扮するフランチェスカ・ロンバルディ・マッズーリは小柄でカワイイ感じ。
純粋無垢な二人に立ちはだかるのが魔女アルミーダだが、派手な出で立ちで登場するのが去年は貞淑な妻を演じていた湯川亜也子だ。全く正反対の役だが身長があるので迫力ある魔女にもピッタリだった。相手役のフルヴィオ・ベッティーニはマフィアの首領みたいに登場して笑わせてくれた。二人合わせると、ギャングとその情婦にも見える。
全体には純朴な少年少女を、大人の(倦怠期?)男女がちょっかい出して邪魔をしておびやかすという図式っぽい。

私は二日目の方に行ったのだが、初日の後に「湯川亜也子よかった」というネットの書き込みが相次ぎ、実際見てみたら本当に歌も演技もなるほど納得の出来だった。
彼女のアリアでオーケストラの通奏低音の面々の顔を撫でて回る場面があって、日頃縁の下の力持ちでスポットライトを浴びることの少ない通底諸氏をニヤニヤと喜ばせたのである。

このように、オケが舞台に乗っているので曲自体にある歌手との掛け合いの部分も目に見えてよく分かった。トランペット隊が軍隊の役割を果たす演出も面白い。ただ、戦争の場面はあっさりし過ぎていたかな。
上尾直毅は昨年同様に奥に座っていたので、ヘンデルが当時弾いたであろう華麗なるチェンバロソロの時も「音はすれども姿は見えず」状態だったのは残念である💨

十字軍の司令官ゴッフレード役の布施奈緒子とその弟・中島俊晴の身長差は30センチぐらいか(^^? わざとデコボココンビにしてるのだろう。

このように、演奏・演出など全体に大満足できた公演だった。次回はリュリの『アルミード』が予定とのこと。しかもクレール・ルフィリアートルが出演予定なので今から大いに期待である。
県民だけど、北区民の皆様のありがたい税金で楽しませていただきまーす(@^^)/~~~

ネットで200109bラモーをやって欲しいという意見を見かけた。しかしラモーはこの音楽祭の最初の頃にもう5作やっちゃってるんだよね……。当時はまだ景気のいい頃だったので、バレエを大々的に導入して大がかりな美しい舞台だった。
クリストフ・ルセが指揮した年があって、自分のコンサートがその「裏番組」になってしまった某チェンバロ奏者が公然と罵ったという逸話あり(あくまでも噂ですよ(^^;)。
なお、今年の秋に神奈川県立音楽堂でBCJがやはり『リナルド』やるそうな。ええー❗そこまでのリナルド人気なぜ? まさかコンマスはこちらも寺神戸氏じゃないよね。
 

|

2019年12月30日 (月)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 1月版

年末年始は意味もなくアセアセ(;^_^Aしています。

*5日(日)フランチェスコ・ドゥランテ ナポリ・対位法の魔術師(リクレアツィオン・ダルカディア):近江楽堂
*8日(水)鈴木雅明×若松夏美デュオ・リサイタル:紀尾井ホール
*10日(金)G.B.ヴィヴィアーニ 朝吹園子バロックヴァイオリンリサイタル:近江楽堂
*14日(火)チェンバロ競演 ヘンデルとスカルラッティ(中川岳):近江楽堂 ♪入場無料
*22日(水)深淵なるバロックの響き2 サクバットを中心に17世紀初期のウィーンの響きを(青木洋也ほか):日本福音ルーテル東京教会
*25日(土)ヘンデル ヨシュア(ヘンデル・フェスティバル・ジャパン):浜離宮朝日ホール
*29日(水)上尾直毅チェンバロリサイタル ルイ・クープランの世界:近江楽堂

これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

|

2019年12月18日 (水)

「ガブリエーリとシュッツ 神聖なる響きの大伽藍」:上野にあの大聖堂出現

191218 演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団
会場:東京文化会館小ホール
2019年11月11日

ガブリエーリ(ジョヴァンニ)とシュッツ、日本ではなかなかナマで聞ける機会は少ない作曲家である。
この二人、なんか関係があるの(^^?なんてシロートは思ってしまうが、若きシュッツはヴェネツィアに留学して晩年時のガブリエーリに学んだそうである。そして十数年後に再びヴェネツィアを訪れたシュッツは、大規模な合唱からオペラや小編成のものに流行が変わっていて驚いたそうだ。シュッツの作品自体も作曲年によって大きな変化が起こる。
なんて話が開演前に福島康晴から解説あって本番突入である。

総勢合唱が9人、器楽11人が曲によって頻繁に入れ替わる。特にコルネット×2、トロンボーン×4という布陣は豪華。往年のヴェネツィアの輝かしい響き、そしてその後に移り変わっていった変遷(シュッツが目の当たりにした)を二人の作品から聞かせてくれた。

コーラス総出の華やかな曲があれば、マドリガーレの影響を受け情念を前に押し出して表現したものもある。
そんな中で非常に印象が強かったのは、シュッツの「我が息子アブサロムよ」。珍しくも歌手がバス一人でトロンボーンは4人という編成に、亡くなった息子を悼む内容である。サウンド的にはかなり風変わりではあるが心に迫ってくるものがあった。

その他、様々な組み合わせで楽器と声の響きを楽しめた。例えば、ガブリエーリの「会衆の中で主をたたえよ」はコーラスの第2グループはほとんど「ハレルヤ」しか歌わない。さらに楽器のグループも別にあって、その掛け合いが見事で華やかだった。

ラストのガブリエーリ「マニフィカト」は17声で4グループに分かれ、その半分以上は作曲者が器楽か声楽か指定してなくて、演奏者が決めることになっているそうだ。
今回は、扇状に広がる会場の座席後方に二つのグループを左右一つずつ配置するという大胆なものだった。しかもそこに入る楽器が管楽器ばかりなので、エコーを大胆に伴うド迫力なサウンドである。
かくして東京文化会館の小ホールがサン・マルコ大聖堂に変身。往年の輝かしい分割合唱の響きとはこのようなものであったか……と古楽ファンとしては感動の涙であった(T^T)クーッ

なお、休憩後の最初には本来このコンサートに出演予定だった故・渡邊さとみ氏への追悼演奏があった。ビクトリア「わたしの竪琴の音は哀しみとなり」で管楽器も全員参加。これにも泣けました。
福島氏によると、彼女はスペイン留学中にW・クリスティに才能を見込まれてスカウトされたとのこと(すごい✨)。亡くなる直前までメールでコンサートについて連絡を取っていたけど、健康上のことには全く気付かなかったそうである。合掌(-人-)

盛りだくさんで内容充実、事前解説付きでチケット4500円とは超得公演だった。
次回は5月にA・スカルラッティ、12月にモンテヴェルディ聖母の晩課とのことだ。

|

2019年12月 7日 (土)

「エマ・カークビー ソプラノ・リサイタル」:降りるは簡単、上るは苦難、ステージへの道

191207 北とぴあ国際音楽祭2019
会場:北とぴあ さくらホール
2019年11月7日

今年も来ました恒例の北とぴあ。北区民のありがた~い税金による音楽祭であります。
この音楽祭とエマといえば数年前の『妖精の女王』が思い出される。今年はオペラの参加はなくて単独コンサートだ。

前半はつのだたかしのリュート共に英国ルネサンス歌曲。後半は寺神戸亮率いるアンサンブル(総勢9人)との共演でバロック名曲選、という盛りだくさんな超お得プログラムだった。

ルネサンスものの方はダウランド中心で、他にキャンピオン、J・ダニエルも。会場は多目的で1300人収容という広さで、この手の音楽には向いていない。でも、か弱そうなエマの声は驚くほど鮮明に大きく届いた。歳は取ってもやっぱりエマ✨であった
ただ、さすがにリュートの音については苦しいものがあった。

バロックの方はヘンデルの信奉者だったというW・ヘイズの声楽曲で開始。歌詞の中に登場するホルンが実際に加わって演奏した。
英国ものなら定番パーセルの後は、なぜかその後バッハ。やはりバッハを入れないとダメなのかしらん。
しかし、事前のチラシでは最後の演奏が「コーヒー・カンタータ」からになっていたのを変更して、「やはり今年のオペラはヘンデルなんで」ということで結局ヘンデルに差し替えられたとのこと。
ということで、バッハはロ短調ミサからの1曲だけで、ヘンデルが「メサイア」と「アルチェステ」からとなったのだった。

エマの歌唱はパーセルやバッハよりもヘンデルの方が冴え渡っていて、この変更は吉と出たのである。
器楽曲ではバッハの「オルガン小曲集」をアンサンブル用に編曲したのがよかった。対位法の心地よさが満ちあふれるように感じられる~(^^)~

アンコールは「結婚カンタータ」より。
カーテンコールでエマと寺神戸亮が手を目の上にかざしてしきりに客席を見ている。何かと思ったら前半のつのだたかしが客席にいるはずなので、探していたらしい。
そして、手招きされてつのだ氏が客席から立ち上がり、ステージ上へ……行くはずが、なんと客席のフロアから壇上へと上がる階段がないのだった(!o!) かくしてステージの下にいるまま彼は会釈するという羽目に。
階段ないのは、興奮して上ってくる客を防止するためでしょうかね⚡

|

2019年12月 2日 (月)

「模倣か独創か パーセルとイタリアのマエストロたちのトリオ・ソナタ」:ソナタ・ワールドカップ英×伊は勝負より融合

191202 演奏:レザミ・ドゥ・バルバスト
会場:近江楽堂
2019年11月2日

ヴァイオリン天野寿彦、コリーヌ・オルモンド、チェロ山本徹、チェンバロ辛川太一という4人で、パーセルのソナタを中心として英国バロックの変遷を聞くコンサートである。
C・オルモンドはフランス出身。バルバストという土地で開かれた古楽講習会で天野・山本と知り合い、アンサンブルを組んだという。今回は10年ぶりらしい。

パーセルというと声楽曲系がよく演奏されるけど、実際には器楽曲も多い。30代半ばで亡くなったのによくこれだけ多岐に渡る作品を残したと感心する。長生きしていればどれだけ名作を生み出していたかと思う。

プログラムは前半がパーセルに影響を与えたとおぼしきローズ、M・ロックにウィリアム・ヤングと、パーセルのソナタを交互に演奏した。
英国では「ソナタ」という言葉はなかなか定着せず、「ファンタジー」「組曲」「エール」などと呼んでいたそうな。ヤングという人は初めて曲集に「ソナタ」を使ったらしい。

後半は「イタリア趣味の音楽の台頭とパーセルのトリオ・ソナタへの影響」でマッティス、カッツァーティ、コレッリ、ヴィターリの作品が登場。
ジェームズ2世がイタリア貴族のメアリーと結婚したため、イタリア人音楽家たちがロンドンへ向かい人気を博したそうである。
パーセルは初めて「ソナタ」としてイタリア風トリオ・ソナタ集を出したとのことだ。これらを交互に演奏していくことで、類似点や影響を探っていく。

このように意欲的なテーマの下の凝ったプログラムだったけど、演奏は決して古びた音楽ではなく躍動的かつホットなものだった。
しかし内容が地味なせいか空席が目立った。(ほとんど身内だった?) 聞き応えたっぷりで充実してたのに~、残念。

4人目のメンバー辛川氏はまだ20代半ば?、J・ロンドーよりもっと若い。先輩方を引き立ててそつのない演奏。将来有望ですね、オバサン応援しちゃう(@^^)/~~~


ところで、近くにいた外国人男性が頻繁にスマホを取り出して(ほとんど楽章ごとに)何かをチェックしているので、なんなんだ💢これは!と思ったけど、後から考えるとラグビー・ワールドカップ決勝の経過を確認していたらしい。
「どっちが勝ったんですか?」って聞けばよかったかしらん。

|

2019年11月30日 (土)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 12月版

秋の怒濤のコンサート・ラッシュが過ぎればはや師走です(+_+)ショボ

*1日(日)ローレンス・ドレフュス氏を迎えて 上野学園大学古学研究室演奏会:石橋メモリアルホール
こちらも聞きたかったのに、先に北とぴあのチケット取っちゃってたもんで……。
*  〃  ヘンデル リナルド(寺神戸亮&レ・ボレアードほか):北とぴあさくらホール
*5日(木)Now may we syngyn 中世イギリスのキャロル(トルブール):近江楽堂
*8日(日)選り抜きダウランド(つのだたかし&波多野睦美):松明堂音楽ホール
*13日(金)有田正広&有田千代子 in明日館
*15日(日)オリーブコンソート:東京文化会館小ホール
*24日(火)リュートとテノールによる英国歌曲の夕べ(水越啓&佐藤亜紀子):近江楽堂
*25日(水)木の器 クリスマスコンサート:近江楽堂
*27日(金)鈴木秀美チェロ・ピッコロリサイタル:近江楽堂
*30日(月)ビストロ・バロック!:スペース415

これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」をご覧ください。

|

2019年11月25日 (月)

「アンサンブル・マレッラ」:本場フレンチのかほり

191125 会場:近江楽堂
2019年10月31日

エマニュエル・ジラール率いるフランス人4人と日本人ヴァイオリニストによるアンサンブル。レパートリーはロマン派まであるそうだが、この日はマレ、フォルクレ、ルクレールというモロに「18世紀フランスバロック黄金期」(チラシより)をやった。
かつてベルサイユに流れた本場の音を味わえて嬉しかった( ^o^)ノ。

前半がマレ特集で、この少し前に石橋ホールで聞いたマレの「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘」をここでも聞くことが出来た。冒頭の「鐘」のフレーズはテオルボの演奏で開始だった。
ヴァイオリンの神谷未穂は豪快な弾きっぷり。モダンのオーケストラでも活躍しているとのことだ。

親密な曲調のヴィオール曲からルクレールのヴァイオリン・ソナタまでメンバーの息もぴったりと合って、これぞアンサンブルの醍醐味だろう。

もう一人のガンバ弾きL・デュブランシェは日本に留学していたということで日本語うまくて驚いた。
テオルボのT・ルッセルは、俳優の誰かに似ているような気がして(二枚目!)コンサート中ずーっと考えていたが、思い出せぬまま終了。かなり攻めな態度の通奏低音であった。
一方、通常鍵盤弾きの人は自分が弾いてない時はじっと譜面を見たりしているものだが、今回のS・ドセは違っていた。腕を組んで曲に合わせて身体揺らしたり、隣にいるルッセル氏が通底弾くのをチラっと見ては「おぬし、やるな( ̄~ ̄)ニヤニヤ」したりして……ちょっと変わっている。

またバロックもののコンサートをやってもらえたら聞きに行きたい。

|

2019年11月13日 (水)

「ミューズの力 恋する女性たち」:通底弾けば鐘が鳴るなり聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モン

191113 フランス・カンタータの世界
演奏:クレール・ルフィリアートルほか
会場:石橋メモリアルホール
2019年10月20日

ル・ポエム・アルモニークで活躍してきたソプラノ歌手クレール・ルフィリアートルを迎えて、フレンチ・カンタータに登場する女性を浮かび上がらせる。
日本側の奏者は寺神戸亮、上村かおり、前田りり子、曽根麻矢子という布陣である。

リュリの「町人貴族」で開始で、前半一番盛り上がったのはモンテクレールのカンタータ「恋の繰り言」であった。レチとアリアの繰り返しの中に恋する女の激しい感情の波が浮かび上がる。

後半では終盤の二曲続けて、クレランボーの「メデ」とカンプラの「アルテ」から、で最高潮になった。扱っている神話は異なるものの、「最愛の者を手にかけざるを得なかった悲劇の女性」が主人公である。

ルフィリアートルの歌唱は怒濤のように全てをさらけ出すというのではなく、抑制された中に感情を表現しているようだった。このジャンル特有の甘美なる哀しみが存分に味わえた。
バロックの修辞や装飾法などは素人なのでよく分からないが、フランス語歌曲の美しさはさすが本場の人は違う✨と感じた。アンコールはランベールだった。

当時の器楽曲も交互に演奏された。一番の聴き応えはやはりマレの「聖ジュヌヴィエーヴ・デュ・モンの鐘」だろう。寺神戸亮のヴァイオリンは「メデ」でも活躍、「飛び回れ、悪魔よ♪」という一節では見事に悪魔を飛び回らせていた。


全くの余談だが、会場の入口に「ぶらあぼ」が山になって積んであったので「おっ、最新号🎵」と思っていそいそと貰った(毎月18日に発行)。そうしたらなんと先月に出たヤツだった。もう最新号出てるのに~。
私以外にも数人だまされて持って行った人がいたようである。

|

より以前の記事一覧