古楽

2018年8月 8日 (水)

ヘンデル オペラ「アリオダンテ」:夏休み宿題・原稿用紙5枚で感想文を書け

180808
主催:日本ヘンデル協会
音楽監督・演出:原雅巳
会場:東京文化会館小ホール
2018年7月21日

ほぼ毎年見ている日本ヘンデル協会のオペラ(前回はこちら)、今年は「アリオダンテ」でヘンデルが個人でオペラ興行を始めた第1作だという。
となれば当然リキが入った作品--ということで、成功をおさめたそうな。

前回同様、大西律子をコンマスとするオーケストラ陣は舞台の右側に配置、管楽器はその時によって出たり入ったりしていた。
歌手は上演当時のようなジェスチャー付きで歌う方式である。

スコットランドの王女ジネーヴラは父王公認で騎士アリオダンテとラヴラヴheart04婚約して、幸せいっぱいshineという第1幕だったのに、第2幕から3幕途中にかけて運命急転直下down
アリオダンテはまさかの死亡(!o!) 王女は不貞の疑いをかけられて逮捕、暗雲漂う中、決闘騒動へ。--と、激動の展開であった。

王女役の佐竹由美は以前、バッハのカンタータで聞いたことあるが、キャラクター的にはヘンデルのヒロイン向きかどうかやや疑問。別の作曲家(パーセルとか?)で聞いてみたいと思った。
また、タイトルロールのメゾソプラノ中村裕美は歌唱の方は頑張っていたが、男役としてはどうよsweat01な印象だった。
あと、歌い始めの出だしを数回間違えた人もいたりして……。
バロック・ダンスが入ったのは楽しかった。

一番目立ったのは、やはり敵役のCT上村清仁。堂々たる悪役振り発揮の歌唱で、もはや貫禄付いてましたよ(^o^)b カーテンコールでは拍手喝采full

音楽監督の原雅巳は一応指揮をしていたが、細かい所は各奏者に任せていたっぽい。レチとアリアの間隔が微妙に間延びしていて、あまりいただけなかった。間髪入れずにアリアへ移行--という所で興が乗る面もあるので。

ステージで歌手が歌い始めているのに、遅れてきた客を入場させることが数回あった。他のタイミングなら、調弦直している時など合間があったのに、全く関係ないタイミングで入れるのである。
他会場のオペラでもそういうツイートを見たことがあるので、遅れてきて入れないと暴れる人がいるのだろうかなどと思ってしまった。

あと謎だったのは制服姿の男子中学生がやたらといたこと。なんで(^^?) もしかして、夏休みの感想文提出課題かしらんpencil

もう一つ、このシリーズは毎回自由席で、早い人は1時間ぐらい前から並んでいるようなのだ。ほぼ満員に近いのだから、指定席制にしてほしい。色々、システムや費用の関係などあるかもしれないが。席を取った取らないで揉めてた人もいたしね。

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2018年8月 1日 (水)

J・S・バッハ「ゴルトベルク変奏曲 (弦楽四重奏版)」:名作を4で割っても名作だ

演奏:原田陽ほか
会場:近江楽堂
2018年7月17日

バッハの鍵盤曲を合奏曲に編曲して演奏するのは珍しいことではない。例えば、オルガン曲の「トリオソナタ」とか--。この「ゴルトベルク」も、フレットワークによるガンバ・コンソート版のCDを持っている。
解説文によると、ブラスアンサンブル版もあるとか。

原田陽が編曲したこの四重奏版は、ヴァイオリン2人(もう一人は上野美香)、ヴィオラ(島田玲)、チェロ(高橋麻理子)という編成である。
各曲ごとに4人全員でやるものもあれば、2人だけというのもある。

楽器同士の組合せや受け渡しも面白く、バッハ先生の対位法が生き生きと表現されていたと思う。原田氏の編曲の手腕に負う所も大きいだろう。
弦の響きも心地よかった。


なお、ヴィオラの島田女史より最後に、西日本豪雨で水没した児童施設への支援の呼びかけがあった。そしたら、会場出口の募金箱には札がドーンdollarと投じられていて(諭吉でなくて英世の方だと思いますが(^^;)正直ビックリした。この会場に来ている方々の生活レベルが何となくうかがえましたよ、ハイ。

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2018年7月30日 (月)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 8月版

真夏のコンサートは効き過ぎの冷房との闘いもありますtyphoon

*3日(金)甘き歌声、天使の響き(中原智子ほか):近江楽堂
*6日(月)音楽と美術の幸せな結婚 「ルーヴル美術館展」の名画と音楽(大塚直哉+ヤマザキマリ):よみうり大手町ホール
*15日(金)ラ・ムジカ・コッラーナ:豊洲シビックセンターホール
*22日(水)ルネサンス・フルートとサクバットで綴るオデカトン(ソフィオ・アルモニコ):サルビアホール
*  〃   ビーバーとケルル 17世紀ドイツとオーストリアの教会音楽(コレギウム・ムジカーレ):日本福音ルーテル東京教会
*26日(日)パーセル・カンパニー:近江楽堂
*31日(金)ラモー カンタータ「オルフェ」(アンサンブル・レ・フィギュール):近江楽堂

これ以外はサイドバーの「古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)」もご覧くださいまし。

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2018年7月19日 (木)

「ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌」:歌う門には神来たる

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演奏:セコンダ・プラティカ
会場:日本福音ルーテル東京教会
2018年7月11日

セコンダ・プラティカは器楽声楽合わせて多国籍の9人のグループ。メンバーの一人が日本人(ヴァイオリンの鷲見明香)で、ずっと来日の機会を考えていたという。2回のコンサート以外にも男声だけの小公演やワークショップなどをやったらしい。

この日のプログラムは16世紀ごろを中心に、ポルトガルで歌われた曲を取り上げたもの。3つの種類があって、教会でラテン語で歌われた宗教曲、同じく宗教歌ながら教会の外で作曲家が作りポルトガル語で歌われたもの、さらに民衆に伝わる宗教的な伝承歌や舞曲である。

教会内の聖歌は写本をそのまま大きな譜面台に置いて、当時のようににみんなで見て演奏する。ポルトガル語の聖歌はステージ前方で、さらに伝承歌はステージを降りて歌う、と分けていた。
典礼曲の合間に様々な曲が入り、まったく聖俗の区別なくとりまぜてパフォーマンスが続き、渾然一体となっている。
ある時はアカペラ、またある時は器楽含めて全員で……という調子で、楽器と歌の両刀使いの人もいた。

途中での解説によると(ちょっと声が聞き取りづらい位置の席だったので、不正確かも)、音楽は人生の一部で人々と切り離すことはできない。ルネサンス期の人にとっては人間の一部であり、ポルトガルから南米に向かう船には必ず4人の音楽家を乗せたほどである。ジャンルの違いはあっても人が必要としたものなのだ。
この日の曲目の中には400年間歌われることがなかった初演の曲もあるし、700年前のグレゴリオ聖歌もある。
そのような文化遺産をどう演奏するか。過去の教会音楽がどう歌われたのかは今では分からない。しかし、民族音楽を研究することで宗教音楽を歌うことができる。民衆の間で、今に至るまで長く歌われてきた伝承曲によってルネサンス期を学べるのだ。だから、伝承歌も入れた--ということである。

まこと、それにふさわしく、当時の民衆の信仰や心情が生き生きと立ち現われてくるようなコンサートだった。思わず熱烈拍手( ^^)//゙☆゙☆゙☆

なお、開演が30分遅れたのだが、なんとメンバーの一人が道に迷って、開演時刻までにたどり着けなかったとかimpact 新大久保のネオンに目がくらんだかな。

それと、余計なお世話だが、会場は教会の礼拝堂。コンサートに関係なく「ペットボトル持ち込み禁止」掲示がしてある。神社やお寺の本堂で飲食しないでしょう。
しかし、堂々と礼拝台(←でいいのかな?名称不明)にペットボトル置いて飲んでいる人多数いた。開催者はちゃんとアナウンスすべきではないだろうか。


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2018年7月15日 (日)

「クープランとその後」

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フランス・バロック トリオの夕べ
演奏:天野寿彦ほか
会場:近江楽堂
2018年7月9日

サブタイトル通り、フランスでクープランが初めて取り上げたソナタ、そしてその同時代や後年の作曲家たちの作品をたどるプログラム。
天野氏以外のメンバーはもう一人のヴァイオリンが吉田爽子、ガンバ平尾雅子、チェンバロ辛川太一である。

クープランとその後継者ルクレールは2曲ずつ。いずれも過去に録音で聞いたことがある作品だった。全体にテンポは遅めで、じっくり強く攻めるといった演奏である。
同時代に宮廷楽長だったルベルはあまり取り上げられない作曲家……の割には「リュリ氏のトンボー」は聞きおぼえがあるなあ(゜_゜)と思ったら、ロンドンバロックやリチェルカール・コンソートのCDに入って聞いてた。
この演奏もかなり重々しく激しいものだった。

珍しかったのは、ジャケ・ド・ラ・ゲールのソナタ。彼女の作品は大昔のFM放送で「ルイ14世に寵愛された女性作曲家」として紹介されたチェンバロ曲しか聞いたことがない。こういうアンサンブル曲も作ってたのかと驚いた。
これがまた、二つのヴァイオリンが互い違いに絡み合って、その中央にガンバがズンズンと入ってくるという、かなり変わった印象のソナタである。

さらに、1698年生まれのフランクールに至っては初めて聞いた(多分)。年代的にはプレ古典派に入るだろうけど、このプログラムの中ではあまり違和感なし。こういう所で、フランス・バロックの特殊性を感じるのであった。
アンコールは、内容にふさわしくクープランの「リュリ讃」で終了。

若手二人のうち吉田女史は秋からスイスに留学とのこと。がんばって~(@^^)/~~~
もう一人の辛川氏はなんか見覚えが……(^^?)と思ったら、「アントレ」誌の6・7月号の記事で、今年の山梨の国際古楽コンクールで入賞者として紹介されているじゃあ~りませんか。
まだ22歳の大学院生sign01若いsign03しかも達者な演奏flair 今後も期待大であります(o^-')b


さて、若いと言えばこの日オペラシティに向かう人波がなぜかキャピキャピと「若い娘」度がやたらと高い。はて、珍しいこともあるものよと、近江楽堂のそばにあるチケットカウンターの掲示を見れば、同じ時にコンサートホールでやるのは某音大のブラスオーケストラの公演であった。
な、なるほど、こういう内容だと平均年齢が50歳ぐらい下がる(当社推定比)のねsweat01 さらに近江楽堂に間違えて来るオバサンの類も皆無だった。

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2018年7月 8日 (日)

「Ut/Faコンサート」:暑さ寒さもエアコン次第

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演奏:宇治川朝政ほか
会場:近江楽堂
2018年6月9日

これまでリコーダーの宇治川朝政とチェンバロ福間彩のユニットとして二人だけでやっていたUt/Fa(ウトファ)、今回はゲスト参加があった。ヴァイオリンの渡邊さとみである。

彼女は宇治川氏とヨーロッパ留学中に同じ学校にいて共演したことがあるとか。以前はフランスでレザール・フロリサンなどに参加していたらしいが、現在は日本で活動中。確かBCJでもお見かけした記憶がある。
単独で演奏するのを聞くのはこれが初めてである。

フランスもの特集ということで、マレの組曲から始まりデュパール、ルクレール、クープランなどが演奏された。
ルクレールのヴァイオリンソナタはかなり個性的でアクの強い印象。それを渡邊女史は剛腕風に弾きまくる。
また、「王宮のコンセール」は優美さよりはキレッキレでカミソリの如き演奏で、うわーっsign03こんな弾き方をする人だったんだと驚いたのであった。会場はその強力さに思わず茫然の体となった。

他に、福間女史のチェンバロ独奏はやはりクープラン。
そしてリコーダー曲はラ・バール(←多分、初めて聞いた)の元々はフルート作品より。ここで、宇治川氏はおもむろにフランスで作ってもらったという「オトテールが残したテナーリコーダーのレプリカ」を(嬉しそうに)取り出して使用した。これが外見が尺八っぽくて、音の方もなんだかシブい。
終章のシャコンヌがかなり技巧的で、楽器だけでなく演奏も見事なものだった。

アンコールはリュリのコミック・バレ「恋は医者」の編曲版より。曲の説明を宇治川氏が始めたのだが途中でなぜかグダクダになり、結局、福間女史にバトンタッチしたという……。大丈夫か(@_@)

1週間前に同じ会場でやった有田正広&前田りり子のコンサートでは冷房が寒くて震えたので、今度はしっかり防寒対策して行ったら、この日は効いてなくて暑かった(!o!) なんたること。
気温が上がるとチェンバロとリコーダーは逆方向に音程が変わるそうなので、調律は大変だ~。

次回は新企画のレクチャーコンサートをやるらしい。楽しみであるよnote

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2018年7月 3日 (火)

「フルート・デュオの世界 その2 有田正広&前田りり子」:吹いてから喋るか、喋ってから吹くか

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フルートの肖像 14
会場:近江楽堂
2018年6月2日

同じ会場でバルトルド・クイケンと共演コンサートをやってからはや5年(!o!)も経っちゃたとはビックリ。そして、第二弾はやはり師匠の有田正広とである。
昼夜2回やったが、私は夜の方に行った。

意外にも、二人だけで共演するのは初めてだとのこと。
曲は大体時代順に進んだ。オトテールに始まり、ブラヴェ、W・F・バッハ……。使う楽器もそれぞれ変えていく。
合間にクヴァンツとテレマン、それぞれ独奏タイムもあった。りり子女史演奏のクヴァンツは「メチャクチャ難しい曲」で、なんでも吹くのは学生の時以来だそうだ。
W・F・バッハの二重奏ソナタは第1・第2パートが入れ子のようにクルクルと入れ替わり、まるでエッシャーのだまし絵のようだった。こんな曲を書いてたんですなあ。
最後はもはや古典派といった感のシュターミッツという作曲家で終了した。

演奏も共演なら合間のトークも共演。りり子女史が、幼少期よりフルートを始めてバロックと出会った経緯をつんのめるように語れば、それを鷹揚に受けて語る有田氏、という印象だった。トークも夜は2回目だからか、滑らかに進行であった)^o^(
モダンをやっていた彼女がバロックフルートを吹くようになったのは、福岡での公開レッスンをきっかけに師事したいと思ったからだそうだ。しかし、彼が大学で教えているのはバロックだけ、ということで急きょ「転向」して受験したとのこと。

一方、有田師匠の方は学生時代に高額なバロックフルートを見つけて入手したかったが、金がないので父親に借金して購入。結局そのまま借金踏み倒してしまった……など。
師匠は高そうな楽器を何本も所有しているので、てっきりものすごい資産家なのかと思っていたら、なんと親不孝者だったdangerという恐るべき過去が明らかになったのである。

その他、「古楽とは何か」などという対話もあったりして、トークの方も興味深かった。
アンコールはモーツァルト、テレマン、オトテールだった。
またそのうちデュオ・コンサートお願いします。次の共演は誰とになるのかな。

なお、同じ会場で数週前にやった佐藤豊彦のコンサートでは冷房が効かなくて困っていたのが、今度は逆に効き過ぎて寒いtyphoonぐらいだった。外はかなり気温高い日だったと思うが。
ニット一枚持っていたが全く足りないぐらい。要対策である。

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2018年6月30日 (土)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 7月版

早くも夏sun突入であります。

*3日(火)フランス音楽の旅 3 ヴェルサイユ盛期(ヴィアッジョ・ムジカーレ):東京中央教会
*9日(月)クープランとその後(天野寿彦ほか):近江楽堂
*11日(水)ミサ・ムンディ 祈りの歌、祝いの歌(セコンダ・プラティカ):日本福音ルーテル教会 ♪14日に横浜公演あり
*13日(金)トン・コープマン パイプオルガン・リサイタル:ミューザ川崎 ♪16日に所沢公演あり
*17日(火)ゴルトベルク変奏曲 弦楽四重奏版(原田陽ほか):近江楽堂
*18日(水)中世の聖なる響き ヒルデガルド・フォン・ビンゲンとノートルダム楽派の音楽(エロディー・ムロほか):近江楽堂
*21日(土)ヘンデル アリオダンテ(日本ヘンデル協会):東京文化会館小ホール
*25日(水)フェードルとイポリト(横町あゆみほか):近江楽堂
*  〃   タブラトゥーラ真夏のライブ 30年後の逆襲:ハクジュホール
*27日(金)アルプスを越えた音楽 ルネサンスノハーモニー(高橋美千子ほか):日本福音ルーテル教会
*  〃   バロックバスーン四重奏 ラ・フェニックス:近江楽堂

これ以外はサイドバーの古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)をご覧ください。

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2018年6月27日 (水)

「マドリガーレ・コンチェルタート」:夜景サービス付き公演

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モンテヴェルディとその周辺
演奏:エクス・ノーヴォ室内合唱団
会場:豊洲文化センターホール
2018年5月30日

このグループの公演を聞くのは初めて。指揮の福島康晴と各パート2名ずつというメンバーである。
19時開演なのに18時20分開場(自由席)とちょっと早いのはどうなのよ?と思ってたら福島氏が出てきてプレトークをやった。
マドリガーレの発達の歴史をたどる内容で、ア・カペラとは現代で言う意味とは違って、四声の曲があれば声も楽器もそれぞれなぞるということだったとのこと。その後、「通底」という概念が出てくる。
やがて歌をなぞるだけでなくなり、器楽の独立したパートが登場する。それが「マドリガーレ・コンチェルタート」ということだそうな。勉強になりました(#^.^#)

このグループは、これまでずっと宗教曲をやってて、今回初めて世俗曲を演奏したそう。全曲、独立したヴァイオリンと通奏低音のパートがある曲である。
全13曲中、モンテヴェルディは4曲で、残りはヴァレンティーニ、マッツォッキ、ロヴェッタ(後者二人は初めて聞く名前)だった。

曲によって、歌手5人になったり器楽も通奏低音だけになったりした。テオルボは佐藤亜紀子、鍵盤の桒形亜樹子はオルガン&チェンバロの二段重ねを使用、加えて櫻井茂のヴィオローネも参加。
前半の最後に歌われたモンテヴェルディ「私は燃え上がり~」は彼の得意技(?)の暗くて激しい曲で、その情念がヒシと伝わってきた。

ヴァレンティーニの「あの小鳥はとても甘美に歌い」では作曲者自身が指定している「水で満たしたクレタ島の小夜啼鳥」という正体不明の楽器が登場chick 衝立の陰から演奏された。かなり個性的な音である(^^;
正体はおもちゃの鳥の形をした笛で、なんでも、福島氏がイタリアの友人にどういうものか尋ねたところ送ってきてくれたそうだ。

続くマッツォッキは3曲とも「濃ゆい」という言葉がピッタリな印象。それにしても、マドリガーレってこういう暗めの詩がやたらと多いですなあ。
ラストはやはりモンテヴェルディの長めの曲で、さすがにコーラスにやや乱れるところがあったような気もした

とはいえ、全体的な感想としては大いに満足full 日本でモンテヴェルディというと鈴木美登里率いるラ・フォンテヴェルデが断トツだと思っていたが、その他にも日本でこれだけ歌えるグループがいたのかいsign03と、正直なところ驚いた お見それしましたm(__)m
次回は「HBS333」にちなんだプログラムらしいが、できたらまた行きたいと思う。
器楽陣のヴァイオリンは二人とも若手の女性。これからの活躍を期待しております。

この会場は初めて来たが、ビルの5階ということで、どこからそのビルに入っていいのかまず戸惑ってしまった。(雨降ってたし)
ステージの奥と右側がガラス張りになっていて、東京湾方面(多分)を見渡せる風景が美しい。視界の半分を隣接のマンションが塞いでいるのが無念だけど(@_@;)
新しくてキレイで座席もゆったりしててよいのだが、そのガラスのせいかやや音がデッド気味なのは残念だった。


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2018年6月22日 (金)

ヘンデル「アルチーナ」:美魔女じゃダメかしらん

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二期会ニューウェーブ・オペラ劇場
演出:エヴァ・ブッフマン
指揮:鈴木秀美
開場:めぐろパーシモンホール
2018年5月19・20日

二期会が若手の歌手を起用してバロック・オペラをやるのは、同じくヘンデルの『ジューリオ・チェーザレ』以来である。
予算方面が苦しいところがあってなかなか開催できない、というチラシがプログラムと共に入っていて色々と大変そうである。

『アルチーナ』自体はヘンデル・フェスティバル・ジャパンでも鑑賞した。
今回は、オーケストラは鈴木秀美指揮で古楽系演奏家で固め、歌手は二期会の若手(ダブルキャストで私が行ったのは20日の方)、演出、装置、衣装はオランダから招いた(3人とも女性)という形だった。

魔女アルチーナは最初から熟女マダ~ムkissmarkみたいなイメージ。セットの中に寝台もあって、ウブな若者ルッジェーロ(登場時は高校の制服みたいな格好)を愛欲でたぶらかし……という濃厚味で開始したのであった。
しかも彼女の頭には赤のハート形のようなカツラが乗っかっている。「ああ、これはラストでこのカツラがぽろっと落ちるんだろうな」と思ってたら、ポロッではなかったけど予想通りになった。まあ、誰でも予想つくだろうけど。
それに反比例するかのように、ルッジェーロはダラけた高校生から段々と紳士風の服装になっていく。

かように衣装やカツラ、靴などに色々と意味が隠されているようなのだ。さらに、妹魔女のモルガーナは登場時からわざとカツラとって見せたり、ブーツを履くのをことさら強調したり、ブトウやバナナをもぐもぐ食べてたりする。(舞台上でバナナbanana完食したのには驚いた)
その意味は見てて分かるような気がするが、分からないような気もする。

今まで散々男たちをたぶらかして動物に変えてきた魔女が、「一人前」の大人の男となった若者に、初めて裏切られて煩悶し破滅する--というのは、ヘンデル先生作品の解釈として正しいかどうかは不明である。
しかし、大掛かりな装置を使ったバロックオペラというのは滅多にないので、見られただけでもありがたいという気分であった。

オーケストラは前回ちょっと不満なところがあったが、今回はヘンデル節がよーく発揮できていた。ピットを休憩中に覗いたら、やはり全体にマイクがセッティングされていた。そうでなければ、広い会場でピットに入っている佐藤亜紀子のテオルボ、あんなによく聞こえるわけないわなear

歌手の方々は「初めて二期会デビュー」などという若手もいたりして、出来は様々のようだったが、タイトルロールの渡邊仁美は「敗れ去る傲慢な熟魔女」を濃厚によく演じていたと思う。

資金獲得など大変かと思いますが、また次回の開催をお待ちしております(^o^)丿


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