古楽

2018年11月11日 (日)

「フライブルク・バロック・オーケストラ mit キャロリン・サンプソン」:女3人寄れば

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会場:トッパンホール
2018年10月22日

キャロリン・サンプソンとFBOの組合せと言えば少し前にバッハの「結婚カンタータ」の録音が出ていた。今回それとほぼ同じプログラムで来日。東京では2回公演があって、わたしはトッパンホール(久し振り!)の方に行った。

複数コンマス交代制を取るこのグループ、今回はA・K・シュライバーという見た目は小柄なオバサンな人が担当である。
冒頭はバッハ先生の「はとこ」にあたるというヨハン・ベルンハルト・バッハの「管弦楽組曲」で耳慣らし。テレマンのいたアイゼナハで活躍していたそうな。バッハ先生より遥かに地味な印象だが、ライプツィヒで演奏されたことがあるとのこと。

ここからキャロリン登場。CDにも入っているBWV199、ワイマール時代の曲だそうで、第4曲のアリアでは低音の弦は流動する雑音のような響きを発するけど、美しいソプラノとの組み合わせで快に転じる。
また第6曲のヴィオラだけがバックに回るコラールも、組合せの妙だった。

後半はまずオーボエが主役の「オーボエとヴァイオリンのための協奏曲」から。「2台のためのチェンバロ~」BWV1060の原曲とされている。
オーボエ独奏者はカタリーナ・アルフケン、大柄な女性でヴァイオリンのシュライバーと身長20センチは差がある。あまりに大柄なので持っているオーボエがソプラノリコーダーに見えるほど……(^Q^;;)ナンチャッテ
小柄でも爆発パワーのシュライバーとの、二人の掛け合いが躍動的だった。

再びキャロリンが出てきて、いよっfuji待ってましたの「結婚カンタータ」である。バッハ先生の作品の中でもとりわけ明るく美しい曲が、彼女の澄んだ声によって会場を満たした(トッパンホールもちょうど心地よい響き)。オーボエも絡むように活躍。器楽陣は強固さと柔軟さを併せ持ち、聞いていて幸せな気分になれたのであった。
しかし、この曲が演奏された結婚式が誰のものなのか記録に残されていないそうだが、音楽史に残る幸福なカップルheart02に違いない。

かように非常に満足できたコンサートだった。
ところで、数年前のベルリン古楽アカデミーの公演で活躍していたリュートのリー・サンタナがここにも出現していた。CDでは参加していないけど……人気者なのか(^^?)
関係ないけど、二人いるチェロ奏者のうち若い女の人の方、エマ・ワトソンに似てましたな(^o^)丿 本当にどーでもいいことですが。

↓演奏された2曲のカンタータが収録のCD。これでキャロリンの魅力にはまるのじゃ。
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↓こちらではアルフケンのオーボエが活躍。
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2018年11月 4日 (日)

「クープラン賛」:祭りは進行中

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フランソワ・クープラン生誕350年記念演奏会
演奏:廣江理枝ほか
会場:東京藝術大学奏楽堂
2018年10月21日

いよいよクープラン祭りも佳境となってまいりましたfuji
こちらは泣くアーティストも黙る東京藝大、その「上野の森オルガンシリーズ」の一環として、ここ奏楽堂でもクープラン祭りが行なわれようとしております。
まずはプレトーク開始、オルガン専攻教授廣江理枝と古楽専攻教授大塚直哉がステージ上に登場です。

前半の曲目について大塚氏が解説。「王宮のコンセール」は楽器指定なくて、様々な編成で演奏できるとか、「クラヴサン奏法」は教則本で原タイトルは「チェンバロの触り方」だというようなお話に続き、進行上大塚氏が今度は質問役に回り、廣江氏から後半の「教区のためのミサ曲」について。オルガンのストップの説明がありました。

遂に本番開始です。大塚+前田りり子で「王宮のコンセール」、次はポシティフ・オルガンに変えて野々下由香里ソプラノで「ルソン・ド・テネーブル」を。
聴衆はウットリheart01と聞き入り--と言いたいところですが、会場が少人数編成には向いていないため今一つ隔靴掻痒な響き。折角のフラウト・トラヴェルソの繊細な音も「遠い……ear」であります。

その後はチェンバロ独奏で「クラヴサン奏法」と「クラヴサン曲集」より。前者からの演奏は珍しいでしょうか(^^?) やはり音量的にはキビシイものがありながらも、大塚氏の熟練した指先より奏でられる夢見るような調べに今度こそ聴衆もウットリheart04--と言いたいところですが、休日昼下がりという時間帯ゆえ眠気虫の一部発生を見たのは致し方ないところでありましょう。

後半戦はこの奏楽堂が誇るガルニエ・オルガンによる「教区のためのミサ曲」であります。側面から援護ということか、休憩中にはオルガン専攻(?)の学生さんによるこのオルガンのCD販売もありましたが、いかんせん声が小さい。若者よ覇気を持てpunch売って売って売りまくれと言いたい。
あ、いや私はCD買ったわけではありませんがね……(声が小さくなる)

正面の大オルガンに廣江氏、左側のバルコニー席に春日保人氏と声楽科の学生さん2名が聖歌隊として陣取り、おお気分はまるで教会であります。下の客席にいるのは不信心者ばかりだがな~(@∀@)

曲はオルガンがミサの一節を引けば、それを引き取るように続いて単旋律聖歌を聖歌隊が歌うという趣向。ただオルガン部分はクープランが作曲したものだから、そこだけ聞いてもどの部分にあたるのかは分かりません。しかし、節ごとに様々なストップを使用して華麗な変化を楽しめるという次第です。やはりパイプオルガンの大迫力はすごいと感心致しました。
クープラン祭りということで、今年は数多くのコンサートが行なわれましたが、このような曲が聞けるのは珍しいことであります。
さすが藝大ヽ(^o^)丿国立だけはある\(◎o◎)/!

とヨイショして持ち上げたupところでこの実況を終わらせていただきます。皆様また次回をお楽しみに(@^^)/~~~

しかし、最後にちょっと文句を言いたい。藝大奏楽堂は1100人収容、それなのになぜ1800人収容の東京オペラシティコンサートホールより聞こえが悪いのか。残響が音楽ホールとしては少ないためだろうか。
想像するに、他の用途にも利用できるように講堂的な目的で作ったのではないか。結果音楽ホールとしては残念な音響に(+_+) 折角の芸術大学なのにねえ。
トイレや通路の広さ・配置など施設面はよく出来ているのにモッタイナ~イfoot

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2018年10月30日 (火)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 11月版

さすがに陽が落ちるのが早くなってきました。

*2日(金)小池耕平リコーダーリサイタル ヴィヴァルディとその周辺:近江楽堂
*3日(土)静かな音楽会(大塚直哉):ウェスタ川越
*  〃  エクス・ノーヴォ室内合唱団演奏会10 HBS333記念:JTアートホールアフィニス
*4日(日)バッハ 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ&パルティータ全曲(佐藤俊介):所沢市民文化センター ♪15日に浜離宮朝日ホール公演あり
*  〃  カペラ・デ・ラ・トーレ:武蔵野市民文化会館小ホール
*13日(火)スペイン再発見(ファミ・アルカイ&アカデミア・デル・ピアチェーレ):王子ホール
*  〃   響きの森 ブクステフーデ ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ(戸田薫ほか):旧古河庭園・洋館
*15日(木)VOX POETICA 詩的な声(佐藤裕希恵ほか):ハクジュホール
*  〃   文化財と古楽コンサート 中世スペインの聖母の歌(ジョングルール・ボン・ミュジシャン):カトリック神田教会
*16日(金)巡礼宿アルベルゲ 中世の巡礼者たちが語る聖母マリアの奇跡の物語(女声アンサンブル・コルニクス):北とぴあつつじホール
*17日(土)秋の都電荒川線ライブ(ジョングルール・ボン・ミュジシャン):都電荒川線三ノ輪橋~大塚駅前
*22日(木)フランコ・ファジョーリ&ヴェニス・バロック・オーケストラ:東京オペラシティコンサートホール
*  〃   フォリアとカナリオ(ジョルディ・サヴァール&エスペリオンXXI):浜離宮朝日ホール ♪三鷹公演あり
*23日(金)バッハ クリスマス・オラトリオ(バッハ・コレギアム・ジャパン):東京オペラシティコンサートホール ♪24日に彩の国さいたま芸術劇場公演あり
*23日(金)・25日(日)モンテヴェルディ ウリッセの帰還(寺神戸亮&ボレアード):北とぴあさくらホール
*29日(木)コレッリ礼讃!!(国枝俊太郎ほか):近江楽堂

ジョングルール・ボン・ミュジシャンはなんと4連チャンだそうです。大忙しrun
これ以外にはサイドバーの「古楽系コンサート情報」をご覧ください(^^)/

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2018年10月26日 (金)

「クピドのまなざし」:教会に音の旋風

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モンテヴェルディの系譜をたどって
演奏:村田淳子ほか
会場:日本福音ルーテル東京教会
2018年10月17日

ソプラノ歌手の村田淳子という人、スイス在住だそうである。名前を聞いたことがなかったが、杉田せつ子ヴァイオリン、北谷直樹チェンバロ、高本一郎リュートという顔ぶれにも引かれて行ってみた。

サブタイトルに「モンテヴェルディの系譜」とある通り冒頭に彼の歌曲が4曲歌われ、その後は後輩筋にあたる作曲家の作品を中心に展開した。

村田氏は強力かつ劇的な歌唱で聴衆を引き付けた。この勢いだとヘンデルあたりまで軽々と歌ってしまいそうである。おまけにドレスの裾で最初気付かなかったが、裸足だったfoot
共演の北谷・杉田のご両人のパワーある演奏に、普通の歌手だと負けてしまいそうだが全く押しの強さで引けを取らず、会場圧倒したのであった。
そんな中で高本氏のリュート独奏曲は、さわやかさにホッと一息shineつけた。

作曲家はカヴァッリ、チェスティなどは知っているが、フェッラーリ、デッラ・チャイアの二人は名前も初めて聞いた。後者は本業の音楽家ではなく航海士で、船上で暇な時間に作曲してたとのこと。ナオキ氏がチェンバロ独奏曲を弾いたが、畳み掛けるような速いフレーズの繰り返しが印象的だった。

プログラム冊子の解説に色々と知らなかったエピソードが書かれていて面白かった。カヴァッリというのは仕えていた貴族の姓を貰ったとか、バルバラ・ストロッツィは当時希少な女性音楽家だったので陰湿な攻撃をされたとか……。やはり(-"-)

ナオキ氏のためにミルコ・ラザールという現代作曲家が書いた器楽作品も披露された。これは杉田氏と共演で(弓を取り替えて弾いていた)もうすぐCDが出るらしい。
彼女は数年ぶりに見た(聞いた)のだが、スカーフ巻くのやめてるのを初めて知った。確かに、あれだと曲ごとに巻き直したりして大変だわな。

村田氏にはバロックオペラでぜひ聞いてみたいと思った。いつかお願いしますnotes


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2018年10月20日 (土)

「J.S.バッハ 音楽の捧げもの」:最大の謎は終わらない

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演奏:寺神戸亮ほか
会場:ヤマハホール
2018年10月13日

土曜の昼間、人波溢れる銀座にてコンサート。プログラムは寺神戸亮を中心とした「音楽の贈りもの」である。他は前田りりこ、上村かおり、曽根麻矢子という面子。
事前には明記されてなかったが、以前、「フーガの技法」を聞いた時と同様、ほとんどレクチャーコンサートと言っていいほどだった。ステージの奥の壁に楽譜映して解説もしたしkaraoke

ただし、一曲目は同じく王様に捧げられた曲ということで、クープランの「王宮のコンセール」から1曲演奏。その後、バッハに突入である。

バッハがフリードリヒ大王を探訪し、曲の作られた経緯から各曲のカノンの構造まで、それぞれ解説しては演奏という次第。休憩入れて約2時間半という完全にチケット代の元が取れる充実ぶりだった。

2声の螺旋カノンでは、繰り返すたびに音が高くなっていくというのをやれるところまでやってみる--ということで、チェンバロ、ガンバ、ヴァイオリンで始めたのを途中でガンバをヴァイオリンが引き継ぎ、それまでのヴァイオリンのパートはフルートが吹いていった。最後にはフルートの音がか細い高音となって息も絶え絶え状態となって終了した。普通はここまではやりません(^^)b

そもそも曲の意図としては、鈴木雅明の説を採用していた。つまり、大王とバッハが曲を通してチクチクとイヤミをやり合っていたというのだ。

そもそも大王はいきなり「王の主題」を出して即興で弾けと言い、3声で弾いたら次は6声を所望。これはいくらなんでも無茶ng
対してバッハは「捧げもの」を献呈したはいいが、カノンの模倣の始まる場所を明示していない曲にわざわざ聖書の一節のタイトルを付けたり、使用楽器を指定している「トリオ・ソナタ」を王が得意とするフルートが一番吹きにくいハ短調で作曲するという、これまたイヤミとしか思えぬのであった。

しかし、そのような当時の思惑とは関係なく、解説終了後に続けて演奏された「トリオ・ソナタ」と「無限カノン」は、達者な面々だけあって耳と心に染み入るものがあった。こんなに理詰めで作曲したのに、なんで聴く者を感動させるのか。これこそが最大の「謎」だろう。

狭苦しい印象が抑えられないヤマハのビルを降りて銀座の街に出た時は、はや夕刻。どこを向いても観光客だらけだ~(@_@;)


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2018年10月 5日 (金)

「謎解きバロック 1 ヘンデル」:上から目線にも負けず

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主催:木の器
会場:近江楽堂
2018年9月14日

宇治川朝政と福間彩コンビの新企画はレクチャーコンサートである。講師は藤原一弘、ゲスト演奏者はヴァイオリンの廣美史帆。
昼夜2回の開催で、私は昼の方に行った。

まずは「リナルド」の序曲から開始。その後は曲の前にレクチャー、という形式で進んだ。曲はそれぞれの楽器と通底によるソナタ、チェンバロ独奏、ラストは全員でトリオソナタだった。

レクチャーは楽譜を壁に投影させて詳しく解説するという本格的なもの。曲ごとに音階や調性、和音など注目点をピックアップし、ヘンデルの技巧をこれでもかと示してくれたのであった。
なお、演奏中は現在残されているヘンデルの肖像画の幾つかを壁に投影。そのうちの一つが、真下にあるチェンバロあたりを睨みつけていて、福間彩が「目がコワイ(>y<;)」と悲鳴を上げたのであった。
もちろん、その視線にも負けず皆さん闊達な演奏を聞かせてくれました(^^♪

日頃、ヘンデルというとオペラやオラトリオの声楽曲が中心に取り上げられるが、器楽も負けずに魅力あるのを実感できた。
ただ、講師がやたらと楽譜を示しては「バッハはこんなことはしない」と強調するのはどうかと思った。バッハばかりが偉大とか言われるのが遺憾なのだろうが、でも普通バッハほめるのに「テレマンなんぞ逆立ちしてもできない、バッハ先生\(^o^)/」とか言わないよね。
次回以降の改善を望む。

この日、私は夜に用があって昼間にしたのだが、客が非常に少なかった。これじゃ夜に一回だけにした方がいいのではと思ったけど、昼しか来られない高齢の奥様方のための開催なのかしらん。


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2018年10月 1日 (月)

聞かねばならない時もある マイナー・コンサート 10月版

大荒れの台風typhoonで開幕です。

*6日(土)上村かおり無伴奏リサイタル:石橋メモリアルホール
*7日(日)ナイトミュージアム バロックチェロの魅力(懸田貴嗣):菊池寛実記念 智美術館
*12日(金)バッハ 音楽の捧げもの(寺神戸亮ほか):所沢市民文化センターミューズ キューブホール ♪13日にヤマハホール公演あり
*14日(日)スペインバロックの舞曲と歌(マリア・クリスティーナ・キール&クリシュナソル・ヒメネス):聖グレゴリオの家
*17日(水)クピドのまなざし C・モンテヴェルディの系譜をたどって(村田淳子ほか):日本福音ルーテル東京教会
*20日(土)光の庭プロムナード・コンサート イタリア・バロックのひびき(吉村怜子):彩の国さいたま芸術劇場 ♪入場無料
*  〃   クープラン賛(廣江理枝ほか):東京藝術大学奏楽堂
*22日(月)フライブルク・バロック・オーケストラ&キャロリン・サンプソン:トッパンホール ♪21日に三鷹公演あり
*24日(水)バロックリュート WeissとBaronの世界(水戸茂雄):日本福音ルーテル東京教会
*31日(水)マハのまなざし(ロベルタ・マメリ&つのだたかし):ハクジュホール

これ以外にはサイドバーの古楽系コンサート情報(東京近辺、随時更新)もご覧ください。

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2018年9月27日 (木)

「秘めたる悲しみ ド・ラ・リューの世俗音楽」:美しき非モテな歌

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ピエール・ド・ラ・リュー没後500年記念コンサート
演奏:相川郁子ほか
会場:近江楽堂
2018年9月7日

今年はクープラン祭りfujiと思っていたら、なんとルネサンス期のピエール・ド・ラ・リューも没後500年ということだった。
この作曲家は2枚ぐらいCD持ってたかなー、などと思いつつ夜の回の方へ行った。

編成は歌手4人はいいとしても、ルネサンスフルート4、コルネット(ツィンク)、サックバット(トロンボーン)、ガンバ各1という珍しい……というか、今まで聞いたことのない組合せだった。

タイトルはド・ラ・リューとなっているが、もう一人の主人公はネーデルランド総督マルグリット・ドートリッシュ(1480~1530年)という人物。彼女は仏王や領主と三回結婚しては死別という波乱万丈の人生で、大河ドラマのネタが尽きたらぜひ(^.^)bとNHKに推薦したいぐらい。
ド・ラ・リューは晩年に彼女に仕えた。で、彼女が編纂した豪華楽譜集の中からこの作曲家の作品を演奏するという趣向である。
曲の合間には彼よりもドートリッシュの生涯の方を詳しく解説するという熱の入り方。もしかしてみなさん歴女(^^?)

演奏の方は声楽に器楽オンリーの曲もあり。編成も様々である。
歌手とフルートそれぞれ3にガンバ、ツィンク、コルネットという曲でも、滑らかに溶け合い、聞いててウットリheart01する。鏑木綾を始めとする歌手陣も充実。しかし、楽器によって音量の差があるのはアンサンブルとして大変そうだった。
意図的に世俗曲を選んだということなのだが、恋愛曲というより何やら暗~く世をはかなむような内容が多い。

「でも、ああ、私は逃れられない 悲しみに破壊されてしまう」
「見捨てられ、ひとり、喜びもなく いずれ私は死ぬのだから」
「恋人というものが語られる時 私はそこに含まれておらず」

といった具合で、息も絶え絶えな様子。三番目なんか500年前にも非モテを嘆く歌があったのかい(!o!)と思っちゃう。
しかし、そんな内容にもかかわらずいずれも華麗にして美しい曲なのであった。

楽器の解説も合間にあった。サクバットはオルガンが普及する前は教会で中心的に使われていたとか、ガンバはこの時代に存在していたかは怪しいなど。

なかなかルネサンス時の音楽を聞ける機会は多くないので、聞けて満足full 今年の末までクープランだけでなくド・ラ・リュー押しでお願いします。


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2018年9月17日 (月)

「大塚直哉レクチャー・コンサート J.S.バッハ”平均律クラヴィーア”の魅力」:素人からマニアまでビックリの弾き比べ大会

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ポジティフ・オルガンvsチェンバロその1
会場:彩の国さいたま芸術劇場
2018年9月2日

近年、チェンバロやオルガンの普及活動に励む大塚直哉、さいたま劇場でレクコンサートがあるというので行ってきました。
自由席なんで、開場時間に行ったら長い行列ができててビックリ(!o!) いくらチケット代2000円とはいえ、こんなに人気があるとは意外である。日曜の昼間だから?
なんと配布のプログラムの数が足りなくなってしまうという事案も発生だ。

ポジティフ・オルガンは劇場所有のもので、それを活用しながら講座やレクコンサートなどやって来たのだが、今回は「平均律クラヴィーア曲集1」をオルガンとチェンバロで弾き比べで聞くという趣旨だった。プログラムには第1番からプレリュード、フーガそれぞれ冒頭部分の楽譜が載っている。
で、大塚氏によると本来はオルガン、チェンバロ、交互に曲を弾いていくはずだったのが、どちらも捨てがたいということで、全ての曲を双方で弾くnotesということになったそうだ。
で、時間が足りなくなるので11・12番は次回回しにするとか(@_@;)

最初に曲集の表紙のコピーを見ながら、成立の過程や書かれた背景などの解説。さらには「平均律」は良い訳ではなく「ご機嫌なgoodチェンバロ」(←大塚氏の友人による)というのがふさわしいなんて話も。
音大の学生さんあたりから素人な方々まで対象とした話をするから大変だ。さすがに「チェンバロとは」なんて基礎知識の説明は省略である。

で、曲ごとに解説を加えつつそれぞれ2種の鍵盤で弾いてゆく。
全く同じ曲ながらやはり風合いが完全に異なる印象だ。特に低音の響き方は別の曲のよう。この曲集はチェンバロで演奏するのが普通なので、オルガンの方は特に目新しい響きである。

しかし、当然解説付きで繰り返して弾くから時間がかかる。結局、休憩含んで3時間たっぷりとかかったのだった。これはやはりチケット代を考えると超お得演奏会dollarといえよう。
これだけ一人で奮闘した大塚氏の鍵盤普及活動には頭が下がりますm(__)m
で、11・12番は片方ずつでしか弾けなかったので、「その2」で復活戦やるんでしょうか(^^?)
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←大塚氏所有のチェンバロだそうな。

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2018年9月 8日 (土)

「ジャン=フィリップ・ラモー」:フランス・バロック最後の光芒

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演奏:アンサンブル・レ・フィギュール
会場:近江楽堂
2018年8月31日

パリ在住の日本人演奏家4人によるグループ、前回はベルニエとクレランボーのカンタータだったが、今回はラモーである。他はどこもクープラン祭りなのに何故sign02珍しいsign03と思ったが、過去にやったからですかね。
昼夜2回公演で、私は夜の方を聞いた。

ゲストはテノールのブノワ・ラモーとヴィオローネのブノワ・ベネットである。このぐらいの小編成でヴィオローネって珍しい気が……。

前半の中心はカンタータ「オルフェ」、後半はオペラ・バレの「ピグマリオン」によって構成されていた。
加えて「コンセールによるクラヴサン曲集」などから合奏曲も演奏。

テノールのラモー(!)氏は声量がかなりあってドーム型の小ホールではガンガンと響き渡ってしまったきらいあり。もう少し大きめの会場の方が良かったかも。

ラモーの声楽曲はあくまでも明晰な印象。抒情的な要素も極めて統制が取れていて感傷に走ることはない。
器楽曲についてはこれまでややとっつきにくい--なんか晦渋さを感じていたが、その裏にあるウィットに富んだ部分を感じ取れたのが新鮮であった。

なお前回の公演でバロックザール賞というのを受賞したそうで、また同じカウンターテナーと共に記念コンサートをやるそうである。メデタイfuji


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