古楽

2020年5月21日 (木)

【回顧レビュー】「愛は恐ろしきもの」

200425t 平常が復活するまで過去の公演を振り返る。

演奏:セクエンツィア
会場:東京文化会館小ホール
1994年12月21日

セクエンツィアはベンジャミン・バグビーとバーバラ・ソーントンの中世音楽専門の二人組ユニット。
この時は3人での来日公演で、主に13世紀の宮廷歌曲とフォン・ヴォルケンシュタインの作品を演奏した。
「ニーベルンゲンの歌」は歌唱というより完全に朗誦だった。そのように宮廷で叙事詩が披露されたのだろう。

何といってもソプラノのソーントンの声は、一点の濁りもなく金剛石のように硬質な美しさを放っていて、この時代の音楽にふさわしいものだった。40歳前に亡くなってしまったのが残念である。
ハープと歌唱担当のバグビーは演奏家というより研究者っぽく、典型的な「気難しいユダヤ系インテリ」に見えた。あと一人女性のフィドル奏者が参加していた。

セクエンツィアはソーントンがなくなった後も編成を変えて数回来日していた。この手の音楽の来日公演はめっきり減ってしまった。やはり人気が少ないんですかね。

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2020年5月12日 (火)

【回顧レビュー】「北とぴあ国際音楽祭 プレ'94」

200421t 平常が復活するまで過去の公演を振り返る。

会場:北とぴあ
1994年11月21~28日

東京・北区で現在も開催されている音楽祭、この年が最初だった。全体のプログラムを見るとレクチャー、スクールコンサート、公開レッスンも多く行われている。

合唱と古楽が中心で、BCJのヘンデル「メサイア」がオープニングだった。
私が行ったのは「W・クイケン&上村かおりデュオ」。M・ロック、サント・コロンブ、クープランなど。アンケート書いてサイン色紙をもらった(今でも持っている)♪

「オリジナル・メンバーによるバッハの名曲」はブランデンブルクを演奏。クイケン兄弟、鈴木雅明にヴァイオリン・トップは寺神戸亮とフランソワ・フェルナンデスなどなど。
どうでもいいことだがフェルナンデスは首がシュッと長いなあと感心したことを覚えている。

「バロックの音楽とダンス」はホグウッド&エンシェント・ミュージック管弦楽団が登場。彼らのバッハとヘンデルをバックにバロックダンサーが踊るという豪華版。
器楽のみの演奏ではヴィヴァルディのチェロ協奏曲を鈴木秀美が独奏を担当した。思い返せばヒデミ氏は当時まだ30代後半だったはず。エラく貫禄があった。


「北とぴあ国際音楽祭」は内容や規模、運営法を変えつつも、現在もまだ続いている。東京では多くの古楽系の音楽祭は長続きしてない中、大したものである。やはり継続は力なり、ということだろう。
もちろん北区には足を向けて寝ていませんよ(^◇^)

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2020年5月 5日 (火)

【回顧レビュー】「マドリガル・コメディ」

200418tb 平常に戻るまで昔のコンサートを振り返る。

第11回〈東京の夏〉音楽祭
会場:パナソニック・グローブ座
1995年7月8~12日

音楽祭のテーマは「笑いのかたち」で古楽部門はクレマン・ジャヌカン・アンサンブルのメンバーの公演が中心だった。

このステージは、上演形態はヴェッキ、バンキエリなど複数の作曲家の作品をつなぎ合わせ仮面音楽劇として再現したもので、A・メロンを含むECJの歌手たちに加え器楽奏者、俳優、ダンサー、アクロバットも参加する大掛かりなものだった。これを4回上演したのである。

主人公の道化役はD・ヴィスが非常に張り切って飛び回り演じ歌っていた。この手のジャンルのバカバカしさと猥雑さがいかんなく発揮されていたと記憶している。
これ以外にECJによるルネサンス歌曲、メロンのソロ公演、さらに石橋メモリアルホールでのヴィス単独(これも聞きに行った)があった。

歌詞カードが残ってなくて間違って捨てちゃったのかしらんと焦ったが、この当時には珍しい字幕付き上演だった。
こういうドタバタした笑いはいつの時代も民衆に必要とされるが、歴史をさかのぼって金をかけてわざわざ再現することは少ない(そもそも困難か)。その意味では貴重な機会だった。

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2020年5月 1日 (金)

【回顧レビュー】モンテヴェルディ「聖母マリアの夕べの祈り」

200414t 平常に戻るまで昔のコンサートを振り返る。

第10回〈東京の夏〉音楽祭
会場:サントリーホール
1994年7月6日

この音楽祭のオープニング公演である。指揮はルネ・ヤーコプス、演奏コンチェルト・ヴォカーレ、ラ・フェニーチェ、歌手はバーバラ・ボーデン、マリア・クリスティーナ・キール、アンドレアス・ショルなど。
このメンバーに加えて、グレゴリオ聖歌専門の合唱団(指揮者も別)もいるという豪華な陣容だった。

作品についての知識もなく、とにかく聞いて華やかな曲だなーと思ったと記憶している。
非常に暑い日でホールのエアコンが利いてなくて、外の方が涼しいのでは?と休憩時間に外に出てみたらやっぱり暑かった。

バブル期とほぼ重なるように開催されてきた音楽祭、この年も豊富な内容の編成だった。これ以外の古楽関係はモンテヴェルディと同時期のバロック歌曲、ヤーコプスのソロ公演があり、他にジョン・ゾーン、マイケル・ナイマンの自作公演、さらにはベトナムの伝統音楽なんてのもあった。

古い資料の沼を掘り返してようやく発掘できたのだが、この年より古いものは見つからないので、このあたりから古楽コンサートに行き始めたようだ。どうしてこれに行く気になったのかは全く覚えていない。

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2020年4月30日 (木)

聞けずに終わった!古楽コンサート 5月版

5月も予定していたコンサートがすべて中止または延期になってしまいました(+o+)トホホ
しょうがないのでタイトルだけ書いておきます。

*マリアン・コンソート
*「いき」フェルメール時代のリュート音楽(佐藤豊彦)
*帰ってきたひまな日曜6 古歌巡礼(つのだたかし&佐藤裕希恵)

コンサートじゃないけど
*少女仮面(糸あやつり人形一糸座)

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2020年4月24日 (金)

【回顧レビュー】「アンナ・マグダレーナ・バッハの日記」

200404t 監督:ジャン=マリー・ストローブ、ダニエル・ユイレ
出演:グスタフ・レオンハルト
西ドイツ・イタリア1967年

平常に戻るまで昔の公演を振り返るシリーズ。
コンサートではないがこんな映画のチラシが出てきた。言わずと知れたグスタフ・レオンハルトがバッハを演じた異色作だ。ケーテン公をアーノンクールがやってて二人で合奏の場面もある。
ドラマチックな表現を完全に消去した「伝記」(しかも演者の外見がモデルに全く似ていない)は衝撃であった。それまで多く作られてきた、そしてこの後もやはり多く作られ続けた「伝記映画」の概念を揺るがす一作と言えるだろう。

この時代のチラシとかプログラムはどれも不思議なことに年の記述がなくて月日しかない。ただ「バッハ生誕300年記念」とあるので1985年12月公開だと分かる。映画館は移転前のユーロスペースだった。
チラシの裏には高橋悠治が書いた紹介文が載っている。

映画自体の製作は60年代末だが、日本でストローブ&ユイレが紹介されたのはこの時が初めてらしい。
2003年にリバイバル上映されたのは知らなかった。今やればもっと古楽ファンが見に来るかもしれない。
なお、DVDが出ているがタイトルが「アンナ・マクダレーナ・バッハの年代記」なのでご注意。

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2020年4月22日 (水)

【回顧レビュー】「バッハ・コレギウム・ジャパン第16回定期演奏会 クリスマスコンサート」

200403t *コンサートが軒並み中止になっているので、復活するまで大昔のコンサートを振り返ってみることにした。

会場:カザルスホール
1994年12月

BCJに初めて行ったのがこの時かどうかは不明。今のところ掘り出したプログラムはこれが一番古い。

内容はほとんど覚えていないのだが、クリスマスということで友人を誘って行ったような気が……。内容は「クリスマス物語」などシュッツを3曲演奏。コンマスは寺神戸亮、ツィンク(濱田芳道)やサックバットも入っていた。
古楽を初めて聞いた友人がツィンクの音と楽器を認識できなかったのを覚えている。

保存してあるBCJのプログラムはこの次はいきなり1997年(紀尾井ホール)になっていて、その間行ってなかったのかどうか分からない。引き続き発掘してみる。

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2020年4月 1日 (水)

聞かずば死ねない!古楽コンサート 4月版

なんと予定していたコンサートは全てキャンセルになってしまいました。_| ̄|○
5月は復活できるといいですね、トホホ(+o+)

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2020年3月15日 (日)

「時はたちどまり」:厳戒態勢につき異例尽くし

200315 パルドンレーベル30周年記念コンサート
演奏:つのだたかしほか
会場:ハクジュホール
2020年2月29日

新型コロナウイルス警戒中⚡ でもコンサートは行っちゃいました~(^O^)/
つのだたかし主宰のパルドンレーベルが30周年祭りとなり、それを記念するメデタイものなのである。そのためか事前にはチケット完売とのことだった。
がしかし(!o!)蓋を開けてみると、かなり空席が目立って寂しかった。この非常時ゆえ外出を控えて来なかった人が多かったもよう。チケット代返金も検討というアナウンスもあってか、取りやめた人が多かったようだ。

前半はレーベルからソロアルバムを出している歌手3人(冨田みずえ、鈴木美紀子、波多野睦美)がそれぞれつのだ氏のリュートと共に歌った。
鈴木美紀子はフランスもので、他の二人は英国ルネサンス歌曲だった。前半の締めにモンテヴェルディの「西風はまたもどり」を三人で(二声用の曲だが)歌った。その効果あってかまるで風がわき立つように声が会場に響き渡ったのであった。

後半は一転してタブラトゥーラが登場。
普段の公演ではつのだ団長から聴衆に向けて「ブラボー!」の声かけが要請(強要)されるのが通常。ところが今日は唾が飛んで感染リスクありということで、なんと「ブラボー」自粛の要請があったのだった。(!o!) こんなことはタブラ史上初ではないか。大変な事態である。
しかし演奏の方は通常運転で自粛してなかったけど👊 時間が押しているということで、恒例の楽器紹介は猛スピードで行われた。これまた異例だ。

ラストはまた三人の歌手も加わって、ジプシーについて行ってしまう領主の奥方の曲をやって盛り上がった。
人に歴史あり音にも歴史あり、ということを感じさせるコンサートだった。ウイルスにも負けず聞けてヨカッタ🎵


ただ、前半にトラブルがあった。
途中で中年男性がバサッと自分の膝からプログラムやチラシを払い落としたのだ。デカい音立てて二度も、である。それも舞台で歌っている最中だ。落としてしまったから拾うのかと思ったら何もせずそのまま。
と思ったら、今度は隣に座っていた女性が同じ列の空席に移動したのだった。
で、休憩時間になっても拾わず床にばらまいたままなのである。と思ったら、ロビーでスタッフに何やら大きな声で文句をつけている。空席があるのだからそれぞれ離して座らせないのはおかしいと言っているようだった。

事情はよく分からないが、推察するに席がたくさん空いているのに自分の隣席に座っているのが気に入らなかったのではないかと思われる。それで気に食わなくてヒス(オステリー)を起こしてチラシをわざと落としたのではないか。それに男性の横は3人分空席だったので、イヤだったら自分が移ればいいのだ。

でも本来は完売なのだから、座席は全部埋まっていることになるはず。途中から来る人もいるだろうし。それを主催者側が勝手に振り分けて均等に座らせるわけにはいかないだろう。

なんかお子ちゃまではないんだからさあ……いい歳こいた大人がやる事ではない。音立ててコンサート自体妨害しているわけだし。
結局、そいつは後半も聞いてたけど最後まで床にチラシぶちまけたまま帰っちゃった。

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2020年3月 7日 (土)

「リコーダーで奏でるナポリと南イタリアの原風景」:ウイルスにも勝つ!ナポリ愛

200307 ソプラノ、バロックチェロ、チェンバロとともに
演奏:イル・メルロ
会場:近江楽堂
2020年2月28日

新型コロナウイルス感染症のため続々と公演中止続く中、行ってきちゃいましたよ。
リコーダー奏者「桐畑奈央 帰国記念演奏会」と銘打たれているが、実際はソプラノ小野綾子、チェンバロ上羽剛史の3人組イル・メルロの本邦デビュー公演と考えていいみたいだ。
彼らは同時期にミラノの音楽院にいてアンサンブルを組んでいたとのこと。

この日はゲストでチェロの懸田貴嗣が参加して、ナポリ楽派のリコーダー作品を中心に演奏した。
ファルコニエーリのソナタで開始。アンサンブル曲、ソプラノ独唱曲、チェンバロ・ソロなどを交えて展開した。

パンドルフィ・メアッリのソナタは桐畑奈央のリコーダーが攻めまくり、聴衆が「おお」と息をのんで聴くような勢いだった。
一方、マンチーニのリコーダー・ソナタは「鍵盤の練習にも最適」と楽譜に書かれているほどにチェンバロにとって難しいと、上羽氏はコメントしていたがその割にはノッて弾いていたような。息子スカルラッティの独奏曲もお見事であった。
楽器は会場備え付けでないチェンバロ(イタリアン?)で、それについての話も聞きたかった。

ポルポラや親スカルラッティをうたった小野氏については声量の豊かさに驚き。近江楽堂では狭すぎてはみ出しているような印象だった。オペラの舞台なんかでも聞いてみたい。
彼女は音楽院でのイタリア人(特に女性)とのコミュニケーションの取り方が難しくて、日本人とアンサンブルを望んでいたとのこと。それについて、先輩の懸田氏に話を振ったが彼は言葉を濁してあまり語らず……。
こういう時は「いやー、こんな出来事があって」と聴衆の驚き&同情をかき立てるようなエピソードを披露してほしかったぞ。

全体にナポリ愛に満ち満ちたコンサートだった。ウイルス感染騒ぎでギリギリな時期だったけど、聞けて良かった(^^)v
ただ、咳を過激にゲホゲホとしている人がいて、周囲の客を少なからず恐怖に陥れていた。カンベンしてくれ~💦

ところで、懸田氏は終演後に「親子ほど年齢が違う」とか話していたのを耳にした。本当にそんなに差があるの❓

オペラシティのチケットセンターでは、ジャルスキーのポスターに「公演中止」の無情なシールが貼られていた。
( -o-) sigh...

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